椰子の実日記【JOYWOW】
2008年09月03日(水)
きらめく波、スカッシュのような風が発想を刺激
朝から、クライアントさんと新商品開発プロジェクト・ ミーティングを、葉山の海を見晴らすテラスにて行う。 風が、光が、きらめく波が、心地よい。
おかげで、コンセプト・メイキングという、最も重要な コアの部分についての議論がとても気持ち良く進んだ。 幸せなひと時でした。仕事、こうでなくては。
2008年09月02日(火)
山手ねこと誘惑のチャンス
本日の山手ねこ。顔を洗っておられます。 事務所で仕事していて、ふと、あ、いま、山手ねこは 下におられるな、と予感がして、階下に降りたら、 やはりいらっしゃいました。パチパチパチ。
自由に使える読書感想文(→)
なるサイトがあることをテレビで知った。 コピペの弊害の事例として取り上げられて いたのだが、まあ、こういうのは昔から あったわけで、ぼくの時代は「教科書ガイド」 という本があり、先生の指導方針や宿題などが 全部ありのまま掲載されていて、いわゆる 「アンチョコ」だ。
昔から使う人は使う、使わない人は使わない。
むしろ今の子どもたちのほうが、こういう、便利な 誘惑が満ちているだけ、「誘惑を断ち切る勇気」 を鍛えるチャンスに恵まれているのかもしれない。
誘惑が多いということは、修行の場が多いということ。 いい時代である。いや、これは皮肉ではなく。
2008年09月01日(月)
首相、迷惑です
矢沢エーちゃんの50歳お誕生日おめでとうライブ(99年横浜) のDVDを流しながら夕食の洗い物を済ませ、さて、と DVDを切ったらテレビで『太陽と海の教室』をやっていた。 よしよし、ちゃんと録画できているな、と北川景子の顔を 見て、おや? と思い時計を見ると10時過ぎている。 夕刊テレビ欄で確認しても特にその前スポーツ中継はない。 おっかしいなあ、と思っていたら「報道特別番組のため 放送を20分延長しています」とのテロップ。
しまったーーと思ったらそのときちょうどタイミング良く DVDの録画が終わった。うちのDVDは旧式なので、番組の 放送時間変化へflexibleに対応できないのである。インストール された番組表の時間割通りにしか動かないので、番組が 途中であろうと何であろうとプッツン切れる。
あわてて録画予約し、見ないはずのSMAP×SMAPまで 録画予約、その次の「あいのり」もこの分ではトコロテン 方式で後にずれるので余分に録画した。
一体だれが何やったんだよう、と、他のチャンネルで ニュースを見たら、何だ、福田首相が辞任だってさ。
首相が辞任しようが何しようと構わんが、『太陽と海の 教室』が途中30秒ほど欠けたのは大いに残念である。 非常に、残念である。首相、迷惑である。 どうせなら『太陽と海の教室』が終わってからに してほしかった。
2008年08月31日(日)
敗北感
ホーケンの翻訳をしながら、かつて読んだ清水幾太郎先生 の「敗北感」を追体験している。
清水先生は、歴史家E.H.カーの『新しい社会』を翻訳 された。大学で教え子たちに教材として読んでもらった のだが、感想は「気の休まる暇のない本です」 「易しいように見えて、非常に難しい本です」 というものだった。この場合の大学生は1958年頃の 学生なので、現在の大学生より遥かに学力において 高い人たちだ。
ところが、問題は、カーの本の成り立ちにある。 ラジオ講演なのだ。一般大衆がこの、哲学的で抽象度の 高い内容を耳だけで理解していた、ということ。
ホーケンの『ビジネスを育てる』はBBC放送のプログラムに なっている。対象はビジネススクールの学生ではなく 一般大衆だ。
そして、話題は『Blessed Unrest』に移る。 抽象度が高く、歴史知識も必要、話題が先住民族から WTO閣僚会議、ウォータービジネス民営化問題まで、 多岐にわたっている。これほどの上質の本が、一般読書人 に読まれている、という事実だ。文体も決してぶよぶよ していない。硬度の高い、ひきしまった、媚びない文章だ。
日本人の読書人口のレベルを思うと、「敗北感」を 感じざるを得ない。やはりアメリカはアホも多いが、 できるやつはとんでもなくできるやつがいるのだ。
2008年08月30日(土)
エコの本質
8月最後の週末もまた、翻訳と原稿とプロジェクトで 終わりそうである。写真はおなじみ、ポール・ホーケン の原書。中世の聖書の写しじゃないよ(笑)。
それにしても雷、稲光、大雨。とんでもない災害が 起こっている。被災者の皆様にはこころからお見舞い 申し上げます。
自然はこのように、恐ろしく、破壊的で、人間の都合など 全くお構いなしの貌(かお)も持っている。 宮崎監督が『もののけ姫』で描いた自然観もこれだ。 「自然を大切に」というとき、人はややもすると 緑いっぱいの草原で、爽やかな風がそよぎ、といった イメージを浮かべるが、自然のもつ、このアンビバレントな 性質もまた、同時につかんでおかないと、流行のチャラチャラ エコに陥ってしまう。
同じく、「動物を大切に保護しましょう」というとき、 生まれたてのパンダの赤ちゃんのような、「保護すべき かわいい動物」だけをイメージするのは十分ではない。 まず自らを振り返って、「実家の親を大事にしている だろうか」と省みる姿勢、これこそがエコの本質だと わしは思う。
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