何でも怖い。 |
小さい頃から怖い物が多かった。
水が怖くて、顔もロクに洗えなかった。
手に水をつけて、化粧水のパッティングのように顔を叩くだけ。
シャンプーの時は大変。
シャンプーハットをかぶってもダメだし、頭を下げて洗うなんてもってのほか。
目をつぶるのも怖いし、お湯が頭や顔、耳にかかる事で閉じ込められるような気がして怖い。
いつもお風呂では一騒動だった。
当然、泳げない。顔をつける事が出来ない。
まともに泳げるようになったのは小学校3年生。
自転車も乗れなかった。
幼稚園の友だちが、どんどん補助輪をはずしていく中で、怖くてなかなかはずせない。
運動神経は悪くないのに、足を離して不安定になるのが怖いのだ。
自転車に乗れるようになったのは、小学校2年生。
注射も怖かった。
お尻に打つ注射。打つ前に私は『見せて!』と言う。
どんな注射を打つのか見せて!って。
すると先生が『これだよ。』って見せてくれて『さあ、打とうか。』
すると私がまた『見せて!』と言う。『さっき見せたでしょ。』って言われると、
『よく見えなかったから、もう一度見せて!』と泣き叫ぶ。
先生、苦笑い。
子どもなりに必死で知恵をしぼっていたのだろう。
あまりに病弱で、注射してばかりだったので幼稚園に上がる頃には平気になっていた。
小学校の頃は、点滴をしていた手を朝まで動かさずに眠れるようになっていた。
暗闇が怖い。『死』が怖い。閉じ込められるのが怖い。
親がふざけて布団で私をくるむ。
『布団蒸し。』
遊びでもあったし、ちょっとしたお仕置にもなっていたのかもしれないが、私は死ぬほど怖かった。
高いところが怖い。
ちょっとした用水路みたいな川でも、橋の上からのぞけない。
親が『抱っこして見せてあげる』と言っても、断固として拒否。
『絶対落とす。』
親を信用していなかった。(笑)
橋の側を通れないため、道路の真中に出て行ってしまう。返ってその方が危ないって。
身体が弱くて神経質で、怖がりだった。
でも、ひとつだけ怖がらない物があった。
それは『人。』
小さい頃から人見知りせず、歌を歌ったり踊ったり。
とても可愛がられていたそうだ。
気が強くて、おませで、生意気な子だったと思う。
大きくなってくるにつれて、怖い物は減ってきた。
と思っていた・・・。
昔ほどには水も暗闇も、川も怖がらなくなっていた。
その代わり、小さい頃怖くなかった物が怖くなった。
『人。』
中学生になった頃から、私は人が怖くなった。
ココロを開いて人と付き合えなくなった。
そしてPD発症。
どうしようもなく怖い物がどんどん増えていった。
今はどうなんだろう。
最悪だった時よりも、怖い物は減ってきているようにも思える。
30歳を過ぎると、生きるのが少しは楽になる。
ほんじゃまか。
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2003年02月06日(木)
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