○雑誌「IMA」 SPRING vol.3 (アマナホールディングス) 2月28日発売 「Watching Humans Watching」インカ・リンダガード & ニクラス・ホルムストローム エッセイ「見ている人」を寄稿しました。 ○「asta」4月号 (ポプラ社) 3時のおやつ エッセイ「パフェ」を寄稿しました。
○週刊現代(講談社) 『女子会川柳「調子どう?」あんたが聞くまで絶好調』(ポプラ社)について、 嵐山光三郎さん、石田千さんと、鼎談しました。 川柳も詠んでみました。 面白かったです。
ちょっと先走ったお知らせになってしまうのですが、 3月8日に、『お父さん大好き』という文庫本が、文藝春秋から出ます。 それで、お間違えのないように、と添えたいのが、 これは、単行本『手』を改題したもので、 同じく、「手」「笑うお姫さま」「わけもなく走りたくなる」「お父さん大好き」の四編の小説を収録し、 内容は変わりません。 (文章の手直しはしました)。 新刊として楽しみにしてくださるような奇特な方がもしかしたらいらっしゃるかもしれない、そしたら悪いな、と思います。ごめんなさい。 文庫化で題名を変更、というのは、 私は、単行本『ここに消えない会話がある』→文庫『「『ジューシー』ってなんですか?」』のときも行いまして、 これは確かに、読者を混乱させてしまってよくない面もあるのですが、 やはり、とにかくより良い作品に仕上げていくことの方が大事に思えるので、自分が「この題名の方がいい」と思えるものが浮かんだら、そう変えていきたいと思っています。 直しというのは、 その作品らしさをさらに研ぎ澄ませる、というもので、 過去に書いたものを否定したいわけでは、まったくないです。 若書きの面白さは残したいです。 書いたのは自分なので、自分が一番、当時の作品の書き方を覚えているわけで、その「らしさ」を活かした直しは、今の自分は上手くできると思っています。 ただ、たとえば、単行本出版後、リアクションが返ってくると、「誤解されてしまったなあ」「もうちょっとこうした方が、上手く手にとってもらえたのかなあ」と思うことが、正直ありまして、 「らしさ」をより上手く出すことが、数年後の方ができることがあるわけです。 今回の文庫『お父さん大好き』は、本文の直しは、削ったり足したりは多くはやりませんでしたが、 たとえば、『この世は二人組ではできあがらない』は、雑誌掲載時から、単行本のときも大きな改稿をし、文庫化でもかなり変えました。 帯も変えました。 文庫を出版後のリアクションを感じ、自分としては、そうしたことで、より読者にブレのない読書を提供できたように感じています。 (たとえば、「もともとこういうことを書きたくて書いたのに、余計なことを書き加えてしまったせいで、その余計な部分がメインと受け取られてしまったようだ。思い切って全部カットして、もともと書きたかった箇所がメインに読めるように浮き上がらせたい」とか、「余計なとっかかりを作ってしまったせいで読者がつまずいてしまうようだから、無駄に気にさせるような表現は削除したい」とか、そういうことを思うわけです。簡単に言うと、「恋愛っぽさ」ではなくて、「日常における社会性」「時代を描く」ということを、当時の自分もそう言っていたはずなのに、読み返してみると確かに恋愛っぽさの文章が多かったので、これでは誤解されるのも仕方がないな、と。それで大幅カットし、書き加えました)。 私はたぶん、直しがすごく多い書き手なのだろう、という気がします。 (それでも、雑誌掲載の前も、何度も印刷して直してから出版社に送り、ゲラでもチェックしているのですが……)。 でも、これは自己満足の部分もあり、他の人が読んだら、 「単行本と文庫の違い、全然わからなかった」くらいのことだろうとも思います。 「読点をどこに打つか」とか、「これは重複だから削れるな」とか、そういう、木を見て森を見ず、というような細かい直しに時間をかけていることもあり、全体像を変えるのが下手というところもあります。 これは単純に、私が細かい作業を好きなだけなのだろうな、と思います。
小説を書くことは、言葉だけで作るという「枠」の中で進める仕事だ。 白い紙の上の、黒いインクのしみのみ。 書いているとき、ヴィジュアルイメージは一切、頭の中にない。 だが、小説を届けるときは、言葉だけではなかなか手に取ってもらえない。 どのリアル書店、ネット通販でも同じだと思うが、ヴィジュアルが大きな力を持つ。 小説が持っている唯一のヴィジュアルは装丁だ。 これを、できるだけたくさんの人に見ていただきたいし、 紙の質感や、環境の中に置かれた商品、どのように読書を進めるかのイメージをリアルに感じられるヴィジュアルを作れたら、と思っていた。 それで、サイトの、今月のおすすめのコーナーで、 書籍の「雰囲気」をヴィジュアルにできたことがとても嬉しい。 インターネットの書影は、紙を想定して練られたたデザインを、 正面からののっぺりとした画像として扱い、画面に押し出す、というもので、 ちょっとどうなのか、と私は常々思っていた。 それでも、自分でもそれ以外の方法はなかなか思いつかず、 このページでもそうやって紹介してきてしまった。 これからはもっと考えたいと思う。 あと、本というのは、すぐに価値がなくなる商品ではないのに、 昔の本は、売る努力ができなくなる、ということが辛かったのだが、 このように「フェア」をすることはできる。 きっと、いろいろな方法がある。 もっと、新しいやり方を模索していきたい。
アイフォン5を買ったら、 メールやツイッターを、前より書けるようになった。 道具の力だ。 メールやツイッターをなかなか書けないでいたのは私が駄目な人間だからだ、 と思っていたが、 道具は私の駄目さを随分と補ってくれる。 二足歩行を始めて、手ができて、 道具を作って、本当に良かった、と思う。 ちなみに今、この文章もアイフォン5で書いている。
自分の毎日の習慣だけで喜びを得ようとすると、 ぐっと楽になる。 何かをしたから、幸せになるとか、楽しくなるのではなくて、 生活だけが面白い。 前は、何かしらの成功のために、「それに向けた習慣を作らなきゃ」と思っていたけれど、 今は、習慣を楽しみたいから習慣を作りたいだけだ。 これで、人間として良いのかはわからないけれど、 楽になったし、時間を楽しんでいる感覚がある。
去年(2012年)に見た美術展のメモ 美術はいっぱい見たなあ。 美術館のある都市で生活できて、 とっても楽しい。 今年もたくさん見にいこう。 ・「没後150年 歌川国芳展」(森アーツセンターギャラリー) ・「イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに」(森美術館) ・「「行きつ戻りつ つくり つくられること」佐野 陽一・久村 卓・山極 満博」(ナディッフ・ギャラリー) ・「Eikoh Hosoe Photo Exhibition 細江英公写真展」(BLD GALLERY) ・「ロトチェンコ −彗星のごとく、ロシア・アヴァンギャルドの寵児−」(ギンザ・グラフィック・ギャラリー) ・「「望郷―TOKIORE(I)MIX」 山口 晃展」(メゾンエルメス8階フォーラム) ・「植田正治 「砂丘モード」」(タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム) ・「南川史門「鏡、音楽、マルチメディア」とコーヒーパーティー」(ナディッフ・ギャラリー) ・「志村信裕「恵比寿幻燈祭 Dress」」(TRAUMARIS SPACE) ・「「アーヴィング・ペンと三宅一生 Visual Dialogue」展」(21_21 DESIGN SIGHT) ・「フェルメールからのラブレター展」(Bunkamuraザ・ミュージアム) ・「小沢健二『我ら、時』展覧会とポップ・アップ・ショップ」(パルコミュージアム) ・「マックス・エルンスト−フィギュア×スケープ 時代を超える像景」(横浜美術館) ・「杉本博司 ハダカから被服へ」(原美術館) ・「ひっくりかえる展 / Turning Around Chim↑Pomキュレーション」(ワタリウム美術館) ・「石川梵写真展 THE DAYS AFTER東日本大震災の記憶」(吉祥寺美術館) ・「セザンヌ パリとプロヴァンス」(国立新美術館) ・「エルミタージュ美術館展 世紀の顔 西欧絵画の400年」(国立新美術館) ・「KORIN展 国宝『燕子花図』とメトロポリタン美術館所蔵『八橋図』」(根津美術館) ・「鈴木康広 本の消息」(ナディッフ各店) ・「川内倫子展 照度 あめつち 影を見る」(東京都写真美術館) ・「林ナツミ展『本日の浮遊』」(MEM) ・「ベルリン国立美術館展」(国立西洋美術館) ・「トーマス・デマンド展」(東京都現代美術館) ・「朝海陽子展 Chords」(無人島プロダクション) ・「マウリッツハイス美術館展」(東京都美術館) ・「生きるための家展」(東京都美術館) ・「会田誠展 天才でごめんなさい」(森美術館) ・「田中一光 デザインの前後左右」(21_21DESIGN SIGHT) ・「坂口恭平 新政府展」(ワタリウム美術館) ・「山口藍 ほし」(MIZUMA ART GALLERY)
昨年(2012年)に観た映画のメモ 『素敵な金縛り』 『ブンミおじさんの森』 『ル・アーヴルの靴磨き』 『ものすごくうるさくてありえないほど近い』 『チキンとプラム〜あるバイオリン弾き、最後の夢〜』 『オロ』 『ひとつの歌』 『演劇 1』 『隣の女』 『駄作の中にだけ俺がいる』
○京都の画廊「ギャルリー宮脇」で、 「郵便配達夫シュヴァルの理想宮 完成百年記念展 夢の実現するところ」 2012年12月1日(土)〜2013年2月23日(土) という展示をしています。 その記念に刊行された、 『夢の実現するところ 郵便配達夫シュヴァルの理想宮に捧げる』(ギャルリー宮脇) という本にエッセイを寄せました。 五年ほど前に私は「シュヴァルの理想宮」に行ったことがあって、 そのときに思ったことを書きました。 福永信さん、戌井昭人さん、鈴木創士さん、湯浅学さん、鬼海弘雄さん、いしいしんじさんが寄稿されています。 京都は、私は年末にいって、展示も観てきました。
○『冬の本』(夏葉社) たくさんの著者が、冬の本についてのエッセイを寄せている、 素敵な本です。 私は、 エッセイ「冬眠への憧れ」 を書きました。 トーベ・ヤンソン『ムーミン谷の冬』(講談社文庫)について、 特にスナフキンのことを綴りました。
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