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2003年07月19日(土) パートナーが癌になったときの離婚率

 聞いた話だが、パートナーが癌になったときの離婚率が、男性が1に対して女性が12と、圧倒的に女性が癌になったとき男性から離婚を言い渡されるケースが多いらしい。

それを、私に教えてくれたパートさんは「やっぱ女性のほうが面倒見がいいってゆうか、情がまさってるのよ〜」と言って憤慨していたけれども、はたしてどうなんだろう。
事実、母性というのは「母」性というくらいなのだから、女性のほうが勝っているとは思う。しかし、女性に特有のものではなくて、男性にも母性は芽生えると学術的にも証明されていたはずだ。だから、女性のほうが面倒見がいい…というのは言い切れない。

情だなんだというような曖昧なものではなく、損得でもって現実的に考え合わせると、男性が女性の面倒を見ることで得られるメリットは、女性が男性の面倒を最期までみて得られるメリットに比べて、かなり少ないと思う。

まず、男性の側から考えると、近代的な父系社会において「種を残す」ことが家庭を持つという点において最優先される命題である。そのために必要なのは「健康な」妻である。
また、平均寿命から考えて男性のほとんどが、老後の面倒は、自分の子供よりは気心の知れた妻に期待しているのではないかと思われる。
全部が全部そうだとは思わないけれど、男性にとって伴侶とは、負担にならず自分の面倒を見てくれる相手だとしたら、健常体でない妻は不適格であり不要である、という判断になっても仕方がない。
 男性の場合、経済的に自立している場合がほとんどなわけだから、女性側の実家がよほどの力を持っていない限り、癌である妻に執着する必要性はないといえる。

逆に女性の場合はどうだろう。
最近ではずいぶん変わってきているとは思うが、経済的にみて、夫の収入によって扶養されているケースが少なくないと思う。ということは、離婚したのち、よほど実家が裕福な場合をのぞいて、自分で自分の身を養える女性は、まだまだ少ないのではないだろうか。
そして、不幸にして伴侶が死にいたったとしても、男性の遺産や生命保険の存在は、女性と残された子供にとっては十分に魅力的で必要なものだろう。実際に、伴侶が残した遺産やら生命保険やらで、仕事をせずに生きていけるケースは、男性より女性のほうが圧倒的に多いんじゃないだろうか。
つまり、女性にとっては離婚しないほうが、現在と未来においてメリットがあるといえる。

 人間は決して損得勘定だけで生きているわけじゃないから(パートさんのいう「情がある」がいい例だ)、一概にこれだけが離婚する・しないの理由とは言い切れないけれども、これらはもっとも単純にして明快な理由だ。

では、なぜ人は「結婚」するのだろう。
男性は「種を残すため」、女性は「経済的な安定を得るため」、なのだろうか。


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REK [MAIL]