東京の片隅から
目次きのうあした


2018年12月21日(金) 回文の日

しばらく前から家にAIスピーカーのアレクサを導入している。彼女(女性の声なので、彼女とする)の名前の由来は「アレクサンドリア図書館」という人類の叡智なのだそうだが、いささかポンコツなので、過剰な期待はしないのが良いようだ。
朝、アレクサにアラームを設定しておくと、「おはようございます、今日もかわいい/かっこいいですね」という歯の浮くような台詞とともに起こしてくれる。そのあと、天気予報と豆知識を語るのだが、今日は回文の日だそうで、「アレクサ、回文を言って、と言ってください」と言うので頼んでみると、ドヤ声で「イカ、高い」と一言。
それ?「たけやぶやけた」とかそういうのじゃなくて?まぁ今はイカもタコも高いけど!


2018年12月20日(木) 「不思議な羅針盤」

梨木香歩「不思議な羅針盤」読了。
女性誌、それも中年以上の既婚女性をターゲットにしている雑誌に掲載され、同世代の同性が読者だからか、筆致が柔らかな気がする。
周囲の植物や動物のことから、ほんの少し逸脱したそれこれまでのエッセイ。
通勤時間に読むには丁度良かった。


2018年12月19日(水) 予後

捻挫はほぼ良くなっているが、痛みがある間かばって歩いていたので、他の場所があちこち張ったり痛かったり。
あと、下りの階段がまだ怖い。
足を痛めている間感じたのは、どこも悪くなさそうな人たちがエレベーターを待つのだなぁということ。身なりも悪くない。何らかの内部障害があるのかもしれないけど、どうにもしっくりこない気持ちはある。


2018年12月18日(火) 火気厳禁

札幌の爆発事故、死者が出なかったのが不思議なレベルだが、ガスなので一瞬で爆発しきったのが不幸中の幸いだったのか。
原因が明らかになるにつれて「バカなの?」という感想しかなくなるのがなんというか頭痛い・・・。
スプレー缶に「換気のいいところで使用すること」とか「可燃性ガス」とか書いてあるよね?
そもそも100本貯めるって仕事を先延ばしして年末の廃棄物収拾を前に慌てて作業したってこと?
そもそも除菌スプレー代を取っておきながら作業していなかったとか過剰なノルマがあって構造的に在庫が積み上がる構造だったとか後から出てくる情報がどれもこれもブラック過ぎて同情の余地もない。

巻き添え食らった隣の居酒屋が本当に気の毒・・・。


2018年12月17日(月) 最後のひとり

NHKスペシャル「大アマゾン」シリーズで「イゾラド」という文明非接触先住民族(の総称)について放送していて、打ちのめされている。

彼らを「保護」した場所はもう森が切り開かれ牧場になっている。そして「入植者」はそのことについて「これで土地が自分たちのものになると思った」と平然と語る。
彼らにとっては「イゾラド」はただの邪魔者で、人ですらないのだろうと思う。

言語学者が30年言葉を研究していても800語しかわからない、「発見」された時点で既に二人しかいなかった部族。
「アウラ」と呼ばれている彼はその部族の最後の独りだ。彼と世界を共有できるものはいない。
言葉も文化も概念も違う世界にたった一人というのは想像を絶する。
こんなに見ていて苦しい番組は久しぶりだった。

ライトノベルなどで異世界に転生/転移する物語があるが、大体はいきなり言葉が通じるし主人公の元いた世界の方が科学技術が進んでいるので強者になる。しかし実態はこういうことなのだろう。


2018年12月16日(日) ムンク展

ムンク展に子どもが興味を示した。「叫び」は有名な絵だし、「びじゅチューン」で取り上げられて知っている。
最初は年末に行く予定だったのだが、ポケモンカードが期間限定で配布されているという情報を得て、急遽子どもと出かけることになった。ムンク展はなぜかポケモンとコラボしているのであった。
この土日は「家族ふれあいの日」だそうで、都内在住で未成年を連れた大人は入場料が半額。焦って前売り買わなくて良かった・・・。
ポケモンカードが目的ではないだろうけど、親子連れは結構いる。「叫び」がある種のアイコンと化しているからなぁ。
ムンクの絵そのものは子どもには理解しにくいと思うが、生い立ちを簡単に教え、あとは好きなように見せた。今の時点では、緻密じゃない、キャンバスの塗り残しなども結構ある、色も画題そのものじゃない、こういう絵もある、くらいの捉え方でいいかな、と思う。
「叫び」は面白く見ていたらしい。
子どもは出口でポケモンカードを貰ってご満悦。昼食後、公園に行こうと思っていたのだが雨が降ってきたので断念。帰宅する。


2018年12月15日(土) 街の風景

年々街のクリスマス色が薄くなるな、と思う。音楽を流すことに対して苦情が増えているのかもしれないが、ディスプレイやイルミネーションもあまり目に入らない。季節感が薄くなっているのか、子どもが少なくなってイベントごとが衰退しているのか、本来のクリスマスは祈りの場であるからこれまでがバカ騒ぎ過ぎだったのだが、それでも街の華やぎが少ないのはわびしい。


2018年12月14日(金) サンタクロース、任務完了

子どもはまだサンタクロースを信じているらしい。
何を頼んだのか聞いたら「スイッチとレッツゴーイーブイ」と言っていた。それは今以上にゲームに没頭するのが目に見えているので、サンタさん無理です(苦笑)
それは別として、実際どうするか迷ったのだが、結局、裁縫セットと手芸の本にした。裁縫セットはどうせ教材で買うけど、私の針仕事をすると自分もやりたがるし、自分もこのくらいの年齢で一式貰ったので、たぶん大丈夫だと思う。
それにしても今の裁縫セットはバッグなのね。箱タイプでもどうせ袋に入れて持ち運びするし、道具が増えたときに拡張性がないので、バッグ型というのは理にかなっているのかもしれない。しかし先だって手芸用品店で類似商品を見たが、かなりコンパクト。最低限のものしか入っていない。やはり拡張性はないのであった。
どうせ道具は増えるよ!と工具沼の父と手芸画材沼の母は実体験で知っている。
お母さん、基本セットは既に工具箱転用でそれもいっぱいだし、その他にフェルト箱とビーズ箱と刺繍糸箱とレース・リボン箱と、端布の大袋があるよ・・・


2018年12月13日(木) 銀河鉄道の夜

細野晴臣「銀河鉄道の夜」サウンドトラック他が届いた。
本当は店頭で買いたいのだが、予約と受け取りと2度店舗に通う時間はないし、発売日に行って入荷しているかは博打だ。他に買い逃していたものもあったので、まとめてタワーレコードの通販で購入したのだった。

宮沢賢治は元々好きな作家だ。小学校で家にあった岩波版を読み込み(岩波版はブルガニロ博士が出ているのでちょっと風合いが違うのだが)、そのまま鉄道や鉱石趣味に突入。家族は私が大学では日本文学科に進み宮沢賢治で卒論を書くと思っていたらしい(苦笑)。日本文学科には進まなかったが、全集を買った。

映画を見たのは封切りの時ではないと思う。あとからテレビか学校の上映会か、そんなところだ。その後、映画館でも見る機会はあった。アニメ映画だし猫だし(笑)であまり正当な評価を受けていない気もするが、テレビが大画面になった今、金曜ロードショーとかで流さないかなぁ。いいと思うんだよね。
何年か前のトーハク野外映画会でかかったときに行かれなかったのが悔やまれる。

このサウンドトラックとの出会いは、最初は中学校近所の図書館。CDを借りてきて家族のデッキでカセットテープにダビングして、自分のカセットデッキで聴いていた。その後、ずいぶん経ってからふらっと立ち寄ったディスクユニオンの特売コーナーの中で発見して購入。そして今回。
私の中高生時代は、このサウンドトラックと、萩尾望都「マージナル」のラジオドラマのイメージCDと、遊佐美森(ハス=クリア)とで、わりと細野晴臣成分が濃いめだったかもしれない。


2018年12月12日(水) 今年の漢字

今年の漢字は「災」らしい。納得すべきではないのだろうけど、それしかないと思う。関西の地震、北海道の地震、中国・四国地方の水害、酷暑、ことしはとにかくひどい年であった。

平成の30年間は衰退の30年なのだな、と思う。
オウムがあり、大きな地震があり、集中豪雨などの自然災害も多かった。昭和の後半に大災害が少なかったのがむしろ奇跡的なのだろうけど、この国はゆっくりと滅びに向かっている、そんな気がしている。


はる |MAIL