Simple Faith


2004年11月25日(木) サンクスギビングとマイラ

今日はサンクスギビングでした。
アメリカではサンクスギビングの休暇には家族で集まって食事をします。大学も昨日あたりから日曜日まで休みで、学生はみんな実家に帰っています。

私たちは、グリーンフィールド牧師と奥さんのイレネヤ(私たちと同じ年くらいで仲がいいのです)と一緒に、一人暮らしのマイケルを招待して、私たちのアパートで食事をしました。

サンクスギビングといえば七面鳥ですが、私たちはベジタリアンで、しかもグリーンフィールド牧師はニュージーランド人、イレネヤは南アフリカ人、私は日本人なので、少し伝統とは異なる食事になりました。

みんなで話していると電話が鳴って、ジョンが出ました。少しすると、ジョンが電話に向かって"Praise the Lord!"と、満面の笑みを浮かべて言っています。

電話を切った後、それがマイラのお母さんのブルルからであったことを教えてくれました。

DVDを見た翌日、マイラから私たちのところに電話があり、DVDのことをルームメイトに話したらみんな興味を持って、見たいと言っているので貸してもらえないか、と言うので、コピーして(伝道のためならコピーOKと言われたので)マイラに渡しました。

マイラは家に帰った後、そのことを両親に話しました。DVDによって、終わりの時の預言と、政治、経済、宗教の世界で今起こっていることが一致していて、それが現実であることを理解したマイラは、目が覚めたように、終わりの時を意識するようになりました。

そして両親に向かって、「弟たちはいい子だから天国に行けるけど、今の私は天国には行けない」と言い出したのだそうです。そして、「各時代の大争闘」を読みたいと言ったのだそうです。お母さんのブルルは、霊的なことに目覚めたマイラを見て、興奮して電話をしてきたのです。「でも、私が電話したことはマイラには言わないでね!」と言っていました。

そしてジョンはブルルと話して、マイラが帰ってきたら「キリストへの道」を一章ずつ読んで勉強しようということになりました。明日、ブルルたちはDVDプレーヤーを買って、家族でDVDを見ることになったのだそうです。

ジョンの報告を聞いて、みんなで驚き、喜んだのでした。神様はいろんな方法を持っておられて、人間の知恵や方法ではとても達成できないことを聖霊の神様のお働きかけによって、ご自分の時になさるんだなあと感動したのでした。

これからのマイラの成長が楽しみです。


2004年11月24日(水) ブレント

ブレントはセントラル・ミシガン大学(CMU)の一年生。
先月、彼が寮の食堂で食事をしていたところ、隣の席から三位一体についての議論が聞こえてきました。「僕もそう思うよ」とブレントの方から話しかけたのですが、その相手は同じ寮に住む、SDAの学生のビルでした。

お互いに自己紹介をしていろいろ話した後、ブレントはビルにキャンパスで開かれている伝道講演会に誘われました。

ブレントは、ルーテル派の教会に育ち、最近はカトリック教徒になるために勉強をしているところでした。ビルがSDAであると聞き、SDAは偽キリストがカトリック教会であると説いていることを聞いていたので、興味を持ってやってきました。

2回目に来た日は、安息日についてのメッセージでした。
集会が終わった後、ブレントは説教者の少年(17歳のブラッド)のところに行き、「安息日は、AD110年?に変更したんだ!」と息巻いていました。ブラッドは、「次回の集会で礼拝日がどのように変更されたかについて話すから、それに来てくれ」と優しく言いました。

次の集会で、予告どおり、ブラッドは礼拝日がどのように変更されたかをいろいろな引用を使って説明しました。ブレントの方をちらちら見ると、一つ一つの引用、聖句を熱心に書きとめていました。

説教が終わった後、「決断カード?」が配られました。いくつかチェックする項目があり、その一つが「安息日は今も7日目の土曜日であることを理解したので、聖書に基づいた安息日を守りたい」という項目でした。

翌日、ジョンがグリーンフィールド牧師にそのカードについて尋ねると、驚いたことにブレントがその項目にチェックをしていたのです。その午後、2人がブレントを訪ねると、ブレントは他の教理はまだわからないのでもっと勉強しなければならないけれど、安息日が土曜日だと言うことは理解し、正しいと確信したので、これから毎週教会に来たいということでした。

それ以来、ブレントは毎週教会に来て、午後も私たちと一緒に過ごすようになりました。残りの伝道講演会にもほとんど毎回来て、その後のフォローアップ・シリーズにも毎回忠実に来ています。

疑問に思ったことは何でも素直に質問してくれます。死後の状態について聞いてきたので、その場で聖書研究になりました。その後、「他のどの教会の説明よりも筋が通ってる」と言いました。

いろいろなHPでSDAを批判する記事(特に証の書について)も読み、それについても質問してきました。ちょうどグリーンフィールド牧師もいて、コンピューターで証の書が全部読めたので、批判されている文章をひとつひとつ前後の文脈を含めて読んでいきました。「なんだ、文脈と関係なく切り取って批判してるだけなんだ」と、ひとつひとつ納得していきました。

まるでスポンジのように吸収して、ひとつひとつ納得しています。「SDAって以前は全く知らなかったけど、勉強してみたら以前から自分で聖書を読んで理解していたこととほとんど同じような教理だったんだ」と言っていました。

安息日を守る決心をし始めてしばらくすると、実家に帰ったときに家族がどういう反応をするだろうと考え始めました。「きっと家族はみんな僕が変な宗教に入っちゃったと思うんだろうな。」と話していました。

そして2週間くらい前、ブレントはバプテスマを受ける決心をしました。もともと聖書の知識と、イエス様に従う決心はあったので、教理を勉強してそれが聖書に基づいたものだと理解すると、その後はとっても早かったのです。なんと、12月4日にバプテスマだそうです。でもまだ1ヶ月、と思いだすとかえってびっくりしてしまうくらい、まるで昔からSDA教会に来ているようなのです。

バプテスマを決心する前後から、「今の大学で学ぶことは、本当に自分のためになるんだろうか」と考え始めました。「自分は、本当に献身するなら、他の職業ではなくて牧師か伝道者になりたいっていうたちなんだ」と話し、私たちやバイブル・ワーカーのウィリアムにどこの学校がいいかと相談してきました。

ウィマーに行って牧師になろうかと考えたり、ミッション・カレッジで4ヶ月のトレーニングを受けてCMUにミッショナリーとして帰って来ようかと考えたりしています。12月にバプテスマを受けて、1月からのトレーニングに行こうかと考えたり、でも現在のCMUのSDAグループが小さいので、残ってもっと助けたほうがいいのかな、と考えたり、いろいろ思っているようです。

ブレントはまだ18歳。でもとても大人でやさしいのです。私たちは、神様がブレントを与えてくださったことをとても感謝しています。これからどうなるんだろう、とわくわくしています。


2004年11月22日(月) ドリスとジャックとミッシェル

今日は午後、ドリスの家に行きました。
ドリスはマウント・プレザント教会の教会員ですが、情緒的な面で問題を抱えていたり、タバコがやめられなかったりと色々葛藤しています。

以前、刑務所に入っていて、刑務所の中で聖書研究をして神様を受け入れたジャックとその彼女のミッシェル、彼らの子供たちがドリスのところに居候をしているので、ジョンと私は何度もドリスの家を訪問し、そのうちにドリスが私に心を開いてくれるようになりました。

それで、「神様にすべてを明け渡す」ことについて書いてある本を一緒に読むことになりました。ドリスはとてもひたむきで、神様のみ心を行いたい、タバコもやめたいと思っているのですがなかなかそれができず、それは神様にすべてを明け渡すことがどういうことか理解していないからではないかと思うに至ったからです。

ジャックはいませんでしたが、ミッシェルも同席することになりました。

何ヶ月も日記を書いていなかった間に、色々なことが起こりました。刑務所から出たジャックは教会に来るようになり、ミッシェルも一緒に来るようになりました。ミッシェルも聖書を学ぶようになり、喜んでいたのもつかの間、今度はジャックが新しい仕事を始めたり、昔の友達に誘われたりしているうちに教会から足が遠のいていきました。

ミッシェルの方が熱心になり、伝道講演会にも子供をつれて大半参加し、その間に二人目も生まれたのですが1週間後くらいから伝道講演会や教会にも復帰し、講演会の終わりにはバプテスマも決心しました。

以前はジャックの方が真面目でミッシェルの方がふらふらしているような印象だったのに、今ではミッシェルの方がジャックの霊的な状態や、友達の影響などを心配しています。ミッシェルが熱心になるにつれ、ジャックは対照的に神様から離れて行き、ずっと続けていたジョンとの聖書研究もここのところ、何かと理由をつけてしていません。ミッシェルとの関係も悪化していて、最近は別れると言ったりしながらずるずると付き合っています。

そういうわけで、今日ドリスの家に行ったときもジャックはおらず、ミッシェルが同席したのですが、子供が騒ぎ出したので途中で退席してしまいました。

夜になってジョンと一緒に買い物に行くと、同じ店にドリスとミッシェルが来ていました。その時ドリスが、ミッシェルと一緒に同じ本を読むことにしたこと、そして夕方2人で夕礼拝をすることにしたことを教えてくれました。

ジャックのことを思って心を痛めながらも、ミッシェルのことが嬉しくてたまりません。そしてジャックのことも、希望を持ちつつ祈り続けます。

以前、ミシガン教区の公衆伝道者のダン・コリンズという人の証を読みました。ダンは、非常に荒れた少年時代を送って長い間何度も葛藤しながら、ついに神様に従う決心をし、その後とても偉大な伝道者になった人です。(残念ながら今年亡くなってしまいましたが…)何度も何度も、神様に従いたいと思いつつ、昔の友達に誘われて飲んだくれ、そのたびに自分に失望し、神様から逃げようとしました。でも、いろいろな人との出会いを通して神様が働かれ、神様に献身するに至ったのです。

ジャックを見ていると、いつもダン・コリンズを思い出します。そして、今はジャックは神様から逃げているけれど、きっと神様のもとに帰ってきてくれると確信しています。そして、いつかダン・コリンズのように偉大な伝道者になるにちがいない、と思いつつ祈っているのでした。


2004年11月21日(日) マイラ

今日のお昼過ぎ、マイラが私たちのアパートに来ました。

マイラは、マダガスカル生まれのセントラル・ミシガン大学の2年生ですが、アナーバーの出身で、私たちがアナーバーにいた頃からの知り合いです。その頃マイラは高校生で、私たちはどちらかというとマイラの両親の方をよく知っていました。マイラのお母さんのブルルは、私がアナーバー教会に始めて行った日の食事で一緒に座って、とてもよくしてもらった人です。

マイラはSDAの教会に育ち、高校生のときに友達と一緒にバプテスマを受けましたが、親ゆずりの宗教で、習慣で教会に来ているような子です。ほっそりして、とても美人でかわいく、正直で、静かですがしっかりと自分を持っています。

金曜日のべスパーにも時々来ますが、聖書研究の最中はいつも退屈そうに自分の髪の毛や爪を眺めています。「聖書研究ばかりしていても、若い人は集まらない」と意見されたこともあります。

そういう感じなので、他の「聖書大好き、神様大好き、伝道したい」という学生たちの中では一人浮いているようなのですが、それを苦にする様子もありません。自立していて、とても大人なのです。

マイラの両親は、以前アフリカで宣教師として働いたこともあり、マイラの霊的な状態を心配しています。お父さんのアランは、以前マイラのために自分で聖書研究のレッスンをつくり、マイラと勉強しようとしましたが、マイラの方はあまり興味がなく、立ち消えになってしまっていました。

最近、マイラの両親が私たちのアパートに泊まったり、私たちが彼らのアパートに泊まったりする機会があり、いろいろと話をする機会がありました。最近のマイラは以前に比べて霊的なことに心が開かれてきたこと、夏休みに各時代の希望を読んだりしたことなどを教えてくれました。

そしてジョンはお父さんのアランに、自分で作った聖書研究のレッスンを渡され、マイラと一緒に勉強してくれないかと頼まれました。それで、マイラと連絡を取り、今日が始めての聖書研究の日だったのです。

お昼を食べ、レッスンをしました。とてもシンプルで短いレッスンだったのであっという間に終わり、その後いろいろ話をしていました。そのときジョンが、秘密結社の存在を知ったことを通して神様を知るに至ったと話しました。するとそれについてマイラがいろいろな質問をしてきました。

それで、聖書の預言と、秘密結社や政治がどのように関係しているかを説明していているDVDを一緒に見ることになりました。いろいろな組織自体の文章からの引用が次から次へと映されて、かなり中身が濃く、見るのにエネルギーが要るようなDVDなのですが、いつもは霊的なことにあまり興味を示さないマイラは食い入るように見入っていました。

終わった後、「クレイジーだ…」とつぶやき、「私、ある人と友達なのには理由があるんだと思った」と彼女の友達について教えてくれました。その友達のお父さんは、有名な会社の秘書か何かなのですが、外国に別荘を持っていたりととても裕福なのだそうです。そして、秘書以外の仕事をいろいろしている様子なのに、家族には何も教えてくれません。それで以前、彼はマイラに「僕のお父さん、もしかしたら秘密結社か何かに入ってるのかもしれない。そしたらかっこいいよね」と話していたんだそうです。

寮に帰る途中も、マイラはいろいろなことを質問してきて、食い入るように説明を聞いていました。まるで一気に目が覚めたような様子でした。

マイラを送った後、ジョンと私は顔を見合わせて、「神様すごい!マイラが目覚めた!」と喜んだのでした。


2004年11月08日(月) ちびこあらの近況…

あれよあれよという間に11月になってしまいました。
最後に日記を書いてから、もう5ヶ月になろうとしています。
でも、そんなに時間が経ったような気が全くしません。恐ろしいですね。

6月後半に、2週間にわたって開かれたミシガン教区キャンプ・ミーティングが、あまりに内容が濃く、書くことの多さに圧倒されて、かえって全く日記が書けなくなってしまいました。

そうするうちに7月になり、今度はキャンパス・ミニストリー・リーダーシップ修養会があり、これまた大変充実していたので、またどこから始めてよいかわからなくなってしまいました。

そうこうするうちに時間が経ち、今に至るのでした。

9月には新しい学年が始まり、ジョンも私もまた忙しくなってしまいました。始まってから1ヶ月のうちにいろいろなことがありました。

10月には、セントラルミシガン大学のキャンパスで5週間にわたる伝道講演会がありました。週に3回、全部で18回の講演です(普通は27,8回あるので、これは短いほうです)。

主催は、私たちの住むマウント・プレザントから30分車で行ったところにある、「グレイト・レイクス・アカデミー」というSDAの高校で、説教者(講師?)は、その学校の高校生。17歳の男の子と18歳の女の子でした。

ミシガン教区はとても伝道に熱心です。ただ人を集めるだけではなく、シンプルに聖書を述べ伝える伝道に熱心です。ミシガンでは、毎年ほぼすべての教会が同じ時期に1〜2ヶ月にわたる伝道講演会を開きます。27、8回の講演で、聖書の預言を通してSDAの教理、つまり、私たちの人生にかかわる聖書の教えを網羅します。

教区が、元になる講演のアウトラインとパワーポイントのスライドを各々の教会に配布し、講師となる人(牧師、または教会員)がそれをもとに説教します。ですから、誰でもなろうと思えば講師になれるのです。

でもそれにしても、特にその17歳の男の子、ブラッドは大したものでした。まるで成熟した大人のように堂々と、アウトラインもほとんど見ずにわかりやすく説教していました。神さまが、この終わりの時にこの青年をお立てになったのだなあとしみじみと感じたのでした。

この講演会を通して10人くらいの人たちが教会に来るようになりました。そのうちの何人かはバプテスマを考えています。他の人たちも、引き続き学んでいます。

それについては、またの機会に…



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