Diary?
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一体どうしてそんな結果に到ったのか、全く想像のつかないことっていうのに時々遭遇する。今日の場合は醤油だった。今までの人生で、路上に醤油がこぼれているのを目撃したことはなかったと思う。
会社帰り、地下鉄のホームに向かって通路を歩いていたら、なんだか香ばしい香りがするのだった。ん?と思いながら歩を進めると、階段の途中に黒っぽい液体がかなり大量に流れている。お正月の事件があったもんだから、また血だまりかとびくびくしてしまったのだが、そういえばこの香ばしい香りは醤油臭ではないか。
血だまりじゃなかったのはいいけれど、さっぱり訳がわからないぞ。なぜここに醤油。ここで餃子でも食ったというのか。刺身でも食ったか。醤油差しを傾けすぎてフタが落ちてドバー、って吉本新喜劇のネタみたいなことになったのか。ちょっとおしょうゆ切らしちゃってぇ、などと貸し借りをしていたとでもいうのか。
ええと、ほんとのところは何だったんだろう。
ガスコンロが片方つかなくなった。よくあるのよね、なぜか片方だけつかなくなるの。実家でも友達のうちでもガスコンロの脇にチャッカマンが置いてあるのよね。というわけでチャッカマンを買ってきた。プリティーなアクアブルーのスケルトン、トリガー式じゃなくてボタンをカチッと押すとチャッカするのだ。暗いところではそのボタンが光るのだ。ブラヴォー。
しかし、なかなかチャッカマンを手に取る習慣が身につかない。料理の手順など体が覚えてるもんだから、鍋をコンロにかけてつまみをバチンって回して火がつくのをじっと待ってたりする。つかないのに。バチン。ボッ。え。ボッ?バチン。ボッ。……つきやがる。なんか知らんが突然直った。
それで、このプリティーなチャッカマンはどうしたらいいのか。チャッカする以外に何の使い道もないではないか。またガスコンロがこわれるまで温存するのか。ボタンも光るっていうのにぃ。
11時頃起きると、ちょうどNHKの「アジア人間街道」が始まるところだった。 ツバル。京都会議で名を知られるようになった、南太平洋の島国。海面上昇で国土消滅の危機にある国である。 島は、海岸の侵食だけではなく、内陸でも海水が湧き出して農作物ができなくなるというようなところまできているらしい。こんなになってもオーストラリアは移民を受け入れてくれないとか、アメリカは京都議定書をばっくれようとしているとか、突っ込みどころは満載である。
しかし、個人的に非常に印象深かったのは、島の漁師のおじいさんの言葉だった。彼は海で魚を釣り、陸でタロイモやココナツを育てる島の暮らしを子供たちに伝えようとしていて、インタビューにこう答えていた。
「いつか全てはなくなってしまう。だから子供たちが島の暮らしを学ぶのは良いことです。いつか何かが起きて船に乗ったとき、その船が沈んでどこかの島に流れ着いたらこの知識が役に立ちますから」
この言葉にはけっこうびっくりした。さすがに海洋の民だ。鈴木光司の「楽園」にこんな話があったけど、実際に漁師のじいちゃんがこういう世界観を持っているとは。 2日前に「ノスタルジア」を観たばっかりで、タルコフスキーの描き続けた「亡命者の悲しみ」とでもいうようなテーマについて少し考えていて、何となくああいうのは寒い国の感覚だなあと思っていたのだが。「いつか全てはなくなってしまう」と語られるのが、暖かくてそれこそ楽園みたいな島だと、なおさら悲しくなる。
昨日は大阪から東京に転勤してきた知人の歓迎会だった。何年ぶりに会うのか既にわからなくなってるくらい久し振りに会った。
会うのも久し振りだったけど、「わし」っていう一人称を聞くのも久し振りだなあ。関西の男性は、老若を問わず自分のことを「わし」と言う人がけっこう存在する。わかりやすい例はTOKIOのリーダーであるが。ジャニーズのくせに「わし」って言うなよ。
同じ関西でも、京阪神を少し離れた地域になると更にディープになって「わい」と言う。「わし」も「わい」も、愛の告白には不向きな一人称であると思う。
例1:「わしな、お前のこと、好きやねん」 例2:「わいと付きおうてくれへんか」
なんかちょっと。いっそのこと「おいどん」とかだったら、それはそれで豪快でよかでごわすと思うんだがなあ。
2003年02月18日(火) |
禁煙ってこんなもんかぁ? |
突然タバコを吸わなくなってから一ヶ月以上が経った。
いや、特に「禁煙するぞ!」と決意したわけでもなく誰かにやめろと言われた訳でもなく。12月頃に吸いすぎて気持ち悪かったのと、10月に歯医者さんでせっかくキレイにしてもらった歯に、たった2ヶ月でヤニが付きかけてたから、ちょっとは減らしてみようかなー、とは思った。
で、試しに1日3本とかに激減してみたら、これが結構平気で。そしたらある日、買いに行くのが面倒になってそれっきり。
手が震えるとか、吸いたくてイライラするとか、ピンクの象が行進するとか、私には他の人には聞こえない声が聞こえますとか、いやそれは違うけどとにかくそういっためくるめく禁断症状を期待していたんだけどな。残念なことに全く何も無かった。隣で人が吸ってても平気。
大人になってから初めての(!)タバコの無い生活。無くなって思うに、以前は無意識にタバコのことをいつも気にして暮らしてたんだなあ。夜の11時までに、とか、あのコンビニには売っている、とか、行動エリアの自販機をすべて把握しているとか。よく言われるような「食べ物がおいしい!」などという感動は残念ながら感じないけれど、例えば寒い大雪の深夜にタバコを切らして途方に暮れるなんてことがもう無いかと思うと、それが一番嬉しかったりする。
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