株式会社JOYWOW
椰子の実日記【JOYWOW】
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2003年03月21日(金)


ツケを払いに来た客

朝日新聞夕刊(2003/3/20)の記事が印象に残りました。
ブッシュが宣告した48時間内のバグダッド市内。
化粧品店を営むサファ氏(38)は19日に休業した。
在庫を車に積んでいたら、近所の常連客がツケを
支払いにやってきた。「もう会えないかもしれないから」
サファ氏「まったく変な感じだよ。もう死ぬ気でいるみたいだ」
その夜、サファ氏は郊外の両親の家で、家族全員12人で夕食
をとった。最後のだんらんになるかもしれない、との思いが
頭をかすめた。数時間後。バグダッド市内を砲撃が襲った。

商人と顧客とのふんわかした、日常のいい関係の光景が目に浮か
びます。この顧客が、開戦するかもしれない報を聞いて、「何を
したらいいんだろう」と考え、いろいろな思いがよぎる中で
「そうだ、サファさんにこのあいだ買ったあの化粧品のツケが
あったんだわ」と思いつく。
なんとも不思議で哀しい話です。

家族との夕食のエピソード。「最後のだんらんになるかもしれない」。
自分のこととして考えたら、胸がぎゅっ、となります。

 

2003年03月20日(木)
現実主義の陥穽

丸山真男氏の『現代政治の思想と行動』所収論文に
「現実主義の陥穽」があります。太平洋戦争突入
直前の日本で「戦争反対」を言うと「現実を
見ろ。これでも戦争はしないというのか」という
論法にて相手をねじふせるやりかたが横行した。
つまり、理想ばかり並べるな、現実を見よ、
地に足をつけろ、というわけです。
21世紀日本の首相はそれすら言わない「ボキャ貧」
で、もっと始末におえませんが。

 

2003年03月19日(水)
ねじれ

ほかのことは書く気になれないので・・・。

国民がどう言おうと、政府が右といえば右に行く。
これも「議会制民主主義」なのでしょうか。
もちろん、戦争賛成という国民もいるのは承知
しています。

国境が消え、ボーダレスワールドになったのは
すでに20世紀最後の10年です。にもかかわらず
政治の枠組は18世紀以来の国境を元にした論理
で成り立っている。ここに現在の国民と政治家
との「ねじれ」が発生しているのではないかと
思います。

イラクの戦後復興に貢献する、と政府は言いますが、
戦争に反対している国民も税で負担することになり
ます。しかし、これも議会制民主主義だから仕方
がないのか。

上記の「国民」「政府」に、「日本」「米国」「英国」
という国名のうちどれをくっつけても話は成立します。

それだけ、ボーダレスワールドになっている。情報は
偏在している。

そういう中での国家間戦争。どう考えても、「ねじれ」
ています。

 

2003年03月18日(火)
開戦

21世紀にもなって、「開戦」という言葉を現実世界
で使うようになるとは。これまで歩いてきた歴史
から人類は何も学ばないのでしょうか。
戦争文学、反戦ソング、戦争映画。ピカソのゲルニカ。
レノンのイマジン。そして、広島、長崎の被爆体験。

病と戦い、生きるため無理やりにでも明日へ手を伸ばし
ている人がいます。別れたくなくても別れて暮らす人々。
不慮の事故に遭い、一瞬にして人生のカーテンを下ろさ
れてしまった人。その家族。死にたくなくても、死んで
しまった人。その家族。

ブッシュの演説を聞いて、たまらない無力感にさいなまれ
ています。考えがまとまりません。

少なくともいえることは、今後私はもう二度と、映画『007』
シリーズやハリウッドの「スペクタクル」映画を観ることは
ないでしょう。反米や反英というのではありません。
現実に人が人を殺している中、フィクションの中でまで
殺人を目にすることは神経が耐えられないからです。

 

2003年03月17日(月)
天真爛漫

棟方志功さんの映像を観ました。

板画作品を創作している仕事場にて一休み
しているときのものです。本当に嬉しそう
に話します。「彫刻刀がくい、と板を抜け
ていくときの気持ちが何ともいえず、いい
んだ」といった内容でした。そのこどもの
ような天真爛漫な雰囲気と、創造の悦びを
全身で表現する無邪気さにこころ打たれ、
思わず、感動の涙を流してしまいました。
映像はほんの1分あるかないかでしたが、
ほんものの創造者だけがもつオーラが、画面
からあふれでてきました。

「身体ごと板画にならなければ、本当の板画
は生まれない」とは志功さんの言葉ですが、
好きですきで仕方が無かったのだろうなあ、
と、思います。同じく創造する者として、
あのような「天真爛漫」の境地に至ることが
できたら、と願います。

 

Kei Sakamoto |株式会社JOYWOW