四季のなかでも 秋 って 色えんぴつの「黄土色」みたい
使わないまま、いつのまにか失くなってるの
夕方 うちの前にキヨちゃんが立っていた
深刻な顔で うつむいている
「あの、あたし…… ごめんね。 真理奈が…」
わかってる。
いいよ。
謝らないでいい。
きっと わたしだって…
「 ま、そんなもんだろ 」
アサキは言った 肉まんの紙を放るように
通学路からはずれたコンビニで肉まんを買い 食べながら歩いた
空の高いところを何かの鳥の群れが あちらへ こちらへ
いつもの曲がり角 アサキとわかれて
見上げたカーブミラーのなか 微笑んでる わたし
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