ほっく。

2004年01月07日(水) やべーよ!


お習字の宿題をしていたら 電話が鳴った
タカシ君だった


「 やっべ〜! 」

「 アレやべーよ! 俺どうすりゃいいんだ!? 」


「 もう、耳おかしくなるくらい聴いてる! 」



……うん。
だからあなたにしたんだよ

あなたなら あれをわかるとおもった







2004年01月05日(月) どこに帰るんだよ


姉ちゃんは
タカシの前におかわりの皿を置くと
よいしょ、 と炬燵布団をひっぱって座りながら

そのアタマ…
お兄ちゃんと喧嘩でもしたの?  と訊いた


「にーちゃん居ない。女んとこ。」

そっか… と言って福神漬けをすくう姉ちゃん
    (それで終わるなよっ、もっと訊けよ!)



しばらく
スプーンを使う音だけが響いた

たまらなくなったぼくが
TVのリモコンに手を伸ばしかけたとき
タカシが口をひらいた



「親父。」

「……キチガイだ、あいつ。」




皿を洗うあいだも
吐き捨てるようなタカシのひとことが
ずっと耳のなかで鳴っていた


姉ちゃんは
どーしても帰る というタカシを玄関先で見送り
そのあとは
自分の部屋に入ったきり 出てこなかった







2004年01月04日(日) 初カレー


「えっ」

姉ちゃんが
福神漬けの袋を持ったまま目を丸くした

だってさぁ
こいつ 腹減ってそうだったし
それに
靴も履いてなかったから…



カレーを並べて
突っ立ってるタカシを座らせる



食卓の灯りの下で
はじめて気付いた

こいつの
パーカーの肩口の汚れは
黒じゃなく 赤茶だった

死んだ動物の毛みたいにゴワついた髪は
血でくっついて 束になったものだった






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