MIKI.PRUNEの方丈日記
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2005年04月17日(日) 忘れ雪

 新道冬樹著「忘れ雪」角川文庫を読み終わる。
 瀕死の子犬を偶然拾った深雪は、「忘れ雪に
 願いをかければ必ず叶う」という祖母の教えを
 信じて、子犬の回復を願った。
 そこへ獣医を目指す桜木が通りかかり子犬を
 自分の親が経営する動物病院に連れていって
 もらい直してもらう。
 深雪は、両親に先立たれ孤児として親戚を
 たらい回しにされる少女。
 桜木の優しい心に打たれ、深雪はその犬と
 桜木を支えに生きてゆく。
 
 忘れ雪の力は本当だった。不支持な力に導かれて
 出会ったふたりは、次第に惹かれあって行く。
 やがて別れの時を迎えた深雪と桜木は、
 7年後の同じ時間、同じ場所で再会を約束するが。

 運命はふたりを遠ざける。好きなのにもう少しと
 いうところで、ふたりは引き裂かれる。
 愛しているのにすれ違う、ふたりの美しくも
 儚い純愛物語は。
 桜木の死という結末。   惨すぎる。

 噛み締めながら読み進めた1冊の本。
 結ばれず悲しい結末だが、それでも深雪は
 一生懸命生きて行く。
 
 女性の強さ、美しさ、そして、生活してゆく姿を
 改めて思い知らされる。
 それに比べて、男は愛する人を守り死んでゆく。

 自分もそんな生き方しか出来はしない。
 愛する人のために・・・。

 しかし・・・
 役に立たない自分がここにいる。

 時だけが流れてゆく。
 風が吹き抜ける。
 遠い、遠いところまで。

 桜の季節は、もう北へと移ってしまった。
 私のところは、あっという間に駆け抜けて行って
 しまう。
 今、ハラハラと舞う花びらだけが・・・。
 切ない春のなごりをとどめ・・・。

 今日の一首

  花びらが 風にふかれて 舞い落ちる
              なごり行く春 遠ざかるのみ

  ひとしずく 飲み干すごとに つきてゆく
                胸にしみいる 春おぼろ月

  なにもせず 遠くなり行く すがたさえ
                消えてなくなる かすみのむこうに
 
 
 
 
 


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