Diary?
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2005年11月27日(日) ヨコハマ

■横浜トリエンナーレ
予想以上に敷地が広大。暖かい日でよかった。
前半部分はなんとなく卒業制作のような空気が漂っていて、全編こうだったらどうしようかと思った。小難しいコンセプチュアルな感じなのかなと。しかし進むにつれだんだん楽しくなってくる。屋台もいくつか出ていたりして(なぜか全てエスニック料理)、バリラーメンとチキンカレーとビンタンビールで休憩。天気も良くてお祭り気分で面白かった。作品は全体に説明しづらいので多くは語れないが、「左回転左回転左回転左回転左回転……」が印象的。あちこちで覗いたスコープの映像が、最後にこれだったのかと解明された時には「やられたー」と思った。ううむやっぱり説明しづらい。


■中華街
適当な路地の店に入ったらなかなか好みの味だった。広東にしてはあっさりしていて、丁寧に料理してある。でも高級な味ではなくて、チャーハンなんか多分魔法の白い粉が大量に入ってるんだろうっていう系統の、ある意味チャイナタウンの王道。ただ、デザートの杏仁豆腐だけは飛び抜けて垢抜けた味でびっくりしたけど。
そういえば私は中華街で高級店に入ったことがない。そのうち聘珍楼か重慶飯店あたりで贅沢会開催するかなあ。


2005年11月24日(木) みりん記念日

 贅沢会の後、腹ごなしに林試の森のプラタナス並木で紅葉を愛で、そのまま武蔵小山まで歩いて商店街を探訪し、足が棒になったところでエールを飲みにパブへ。先月、リアルエールを飲みに行って小糸枝豆に感動した店だ。

 もちろんリアルエールは半パイント飲んだ。しかし今回の私のお目当ては「みりん」。前に来た時に、様々なお酒の並んでいる棚になぜか「みりん」が置いてあるのが不思議で、マスターに尋ねてみた。するとそれは飲用のみりんで、紹興酒のような味だとのことだった。その時はエールを飲んでいたので香りを嗅がせてもらうだけにしたが、本当に紹興酒の香りがして驚いた。いつか飲んでみたいと思っていて、一ヶ月後にその機会が巡ってきたわけだ。

 意外なことに、みりんはワイングラスで供された。どう見てもみりんを飲んでいるようには見えまい。グラスに顔を近づけると、みりんだけに香りが目にしみて、少々むせる。そして一口。


     ……あ、あまーっ。


 琥珀色でとろーんとしていて、紹興酒に氷砂糖をめいっぱい入れたような。米でできたリキュールとでもいえばよいのか。食前酒や食後酒として少し頂くにはいいかもしれない。お菓子に使うのも美味しいかも。でもストレートで飲むにはこの甘さが私を苦しめる。と言いつつ、ちびちびと飲んでいたら完飲してしまった。うむ、たぶん美味しかったのだこれは。



 追記:飲用みりんのことを検索していたら、いろんな飲み方を実験してる人がいてちょっと笑った。


2005年11月23日(水) 鉄板焼記念日




 久々の贅沢会。10日ほど前に行った目黒雅叙園を再び訪れる。今回の贅沢会は、雅叙園の保存建築見学と食事のセットなのであった。麻布十番といい、訪れる場所に関してなぜか時期が偏る傾向にある。

 展覧会の時には人とお花でいっぱいだった百段階段の建築を、今回はガイドの説明つきでゆっくりと見て回る。床柱の一本が天然の木肌ではなく、大工が腕をアピールするために彫り出したものだと聞いてちょっとのけぞる。しかしガイドの人によると、この一本のせいで「他のも天然じゃないのではないか」と疑われて困るそうだ。一番上の部屋は公開していないのだが、扉のすきまから覗いてみたら大変な荒廃ぶりで悲しい気持ちになってしまった。

 食事は憧れの鉄板焼ステーキ。ステーキよりはしゃぶしゃぶを好み、そもそも肉よりは豆腐や魚を好む私ではあるが、目の前で華麗なへらさばきナイフさばきのパフォーマンスとともに肉を切り分けてくれる鉄板ステーキは、一度体験してみたかったのだ。そして今回私たちを担当してくれたシェフは、私が思い描いていたそのまんまの鉄板マスターであった。

 メニューを紹介してみよう。見学会とセットの特別メニューなので、このコースがいつもあるわけではないと思うけれど。

 サーモン、真イカ、帆立貝のタルタル
 岩手広田産 カキと冬野菜の鉄板焼
 トマトサラダ セロリ風味
 有機栽培ほうれん草のソテー
 和牛サーロインステーキ130g もやし添え
 白飯、お新香、お味噌汁
 デザート・コーヒー

 テーブルに置かれたメニューを見て、一瞬「どうしよう」と思った。実はカキが少し苦手だったのだ。他のものに変えてもらうことも考えたが、まあせっかくだから食べてみようかと。そしたらあなた。私はカキが好きになってしまったよ。まず溶かしバターでベーコンを炒めて、そのエキスを使ってカキをこんがりふっくらと焼いてある。カキの塩分とベーコンの旨味で、ソースなしで非常に美味。ばくばくと三つ平らげてしまう。カキを一度に三つ食べたのは人生で初めてだった。

 カウンターでの鉄板焼は「食材」が「料理」へと変化してゆく過程を見ることができるので、料理番組を見ているような楽しみがある。同行者と「これは世界の料理ショーだ、グラハム・カーだ」と呟き合う。お肉も写真やテレビでしか見たことのない質とサイズの塊を、3センチくらいの厚さに切り出してゆくので目が釘付け。見事なへらさばきで焼き上げられたお肉は、しっかりとした噛みごたえがある。噛みしめると肉らしい血の香りが口中にかすかに広がって、ああお肉を食べたなあと実感する。最近のグルメ番組などでは、お肉の褒め言葉として「やわらかーい!」や「とろけちゃう!」が多用されているけれど、それじゃつまらないだろうと思うのだ。肉を食べるからには、齧りついて噛みしめて咀嚼して味わって、お命頂戴する気持ちとともに食すのだ。

 そして野菜もまた土の力を頂戴していると実感できる、味の濃厚なものだった。冬野菜は「パクチョイ」という中国野菜で、チンゲンサイの茎の白い種類。ほうれん草は寒じめというのかな、葉が縮んでいて肉厚で緑が濃い。霜に当たって甘みが強くなるそうで、これはたしかに一口食べただけで普通のほうれん草とは全く違うのがわかる。ワイルドな味。

 三田屋の梅干、今半の糠漬けなど、今までに行った肉料理の高級店は、なぜかお新香が美味しかった。今回は白菜の浅漬けだったが、やはり美味しかった。この法則は一体何なんだろうか。たとえば鰻屋や天ぷら屋など他のジャンルの和食店よりも、肉料理店は確実にお新香が美味しいような気がする。それとも肉を食べた後の舌にはお新香が何倍も美味しく感じるような作用が働いているのだろうか。一生のうち一度はあの「あらがわ」に行って、お新香が美味しいかどうか確かめてみたいものだ。いや、あらがわではお新香は出ないような気もするが。


2005年11月19日(土) 浅草


  


・かっぱ橋でコーヒーポットを買ってもらう。
・ゴールデンかっぱ像は身体がまったく人間なので怖い。
・魔性の味オンリーでコーヒーを飲みペリカンパンのトーストを食べる。
・ROXのリブロで生協の白石さんを買う。
・浅草を歩き回る。おっちゃん達は競馬に釘付け。
・アンヂェラスでケーキとダッチコーヒー。
・尾張屋で揚げ銀杏とビールと鴨なんばん。


 楽しゅうございました。美味しゅうございました。
 来週は贅沢会と横浜トリエンナーレをひかえている。こんなに楽しくていいのかしら。楽しくていいのだ。これでいいのだ。 


2005年11月18日(金) 配置

 配置薬というシステムは、とても合理的だと思う。いわゆる「置き薬」。薬箱に薬を揃えておいて、定期的にメンテナンスと集金にやってくる。使った分だけ支払う。

 しかし一人暮らしで置き薬を利用しているのは珍しいことのようだ。私の場合は、15年ほど前に突然営業マンが「置き薬しませんか」と訪ねてきた。一人だし、ほとんど薬は飲まないですよ、と断ろうと思ったがそれでもいいと言うので置くことにした。きっとノルマとかそういうのだったのだろう。

 考えてみると一人暮らしだからこそ置き薬が有り難いともいえる。夜中に急に熱を出して動けなくなったとして、とりあえずの解熱剤があるのとないのとでは大違いだ。実際使うかどうかはともかく、気分的に安心なのだ。

 そんなことで、何度引越しをしてもそのたびに連絡をして続けている。しかし予想外だったことは、この15年間で私はやたらと健康になってしまったのだ。扁桃腺も腫れない、風邪もめったにひかない、頭も胃も痛くならない、虫歯は無い。ほんとに全く薬を飲まなくなってしまって、営業の人が来ても交換だけしてもらって支払いがゼロだったりする。なんだか申し訳ないので、時々ドリンク剤だとかりんご酢飲料だとかを買ってみたり。でもやめるきっかけもないし。どうしたもんか。



 ……あれ?

 いかん、配置薬の話をしたかったのではなかった。昨夜、珈琲会で新宿の「ハイチ」に行ったのだ。給食の味のするチキンクリームスープと、ラム酒たっぷりのコーヒーで幸せだった。都内のあちこちのハイチに行ったけれど、行くたびにドライカレーを食べていたらさすがに飽きてきて、最近は他のメニューをいろいろと試すようになってきた。

 珈琲会の後、私の誕生日イブということでベルギービールの店でお祝いをしてもらう。ムール貝とフリッツで甘酸っぱいビール。幸せ倍増。ランビックの「リンデマン ファロ」というのを初めて飲んだ。思ったより甘くなくてよかった。瓶が黒くてかっこいい。

 昨夜お祝いをしてもらったし、明日は友達がプレゼントを買ってくれるというので、誕生日当日の今日は普通に過ごす。一応ケーキは買ってきたのでデザートに食べよう。明日もケーキ食べるんだけど。ふだん甘いものを食べないけれど、年に二度、誕生日とクリスマスだけは能動的にケーキを食べる。それはもう土用の鰻とか冬至の南瓜と同じ扱いなのだった。


2005年11月13日(日) アラビヤン




 さてアラビヤン焼そばである。サッポロ一番のサンヨー食品から昭和42年発売とのことだからものすごいロングセラー商品ではないか。関東の地区限定だから知らなかったのかな。しかし私はインスタント焼きそばは一通り試してみる主義で売り場もチェックしている方なのだが、東京に来て20年にして昨日初めて見た。かなりのレアものなのではないのか。

 袋の表面にも裏面にも「不思議なくらいおいしく出来ます」と書いてある。これがキャッチコピーのようだ。アラビアー魔法ー不思議、ってことなのかなと想像する。昭和42年当時の日本人の描く「アラビア」のイメージが偲ばれて感慨深い。
 
 今日の昼に作って食べてみたところ、日清ほどスパイシーではないが濃いめの味。「ソースは多めです。お子様には8分目お使い下さい」と書いてある。青のりもついていて、ごく普通に昔ながらのインスタント焼きそばの味だ。味の面では特にアラビアを感じさせるところは無い。

 アラビアンではなくアラビヤンなところがたまらない。そんな歌があったねえ。それはボヘミヤーンか。ダリみたいなヒゲ描いてマジックする人がいるねえ。ありゃトレビアーンざます。


2005年11月12日(土) 湯屋と椅子

・目黒の雅叙園に百段階段を見に行く。千と千尋の「湯屋」のモデル。仮屋崎省吾氏の展覧会が開催されている。雅叙園の正面玄関に入ろうとすると、入れ替わりに仮屋崎氏が出てこられたのでぎょっとする。


・もうなんだか悪夢のような建築である。全体としては「雅叙園テイスト」なのだが、ひとつひとつのモチーフには全く統一性がない。最初のお手洗いは私の部屋くらいの広さだ。各部屋の天井画、螺鈿などどれも素晴らしいのだが、わりと豪快に割れたり剥げたり欠けたりしている。あと50年保つかどうか。今見ておいて良かったと思う。


・見てまわりながら、連れと「タイガーバームガーデンに行きたい」という話になる。なんか共通するものを感じるのだよ。


・近くなので目黒区美術館の「チャールズ&レイ・イームズ展」にも行く。この夫婦はほんとうにラブラブでおしゃれで可愛らしい。椅子は座れるものもあって嬉しい。革張りのオットマン付きラウンジチェアーがすごく気に入ったのだが、ミュージアムショップでそのミニチュア(全長30センチくらい)を売っていたのでほほうと思って値段を見たら5万円くらいだった。連れと「ミニチュアなのに。座れないのに。5万かぁ。」とため息をつく。帰ってきてから調べたら実物は3〜40万だった。


・連れに「うずらピータン」を見つけたと自慢したら、ぜひ買って帰りたいと言うので目黒駅のところのガーデンで買い物。私は見たことのない「アラビヤン焼きそば」というのを買ってみる。なにがどうアラビヤンなのか、楽しみだ。


・目黒の沖縄料理屋でオリオンビール。スパムミートをスティックにしてカリカリに揚げたのにハマる。連れはマリブミルクで沖縄料理を食べている。そういえばこの人は学生時代、おやつに納豆を食べながら牛乳を飲んでいた。その姿を見て私は「ああ、食生活にスタンダードなんてないんだなあ」と思い知ったのだった。


2005年11月09日(水) ピータソ

ピータソ、も゛えー。またそれかい。
そうではなくて、うずらの卵でピータン。なんて素晴らしいんだ。これで思う存分ピータン豆腐が作れる。あひるや鶏だと、一人で一個剥くとちょっと持て余すのよね。



 素晴らしい商品に出会えてとても嬉しいのではあるが、桂吉朝さんが亡くなってとても残念な気持ちだ。じいさんになってからの落語が楽しみだったのに。いい弟子にどんどん先立たれて、米朝さんががっくり来るんじゃないかって、それも心配。

 そんなわけで今日は吉朝さんを偲んで晩酌することにしよう。ピータン豆腐をつまみに。


2005年11月07日(月) 李白の会 第九回定例会@カフェバッハ

 やっとバッハで珈琲を飲むことができた。遠い道のりであった。バスを降りてから店の前に到着するまで、開いているだろうかとびくびくしながら歩いた。

 私はカフェ・シュヴァルツァーを頂く。これはその名のとおり非常に黒くて苦味の強いブレンドで、甘い焼き菓子とプレーンなソーダ水と三点セットになっている。お店の人に飲み方を尋ねてみると、まず焼き菓子を少し食べて、口が甘くなったところにコーヒーを飲み、そのあとソーダ水でさっぱりさせる、という順序で繰り返してくださいとのこと。やってみるとこれが面白くて美味しくて、やめられないとまらない。かなり濃厚なコーヒーなのにするする飲めてしまう。ソーダ水は思いつかなかったなあ。びっくり。

 チーズケーキとりんごのタルトも食べたのだが、途中でお店の人が「クリスマスに向けてシュトレンを焼き始めました。味をみてもらうために今はカットでもお出ししてます」とおっしゃるので我慢できなくなって、ひときれだけ頼んで半分ずつ食べる。ああ、シュトレン。毎年クリスマスに横目で睨みながら「いやでも一本買うわけにもいかないし」と悶々としているのだ。あまり甘いお菓子や生クリームが得意ではなくて、ケーキは焼きっぱなし系が好きな私としてはドイツ菓子は幸せな味なのだった。


2005年11月05日(土) パブフード

 ついつい出来心で作ってみた。経緯は料理コーナーに。


2005年11月02日(水) carbohydrate

今日のわたくし。


朝:サンマルクカフェでクリームチーズクロワッサン

昼:喫茶店でピザトースト

夜:ラーメン四天王で豚骨味噌九条ねぎラーメン


carbohydrateな一日。fattyな一日。今ちょっとおえっぷなので中国茶を流し込んでいる。年に一度くらいはこんな日もあるさ。


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