c h e c k e r e d  f l a g .
 ○ハジメマシテ   ○オエビ   ○ノベル   ○ダイアリー
2004年04月03日(土) 聖なる騎士。

バンプオブチキンの、Kという曲がある。
専門学校の時、友人に、
「すごく良い曲だよ。きっとsaiko好きだよ」
と言われて、その場(学校)でMDを聴かされた。

1回目は、歌詞がほぼ聴き取れなかった。
けれど、音は格好良いと思った。

2回目は、なるべく歌詞を追ってみた。
でも、周りの音もうるさかったのもあって、
よくわからなかった。
でも、やっぱり音は格好よかった。

「うん、まぁ、格好良いね」
聴かせてくれた子には、それしか言う事はなかった。
好きな部類だ。と思った。


それから少しして、ちょっとしたきっかけで、
Kの入ったアルバムを購入する。
購入、というか、まぁ、250円で…中古で。

初めて、歌詞カードを見ながら、
静かな自分の部屋で、丁度良い音の大きさで、
曲を聴く。

私は、この曲が、嫌いだ。と思った。

曲が嫌いなんじゃない。音は好きだ。
積みも良い、藤原の声も好きだし、世界観も好み。

ただ、何かが、癇にさわる。
多分、歌詞だ。歌詞が、嘘っぽいんだ。多分。


猫は、ひとりだった。
絵描きは猫を、「僕らはよく似ている」と、抱き上げた。
それが嘘だ。多分嘘だ。

絵描きは、ひとりじゃなかった。
彼の帰りを待つ恋人がいた。
ひとりじゃなかったから、ひとりが寂しかった。
だから猫を抱き上げた。
絵描きは、恋人が大切だった。猫より。
だから猫を走らせた。恋人のもとへ。

歌詞で読むと、藤原の声を聴くと、
名前をつけてくれて、
「優しさもぬくもりも全て詰め込んで呼んでくれた」
絵描きのことが、猫は大好きだった。
その絵描きに頼まれた手紙を渡す為に走った猫は、
幸せだった。

けれど私にはその幸せがわからない。


私は、その絵描きが嫌いなんだ。
「いっときのひとり」と、
「ずっとひとり」を一緒くたにした、その絵描きが。

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