株式会社JOYWOW
椰子の実日記【JOYWOW】
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2004年01月15日(木)


「けけけけけけけけけけけけけ」

半蔵門線渋谷駅ホーム、行き先掲示板を確認していた
ら右目の端で異様な動きをしている人がいる。
今到着した向かいホームの電車から降りたばかりなの
だろうか。うつむいて、左足に犬か何かがじゃれついて
いるのを懸命にはがそうとするような動きである。
必死だ。死に物狂いで、見えない「まとわりつき」を
追い払おうとする。鬼気迫るものがあった。
およそ一分ほどそうしていたあと、さっと何もなかった
ように歩いて行く。背筋を悪寒が走った。

その後、乗換えで東西線九段下駅ホームにいたら、並ん
でいる前の男がいきなり「けけけけけけけけけけけけけ」
と笑い始めた。

同じ一日に二人も出会うとは、それだけ
そういう人が増えた、ということなのか。
それとも、ぼくが呼び寄せるのか。

 

2004年01月14日(水)
文明とは、都市化である

五十嵐 一『摩擦に立つ文明』(1989)の指摘でハッと
した。
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文明を指す英語のcivilizationにせよアラビア語の
madinatunにせよ,語源は都市化であり,横浜村を
開港場にするように荒野を開いて道を造成し,橋を
架ける作業は大地の耕作(カルチュア)行為に他な
らない.
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そうなのだ。文明とは、都市化なのだ。
漱石の猫も言っていた。山が気に入らぬといっては
トンネルを掘るのが文明なのである。
『山椒魚戦争』でも、進化した山椒魚が文明の階段
を上がった結果、どうなったか。
このテーマも、面白い。しばらく、寝かせておく
ことにしよう。

 

2004年01月13日(火)
ガスがないとお湯はわきません

学問所の台所で洗い物をしていて、お湯が出ない。
おかしいなあ、スイッチ入れてるのになあ、と
説明書を読むと、室外機の開栓をしろ、というので
みてみた。エアコンの室外機も隣にあるので、冷たい
風がびゅーびゅー身体にじかに当たる。寒い。
開栓されている。電気プラグも入っている。
おかしい。故障か。これは絶対おかしい。
電気は来ているのに、お湯が出ない。

器具メーカーの24時間サービスセンターに電話した。
いろいろ話しているうち、相手の人が、聞いた。
「ガスの開栓してもらっていますか?」

あ。

ぼくはすべてが電気だとばかり思っていた。
思い込みというのは怖い。ガスを使い始めるには、
東京ガスに、栓を開けてもらわなければならないのだ。

うーむ。

 

2004年01月12日(月)
智に働けば

日本語について、考えている。

現在、翻訳の校正の最終仕上げにかかっている。
翻訳に限らず、著作はすべて校正者と編集者の
朱が加わる。著作の著者の欄には、ぼくの名前が
掲載されるが、実際は三者のプロジェクトの結果
なのである。そしてこれは世に出ている本すべてが
そうだ。翻訳とはいえ、日本語の責任はぼくにある
ので、著者と同じである。

ぼくがこだわって使う言葉や言い回しがある。
たとえば、「いただく」はひらがなの「いただく」
でもなく、「頂く」でもなく、「戴く」。
「いやな」は「嫌な」ではなく「厭な」。
「ちえ」は、文脈によって「智慧」であったり
「知恵」であったり使い分ける。

しかしぼくが書いているのはビジネス書である。
社会通念や国語の潮の流れ、そしてビジネス書の
読者を勘案して、校正者や編集者はある一定の
きまりのもとに、修正する。
版元各社それぞれで違う社内規定も朱筆を加う。

文学書の場合は、著者の裁量が最大なのだろうが、
ビジネス書の場合、著者はあまり強くない。ついでに
印税も安い(笑)。
こうして、「こだわった言葉」や「言葉への意志」
が消えていくのかもしれない。著者として、どこまで
「我」を通すか。微妙なバランスの上に、いま、ぼくは
立っている。

 

2004年01月11日(日)
そおげんのてばさき〜

ある曲がアタマについて離れない、ということがある。
いまのぼくが、それだ。
中島みゆきの「プロジェクトX」のメロディで、次の
歌詞がアタマの中をぐるぐる回って仕方がないのだ。

草原の手羽先
すなずりのビーナス

弱った。

 

Kei Sakamoto |株式会社JOYWOW