株式会社JOYWOW
椰子の実日記【JOYWOW】
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2003年04月25日(金)


情報も、「個」の時代

つくづく、北京出張を延期してよかったと思う。
国を信用して、あるいは旅行会社を信用して
「北京は危険ゾーンではないですから」を鵜呑みに
のこのこ行っていたらどうなっていたことか。
SARSは、言ってみれば不治の病である。人類が
初めて遭遇する、対処法のない病だ。

国を信用しない、というのは、NY時代に身に沁みた
体験からきている。9.11における「不明邦人」
の人数に私はカウントされていない。カウントされ
たのは大手企業社員や官公庁職員が大半で、
私や私の周囲にいるような、組織に属さないアー
ティストたちはカウントされていない。
国は信用してはいけないのである。
情報も、個人の時代なのだ。

 

2003年04月24日(木)
元気の出る

「仕事と自分」というテーマでディスカッションした。
メンバーはAさん、Bさん、そして私の三人である。
多くのサラリーマンの悩みは「仕事を自分のものとして
のめりこめない」ことだという。

Aさんはそれを「幽体離脱」といった。
Bさんは「段違平行棒」と。
そして私は「仕事用のフロッピーを入れ、会社から
離れると、フロッピーを出す」といった。

「身過ぎ世過ぎ」という言葉も、ここから生まれる。

こういう話をしていて、1989年、まだサラリーマン
だった自分の言葉を思い出した。

「仕事はゲームだ」

この言葉には、仕事と自分との距離がある。

仕事を愛せない、そういう自分を愛せない人が、多い
のだろう。山本藤光氏が「元気の出る小説」を
書くとおっしゃっているが、まさに現代ビジネスパースンに
求められているのは、高邁な理論ではなく、「元気のでる」
サムシング。私もそのための発信や仕掛けをしていこう。

 

2003年04月23日(水)
パーミション・マーケティング

たいていのマーケティング担当者が陥りやすいあやまちの
最後のものは、彼らの作る広告が、あたかも人気コンテスト
の「作品」みたいに考えられてしまう、という点である。
オフィス中をねりあるき、守衛さんにまで「どう? カッコ
いい?」と尋ね、額に入れて壁に麗々しく飾る。「効果のある」
広告ではなく、「カッコいい」広告に走りがちになってしまう
のだ。どうしてこうなってしまったのか。
『USAトゥデイ』にはコマーシャル批評が掲載されている(コ
マーシャルの批評だなんて、信じられない気がするが)。
まあたしかに、人々はコマーシャルについて話題にすることも
ある。スーパーボウルの試合中継番組のあと、あの企業の広告
は長いばかりで退屈だとか、別の企業のはカッコいいとか。
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以上は私の意見ではなく、セス・ゴーディン『パーミション・
マーケティング』(拙訳・翔泳社)の引用です。99年、既に
セスはこのようなことを言っていました。日本の医療現場でも
パーミション・マーケティングが話題に出始めたようで、
当初ネットビジネスの理論的背景として論じられることの
多かったパーミション・マーケティングがようやく、ビジネス
のOSとして語られるようになり、喜んでいます。

それにしても、広告業界はいまだセスが無駄だからやめろと
言っている無意味な広告を繰り返しています。
パーミション・マーケティングについて知らないはずは
ないのですが。

それはそうと;
広告を見たから、買いに走った、という体験、あなたは
何回ありますか? おっと、昨今はサラ金のCMばかり
だから、広告の指示通り借金して犬を買ったら、あとで
犬と一緒に「くぅーん」と泣く羽目になりますね。

 

2003年04月22日(火)
母国語で語り合う

ヨーロッパで生まれた近代的自我は人間を幸せに
するのだろうか。しないのではないか。狭量で、
例外を許さず、0か1かのジャッジしかできない。
相手をとことん追いつめ、自分が白だと思ったら
相手が黒だと言うことを許さない。

言語学の裏づけが欲しいところだが、0か1かで
建築のように構築していく言語体系はヨーロッパ
(ひいてはアメリカ)ならではのもので、ポリネシア、
日本、中国、韓国、アフリカ、ラテンアメリカ、など
の言語は、あいまいな、グレーゾーンを認め、それを
表現することで人間関係を「まとめる」方向に来ていた
のではないか。日本は西欧思想を明治以来輸入してきた
が、ハッピーの量は増えたのか。「論理的に考える」
ことは、実は不幸を増やすだけのことなのではないのか。

地理で言うとヨーロッパに入るがウェールズ人のR・S・
トーマス(詩人)の言葉。

「もう核爆弾が落ちて、世界は滅びるかもしれない。
しかし、人間は滅びるかもしれないけれども、世界の
終わりにも、この空間を、この世界を見渡しながら、
世界が美しいということについて、自分の母国語で
語り合う人間ということを想像するのが好きです」
(訳・大江健三郎)

母国語は重要であり、そもそも祖国というものは国語
のことだ。「読み・書く」ための日本語の研究を
続けるうち、この結論に至った。「西洋流」は、そろそろ
卒業しよう。

 

2003年04月21日(月)
言葉の銀行が豊かになる

亀田総合病院附属幕張クリニック 山田隆司氏、ファーマ・
マーケティング・コンサルタント 井上良一氏、コラボ
プラン山本藤光氏と会食。赤坂見附は久しぶり。この前
はまだニューヨークにいて、キャピトル東急に長期滞在
していたジャパン・セミナー・ツアーの頃だから、
ちょうど2年前のことになる。旨い餃子屋があったはずだが
探す間もなく、集合場所の店に到着。

山田氏、井上氏のような素晴らしい「知」の新たな人脈を
築けたのは山本藤光さんのおかげである。電車の中で読書
しながら思いついた言葉「経営は人脈」を、つい思い出して
しまう。井上氏より『マーケティング・サーフィン』(本
の方)と『インビジブル・マーケティング』を褒められ、
嬉しかった。『インビジブル』はもっと読まれていい本だ
と思っていたので、意を強くする。井上氏のようなマーケ
ティングの大先輩から褒められると嬉しい。人間、いくつに
なっても、褒められることはやる気につながるものだなあ。
また、山田氏の病院経営の現場の話、よそでは聞けないので、
とても勉強になった。自分の中にある言葉の海、言葉の銀行
((c)大江健三郎)がどんどん豊饒になっていくことが嬉しい。
大人の男が四人集まって数時間、酒も入っているのに話が
下卑にならない。知的な空気が何より楽しい。

帰途、大江健三郎、河合隼雄、谷川俊太郎の日本語についての
鼎談にのめりこむ。行きも帰りも電車車中では立ったまま本を
読んだ。おかげで今日は二冊、読了。

 

Kei Sakamoto |株式会社JOYWOW