ケイケイの映画日記
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2004年11月25日(木) 「コニー&カーラ」

今日観て来ました。大好きなトニ・コレットがドラック・クィーンに化け歌い踊ると聞き、ものすごく楽しみにしていました。「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」で脚本・主演をこなしたニア・ヴァルダロスが、この作品でも脚本・主演です。もうー、とってもとっても楽しかった!ミニミニ「ザッツ・エンター・ティメント」風の楽しさです。

ビリー・ワイルダーの「お熱いのがお好き」をご覧になっていなくても、ストーリーはご存知の方は多いはずです。この「コニー&カーラ」も設定はとても似ていて、さえない幼馴染のショーガールコンビ、コニーとカーラが、ひょんなことから殺人現場を目撃し、やくざに追われる身となります。逃げ延びたのはロスアンジェルス。そこでたまたま入ったクラブがオカマバーで、女でありながら男のドラッグ・クィーンになりすまして受けたオーディションがバカ受け、一夜にしてそのバーの人気者となります。次々と客は増え続け、その噂はついにギャングの耳に入る事に・・・。

二人が本当に歌い踊るショーは、「オクラホマ」「キャッツ」「キャバレー」「エビータ」などなど、往年から近年まで作品は観ていなくても、歌はどこかで聞いたことがある名曲ばかりで、ノリやすいことこの上なしで、選曲がバッチリでした。若干ニアの踊りのキレが鈍く感じるくらいで、大口開けて気持ち良さそうに歌う二人は、本物のショーガール並みの上手さでした。ワーワーキャーキャー、二人で掛け合うシーンもとても楽しく、女同士の気楽さと親密さとが、よく出ていました。

トニ・コレットは、本当に七変化の女優さんで、頑張るシングルマザー役でも、生活に疲れながらも子供を人生で一番大切に思う、「シックスセンス」、神経症気味で子供に世話をかけるダメ母さんながら憎めない、「アバウト・ア・ボーイ」と見事に演じ分けし、「めぐり逢う時間たち」ではまさかのグラマー美人主婦と、今度は何を演じてくれるのか、いつも楽しみな女優さんです。ニアは、私は彼女の出世作「マイ・ビッグ・ファット・ウェディング」は未見なのですが、カーラの「人生は一度きりよ。自分を信じて頑張って何ががいけないの?」というセリフは彼女自身と重なります。決して恵まれた容姿ではなく、至って平凡な外見の彼女が、脇役でも難しいでしょうに、ハリウッド娯楽作で堂々主役を張る姿は、私を含めた世の平凡な女性達に、それだけで勇気がもらえるってもんです。

彼女達を軸に、兄がオカマになって絶縁状態になった兄弟の修復を織り込んでほろっとさせたり、追いかけるやくざの手下が、追いかけているうちにショーマニアになって愛嬌を感じさせたり、ストーリーとの絡ませ方も上手く生かされていました。ラストにやくざが彼女達を見つけるドタバタ場面も、スピーディーで大笑いするのに、とてものどかで、古臭いという意味ではなく、昔はこんな楽しい作品がいっぱいあったなぁと、とても懐かしさを覚えました。

こんなに楽しいのに、大阪は一週間だけフル上映で、後は一日一回、それもお昼だけの上映です。ナビオTOHOの第7スクリーンは小さめで、階段状の客席の大きなスクリーンで観たかったです。それに充分耐えうる、家族でもデートでも安心して楽しめる、質の高い娯楽作だと思いました。

それにしても二人とも、オカマの時の方が綺麗でした。これから厚化粧バッチリで出てくればいいのに・・・。


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