♀つきなみ♀日記
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2004年07月25日(日) |
金銭感覚ゼロ!@社会保険庁市販の7倍で出版物購入 |
って事で、やっと実体が報道され始めましたね、社会保険庁。
市販の7倍で出版物購入Yahoo!news
社保庁、随意契約さらに10億円 元職員関係の会社とasahi.com
今回は朝日新聞のスクープなんだけど、大雑把に意訳&別ソースの情報から推測すると、社会保険庁の女性元職員が経営する会社が、民間金融機関と郵便局のコードが記載されているコード表の一覧冊子を印刷し、市価の7倍の価格で随意契約によって社会保険庁へ納入していて、その金額はパンフレット等を含むと、判明しただけで1998-2002の5年間だけで10億九千万円にのぼる。一冊約1万円。全銀協が発行している一覧表なら1400円だよ。
しかも、その女性職員の旦那が経営する会社とは、プリンターの納入で27億のリース契約を結んでいたことが判明した、ってのが大筋なんだよね。
この記事なんだけど、この内容より、まずぶったまげるのは、「金融機関コード表」が印刷物として昨年度までは間違いなく全国430ヶ所の社会保険事務所に配布されていて、店舗の統廃合があるから毎年作り変えて、「年金支給手続きで振込先を入力するときに使っていた」って言うんだから、あいた口が二重に塞がらない、って言うか口裂け女になっちゃうよまったく。
金融機関、あるいは何等かの振込業務に携わったことのある人ならご存じだと思うんだけど、今時のシステムで、印刷物のコード表から手作業で金融機関コードや支店コードを打ち込むシステムが存在するとすれば、それ自体がとんでもないシステムで、そりぁ、職員が削減できなくてあたり前ってなもんだよね。効率悪すぎ、って言うか、もしそんなシステムに開発費を払っているとすれば、そっちの方が大問題だよね。
銀行コード入力欄をあいまい検索にして、画面周りとDB構築とデータ連携くらいなら、私程度でも充分プログラムを書ける。つうか、ボランティアで書いてあげてもいいよ、ほんとに。
官公庁は入札による物品購入でも、御存じ談合の舞台になったりして、一般的な価格より高価になって、個別の案件が露呈するたびに、マスコミは取り上げるんだけど、中々構造の問題には踏み込まない。
今回の社会保険庁の問題だと、集めた社会保険料が無駄に支出されている訳なんだけど、国家機関が垂れ流す無駄な支出は、すべて税金だし、その無駄を埋めるために発行された国債だと、金利まで国民は押し付けられているわけで、踏んだり蹴ったり殴ったりって感じだよね。
今回は、外部の会社だったから問題になっているんだけど、御存じ外郭団体や特殊法人に委託されている事業に対する費用は、まったく監査対象にさえなっていない。
支払われる金額は、その団体や法人が仕事を遂行するためにかかるコストから割り出された金額ではなくて、従前からの予算を踏襲しているだけで、職員数や購入物品についての縛りはあるけど、実際にその仕事をもっとも効率的に対費用効果を上げるための業務監査を行った例は未だない。
それで、構造改革だって言うんだから、ほんと何考えているんだろうって感じだよね、まったく。
道路公団改革の際も、業務委託先の企業が天下り先だったり、道路族の議員さんのファミリー企業だったりってのが露呈したんだけど、結局、支払金額を若干下げただけで、曖昧に決着してしまった。
そして、その企業はそれを理由に、けっこう一生懸命働いていた、高齢者の一般従業員をぶったぎる理由にしてコストを下げちゃっただけで、構造は一切変わってないし、入札にしたって、いきなり高速道路の維持管理に必要な機材を揃えられる会社なんて無いんだし、入札しようとしても、結局圧力がかかって入札できないので、前のままの企業が、所在地や法人名を入れ替えたりして、受注しちゃっている。
現在の政府や公共団体の仕事は、会計検査院の検査を含めて、原価計算主義を取っていない。つまり、予算においては、過去の事例と曖昧な必要人員を元にした積み上げ金額であって、原価計算の基礎である、業務レベルでのコスト管理がまったく勘案されていない。
また原価計算を行う公共事業に於いても、システムダイナミクスを元にした、業務監査を行っていない状況での金額計算なので、公共事業は「美味しい仕事」になっちゃうんだよね。本来は、支払のリスクが無いんだから、少なくても民間企業が税法上積める、貸し倒れ引当金充当分は、民間の発注より安くてあたりまえのはずなんだけど、逆に高いってどないなっちゃてるんだよ。
そもそも、今回の社会保険庁の問題で現れた問題の中でも、国や地方自治体がリースを使用している事自体が異様で、支払に保証をつけて、物品の分割購入入札すればいいし、メーカーが直接応札すればいいはずなに、何故か間に訳のわかんない企業が入り、リース会社まで入る。メーカー出し価格に不必要な利益が乗っかって、いらないリース料っていう利子を払ってるんだよね、税金で。
なんでこの辺、しっかり突っ込まないのかなぁ、マスコミは、って経済部の記者様も、政治部の記者様も、社会部の記者様も、いい大学は出て、学力、学歴抜群なんだろうけど、取材費という飲み屋の領収もらってきて書く出金伝票以外、伝票一枚切った事がないんだよね、きっと。
あっ、異常に長くなったんで、今日はこのへんで止めとくね。
構造改革の念仏は結構な事ではあるんだけど、実務に落とし込んだ監査システムを構築しない限り、効率のいい政府は、何処まで行っても不可能なんだよね、まったく。
ってことで、またね!
テキスト庵
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