ケイケイの映画日記
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2006年09月11日(月) |
「X-MEN: ファイナル ディシジョン」 |
画像は今回全然見せ場がないミスティークさん@レベッカ・ローミン。お美しい素顔&肢体を見せて下さいますが、個人的に黒髪よりブロンドがお似合いだと思います。あんな普通の良い人のジョン・ステイモスで、レベッカが満足するわきゃーない、と思っていた皆さん、やっぱり離婚しましたね。というのはさて起き。今回お馴染みキャラがバンバンいなくなり、その代わり新キャラも登場。監督はこの作品の世界観を見事に表現していたブライアン・シンガーから、大作づいてきたブレッド・ラトナーに変更しましたが、そのまま前2作の雰囲気を踏襲しながら、ラトナーらしい賑やかな華やかさを出した無難な出来で、まずまず面白かったです。
ミュータントの特殊能力を抑える薬「キュア」が開発されたと知り、その薬をめぐって、人間とミュータントの共存を目指すプロフェッサーX(パトリック・スチュワート)率いるウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)、ストーム(ハル・ベリー)たちと、マグニートー(イアン・マッケラン)率いるミスティーク(レベッカ・ローミン)、パイロ(アーロン・スタンフォード) たちの戦いを描きます。
と、しごく筋は簡単。前2作で描かれたミュータントとしての苦悩や葛藤は、今回キュアという新薬をモチーフにして描かれます。キュアは特殊能力を抑え、人間に「治す」と表現されるような薬です。これにはストームなど「穏健派」のミュータントも激しく抵抗感を表します。これは至極納得出来る話で、ミュータントの能力は病気などではないからです。超能力は「個性」とも言い換えることが出来るはずで、例えはマイノリティと言われる人種の人が「あなた差別されて大変ね。この薬を飲めば白人になれるのよ」と言われて、あーそーですかと喜ぶ人はまずいないもんね。
その攻防戦が大掛かりなCGを使い、コミックが原作なのだと実感させてくれる派手さで、前作を凌いでいます。これが作品の半分くらい占めています。見応え十分ですが、この手合いの宿命、観ている時はとても面白いですが、終わるとすぐ忘れてしまいます。そしてミュータントとしての葛藤も、前作より少々底が浅い気が。それを目くらましするかのごとく、マグニートー一派に新規の能力を見せてくれるミュータントが配属されていますが、それなりに面白いですが、底の浅さをカバーするほどではありません。
しかしながら、自分で力をコントロール出来ないミュータントはどうすればいいのか?やはり人間の敵なのか?ということで、今回「2」で死んだジーン(ファムケ・ヤンセン)がまさかの復活。プロフェッサーXやマグニートーも太刀打ち出来ないほどの力があると、明かされます。
確かに復活したジーンはすんごい力なのですが、びっくりするより「フューリー」「キャリー」「炎の少女チャーリー」など、その手の少女モンの似たような既視感があるので、ファムケは年食った分バージョンアップしているのね、というくらいの感想で、あんまりびっくりしませんでした。というか、もっとジーンを全面に押し出して、マグニートーの役回りを彼女にさせ方が、色々脚本を触れて面白かったかも。私は原作を知らないので、勝手なこと言って申し訳ない。
最初このシリーズが作られた時は新人だったり、まだ新進だった俳優陣も、6年経って頑張って一線級になった人も多く、キャラによっての俳優交替もないので、とても豪華な配役のシリーズになったというのが、一番の売りになるのかも知れませんね。新キャラでは予告編でお馴染みの、翼が生えるエンジェルが飛行する姿が雄大で素敵でした。個人的にはサイクロップス(ジェームス・マースデン)が可哀想で可哀想で。演じるマースデンは、ホアキン・フェニックスのような情けないキャラではなく、「スーパーマン・リターンズ」のような、二枚目路線なのにいつも恋に破れる優等生や二番手役ばっかりで、そういう俳優になっちゃうのかな?
豪華絢爛のアクションとCG、それも一流のを見せてもらって、観て損するような出来ではありません。でもこのシリーズの掘り下げた部分が好きなコアなファンの方は、少々失望するかも。なんとなくウルヴァリン役のヒュー・ジャックマン主演の「ヴァン・ヘルシング」と似たような印象を受けました。エンドクレジットが終わっても席を立たないで下さい。毎度お馴染み重要シーンが出てきます。ファイナルってタイトルにありますが、まだまだやる気十分なようで。
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