椰子の実日記【JOYWOW】
2003年06月04日(水)
「被災地」を歩く
原宿に行くついでがあり、その前が渋谷だったので 歩いていくことにした。明治通りをまっすぐ行けば いいのだが歩き始めは宮下公園に上る。初めてだ。 ここは日本初の空中公園とのことで、下はよく利用 する駐車場である。隣を電車が走るので地上とみまごう が実は電車も高架にいるのでお互い空中だ。 歩きながら一種異様な空気に何事かと身構えたら、 なんと、道の両サイドがびっしり青テントである。 まるで何か災害が起こった直後の被災地だ。 さらに寒くなったのが、そこで暮らすホームレス が、ついこの前まで会社勤めしていました、という 風貌ばかりなのである。そういう目でみてみると、 たしかに「家」の壁には英語でメッセージ が書かれてあったり、「文化」のにおいがする。 ぼくは大阪出身なのでホームレスをよくみているが こんなサラリーマン的な人たちばかりで埋まっている エリアは初めてだ。 1993年ごろ政府のカネや太鼓に踊らされ、ステップ償還 制度を利用して住宅ローンを組み、結局自己破産せざる を得なくなった人たちが増えているときく。ローンを 組んだ人の数600万人。全員が破綻するわけではない のだが、恐ろしい数である。サラリーマンの自己破産 理由の最も大きなものが住宅ローンというのも頷ける。 ローンを組んで手に入れた住宅が青テントというのは、 なんとも怖い現実だ。ステップ償還が政府に騙された 「天災」だとすれば、ぼくがいま歩いているここも立派な 「被災地」なのかもしれない。 そうそう、言わずもがなだが、資本金1円で起業できる、 というのもステップ償還と同じ原理で、最初の3年だけ であり、株式会社なら3年後には1000万円に増資する必要 があるのですぞ。ゆめゆめダマされないように。
2003年06月03日(火)
もうひとつの日本は可能だ
内橋克人氏。かつて広島勤務時代、氏の『尊敬おく あたわざる企業』に感銘を受け、手紙を出したこと がある。趣旨は「自分はずっと地方に塩漬けにされ ており、この先いつ転勤できるかわからない。会社の 意のままである。つまらん」みたいな愚痴だ。 なんと、返事がきた。お人柄の出た、いい文字で、 「非常に共感できる」という内容だった。高名な 人から手紙が来るだけで驚きなのに、しかも賛意を 示してくださっていることに大感激した。以来、氏の 発言は常に注目している。自分の著作や発言も、氏の 目に触れて恥ずかしくないものかどうか、気にして いる。
そういう中、最新作『もうひとつの日本は可能だ』 (光文社)を読み、深くふかく考えさせられた。 帯に曰く、「呼吸する生き物としての人間という原点 に戻らないかぎり、人々が望む経済もないでしょう。 私たちはいま、もうひとつ別の方向にこそ、『未来 への暁光』をみることができるはずです」 私の「スローなビジネス」哲学の土壌に、内橋氏の 主張が色濃くしみこんでいることに、あらためて 気づいた。このような良質の本が、もっともっと 読まれてしかるべきである。
2003年06月02日(月)
嗚呼。世界に冠たる田舎者よ
「二ヶ国語話す人を何という?」 「バイリンガル」 「正解。では、一ヶ国語しか話せない人は?」 「アメリカ人」
というくらい、米国人はグローバルな視点が苦手 である。 米国人のアタマの中ではアジア人は全員いまだに スリッパで歩いているし、ソニーは米国企業だと言い張る。 それを加速するのが日本政府であり、純ちゃんである。 日米首脳会談ではなく、日米主従会談の様相を呈している。
だから米国人が「イラク復興」というとき、それは バクダッドにマクドナルドのアーチが輝き、ナイキの工場 が建設され、バナナリパブリックの店舗が開店することを 指している。冗談ではなく、本気でそう考えている。 米国人が言う「グローバル化」とは、「米国化」のこと なのである。
2003年06月01日(日)
imprinting(刷り込み)
地方に出張した。JRに乗って、先頭車両運転席後ろ で進行方向を見ながら乗っていた。『電車でGO!』 の世界である。身体を鍛えるため、常に立つように しているのだが、どうせ立つなら何か楽しいことを しながらと思って。 駅ホームに制服の女学生が群れていた。天気が良く、 気持ちのいい眺めだった。まるでサントリーのCM みたいだなあ、と思っていた。ふと、「サントリー のCMを後追いして現実をなぞらせている自分」に 気づいた。また、駅のホームで夏を表現しているの は実はサントリーではなく、現在放映されている 企業で言うならネスレのネスカフェである。なのに この手の光景は、「南アルプス天然水」以降、サン トリーであるという刷り込みが自分のマインド内にできて しまっている。また、現実が先行するべきが、テレビ のイメージが先行してしまっている。まるでマクルーハンの メディア論ではないか。 ブランドや広告宣伝を語る際のネタが一つ、増えた。 ちなみに「imprinting(刷り込み)」というコンセプト は動物学者のローレンツ博士がカモの生態を観察して 発想したものである。
2003年05月31日(土)
梅よ、ふんばれ
台風である。住んでいるところにはまだ来ていない。 和歌山の梅農家 がやっているECサイト発行メールマガジン が朝飛び込んできて、叫んでいる。
(引用開始) ---------------------------------------- 1年間 大切に 大切に 育ててきた梅の実が 後1週間ほどで 立派な梅の実に・・・・。 っと 心待ちにしていた この時期に 台風のニュースが飛び込んできました。 もうすでに、 小さな実のまま 風にあおられて 梅の木から振り落とされてしまってます。 ---------------------------------------- (引用終了)
実はこの店の店主は拙著『語ろう!』p.120登場 のT氏である。顔見知りなだけに、台風の 心配に具体的な顔がついた。
梅はどうなってしまうのだろう。心配で、「その後」の メールマガジンを待っている。こんな気持ちでメルマガを 待つのは初めてである。
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