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 ○ハジメマシテ   ○オエビ   ○ノベル   ○ダイアリー
2003年12月24日(水) 5manths+24days

おれが生まれてから20年と半年、きみのいない時間は1秒だってないんだよ。

だって、おれが生まれてきたのは、きみのいる世界だったから。



5manths+24days



「俺、キリスト教徒になろうかな」

「…意外、にのがそんなロマンチストだったとは」

「良い響きですねぇ」

「わり。俺から見たら創造論の人はロマンチスト」

「翔くんは、リアリストですもんね」

「寂しい響きだな、それ」

「悔しいんでしょ」

「何をおっしゃる。そこまで入れ込んでませんので」

「…さすが。鋭いね」

「いつもは俺以上のリアリストな二宮くんの口から
 キリストなんて言葉が聞けるのは、今日くらいですから」

「この日だけはね、信じてあげても良いかなって思えますよ」

「それじゃぁ従順なキリスト教徒にはなれませんー」

「そりゃ困った」


「…にのが感謝したいのはさ」

「ん」

「神さまじゃねぇだろ」

「…そうなのかな」


信じてるのは、今。きみがいる世界に生まれてきたおれ。それだけ。

感謝したいのは…。


「おはよう翔くん。にの」

「おはよ。誕生日、おめでとう」

「ありがと」


生まれてきてくれてありがとうなんて、陳腐な台詞は吐かないよ。

6ヶ月と1週間重なっていた歳よりも、

5ヶ月と24日離れている歳に、ほんの少し感謝してもいいかなって思うから。

今日という日だけは、ほんの少し、その数字によりかかるよ。


メリークリスマスイヴ。

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