Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
DiaryINDEX|past|will
2012年01月31日(火) |
「夢」の「音楽」 Jazz Tokyoの1月号が更新 |
1月31日23時55分、Jazz Tokyoの1月号が更新された(あるときから月刊になりました)。 ■
ディスクレビュー、おー、エネスク作品集かあ、聴いてみたいなー、おー、61年録音クレンペラーのドイツ・レクイエムかあ、聴きたいなー。
お!かよちゃんがダン・テプファー(現代ジャズのピアニストだ)のゴルトベルクをレビューしている!クラシックのコンサートもたくさんレビューしていて、うらやましいぞ。
ウイントンの『He & She』レビューで「そっちこそ、コスプレじゃんか」という名言を置いて、すっかりウイントンの立ち位置を感じさせてくれた若林恵さん■が、 年末に『WIRED』の編集長に就任していたことを最近知った。 ■
おいらにカート・ローゼンウインケル・グループ『レメディ:ライブ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』のライナーを書かせてくれた大恩人である。
04年に若林さんがエスクァイア誌でECM特集を作ったときに、カミュのエピグラフを付けていた。
真に豊かな「音楽」、われわれを感動させ、またわれわれが本当に味わうことのできる唯一の音楽とは、どんな理性や分析も追放する「夢」の「音楽」であるだろう。
橋爪亮督グループ「十五夜」、カート・ローゼンウインケル・グループ「ア・ライフ・アンホールズ」、ルシアン・バン「ジョルジュ・エネスク:アリア」、ファーマーズ・バイ・ネイチャー(ジェラルド・クリーヴァー、ウイリアム・パーカー、クレイグ・テイボーン)「フォー・フレッド・アンダーソン」、ジル・オーブリー「les ecoutis le caire」、アントニオ・カルロス・ジョビン「三月の水」、
これらの音楽がなかったらぼくのこの1・2年はなんにもないような気がする。
2012年01月30日(月) |
タダマス4御礼(2) |
シーンが雑多であることを確認したつもりではないのだけど。どのように年間ベストが刈り出されて配置されたのがの理路はある。
それとは別に。あの2枚を外した理由はこんなかんじかなあ。
現代ジャズ2012
(1)
ポール・モチアン(25 Mar 1931 – 22 Nov 2011)が老舗ヴィレッジ・ヴァンガードで若き覇者エリック・ハーランドと週替りで叩き合っていたのを胸がすく思いで見ていたものだが、それは2011年年頭の現代ジャズのメインストリームの屋台骨、その象徴であったし、最期の光芒でもあったとは。サックス陣はマーク・ターナー、クリス・ポッター、ビル・マケンリー、ダヴィッド・サンチェスらが並んでいた。引き続きモチアンは3週にわたって(自己のグループを1・3週に率いての)ドラマーを勤めた(!)。この3週目には菊地雅章もいた。80歳の誕生日を迎えると、モチアンはクレイグ・テイボーンを擁したカルテットを打ち出し、またマーク・ターナーのカルテットでも叩いた。誰もが、この法王モチアンの君臨におののいた。
法王である由来?ロヴァーノ=フリゼール=モチアン・トリオ(1983〜)が放ったじわじわと感染するような静かな革命の浸透によってである。
サックス奏者ジョー・ロヴァーノのガチガチにブロウ決めまくる系譜ではない(!)奏法の革新は、端的に言って皇帝マーク・ターナーが登場する環境を用意(培養液だ)した。
ギター奏者ビル・フリゼールもノンサッチ・レーベル等で開花し、ジャズ〜汎アメリカ音楽を描いた。
さらに、プー(菊地雅章)=ピーコック=モチアン・トリオ「テザート・ムーン」、複数のサックス、ギターで構成するポール・モチアン・エレクトリック・ビバップ・バンド(EBBB)、この2つは91・2年に具現化され、一気にヴァージョンアップの様相。前者は、モチアンが手放さなかったピアニストの重要性を想像する必要があるし、後者は才能たちが輩出する母体となった。
モチアンEBBBで、クリス・ポッター、トニー・マラビー、ジョシュア・レッドマン、クリス・チーク、ビル・マケンリーといったサックス奏者、カート・ローゼンウィンケル、ブラッド・シェッピック、ウォルフガング・ムートシュピール、ベン・モンダー、ヤコブ・ブロといったギター奏者がその才能を飛躍させた。
晩年のマイケル・ブレッカーがマーク・ターナーとクリス・ポッターに注目していると発言したのは、さすがだ。
ここで挙げられた演奏家は、それぞれがリーダー格となりトップ・ランナーとしてシーンを文字通り形成している。この見立て自体がリスナーの間で共有できているとは言えない。このメインストリームもゆうに10年を越えている。新しい才能は出てくる。メインストリームを破る様相で。
モチアン逝去を受けて、そういえば今年、ECMとWinter & Winterという最上級のレーベルから届けられた2枚『ライブ・アット・バードランド』『ウインドミルズ・オブ・ユア・マインド』、80歳にして最高水準のジャズ盤を、しかも国内盤になるという高いハードル越え(それはカンケーないか)、リリースされ即古典になるような内容、全員出来がよすぎる・・・、これはセレモニーの翳りを帯びてひときわ輝いている音楽だったことに、納得するしかないような気分だった。まあ、歴史の見立てなんてだいたい後付けの編み上げだから仕方ない自分だ。
次の世代、なのだ、現代ジャズの今日の発火点は。
2012年01月29日(日) |
タダマス4御礼(1) |
最近ガン保険のCMが減ってんのんは、震災以降の0〜6歳児の被爆状況に売り止めがかかっているからだ、外資系保険会社の動きは早い、と、Face Bookで情報が流れてきました。
タダマス4:「益子博之=多田雅範現代ジャズ音盤茶会」@喫茶茶会記(四谷三丁目)御来場ありがとうございました。
ここ数日の寒波の中、震災以降10メートル以上外気に触れずに暮らしてきたわたし、電車にこの冬初めて乗り、冷たい空気にガチガチになりながら会場に到着しました。この辛い環境の中、お越しのみなさま大変ありがとうございました。
今回のゲストは橋本学さん、橋爪亮督グループの神曲「十五夜」の神トラックのドラマーです。彼らの音楽を「十五夜」1曲ばかり絶賛しているのはまったく不十分な態度です。わたしの生きがいコラム「タガララジオ」の記念すべき100曲目■、何度でも誰かに伝えたいのだ。
高校1年のときにイエスだツェッペリンだクイーンだとつるんだ旧友フクシが「多田の喋りは酔っぱらっているみたいでそれはそれでいいよ」と褒めて?くれたのがうれしかった。あいつが東京に行くと言わなかったらおれ東京に来たくならなかったし、たくさんの音楽を教えてくれた悦びが今日まで続いているだけなんだ、ほんのそれだけの一瞬の人生みたいなものだ。
テオ・アンゲロプロス監督が事故死した。ECM聴いてなかったら、彼の映画も観ない人生だったかもしれない。
ポール・モチアンが死んで、現代ジャズがどうこうなろうが実はどうでもいいことなのかもしれない。モチアンがからんだ演奏が、その熱気のスケープが、 それはWhole Earth Catalogue 誌の「Stay Hungry, Stay Foolish」■ みたいな詩情(と言っていいわけないけど)だったかもしれない。
遠くを、遠くを見つめるようなサウンドを求めている。それはたまたまジャズとかフィールドレコーディングとか現代音楽とかJポップの売り場にあるだけ。ときおり友だちと話していて、そんな音楽の片鱗に触れてほんの一瞬重力から開放されたような気持ちになることだけが、誰かに伝わったらいいなあと思っている。
それはいつも誤解や無理解を含んだ形式でしか伝えようがない、のかな。
東京は寒波と放射能か、ウルトラマンの時代に居る気になってしまう、 しかして25日午前6時からずっと体調が壊れている… 首筋から背骨、肩甲骨の間の背骨が鈍痛と悪寒に苛まれて、動けない! よくわからない。この不調のカンジは初めてなのだ。 札幌に10日ほど行ったら体調が絶好調だ!と書いた直後にこうなる。
おまけに木曜午後はどこも医者がやっておらず、寒い中3件空振り徒歩をするものだから、夕刻に起き上がることができずに、充電切れたケータイに6回もかけてきた上司にボロクソ言われてしまう。あたたた、痛いけど夜勤に行きますともお代官さま。
鼻腔の奥が乾いたまま痛み、背骨のラインを、内側の体幹を辿るように痛みの所在を探ると、リンパ節がことごとくまいっているようだ。札幌で84キロになってきたツケによる筋肉痛?であれば良いのだが。母親はモルヒネ3倍になって、強い心臓がゆえに苦しんでいるようだ。
昨年のベスト。
家政婦のミタで見せた松嶋菜々子のうるんだ神笑顔に決まってるじゃないですか!
あのスチールを売れ。額に入れてかもいのうえに飾るんだ。収益金は被災地へ。
311以降、前衛てきなまたはアヴァンギャルドな表現は変容を余儀なくされると片山杜秀、ダウンタウンシーンの発火点を探る日本人という立場はどうなの、おれは先週10日間札幌に滞在して帰ってきて、体調いまいち意欲どろどろ感覚がいまひとつ焦点が合わない感じ指先の向こうに伸ばす捕捉意識の届かなさ、それらがパッと消えたわけ、ダメージを受けてんだよ関東平野のおれたちはよ、そういう危機的な状況にある耳が察知するものはある、ニューヨークで生成した時期的にも311にカンケーない音楽が?、聴いているのは現在のここにいるわたしらだ。
お土産でもらった韓国の生姜ティーをおととい飲んだら、翌日から身体がそのピリピリ感を渇いたように欲しがる。嗜好のバイアスが変化した実感。ポッカのユッケジャン、たべてまぎらす。こないだまで何でもなかったトニーマラビーがクリススピードが強烈なマタタビになったことを想起する。ごくわずかな兆候から魚群を察知する漁師や、機械では測れないミクロの仕上げをする旋盤工、人混みから恋人を見つけるおれ、ディスクユニオン新宿店ジャズ館で傑作CDを掴みあげるおれ、ホーレンベック、ハルヴァーソン、トルディーニの才能に注目するおれ、、、オチのない展開になってしまった。
松嶋菜々子を何度も孕ませた反町隆史、許せねえ!
2012年01月24日(火) |
「益子博之=多田雅範四谷音盤茶会2011年ベスト10」選考 |
6年ぶり水準の積雪の夜中に、スタバのエスプレッソを持って「益子博之=多田雅範四谷音盤茶会2011年ベスト10」選考に歩いて行った。状況はぼくらの風景となっているようだ、デヴィッド・シルヴィアンが雪道をカートを押して歩くこの静謐で動かし難いイメージだ。■
ぼくらの四谷音盤茶会はニューヨーク、ダウンタウンシーンのジャズの可能性を視る、というテーマが前提としてあるので、セレクトのラインがソリッドな主張となるべく思考された。ベスト1、ベスト3、ベスト5、ベスト10に対応できる順位も配慮した。
2011年はここ20年常に中心にあってシーンを形成した法王ポール・モチアンが逝去し、W&W総帥ステファン・ウインターが言うとおり「ひとつの時代が過ぎた」年であった。
さて、どのようなベストかは29日に。そして、ミュージシャンオブジイヤー5名も決定した。
来年以降も同じ形式で発表してゆこうと思うし、一昨年(さらにそれ以前)の同型リストも時間があれば思考してみたい。
2012年01月23日(月) |
だけど、誰がデイジーのトランペットをひん曲げたんだ? |
「だけど、誰がデイジーのトランペットをひん曲げたんだ?―ジャズ・エピソード傑作選」
菊地成孔「粋な夜電波」20日は札幌の病院にいたので聞けなかった。 アイフォンしか聴けないおいら、どうやれば20日の放送を聴くことができるのでせうか、おしえてえらいひと!
13日の放送で紹介されていて知った単行本「だけど、誰がデイジーの・・・」、これは面白いです。
ガルバレクはドラムの名手になるのを夢見ていたが家が狭いので断念した、とか、 メセニーはトランペットを兄から手ほどきを受けていたが歯列矯正具をつけなければならなくなって断念した、とか。 知りませんでした。
菊地先生は、コルトレーンはラヴィ・シャンカールに手ひどくフラれてから悲壮な彷徨に漂って逝ったということを言っていたが、おおお!と思いましたね、ジョージ・ハリスンは合格でコルトレーンが不合格だなんてジャズファンは抹殺したいエピソードだろう。ノラ・ジョーンズがラヴィ・シャンカールの娘である、というのも知らなかったなあ。
わたくしめ恒例の私的年間ベスト編集CDR「お年賀」を 1曲目は韓国のカヤグムのなんともいいトラックから。 斎藤和義の原発揶揄ソング「ずっとウソだった」音源も収録! 菊地成孔先生のラジオで改めて泣いたジョビンの「三月の水」、 パーカー、テイボーン、クリーヴァーのあの曲、 いろいろ入って自分で聴いて目眩がしてらあ、わはは。 29日タダマス4に来られるかたでこのCDR受け取っていただけるかたはメールくださいねトーストしときますから。
こと現代ジャズの2011ベストについては、これは目の据わったやーさん状態にならせてもらうぜ。 前フリで言っておくが、もしジャレット、メルドーの2011年発表2枚組ライブ盤を、年間ベストのたとえ10枚のひとつにでも挙げている人間がいたら、そいつはニセモノだ。 マジで。
2012年01月21日(土) |
現代ジャズ2011ベストはすでにカンペキに一致する、 |
さて、29日のタダマス4では、 そういう二人の徹底討論のすえに決定した 現代ジャズ2011ベスト おれらどんな海外メディアにも対抗できる自信あるよ、 を、発表するつもりでいる。
現在、札幌と東京を結ぶホットラインで、 それぞれの年間ベストのラインナップをドキドキもんで送信しているところだ。せえの、で、突き付けあったリストは、カンペキに1位から10位まで一致したラインナップ、神々しいまでの…
の…
琴欧州が!白鵬を堂々と寄り切れることが可能だったとは。 いやあ、あのにこやかなブルガリアの巨人、ヨーグルトの化粧回しなんぞ嬉々として、いつも8勝か9勝で大関月収234万円を、じつに効率的に、かつ、横綱284万円になんかなって力士生命を削るようなリスクを拾わないでいる、とんだ昼行灯、モンゴルとヨーロッパの世界史決戦では、把瑠都援護に安安と白鵬を寄り切るのか。シビれる。じつに。
おれはね、朝青龍追い出しも、輪島追い出しも、双羽黒追い出しも、 若花田横綱昇進も、誤りであるという見解を持っている。 好きな力士は、ズバリ貴ノ浪でしょう!
相撲取りは相撲が強ければいいのだ。
ジャズメンは火薬の匂いをさせなければならないのだ。
おれと益子博之は、明確にコレは現代ジャズの核心に触れた演奏であるかどうか、名指すことのできる、世界で二本の指に入る耳ではある。ダメな演奏がどれかはカンペキに一致する、好みや形容用語や他ジャンル経験履歴の差で、じつに万華鏡のような、時に南方熊楠先生の解説が無ければ一般的に理解がされない、その寒山拾得ぶりは。
あ、おれ、中村とうよう死んだとき、ジャズの話題新譜すべてを カンペキに聴ききって華々しく評論家デビューを飾ろうとしていたのだった、わすれてた。
2012年01月16日(月) |
岩見沢で観測史上残る遭難する国道!豪雪 |
母親の容体急変につき、札幌の病室に24時間体制で寝泊まりしている。
そんな、病院にて最期に近づきつつある母親と個室で二人きりで付き添うなんて、ぜったい無理だわ!と、思っていたんだけど、さ。
おふくろを、エスコートして一歩一歩天国への階段を昇ってゆくというのも、オツなもんだいねえ、と、じつに居心地の良いマットレス、たぶん介護専門用品で7まんえんくらいしそうだ、これに、横になって、オノヨーコ、ジョンレノンのポートレートみたいな風情で、備え付けのテレビで大相撲中継や、岩見沢で観測史上残る遭難する国道!豪雪のニュースに盛り上がり。ツェッペリン4、タワレコで買ってきてよ、ねえ。
初日から病室の主にこっちがなってしまって、寿司おりや烏龍茶ひろげながら、中学んときの2年後輩のガールフレンドが、3人の娘さんを連れてきた、おお、45年ぶりだねえ、でも顔がわかんねえ、しかし!娘さんが45年前のマアちゃんそのままじゃないかあ!いまからオジサンがパパになろうか?
外は吹雪。
十数年まえに亡くなっているユキばあちゃん、おふくろの母親、が、迎えに来てると、天井に向かって手をあげている。ああ、うれしいなあ、ばあちゃんに会えらあ。
おふくろ、おふくろが今度は赤ん坊みたいだな、憶えているかい?おれが1さいのとき、宮下の借家の階段でよ、と、話しかけたら、ニヤッとじつに楽しそうに微笑んだ。ほんと、人生は一瞬だなあ、おふくろの言うとおりだなあ。
そんなおふくろのそばで、早朝から「あいまいまいん」をよだれをたらしながら観ているのはお釈迦さまにも内緒だ。
2012年01月13日(金) |
チャーリークリスチャンのミントンハウス |
菊地成孔先生の粋な夜電波、ジャズバー・キクチ第二回。 パーカー7枚組も良かったが、なるほど先生は根っからのジャズ者なのですね!一日中コレ聴いて給料くれるなら転職するという宣言がまぶしくてステキだ。
おいらが感銘したのはさ、 チャーリークリスチャンのミントンハウス。
ジャズのLPを買い始めたのは聴き始めてから2年も経ってたが、SJゴールドディスクで、コレとクリフォードブラウンの『ビギニング&ジエンド』(べつにこれからブラウニーに入らなくてもよかった)を買って、次のLP買えるまで、またはできないガールフレンドもしくは逢引まで、毎日聴いた。そんなこと忘れてたよ、チャーリークリスチャン。
菊地先生のガイドですぐに合点がいった。 ラジオでかけたのは、当時のライブハウスで酒やクスリでらりらりになって盛り上がっている若者たちの盛り上がり音声入りの貴重な音源。
なるほど。こりゃあ、キケンなオンガクだぜ。
このリアリティまで、おれは30年の人生を費やしていた。 もちろんそれでいい。得るものがあれば失うものもある。後から到来するモンのほうが強烈な場合だって。
わたしが現代ジャズとして騒ぎ立てている界隈の音楽は、こういうキケンな雰囲気においてのみ共通項がある。技法、技巧に還元できない、「踏み越え」において。
中井久夫が言うところの。
じつを言って、音楽を聴いて何がしたいのかといえば言葉を失って茫然として狂いたいのである。なかなか大人は許してくれない。ましてや50をすぎた気前の良さとゼニカネとうんちくぐらいしか容認されない不遇な存在だろうよ。生産性という罠。
というわけで、そろそろ1月29日(日)益子博之多田雅範四谷ティーパーティー@喫茶茶会記(四谷三丁目)、現代ジャズの発火点を探るリスニングセッション、宣伝しなきゃいけないです・・・と、ついモノローグからデスマス調に。
2012年01月12日(木) |
年始胸キュンディスク king creosote & jon hopkins |
月光茶房でふたりきりの会話を止めてしまったのはこのディスクだった。
キング・クリオソテとジョン・ホプキンスの 「ダイヤモンド・マイン」
背景音の響かせがなんともたまらん。わかってらっしゃるワザ師の視線を感じる。
ジルオーブリー革命の最先端は、こういうポップスに当然のごとくの表現領域の拡張の折り込み済み、を、100匹目のサル現象のように、わたしたちに聴かせてくるのである。
まあ、そんな大げさなことを言うもんでもないかもしれないけど、 ほっと耳にしたいい音楽。さすが月光茶房でかかるCD。
Podcastで菊地成孔先生の粋な夜電波1月6日聴く
この夏、だな、 札幌大通り公園の北洋銀行本店1階の「あまとう」に行ったとき、 たったひとつしかない男女兼用洋式トイレ、 なかなか空かないでいる。 3分経ったので、ガンガンと扉を叩いた。 即座にコンコンと中から反応。 ばかやろう入ってんのはわかってんだ、ハヤクシロ!とたたいてんだヨ という意味を渾身にこめて、すっと鼻をすすり喉を痰をきるよに鳴らす。 このあたり、オーラとか気配を感じる達人にしかコントロールできない匠のワザだ。 ゴン!ゴン! 「ここで10分はなげーだろ!いいかげんにしろ!」と発声。 中からどんなヤローが出てくるかは、最初のコンコンの返しと気配で92パわかっている。音の響きで体重、運動リズムで年齢がわかっている。 もちろん店内のオーディエンスもみな背中がうきうきしている。 はたして、気弱そうな若いデブが出てきたのであった。
2012年01月10日(火) |
カルビーの「じゃがポックル」のリクエストをいただく |
カルビーの「じゃがポックル」のリクエストをいただく。
末期がんの母親が入院状態になり、胸水腹水がたまってきてモルヒネで痛みを取っている段階に入ったのが4日の妹からの連絡で、それでどれくらい持つのかわからないまま日々が過ぎる。近くに住んでいるのなら毎日見舞いに行くものだけれど、日雇い夜勤の仕事をそう毎月のように休むわけにもゆかず、危篤のサインが出てから飛行機に乗って駆けつける、のを待機しているというのはふがいないカンジでもある。
知り合いから「アニキが死んだとき、最期は腹水が妊婦のように膨れ上がって体が苦しんで身をよじって横たわっていた、そのままの死後硬直よ、なんとか腕を前で組ませて、棺おけのフタがギリギリだったぜよ」なんてきかされると、脳は痛みを感じていない状態だとはいえ、それはそれで痛々しい。
今朝の練馬は今年一番の寒さで、入間とか川越からびゅうびゅう言わして帰ってきた午前5時15分、バンプの「スノースマイル」がNHKラジオ深夜便でかかった。「こんなシチューのコマーシャルみてーな曲聴かないで、バンプを聴きなよー」と若い従業員に言ったら、「これ、バンプの新曲ですよ」と不意打ちくらった記憶がちょこっとだけよぎる、が、
函館の冬の寒い日に、引込み線に貨物列車が走り、途方もなく吹雪いていたのがやるせないでいたのが貨車の大きな質量の動き自体がそこに存在することが暖かくて、そのごわごわした存在感は、開拓された北海道史という巨大な物語の一端のようにも感じて歴史絵巻の幻燈を眺めているような気持ちになってうっとりとするのだった・・・。すぐにそのことを思い出していた。
Face Bookは流れる大河であるから、日記に置いておかないとすぐにわすれてしまう。 「福島県南相馬市にお住まいの方のブログ」 ■ これはひどいわ。地獄が始まってる。大江のパパと磯田のおじさんがシェアしてくれた情報。
北海道に放射能の憂いはいま無い。
アメリカが震災直後に半径50マイル(約80km)の避難勧告したのは、ほんとーだった。 この予言者の地図も正しいのだ。 ■ 大本営発表、特高、非国民というラインは、そのまま業界申し合わせ取引先リストラ保身沈黙に転じているだけかもしれない。でもまあ、じわじわと好転するだろう。風の谷のナウシカの風の谷の住人になったと、閉ざされたエリアで、そこにしか居ることができない村人として助け合って暮らす、それはそれで今日と明日。
塩酸のタンクに転落したふたりの作業員は遺体の損傷激しくDNA鑑定で身元の特定を急いでいる、をぐぐったらこんなマンガが。
2012年01月08日(日) |
関東平野に降るセシウム |
ほんとな。ナウシカの風の谷になってる2012年かや。
武田邦彦教授のブログ ■
「速報 福島中心にセシウム急増 マスク必要!!」
文部科学省が1月6日に発表した福島県、並びに他県のデータを見ると、福島県および関東一円のセシウム降下量は、事故後とほぼ同じぐらいのレベルに達しています。原因は不明ですが、とりあえず、マスクをする必要があります。 今、緊急に調べています。結果がでたらすぐブログに上げます。念のための措置ですが、お子さんをお持ちの方はあまり外に出ないように。データの信頼性もチェック中です。 データは危険なレベルです。マスコミが報道していないのは不思議ですが、1平方キロメートルあたり100メガベクレルを超えていて、かなり危険です。逃げる必要はありませんが、マスクをして外出は避けてください。 しばらく後に葉物野菜が汚染されます。(データが正しければ) (平成24年1月6日)
これを教えてくれたのはトリオレコード時代のECM担当原田和男さん。
セシウム降ってるからとすぐには逃げ出せないあたしです。
なんかこないだ、塩酸のタンクに作業員が二人転落して遺体はDNA鑑定というニュースを知ったんだが、タンクの天井部分が腐蝕していて作業員はその上にあがるなと言われてて、の、挙句の事故だそうだが、塩酸漬けになると皮膚は炎にあぶられる状態になるんだそうだ、ふたつの遺体らしき物体の判別のためにDNA鑑定ということらしいが。
2012年01月02日(月) |
新春桧舞台3時間をみる |
「柏の若葉」 (舞踊家)花柳寿南海、(浄瑠璃)清元清寿太夫、(三味線)清元榮三、(蔭囃子)堅田喜三久 「春の曲」 (筝)山勢松韻、(尺八)山本邦山 「越後獅子」 (筝)米川文子、(筝)中島靖子、(三絃)富山清琴、(尺八)川瀬順輔 「艶容女舞衣 酒屋の段」 (浄瑠璃)竹本住大夫、(三味線)野澤錦糸 「新曲浦島」 (浄瑠璃)杵屋喜三郎、(浄瑠璃)杵屋吉之、(浄瑠璃)杵屋直吉、(浄瑠璃)杵屋君三郎、(三味線)杵屋寒玉、(三味線)杵屋勘五郎、(三味線)杵屋廣吉、(三味線)杵屋直光、(笛)中川善雄、(小鼓)藤舎呂船 「身替座禅」 (歌舞伎俳優)坂東三津五郎、(舞踊家)藤間勘右衛門、(舞踊家)坂東巳之助、(長唄)杵屋勝四郎、(三味線)杵屋巳吉、(浄瑠璃)常磐津初勢太夫、(三味線)常磐津一寿郎
ええ、今月29日には現代ジャズ新譜からシーンの最前線を聴くイベント第4回「益子博之多田雅範四谷ティーパーティー」を行なうのでございますが、
ぼくはもうジャズ批評益子博之さん、いつもご来場いただいている音楽批評福島恵一さん、月光茶房店主原田正夫さん、会場喫茶茶会記福地先生、皆さんの奇跡のような突っ込みトークに出会って毎回耳を新らしくさせていただいているというイベントなのですが、ほんとみんな日々様々な音楽に接して歩いている耳がひととき同じ音楽を聴いて話すというのは、けして品評会ではないヒントと驚きと手がかりと触発にみちた…
初夢がこのイベント通称タダマスみたいな架空の会場で。
益子さんが黒板にチョークでカタタタとミュージシャン相関図を書いている。聴衆が100人くらいいる。最前列には福島さん原田さん。福島さんが益子さんに話しかけていて、聴衆とわたしが歓声をあげている、内容はすっかり忘れてしまったけど新しい音楽の断層が明らかになったかんじで。たださんは?なんてふられて
「William Parkerのベースソロしか聴いてないんだけど、もとよりヨーロッパじゃなくて、アメリカのジャズの根っこにゆくんでもなくて、聴いていて仏教音楽の精神といった地平に漂うところがある、なんて思っていたら、Aum Fidelity レーベル名は仏教だったといまさらに気づいたんですわー」
なんて話していたら、見知らぬECMファンから「たださんはむかしECMに期待する新譜に、チャーリー・ヘイデンのベースソロとライル・メイズのピアノソロと言って笑いをとってましたね!どちらも当然実現してませんが」と質問されてしまう。「いまならマーク・ターナー、クリス・スピード、トーマス・モーガン、トーマス・ストローネンのソロが出てほしいですね」と言うと、「それはもうナイ!」「デヴィッド・シルヴィアン!」と声がかかる。「今年クレイグ・テイボーンのピアノソロがでましたが、あれは菊地雅章のピアノソロの露払いの意味であって、それがアイヒャーの戦略なのだと妄想してるんですけどね」「モチアン追悼で、ロヴァーノ、フリーゼル、プーさんのトリオが実現しましたね」
と話していたら、だだだっとLPレコードを十数枚抱えた青年が現れて、アバークロンビー、ヴェサラ、スタンコ、クラウディオ・プンティンのソロですよ」とパラパラと並べてはじめる。顔を見るとアイヒャーの若い頃にそっくりで、「あんたはアイヒャーの息子なのか?」と声をあげたら
目が覚めた。すごい初夢見るなおれ。
|