ケイケイの映画日記
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2005年11月06日(日) |
「ブラザーズ・グリム」 |
画像は「人三化け七」役のモニカ・ベルッチさん(というかほとんど化け物)と、なんやまたジミー・大西に戻ったんかい、ジェイソン・ボーンの男前ぶりはどこへいったんや!の、マット・ディモンのキスシーンもどき。このキスは未遂に終わりますれば。予告編を観たとき、グリム童話とギリアムの組み合わせとは、なんとぴったりと思って、大いに期待しましたが、これが予告編の方が面白かったのだな。
19世紀のドイツ。ウィル(マット・ディモン)とジェイコブ(ヒース・レジャー)のグリム兄弟は、魔物に取り付かれている場所に出向き、インチキなお祓いでお金を得ていました。しかし弟のジェイコブは大昔から各地に伝わるお話を掘り起こして、いつか本にしたいと思っています。そんなある日、とうとうインチキがばれた二人は将軍トゥランプに捕まり、ある村に起きている連続少女誘拐事件の解決を命じられるのでした。
今までテリー・ギリアム作品といえば、わけわからんけど何だか面白い、というのが私の感想です。その点この作品はとてもわかり易いです。似て非なる作風ですが、ヘンテコリンだけど面白いというとティム・バートンですが、はっきり変な人の深い切なさが胸を打つバートンと違い、シュールでブラックで摩訶不思議なムードがファンにはたまらないはずのギリアムが、何故かこの作品はとっても普通。面白くないわけじゃないですが、大人も子供のそれなりにわかる面白さで特徴に乏しいのです。その的を絞らない作りが、彼の持ち味を損ねて間延びしている気がします。
グリム童話といえば、ちょっと前に私も読んだ「本当は怖いグリム童話」が話題になりましたが、それを彷彿させるダークな作りかなぁと思っていましたが、本当にちょろっとニュアンスだけいくつか出てきて、面白く筋に絡むという感じじゃありません。いくつ出てきたかわかるかが重要らしいのですが(監督談)、そうーかー?えーと、「赤ずきん」「眠れる森の美女」「カエルの王子」「シンデレラ」「ラプンツェル」「白雪姫」・・・、こんなもんかな?
予告編ではもっと登場かと思ったモニカ・ベルッチですが、ちょっとだけよの出演シーンで、ものすごい存在感です。こんな化け物の役を、まだまだ美女美女だけでいける年齢で引き受ける彼女に好感が持てました。やはりイタリア女の情熱でしょうか?(多分違う)。それとも21世紀のエリザベス・テーラーを狙っているのか?(セルフパロディのような美容整形で若返る「別離」みたいな化け物路線もあった)。ディモンはコスプレは似合いませんでしたが、まぁそれなり。彼はジェイソン・ボーン以外はカッコよく見えないんですねぇ。ヒース・レジャーは美貌を隠し誠実で堅物の伝承オタクを上手く演じていました。女狩人役のレナ・ヘディは凛々しく美しくて、名前を覚えておこうと思います。ピーター・ストーメアは、「コンスタンティン」に続き、お茶目さんな悪役が楽しかったです。これからこの路線なんでしょうか?
公開直後の今のところ、ギリアムファンは絶賛、それ以外はアホ・バカ扱いの評価ですが、私は期待はずれでしたが、まぁ普通には面白かったかな?意気込んで観るとダメですが、時間に余裕があればどうぞ。
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