きまぐれがき
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心斎橋の新装開店となったデパートは、御堂筋パレードから 流れてきた人たちで、行列に並ばないとエスカレーターにも エレベターにも乗れない状態。
出掛けに、留守番の家人は「40と80!」「40と80!」と何度も 叫んでいたけれど(40(首周り)80(袖丈)のワイシャツを買って きてちょうだい!ってことですか?はいはい!)、小豆と私は 「すごい人で8階の紳士売り場に辿り着けなかったことにしておこ う」と、さっさと婦人服売り場へ。
報道ステーションの某キャスターを見るにつけ、「あれと同じワイ シャツとネクタイ買ってきて」が口癖なんだから。 ふつうは好きな人と同じものを持ちたい、おなじ格好をしたい。。と 思うのではなかろうか? それが何故某キャスターなのか私にはわからない。 「一人テンション高くてやな奴」っていつも言ってるのに。
ずい分前のこと、なんの事件だったのか?収賄だったか?贈賄だ ったか?。。まったく思い出せないが、自宅から警察に連行されて いく男のネクタイ柄にギョ!としたことがあった。 その日は、その男の自宅周辺にマスコミが大挙押しかけていたの で、男自身も警察が来ることを予想して身支度を整えていたのでは ないだろうか。 そんな時に男が選んだネクタイというのが、
卵の殻からピヨッ!ピヨピヨ〜と姿を現したヒヨコの総柄。
ちょっとちょっとアナタの心理って。。? エルメスのネクタイだろうけど、あの状況でヒヨコがピヨッ!柄では やっぱりとぼけていると大方が感じたのか、TVのニュースでも ヒヨコのアップからはじまる局があったりして、男の所業よりも注目 されていたのが可笑しかった。
政府の中枢に入り込んでいるスパイの正体がバレてしまうなんて、 ワクワクすることではあるけれど、5日の米ABCTVのニュースで 報じられたこれなどはどう?
>ホワイトハウスでチェイニー副大統領のスタッフとして勤務して >いた男がスパイだったことが明らかになった。
この男はフイリッピンから米国に帰化した男だそうで
>チェイニー副大統領のスタッフだった間に、副大統領の事務所から >機密書類を盗み出していた。 >書類の中には、フィリピンのアロヨ大統領に不利な文書なども含ま >れており、同容疑者はそれをフィリピンでクーデターを起こそうと >していた複数の野党政治家に送っていたという。
ホワイトハウス内でスパイ行為が発覚するのは米近代史上初めて のことというのが意外で、ほんとうか。。。?と疑ってしまった。 東西冷戦時には1件もなかった?ほんとうか?とまだ疑って、そうか あの時代は巧妙に仕掛けられていたから発覚しなかっただけのこと なのだと映画「追いつめられて」などを思い出しては、虚実ごちゃご ちゃにしている私。
あれはKGBのスパイだった。 ついに正体が暴かれる時が来た、逃れることはできない。 五角形のペンタゴンの内部の複雑な設計となっている廊下を走る男 をカメラは追いつめる。 このスパイ、もう宿命としか言いようのない実に手の込んだ育て方を された男だった。 そんな宿命を背負った男の後姿は哀愁が漂ってかっこいい。。いえ ケビン・コスナーなんですが。。そろそろ頭髪、薄くなって。。でも軍服 は素敵でした。足長いし。
話をもとに戻してこのニュース、ホワイトハウス内でのスパイ行為が 米政府の面目丸潰れだというだけで、アルカイダ系のスパイ発覚で もない限り、さして注目もされないニュースでしたか。。。
電車で隣り合わせた50男。 新聞の競馬欄を熱心に見てはマジックでチェックを入れていた 時はおとなしかった。 そのうちデパートの紙袋の中に両手を突っ込んでなにやら始め たので見てみると、ビニールに包まれた雑誌のビニールをギニ ーッと伸ばしながら破っているのだった。
やっとビニールを剥がせた雑誌を紙袋から取り出し、周りに何の 雑誌なのか気がつかせないようにうまく新聞の間に挟む慎重な 作業をし終えて、頁をめくり出した。 馬鹿だな。隣の私からは丸見えじゃないか。 もしかして、私に見せてくれてるわけ〜?
どの頁もどの頁も、同じような顔をした同じような体型のお姉さん が裸で横たわっている。 なんだつまんないの。 思いっきり横目で眺めて疲れた。
そのうちブツブツと独り言を言い出したのは、どうもお姉さんの 評価らしい。 同じように見えるお姉さんたちでも、その男から見たらそれぞれ 言いたいことがあるのだ。 そんなもん訊きたくない。 さいわいさぁ降りる駅だと、席をたったところ「さっきから覗きやが って」と文句を言われた。
「えっ?私覗いてた?横目を使っただけです」と言い返すことがで きなかったので、その代わりに「ふん!」と顎をつき出すようにして 急ぎ足で電車から降りた。 今日の外出は気分華やかだったのに、台無しだわ!
PCを開くと同時にキロリ〜ン♪とメールを受信。
19日の日の出は5時26分です。5時過ぎに首相官邸の 屋根の上に太陽が昇っているはずがありません。
キャハ〜。送信者は油壺に住む蛇だ。 あらあらそうですか。。では朝食を済ませてから障子を開け て窓の外を眺めた時に見た朝日だったか。。。 私の記憶力は、その日の朝のこともすでに曖昧となってしま っているのか。。。
ともかく、あまりにも近いところに太陽があったので、 棒でつつくか、石でも投げつけてみたいと思ったほどだった。
因みに、この日の日の入りは17時43分だったとのこと。 6時前には陽が沈んでしまうなんて、時は冬へとまっしぐら。 寂しい秋だ。
「寂しい、寂しい。。」と百合子が言うと、夫の武田泰淳は 「寂しいなんて、言うんじゃない」と叱ったそうだ。
窓にカーテンではなく、障子に飾り戸。 だからあのホテルは落ち着くのかもしれない。
今朝方、5時少し過ぎに目が覚めたので、障子を開けて窓の外 を見てみた。 大きな太陽が首相官邸の屋根の向こうに昇っていた。 ギョッ!とした。 あんなに大きな朝日を見るのは初めてだ。それに妙に近くに感じ るではないか。 「ねぇ、ちょっと見てよ」と 声をかける相手はいない。 はい。一人で来てます。また東京。
この首相官邸の裏手の地下鉄の出入り口は、いつも人影がなく 閑散としているのに、今日はシャネルを召した綺麗なマダムが 私の前3・4段先をエスカレーターで降りてゆく。
途中でふと気がついた。 ん?このマダム泣いてる? ヒックヒックしゃくりあげる声が聞えて来るのだ。
エスカレーターを降りたところで立ち止まったマダムは思いっきり 声をあげ、子供のようにえ〜〜〜んえ〜〜〜んと泣き出した。 今日はギョッ!とすることばかりだな。 突然立ち止まったマダムにぶつかりそうになりながらも、素早く 避けることができた私は咄嗟に声をかけてしまった。 「いかがなさったのですか?」 泣き顔を隠しもしないでマダムは「だいじょうぶです」と答えると より大きな声で泣きじゃくりだした。 こんな時、どうしたらいいのだ? もしかしたら更年期で精神が不安定?
一緒に立ち止まっている私に、もう一度「だいじょうぶです」と言っ たので、それならと私はさらに地下に潜るエスカレターに乗って下が ったけれど、あのマダムの泣き声はホームにまで響いてきた。
少し経って泣き止んだらしいマダムがホームに姿を現した。 落ち着かれたのだなと安心している私の前を、泣き止んだわけでは なく今度はむぜび泣きにかわったマダムが「さっきはどうも。。」と いうように、お辞儀をしながら通り過ぎていった。 こんな時、ほんとにどうしたらいいの?
2005年09月06日(火) |
たかが千円と言わないで |
ある日。
新大阪でタクシーから降りる時にもらったお釣りを、新幹線の ホームにあがってからお財布を覗いて数えてみた。
料金が三千いくらかだったので、一万円札と百円玉を出して支払 った。この時、あ千円札にくずしていなくて嫌がられるだろうなと思 ったのを覚えている。 運転手さんはワイシャツのポケットから、ごそっと二つ折りになった 千円札の束を取り出し、無造作にろくに枚数を数えるふうでもなく ぐしゃぐしゃとした感じで7枚くれた。。とばかり思っていたら、6枚 しかなかった。
10から3を引くと。。。と、何回も指を折って数えてみた。7だ。 どうしたって7枚なきゃいけない、でも現実は6枚。 さっき、ぐしゃぐしゃと渡されたのがふと気になって確認してみたの だ。あの運転手!
帰宅してから家人に話すと、「すぐその場でつり銭を確かめるって ことしないのか」と言われたので「え、確かめるもんなの?」と答え ると「めでたいな」と返ってきた。
今はどこでも、お釣りを渡す側が「はい、いいですか、よく見るので すよ。間違いないですね」というように、お札を一枚二枚と数えなが ら渡してくれるので、渡される方はその数えている人の手元をただ ぼんやり見ていればいいだけだもの。 そんな親切に慣れているからうっかりしちゃうのだ。
それにしてもぐしゃぐしゃと渡された時に「不審な?」とふつうは思 うよなとも家人は言うが、まぁ騙されたのに気がつくタイミングが遅 かったってことだ。
そんなことよりあの運転手、どのあたりを走っている時に 「こいつなら騙せそう」と思ったのだろうか。 悔しいけど訊いてみたい。
月を見ると秋の気配を感じる。 白い光が優しくて哀しくてモーツァルトの音楽のよう。
そんな月を今夜も二階の窓から眺めていると、ずっと向こうから こちらを目指して猫が歩いて来るのに気がついた。 光に照らされて、リズムのよい歩調で歩いてくる。 この真夜中、何を思ってどこへ行くのか。。と姿を追っていると うちのガレージの前で直角に向きを変え当たり前のように庭に入 ってきた。
ユキちゃんが眠っているハウスの前を通り抜けたところまで見届け たが、そのあとは視界が遮られて見えなくなった。 ユキのやつ眠りが深すぎて、すぐそばを猫が通っても目など覚める はずがないよなと思っていると、家の裏のほうでガラガラバッタンと いう大音響。
そっと見に行ってみると、2個並べて置いてあるゴミバケツが見事 にひっくり返り、蓋は転がり生ゴミが散乱したいた。
この間から朝起きるとゴミバケツがたびたびこのような状態となって いたのは、あやつの仕業だったのか。 これは、白い光の中をわき目もふらずに歩いていた美しい姿のあや つの稼業なのだ。
はじめて見た猫だった。 でも猫は、私のことを知っているのかもしれない。 どこかから見られているのかも知れない。
出掛けにクローゼットで見つけたスカート。 昨年買って、一度もはかないまますっかり忘れていた。
長めの裾5センチほどが透けていて、涼しげでよいではないか といそいそと着たところまでは問題なかった。 靴を履いて外に何歩かでたところで、苛立ってきた。
このスカートの裾幅と私の歩幅が恐ろしく合わないからだ。 裾幅が狭すぎるのだ。 あ〜ん、だから放置したままになっていたのだ。
着替えるのも面倒なので、今日は小股で歩こうとそのまま出かけ たが、いかにせんこのペンギン歩きでは。。とイライラしてきて そこのお店で裁ちバサミを借りて、裾を切り裂いてしまいたかった。
何年か前に、女子の自衛隊の行進の歩幅は70センチだというの を知って、私も同じ歩幅で歩いてみた。 この70センチ、背筋がピン!とのびて絶妙なのだ。 なんだか身体が鈍っちゃっているな、ピシッ!としたいと感じた時 には、歩幅70センチの行進を誰もいない夜道などでしてみると 息は切れるけれど、背筋が伸びたぶん背が高くなったような気分 となって、ついでに敬礼でもしたくなる。
こんなことをしていたのだもん。 ふつうに歩く歩幅だって、いつの間にか広くなってしまったという わけね;;
ある日
油壺夫人のパパの肝臓の手術が終わるのを手術室のそばの 待合室で、油壺夫人と私がまだかまだかと気をもみながら待っ ているところへ、スリッパをペタンペタンと音立てながらたびたび やって来て「まだ?終わらない?」「遅いなぁ」と言っては戻って いく入院患者。
その男は有名な○○組のヤ○○さんで、何日か後にパパと同 じ手術をするものだから落ち着かないらしいと、油壺夫人から教 えてもらった。
ヤ○○さんは暇でしょうがないらしくて、子分みたいなのを一日 中怒ったり命令したりしている。 ママがパパのところに来ていることがわかると、それってどうな の?と思いっきりひくようなエンジ色のサテンのガウンを、本人 はおしゃれなつもりで羽織ってフラ〜とパパの病室に進入して来 るのだよ。 そして愛想笑いをしながら家族の一員のようにそこにいる。 パパは面白がってヤ○○さんの話を聴いている。
ヤ○○さんのところに女がお見舞いに来ている時は、病室のドア が閉まっているのですぐにわかっちゃう、と油壺夫人が言うので 「女って、その男の情婦かな」と、うっとりキム・ベイシンガー などを想像してみた。 「うぅん、サンダルつっかけた安い女」にガクッ。
油壺夫人のパパが入院した日、油壺夫人とママが廊下で看護士 さんと話をしているところへ、そのヤ○○さんはどこからか忍び寄 ってきて、「こすげです」とさも懐かしそうに挨拶をしたのだそうだ。
ママは「こすげ。。。??」 。。。。。。 しばらく考えてから「ああ、小菅。拘置所ね」。
ヤ○○さんにしたら、小菅にある東京拘置所に拘置されていた時に、 ママが仕事で拘置所を訪れたことを知ったらしく、間違いなくお友達 感覚♪での挨拶となったらしい。 保護司のママ、拘置所で講演でもしたのか? それにしても姓を名乗らず小菅を名乗るとは、ずいぶん拘置慣れして いるもんだ。ヤ○○のサガか。。。
パパの手術が終わる予定時間をとっくに過ぎても、手術室の出入り 口に動きはみえない。 だんだん心配になってきている私たちのところへ、またペタンペタン とスリッパの音もけたたましくやってきたヤ○○さん。
「(手術)失敗しちゃったんじゃないの」
の一言を残して去っていった。
後日談。 パパの手術は成功した。 ヤ○○さんは、ご自分の手術の前日に病院から逃亡したのでした〜 ふふふ〜臆病者\(^o^)/
昨晩ユキちゃんを散歩に連れて行った夫が、 「首輪がはずれて逃げた」と言いながら、はずれた首輪とリードだ けを持って戻ってきた。
「門さえ開けておけば、そのうち家に帰って来てるだろう」 なんて悠長にかまえている夫は、ユキちゃんを買い被っている。
自分の名前さえ1年経っても覚えられなかったあのユキちゃんが、 自分の家に帰れるはずがないじゃないか(パリになんか行けるは ずないじゃないか!。。。リュドヴィーク入ってます;;)、それに 誘拐や交通事故が怖いとわめき散らして、私と小豆は自転車で捜し に出た。 夫もそう言われればそうだと納得したのか、自転車の籠にユキち ゃん愛用のおもちゃやテニスボール、好物のチーズを入れて出陣。
幸い月夜で明るい。 田んぼの中の一本道、遠くの方にユキちゃんの白い影が過ぎった りしないかと目を凝らしてみても、大声で名前を呼んでみても、動く ものは見つからない。
3時間が経ち、捜し疲れて門の前で呆然と立っていた小豆と私の 前に、向こうからフルスピードでやってきた車がつんのめる様に止 まった。 と、同時に中から飛び出てきたご近所のおじさんが 「通りがかりに見かけた犬が、どうもお宅のユキちゃんらしい」 道端にきょとんと立っていた犬がいたので、「ユキちゃんか?」と、 声をかけてみたところ尾を振りながら逃げたそうな。 「あいつ。。。」
おじさんの車の後を自転車でついて行くと、田んぼの稲の間に見 え隠れしながら動く白いもの。やっと見つけた。 ところが、捕まえるのにまたひと騒動。 迷子になった子供が親の懐に飛び込んでくるように、どうしてなら ない? そんなに飼われるのが嫌なのか?
やっぱりチーズか;; チーズに釣られたユキちゃんを、どうにか捕まえることができたもの の、帰宅後はみんなフラフラ。 ユキちゃんは「もっと、もっと」と日ごろの3倍のお水を飲んだけれど、 気分が高揚しているらしくて落ち着かない。 家族から離れて初めての自由は、不安と恐怖でもあったのだろうな。
お腹を撫ぜながら「箱根強羅ホテル」で麻実と内野が歌った子守唄
いたずらやさんの〜坊や〜♪
を、今夜は何回も歌ってやった。
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