オミズの花道
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『 オミズ引退しました 』
2007年05月31日(木)
水上です。
更新をしなくなったというのに、未だにたまにメールを戴いたりします。
それに対して私のほうは全くお返事しなかったりして、本当に申し訳ありません。
ご心配戴いた方々に、また見て頂いてた方々に、深く感謝します。
実はこの一年間、何度かこの編集画面をめくり、皆様のご意見を聞かせて戴きたい時もありました。
ですが、取りあえず目の前のことをキチンとこなしていこうと決め、それを優先していたら自然と日記が遠のいてしまいました。
本当にありがとう。そしてすいません。
さて、現在私を取り巻く状況ですが、文筆業のほうは1年前程ハードではなく、収入は少しダウンしましたが、やっと好きなものを選択して行ける様になって来ました。
こちらの方はこの調子で無理せず、のんびりやって行こうと思います。
一生書く、とまでは行かないでしょうけれども、好きなので止める事は無いと思いますから。
それと、先月で(5月20日)でホステスを引退し、25坪の和風ダイニングバーを任せて戴く事になりました。
オーナーマダムは高齢の女性で、私はもともとそこの常連客でした。
そこは外食慣れしている私にも滅多に無い極上の空間で、私の秘密の隠れ家でもあり、自慢の店でした。
幾月か前の日曜日に、オーナーマダムに『20周年を区切りに、私も年だし店を閉めようと思ってるの。』とお電話を戴いた事が、私の気持ちを決めるきっかけだったように思います。
あの空間を失くしたくないと思った私が出した結論は、ホステスを引退して、跡を継ごうというものでした。
オーナーマダムにも快諾して戴き、なんと店も改装して私を迎えてくれるのだそうです。
閉めるって言ってたのに(笑)。
この空間を残してくれるなら私はそれでいいから。とマダムは仰るんですが、おそらくこのまま行けば、10年後くらいには私が買い取る形になるのだろうと思います。
そうやって引退を決めたら、沢山の事をしなければなりませんでした。
まず、お客様への相談。
皆様ご心配はなさいましたが、その空間をご存知の方には賛成を戴きました。
ご存知でない方は、やはり反対はされましたけれど。
ですが皆様が一様に仰ったのが、まだホステスで居ても良いんじゃないか、とか、寂しくなるじゃないか、とかいう内容です。
・・・・実はこれが一番、私には堪えました。
自分でもそうだなと思っていたからです。
私とて色々な女性を見ていますから、下り坂も引き際も見えます。
どれくらいのレベルを保てばホステスとして生き残って行けるか充分知っていますし、変なチーママより数字を持つ今の自分が引退『すべき』だとは思えないからです。
ホステス仲間にも反対されました。
在籍店のオーナーママにもチーママ達にも、他店のオーナーにも。
同業者にはとにかく猛反対を(笑)。
若いお嬢さんにも泣かれました。えへっ。(これはちょっと役得でした)
何だか終いには『日給を上げて欲しいのか』と社長には聞かれるし、他店の黒服からスカウトが増えるし、挙句の果てには美容整形して復活するらしいとか、出産するんだとか変な噂も飛び交ったり。
洒落になんないのは水揚げされるんだろうとかいうのもありました。
(↑私が可愛い子を揚げたいくらいですわ)
だけど同業者のそれは、『やりたい事』を見つけてしまったら、何の歯止めにもならないのです。
後は、お世話になったお客様に、どう解って戴こうか悩みました。
手っ取り早く連れて行ったり、会社にご挨拶周りをさせて戴いたり。
義理のあるお店にご報告に行ったり、信用出来るホステスにお客様の引継ぎをしたり。
そんな私をちゃんと見て下さったんでしょうね、今では反対なさっていた方ほど逆に応援して戴いております。
食器の数は揃ってるの?とか、足りないものがあったら言ってねとか、そんな妙なご心配を戴く事もあったり。
ホステスさんも『同伴で使うね』とか、『愚痴りに行っていい?』とか。
20日の最終日は、明日がミーティングで早いのに送別会も開いてくれました。
他店に行った女の子も、何人か駆けつけてくれました。
本当に嬉しかったです。
そして、ウォーミングアップに新しい店に一日入ったのですが、早速旧在籍店のオーナーママが来てくれて、マダムに『この子をよろしく』と頭まで下げてくれました。
これにはさすがに私も泣いてしまいました。
この伝説のママは、本当に厳しく優しく、そして裏表無く、私を可愛がってくれた人です。
新地ではこの方を悪く言う人も多いですが、私はこの人こそやはり一番尊敬できるママだと、誰に対しても胸を張って言えるでしょう。
このママをはじめ、自分が如何に沢山の人にお世話になり、また、これからもそうなのだと思うと、皆に感謝して止みません。
この方達のご指導のお陰で、私は本当に恵まれてホステスを引退させて戴けます。
人間関係では沢山悩みましたが、たいして危険な目にも合わなかったし、未収を一度たりとも一円たりとも喰らった事も無いし、お客様に騙された事もありませんでした。
この世界は確かにいい加減だし狂ったものもありますが、自分がどう在るかでこんなにも他人に恵まれるのだと、自信を持って誰にでも言えます。
私は、本当に、ホステスをやってて良かった・・・・。
この北新地という街が、そして其処に働くホステスさんも、男性スタッフも、また新地にきてくれるお客様も大好きです。(出来ない黒服は相変わらず嫌い)
この場を借りて、皆さんに心からありがとうと伝えたいです。
本当にありがとう。
そして、ホステスとしての自分の引退とともに、この日記も閉じさせて戴こうと思います。
過去の手帳を見てどうしても書きたいことがあれば、その日に遡って埋めて行ったりしているかも知れませんが、この先の日に書くことはありません。
この『なんかいつも怒ってる自己満足日記』を読んで頂いていた、ブラウザの前の皆様、今まで本当に本当にありがとうございました。
至らなくて拙くてご迷惑をおかけした皆様、本当に申し訳ありませんでした。
私は元気で何処かに居ます。
接客業が好きだから、何がしかの形で、何処かに、必ず。
もしお会いしたら、そんな偶然があったら、本当に嬉しいです。
そして愛すべきホステスの皆さんへ。
貴女が居るその世界は、まだまだ夢を追える場所です。
沢山の人と笑い合う喜びを、存分に享受して下さい。
貴女は独りじゃないんです。
追記
最後に、真田さんとのこと。
なんかこの件の問い合わせが生存確認よりも多かったです(笑)。
彼とはやはり自然に恋人同士になりました。
最近では自然すぎて、何時から恋人同士だったのか、お互い忘れてしまいそうになる程です。
最初に過ごした夜、彼の愛情の深さに涙が出そうでした。
今でもその愛情表現は、私の胸を甘く締め付ける大切な思い出です。
彼とは離れないし、体は離れなければならなくても、気持ちが別れる事は無いでしょう。
(真田の海外赴任にブルブル怯える今日この頃。)
私達はお互いがもう、抜けてはならぬ存在になっているのです。
今回私がホステスを辞める事を、彼が一番喜んでいます。
同時に、寂しがってもいます。
接待を任せられるホステスさんが居なくなると、ぶぅたれてもいますし(笑)。
ちっちゃい喧嘩も相変わらずです。
大概は相手にしてくれなくて、私が一人でむきぃむきぃ言ってるんですが。
それもまあ、昔からの事で。
出会った頃の『マメさ』は少々減って来たものの、2日と空けない電話、毎日のメール、は続いています。
私を安心させる事が愛情表現の一つである彼は、これからもきっとそうなんでしょう。
にゃんこも元気いっぱいです。
今も膝の上に居たり。
ちっちゃくって毛むくじゃらの愛しいダーリンです。
ある意味、真田さんよか大事だったり(笑)。
それでは、今まで本当にありがとうございました。
皆様に幸多からん事をお祈りしています。
さようなら。
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