|
エゲレスの「ラフラボ」という機関が、 1年あまりの歳月をかけ、世界中のジョークを集め、 どの国でもウケるジョークは何かを調べるという壮大な実験を行いました。 その結果、世界一になったのは以下のジョークでした。
「二人の猟師が森に出かけ、そのうちの一人が倒れてしまいました。彼は息をしていないようで、白目をむいています。もう一人が慌てて119番通報しました。彼は息を詰まらせながら言いました。『友達が死んでます!どうしたらいいでしょう!?』 電話口のオペレーターは、穏やかな声で答えます。『どうか落ち着いて。いいですか?まず彼が本当に死んでいるのか確かめてください』 沈黙。そして銃声が聞こえました。そして電話口に戻ってきた猟師は言いました。『はい、それで?』」
<原文> A couple of New Jersey hunters are out in the woods when one of them falls to the ground. He doesn't seem to be breathing, his eyes are rolled back in his head. The other guy whips out his cell phone and calls the emergency services. He gasps to the operator: "My friend is dead! What can I do?" The operator, in a calm soothing voice says: "Just take it easy. I can help. First, let's make sure he's dead." There is a silence, then a shot is heard. The guy's voice comes back on the line. He says: "OK, now what?"
・・・えーっと、コレって、どこが面白いんでしょうか?
ラフラボ(今気付いたけどラブホみたいだな)である主催者の心理学者によれば、 このジョークは全地域・全世代・性別を問わない普遍的なおもしろさがあるそうで、 そのおもしろさは 1)自分が他人より優れていると思わせる 2)不安を煽る出来事に際する心理的なショックを軽減させる 3)ある種の不調和な感じが人を驚かせる という3つの理由に支えられているそうです。
ふーーーーーん。
で、ここまで書いてみて、もう一度読みなおしてみて、気付いた。 コレ、"let's make sure"っていう表現がダブルミーニングなんだね。 オペレーターは「彼が本当に死んでいるのか確かめてください」と言ったつもりだったんだけど、 猟師は「彼が確かに死んでいるようにしてください=彼を殺してください」と受け取って、 虫の息の友人を撃ち殺した、と。 ahaha。
これが分かっても、やっぱり「ふーーーん」だ。
そもそも、コレって英語圏の人間以外に通じるのか? let's make sureっていう表現を持っていない言語を母語にする人間には、 絶対に通用しないと思うんだけど・・・
ちなみに、ラフラボのホームページには、 「各国で一番ウケたジョーク」っていうのも出ていた。 ちょっと好きだったのはイギリスNo.1のやつ。
「女性が赤ん坊を抱いてバスに乗り込むと、運転手が言った。『ウワッ!俺が見た中で一番キモイ赤ん坊だな!』 女性はしごく腹を立てながら、後ろの方の座席に座って、隣の席の男に話しかけた。『あの運転手、サイテーよ!!』 それを聞いた男、『アイツにはっきり文句を言ってきた方がいいですよ!このサルの面倒は見ててあげますから』」
A woman gets on a bus with her baby. The bus driver says: "That's the ugliest baby that I've ever seen. Ugh!" The woman goes to the rear of the bus and sits down, fuming. She says to a man next to her: "The driver just insulted me!" The man says: "You go right up there and tell him off. Go ahead, I'll hold your monkey for you."
これはプロがコントか漫才でやったら多分いけると思った。 もうひとひねりで、赤ん坊役を岡村さんか寛平ちゃんにして、 ラストで「誰がサルやねん」とか言ったら完全にオチる。
・・・どちらにせよ、これは完全に英語圏中心のプロジェクトです。 こんなんで世界のジョークを分析したつもりになってるなら、 はなはだ了見が狭いというものです。 ラフラボの今後の更なる飛躍を期待します。
http://www.laughlab.co.uk/
|