東京の片隅から
目次|きのう|あした
中島みゆきの「悪女」がふとしたときに頭の中を流れるときがある。 今とずいぶん違うな、というのは「土曜でなけりゃ映画も早い ホテルのロビーもいつまでもいられるわけじゃない」というところか。 そう、平日は映画はだいたい19時が最終だった。いまはレイトショーもあるし、漫画喫茶もあるし、夜を明かす手段には困らない。 コロナで飲食店こそ早じまいするようになったが、チェーンのカフェなら夜も開いている。女性一人で入っていてもどうこう言われる時代じゃない。 普遍的な歌だけど、そういうところでふっと時代を感じることがある。
職場の近所に保育園があるので、通勤中に登園・降園中の親子連れに良く出会う。そのせいか、子どもの「落とし物」がときどき落ちている。靴下、靴、ジャンパー、ハンドタオル等々。この前は自転車用ヘルメットだった。現場が工事現場の前だったらしく、作業員の人がカラーコーンにかぶせてよく見えるようにしてくれ、工事終了後は植え込みの上に置いてある。目立つ色だ。ヘルメットなんて安くないものだし、それを全然探しに来ないってどういうことだろう、金持ちだな(笑)と思っている。
電車で隣に座った男性、とてもタバコ臭い。 最近は喫煙率も下がってるし電子たばこの人も増えたからそこまで強烈なヤニ臭を放つ人はなかなかいない。路上喫煙条例も施行されたから、吸い殻が道に落ちていることも少ない。 まだたばこ吸ってる人がいるんだ、という感想。もう何を着ても、着なくても、身体にたばこの匂いが染みついてるんだろうなぁ。
街で見かけた女性。大きいチェック模様のスカート。ああ秋だねぇ、と思ったのだが、脇で柄が全く合っていないことに気づく。ずれちゃったとかそういうレベルじゃなく、もう最初から合わせる気がないレベル。チェックの格子が小さければ気づかないんだけど、大きい上にコントラストの強い色柄だったので、嫌が応にも目立つ。 自分で作ったのならむしろ柄合わせに気を遣うだろう。どこかのファストファッションブランドなんだろうけど、服の作り手としての矜恃はないのか。ただ布を縫って形にすればいいと思ってるんだろうなぁ。
学校からの連絡。 9月の保護者会は中止。秋の運動会は形を変えて開催、学習発表会も何らかの形で実施、延期された移動教室は日程短縮で今のところ決行する方向。いずれも今後の感染状況で変更の可能性はあり。
気象庁の長期予報を見てラニーニャ現象の動向と学校の行事予定を睨みながら今シーズンのスキー場の宿泊予約をする。例年通りの風景。
オリンピックパラリンピックの後はSDGSらしい。学校でやたらSDGSについて勉強が始まったらしく、パンフレットをもらってきた。変わり身早いなぁおい。 いろいろ勉強した結果、最近我が家の小学生は「地球にとって一番優しいのは人間が絶滅することではないだろうか」と言い出した(笑)。 うん、お母さんも君と同じくらいの年の頃はそう考えていたよ。
手紙を書くとき出すとき、相手や季節によって封筒や便箋の色柄を選んだり、切手を選んだりするのが結構楽しい、と会社で言ったら、私より女子力が高そうな(少なくとも外見は私よりうんと女子力が高い)総務のお姉さん方に「それはない」と言われた。そういうのは少女趣味と言うよりもヲタク傾向に昨今は分類されるらしい。
石川宗生「半分世界」読了。 気分がもやもやしているので、そういうときはSFを読んでもっともやもやするに限る。 翻訳SFっぽい文体。中南米っぽい不条理で暴力的な不思議な感覚。後味が何だかもやもやする。読み終わった後もざらざらした感覚が残る。
北野勇作「100文字SF」読了。 ツイッターで発表したものをまとめたもの。既発表分はもっと大量にあるらしく、その中から厳選したもののようだ。 たかが100文字、されど100文字。さすがにショートショートほどの起承転結はないけど、ちゃんとストーリーになっている。 何度も出てくるモチーフがあったりして、作者の人がこのモチーフの原風景の何かに引っかかるんだろうなとにやりとさせられたりする。
ツイッターの140文字って、言いたいことを言い切るのには微妙な文字数で、脊髄反射で呟くなら140文字でも十分なんだけど、筋道立てて述べるには足りない。連続ツイートという手段もあるけど、句読点の位置、助詞助動詞の置き方等々、結構吟味するときもある。 この100文字も練りに練った100文字なんだろうなぁ。
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