切れ端。

2004年06月30日(水)

君から教わった唄を 忘れた振りをして閉ざしてた
歌声が聞こえる 近くて遠い過去から 感傷を連れて

窓から優しく空を 指差す君を僕は隣で眺めていた
指先に見えてた 淡く幼い約束事と オレンジ色の夕日

哀しく空を指差す僕を 君は知らないでいる
今夜 願い事を星に預けよう 叶わない事を知っても
そっと空に手を伸ばして 

淡い言葉を繋げてみる 君の声ならこれで思い出すはず
掠れて響く過去と 闇より翳った現実と オレンジ色の夕日

闇に手を伸ばす僕を 君はきっと知ってる
今夜 もう一度だけ口ずさむ 憂鬱になってもかまわない
そっと聞こえるあの唄を



2004年06月19日(土)

閉ざした夢の欠片を集め 
明日の場所 探す地図を作る 

継ぎ接ぎは 愁いのある言葉で

終わる世界を眺めながら 緩い夢を見た
終わる世界を視界の隅で見ながら 地図を作った

隔離したドアの先を見て
明日の場所 探す言葉を吐く

風に対して 愁いのある表情で

始まる世界を眺めながら 感傷に浸る
始まる世界を視界の隅で見ながら 地図を破った



2004年06月18日(金)

夢の続きを 折れた鉛筆で描く
線さえ引けない 途切れた夢を

新しい百合を首から提げて街を彷徨う
どこかに 折れた鉛筆を直せる人がいると望んで

言葉の続きを 枯れた夜に投げる
闇に吸われて消える ささやかな抵抗を

新しいブーツを履き潰して街を彷徨う
この世界の 終わりを唄う人に会える気がして

鮮やかな花束を この世界の端くれに
ささやかな反逆を 過去に眠る君たちへ
ささやかな言葉を 生きた証の一つとして



2004年06月17日(木) 闇に手を。

間違いだけの階段を登ったようさ
ここは明日さえ見えない闇のよう

哀しくなって 君の声を思い出す
二度と聞けないのも 知ってるけど

それでも 向かう先は 闇
明日すらその先 闇に手を伸ばす

夢すら見えない繰り返せる過去へ
時々逃げ出したくなる この窓から 

哀しくなって 君の名を闇へ伝え
哀しいのはこの世界と 知ってるけど

それでも 手を伸ばす先は 闇
今さえ掠めても 闇に手を伸ばす



2004年06月12日(土) 耳鳴り

たぶん鳴り止むことも 
鳴り出すことも全て知ってた
だから耳鳴りの止む日に 告白を

束の間の青空に 遠いドアを閉じる

傷に目隠し 今さえ消して思い出を繋ぐ
それをすがることだと 誰かは言って

香を焚いてあの日に潜る
揺れる煙に全てまかせて
今の立ち位置の正しさを 問うた

束の間の夕闇に 最後のドアを叩く

僕を目隠し 今さえ掠めるその手の先は
あの日の君の 愁いのある最後の横顔



2004年06月09日(水)

切なさの漂う花を飾る
少しだけ 傷ついた振りをして

誰に捧げるわけでもない 枯れた花を
枯れ葉は綺麗に取り除いた

漏れる夕日に照らされ
思い出だけ 少し揺られて泣いて

誰に捧げるわけでもない 枯れた花を
枯れ葉は綺麗に取り除いたから

だけど知っているから
生きることに 仮定は必要ないから

誰に捧げるわけでもない 枯れた花束
届けられず枯れてしまっただけだから



2004年06月08日(火)

ただ夢に現る君は あの時と同じ
愁いのある顔つきで僕を見る

話しかける僕を尻目に 君はただ消えていった

暗い部屋の中にも 太陽は昇った
締め切ったカーテンを開ける

夢の残りに思いを漂わせ ただ僕は今日を知る

せめて自由でありたいから 古い鎖を外すよ
通り過ぎた顔 過去 未来 誰かが吐いた言葉
全て外して あの唄を

愁いのある言葉を繋いで 出口を探す毎日だから

せめて自由でありたいから 夢の欠片を捨てるよ
通り過ぎた誰かと交わした 言葉 淡い約束 全てを
全てを捨てて あの唄を あの場所で



2004年06月04日(金) 枯花

枯れゆく花に水を与える
もう一度 花を咲かせようと

枯れゆく花に水を与える
腐りゆく根に 無意味な水を

枯れゆく花を見ながら 優しさを探した

枯れゆく花に願いをかけ
最後に一度 その花びらに触れていた

枯れゆく花を触れたら 虚しさが広がった

もう二度と失くさぬようにと 種を拾う
もう二度と枯らさぬようにと 水を与える
もう二度と枯らさぬようにと 芽を撫でる
枯らさぬようにと 失くさぬようにと


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shinsuke [MAIL]