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2006年11月10日(金) はいしゃさん

 今日は年に一回の歯科検診に行ってきた。私は今までの生涯で、二人の歯医者さんにしか診てもらったことがない。引っ越しを10回以上しているにもかかわらず。二人の歯医者さんとは、こどもの頃にかかっていたおじいさん歯医者さんと、今かかっている女医さんである。

 私の生まれ育った地域は、今や過疎で無医村と化しているが、私がこどもの頃にはまだお医者さんが2軒あった。1軒は内科をはじめとしてなんでも診る、健康診断の時には学校にもやってくる、往診もするホームドクター的なお医者さん。おっきいばあちゃん(曾祖母)は家で亡くなったので、このお医者さんが最後を診てくれたんだった。そしてもう1軒が、おじいさん歯医者さん。この人も学校の歯科検診にもやってきていた。今私の奥歯に詰められている詰め物は、このおじいさんが詰めたのだ。30年ほど前に。当時は地区に1軒しかなかったので選択肢がなかったからそこに行っていたのだけれど、今考えてみると腕は確かだったようだ。何年か前に今の女医さんにかかった時にも、治療済みの歯に関しては何の問題もないと言われた。

 おじいさん歯医者さんから今の女医さんまでの間、私は歯医者に行ったことがなかった。つまり18で家を出てから40歳になるまで。なぜか。それは異様に歯が丈夫だからだ。虫歯にならないので、歯医者に行くモチベーションを維持する術がないのである。以前はタバコを吸っていたので、ヤニを取りたいなあなどとは思うものの、歯医者に行くきっかけが見つからない。悪いところもないのに医者に行ってもいいのかなあ。門前払いをされないだろうか。

 そんなこんなで「いつ歯医者に行けばいいのだろう」と逡巡しているうちに40歳になってしまった。そうしたら区から「歯周病検診のお知らせ」が届いた。40歳以上の人は無料で検診が受けられるという、ありがたいシステムである。ああ、やっときっかけができた。区内の歯科医リストから、自分の都合の良いところを選んで受診するのだ。そこではたと考えた。リストには近所の歯医者がいくつも載っている。どこに行けばいいのだろうか。大人になってから歯医者に行っていないから、選ぶ基準がよくわからない。

 考えた末、選ぶ基準を次のように決めた。
  1.できるだけ家の近くであること。
  2.子供を多く診ているところ。
  3.電話をして対応の感じがいいところ。

 2.の条件は、私の顎が狭くてかつ軽い反対咬合であるために、治療の際に大口を開けることが少々困難だから、子供を扱い慣れているところの方が良かろうと。この基準に従っていちかばちかで選んだ歯医者さんは、明るくて感じが良くて、有能で無駄のないワンダホーな女医さんでありました。聞くところによると歯医者は当たり外れが激しいようで、恐ろしい話も耳にしたりするので、私はつくづくラッキーだったと思う。

 ちなみに、今年も虫歯ゼロ。まあ1回おそうじに来て下さいってな結果であった。一応は朝昼夜と歯磨きをするが、ことさら熱心にする方でもない。歯間ブラシも、歯医者さんにアドバイスされて使うようになったけれど面倒で毎日というわけではない。こどもの頃には虫歯があったんだから、虫歯菌が無いわけでもなさそうだ、そう考えると「甘いものを食べない」くらいしか虫歯の無い理由を思いつかない。友人に「虫歯が無いから歯痛も無い、頭痛も無い」と言ったら「それは人生の苦しみの半分は知らないってことだ」と非難されたことがあった。しかし「甘いものの楽しみ」を知らないのだから、どっこいどっこいかもしれないなあ。


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