Diary?
DiaryINDEXpastwill


2010年03月22日(月) 宣言し続けること

私の仕事は図書館司書である。企業内の専門図書館に勤務しているので、厳密にいえば法的な「図書館」の定義には当たらないのだが。
司書の資格を取るために大学の専門課程を履修した。図書館学を学ぶ際に、必ず目にするのが日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」である。たまに公共図書館で掲示してあることもあるので、目にしたことのある人もいるかもしれない。最近は「図書館戦争」でネタにされたアレ、といった方がわかりやすいのだろうか。


図書館の自由に関する宣言(抜粋)

図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。

第1 図書館は資料収集の自由を有する。
第2 図書館は資料提供の自由を有する。
第3 図書館は利用者の秘密を守る。
第4 図書館はすべての検閲に反対する。
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。


1954年に採択されたこの宣言の意義は、「宣言し続けている」ことにあるんじゃないかと私は思う。宣言し続けていくためには、何か事が起こるたびに考え続けていく必要があるから。過去の過ちを反省するというのは、そういうことだろう。

今回の東京都の問題で、日本図書館協会がきちんと筋の通った反対意見を見解として公表したことを、私は司書として少し胸を張れる気持ちだ。ちゃんと宣言し続けている。他にあまり冷静な議論が見当たらないことについては暗澹たる思いだけれど。
http://www.jla.or.jp/kenkai/20100317.html


garden_of_time |MAIL