とにかく走れ!

2003年03月31日(月) 鬱である。そんでもって明日から新年度である。

今日、同期の男の子が退職しました。
彼は、大手建築会社の御曹司で、ゆくゆくは父親の会社を継ぐことがきまってるんだけど、とりあえず社会を見て来い、ていうワケで、新卒でコネでうちの会社に就職したワケです。
そしてまる2年がたち、いつまでも同じ会社にいても見聞が広がらないから、
明日からまた違う会社の社員として働くそうな。

彼は、コネ入社であることとか、社長令息で行き先が決まっていることとかもあって、入社時から、俗にいう「嫉妬」と「羨望」とでもいうのかな。
そういう特別な目で見られがちだった。
けど、そこそこ頭も要領も人も いいんだろう。
(ちなみに顔もいい。天は二物も三物も与えてしまうのだ)
きっちり1年目で宅建も取ったし、数字も挙げてたし、もともとある人脈とかも活かして、2年間でちゃんとした戦力になっていた。
そして、ヤツは まぁ建前っつーか、辞める際の常套句といえるけど、「この2年間を財産として…」と言い切って晴れ晴れと出て行ってしまった。

そこで思ったわけよ。私は何をしてたんだか…、って。

私もね。今の会社はコネで入社したようなもんだし、正式な社員でないわけで、そうゆうわけで彼と同じ「ゲスト」に近い立場なのよ。
彼は、男だし総合職だし、私は女だし事務職だし、同じようには進めない。
それでも彼はこの2年間で、資格やスキルや人脈を手にいれた。
資格は胸をはって言えるものだし、彼は将来社長さんになるわけだから、人脈は財産になるだろう。
そして、彼の性格からして、それを活かすことに躊躇しないだろう。

でも、私はどうだ。
どうせ契約だし、この業界キライだし、転職したらこの業界以外にするし〜、と思ってきたおかげで、(今も思ってるけど)目の前の仕事はこなせるけれども、機械的に処理しているだけで、ちゃんとしたスキルはなにひとつない。

そのうえね。私にとって、基本的に過去は「切り捨てるもの」なのよ。
だから、今 という現在進行形の時間ですら、いずれは過去となるものだから、深く根を下ろそうとは思わない。執着しようと思わない。
私がね、ひとところに落ち着こうとしない理由も、そこなのかな。
きっと、ちゃんとした人間関係の築きかたが分からないから、なんだと思う。
どこまで相手に求めて良いか、いまだにボーダーの引き方が分からない。
最初から「永遠なんてないものだから」て決めていたらば、人付き合い楽だもんね。
本当は、だからこそ努力しなけりゃいけないのにさ。


昔はね。敷かれたレールの上しか歩けないヤツを軽蔑していた。
自分だけは、そうなりたくないと思っていた。
そうして飛び出して、けれど 私には無理だって身にしみて、また 用意されたレールを走ることにした。
今度は、自分で選んだレールなのに、自分で敷いたんじゃないからって拗ねて、ささやかな抵抗が「私、所詮は腰掛けやからさ」。

彼はそうじゃなかった。
たぶん、彼なりに悩んだり抵抗しようとしたこともあったかもしれない。
けど今は、敷かれたレールを最大限に利用してるし、利用していこうとしてる。
いつも 人生笑ってて、負け知らずの苦労知らずで、なんでも揃ってて、むかつくけど、実際に彼は、銀のスプーンを持って 生まれてきたんだから、無理して苦労をしょいこむ必要なんてどこにもないんだよね。

私も、そうやって与えられたものを最大限に利用して、見返してやれば(なにを?)それでいいんだな〜て、つくづく思った。
そんでもって、いいかげん、私も根を下ろさなきゃな〜ってさ。
甘えてないで。


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