Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2010年06月26日(土) ダー・マン・イン・月光茶房



表参道の月光茶房にお茶しに入ると、ボスからの理不尽な指令が届いており、缶詰になる。はごろも。

それはまさにハイナー・ゲッベルスの、理不尽な上司の命令に発狂しそうになる名作「エレベーターのおとこ」、
Der Mann im Fahrstuhl/The Man In The Elevator 、つまり、ダー・マン・イン・ゲッコーサボー(月光茶房)、になってしまった。

ドン・チェリー、アート・リンゼイ、チャールズ・ヘイワード、フレッド・フリス、ジョージ・ルイス、ネッド・ローゼンバーグという、
そらおそろしいメンツが邂逅した逸品だ。
来日公演ではフランスのチューバ奏者、だれだったけ!ミシェル・ゴダールが奏でていたぜー。あれ?違ったっけ?


エイハブ船長はこれまた素晴らしいCDをさりげなくお店でかけ続けており、

前原幹事長は4行詰め作業をファックスしてくる。アナトミア船長がご来店。福島恵一さんがご来店。


おいらはいま憑き物がとれたように自由に音楽を聴いている。

午後2時からサントリー・ホール。日フィルの伊福部とストラヴィンスキー。指揮は井上道義。
井上にストラヴィンスキーは見事に合う。国産のオケを鳴らすのは、どこか国産車を乗りまわすのに似る。
井上のお手馬はオーケストラ・アンサンブル金沢である。
やはり磨きあげられたオーケストラ・アンサンブル金沢で聴いてみたくもあり。さらに、海外の素晴らしいオケで聴いてみたくもあり。
日本フィルハーモニー交響楽団が悪いというわけではない。むしろ適確に良いのだけど、音のマジックが薄い。

明日は長女と銭湯+お食事デートの日。


2010年06月17日(木) 福島・原田・多田セレクトECMベスト@ECMカフェ を味わう (2)

福島さん、原田さんのECMベストのリストを見ては、
アルバムタイトルの文字を眼球が追うだけで、音が響き渡るばかりの日々が続いております。
こんなに幸福な感情に包まれての2010年6月。来月には「ECMカタログ」河出書房新社が刊行されます。

おいらがポール・ブレイの「フラグメンツ」を入れておれば福島原田多田の3冠達成盤だったのかー!
おお、原田さんもビョルンスタの「海」を掲げていただけるのか・・・号泣。
福島さんがメセニーの「ウィチタ」を挙げる!ただしい、ただしすぎる・・・

「ECMカタログ」のテキストを書くのに、ボスから「浮遊感」が使用禁止になっていたのを初めて知りましたが(!)、
なぜECMは浮遊するのか。浮遊する感覚は何に由来するのか。

それはタイコなんだな。ジャズの革新はタイコの革新でもあったかどうかはわからんけど。
ECMを演出したタイコは、
ヨン・クリステンセンとジャック・ディジョネットである。高速シンバル打法で軽快にサウンドを走らせて揚力となったわけだ。

ディジョネットとクリステンセンは、出現の系統が違う。
ディジョネットはエルヴィン・ジョーンズ、トニー・ウイリアムスの潮流を受けて止めて登場してきた弾力と跳ねがある。
一方、クリステンセンは、これはサニー・マレイの北欧亜種と言うべき進化形である。

ポール・モチアンが80年代以降に顕著に果たした、タイムの伸縮を機軸とした革命はまた別に論じられて良い。
ディジョネット、クリステンセンが演出したECMが器楽演奏的であるのに対して、
モチアンの音楽は動きながらパスまわしをするサッカーの美しさに次元を上げていると感じられる。

ジミー・ジュフリー盤のECMリイッシューが、「アイヒャーは父の名を明かしたのだ」であるのは、
その室内楽的な審美、抽象美とともに、ドラムレスであることが重要なポイントである。
ドラムの「無」、は、ドラムの「遍在」、を、示している。

ECMの音楽、と、浮遊感、というキーワードは、このあたりの思考によって構成されている。


(おもいでにひたる午前3時)

いまでも目に映るんだけど、21さいの時、ECMを全部聴くには同好のひとと出会いたいものだなあ、と、
スイング・ジャーナル誌に「ECMのサークルを作ります」とハガキを書いたのだな、書いたけど数日ベッド脇のテーブルに放置、
投函をためらうおいらだった、どうしたものかなー、ええいままよ、と、武蔵小金井駅前のポストに出しに歩いていったこと。

掲載されて連絡があったのが5にんと新宿の喫茶店のマスター朝隈さん。


2010年06月16日(水) スティーブ・ハウ・トリオ Steve Howe Trio

サイト all about jazz をみてたら、スティーブ・ハウ・トリオ Steve Howe Trio なんてのがある。
息子のディラン・ハウ(タイコ)とオルガン奏者とのギター・トリオとのこと。プログレ親子鷹。

セカンド・アルバムまで出てるのね。

ファーストのブログ・レビュー>
イエスの名曲に混じってケニー・バレル、ローランド・カーク、ジミー・スミスの曲が並ぶけど・・・
音が想像できないです。

1. Kenny's Sound (Kenny Burrell)
2. Mood For A Day (Steve Howe)
3. The Haunted Melody (Roland Kirk)
4. Siberian Khatru (Anderson/Howe/Wakeman)
5. Blue Bash (Jimmy Smith)
6. Momenta (Steve Howe)
7. Laughing With Larry (Steve Howe)
8. Travelin' (Kenny Burrell)
9. Dream River (Steve Howe)
10. Close To The Edge (Anderson/Howe)
11. Sweet Thunder (Steve Howe)


2010年06月15日(火) 盗撮犯確保未遂

深夜に盗撮行為、おねえちゃんのワンピースのおしりの下にケータイをかざして録画ランプが付いている状況、
あごのがっしりした坊主狩りの筋肉質の若者、こいつを確保しようと、同時に被害者の女性への告知もあったこともあり、
犯行を認めておとなしくなっていたので、こちらが視線を逸らした瞬間に、この若者、脱兎のごとく逃げた。
あまりに全力で逃げたものだからその男は壁に激突。
はねかえってきたところを羽交い絞めにして、あごの下に左腕がハマったのでこれで逃げられまいと思ったんだが。

あまりのばかぢからに、逃げられてしまった。

過去に二度盗撮犯を捕まえたが、三度目は逃げられた。
身体能力が確実に落ちている。
音楽を聴くのも体力だよなー、と、口では言いつつ、コーラとピースで過ごしているせいだ。


2010年06月14日(月) 本質的にジョン・ケージの音楽と即興とは無縁のもの

12日の「実験音楽とジャズ-2@四谷いーぐる」の捕捉として。

本質的にジョン・ケージの音楽と即興とは無縁のもので、
今回2回かかったコンチェルトについても、ケージは互いの音に反応してはならないという楽譜に指示があると、柴さんがアナウンスしたとおりです。

反応しない、と、心に決めて演奏していた、にせよ、反応しているかのごとくの演奏になることは、ある。
何をどう聴こうと自由ではあるけれど、あまり適切な聴取ではないのだな。
この58年のタウンホールでの演奏、ここでの観客のブーイングの態度がなんともリアルで楽しいものではありました。

むかしはジョンケージのLPなんて、怖くて財布に余裕があるときに買った4・5枚を所有するばかりで、職場の現代音楽のCDをいつも六本木WAVEで大量買いするクマタさんにたくさん借りて聴いてみた時期もあるんですが、ケージは哲学であり思想であるところをふまえて音を耳にしないでいるうちはやっぱりさっぱりわからないものでした。


2010年06月13日(日) 渋谷毅ブログ、川端民生さんとのデュオ音源が発見された

渋谷毅さんのブログがあるのですね!
な、なんと、川端民生さんとのデュオ音源が発見されたそうです。3月6日に。


Jポップ者としては小沢健二がトリオを組んでいた渋谷毅と川端民生さんですね。

おれは生涯ライヴ三傑の菊地雅章のグループで文字どおり“オトコ惚れ”していた川端民生、まる1年、おっかけた。
ひげじいのくせに、スレンダーでモデルみたいなおねえちゃんに差し入れ受けている孤高の暴走ベーシスト。
その後、小沢健二とトリオを組んだときいたときのおれの驚きは、
Jポップの頂点とジャズの頂点が組んだ、という、認識なものだから、まるでもって東京の空は沸騰しているように思えた。

川端民生が亡くなったとき、
その頃はウェブもなくて、ニフティのパソコン通信で「日本のジャズ」フォーラムだったけれど、
「菊地さんが追悼メッセージを発している」と読んで、てっきり菊地雅章がコメントしているのかとチェックしたら、
菊地成孔というひとで、その時はじめて名前を知った。

あれれ。スレンダーでモデルみたいなおねえちゃん、て、このベーシストだったかもしれない・・・。
15年くらい前だから、それは違うか!
「目指すは川端民生」という女性ベーシスト。
高柳の後継、廣木光一ギタリストとのライブ映像が>
佐藤えりか、というのか。
杉田誠一師に出会ってしまう。


2010年06月12日(土) 実験音楽とジャズ-2@四谷いーぐる 感想

今日は「四谷いーぐる」と「サントリーホール」をハシゴした。

実験音楽とジャズ-2 『"ジャズ耳"の存在を浮かび上がらせる"即興演奏"』
前回に引き続き柴俊一さんによる解説・選曲。
かけたトラックは7つ。ざざっと感想。

John Cage "Concert for Piano and Orchestra"
前回ひどく退屈で苦痛ですらあったヴァージョンを復習の意味で5分ほどかける。・・・あれ?あれれ?これこないだの音源ですか?というくらい、良く、聴こえる。・・・明らかに前回と違うでしょう・・・と、心で叫ぶが。いきなり混乱してしまう。

John Cage "Concert for Piano and Orchestra" Merce Cunningham, conductor / David Tudor, piano
初演に近いヴァージョンとのこと。1958年、NYタウンホールでの録音。アメリカのフリージャズをわざととりとめなく演奏させたように聴こえた。なんかフリージャズの理にかなっている度数が高い演奏で、その理にかなっている感じととりとめのなさが、通俗的で凡庸で退屈に聴こえる。ライブ音源のようで、途中に観客がもうやめろ!と拍手喝采してみたり、騒いでいる模様が聴こえる。初演の評価はさんざんだったらしいから、そのとおりの証言のよう。

Cornelius Cardew "Treatise"
ぐうう。カーデューの図形楽譜のかたちを借りた、意思統一された名人芸の構成!配置されるノイズの音色/意匠もかっこいい。ピアノはだれなの?93年の録音というから、最近の演奏だ。ジム・オルークも参加とか。今日、一番のトラックだ。

Gruppo di Improvisazione Noueva Consonanza "Musica su Schemi"
エンニオ・モリコーネが在籍していたことでも知られるイタリアのグルッポ・ディ・インプロヴィサツィオーネ・ヌオーヴァ・コンソナンツァ。なんかイタリアっぽく感じるなー、とは思った。

Mauricio Kagel "Exotica"
ふうん。ミシェル・ポルタルも若気の至り、それなりにまじめに。えせフォーク、捏造の歓び、または風刺。だから?という演奏。

David Tudor and Takehisa Kosugi "Rainforest version 1"
電子音響での即興演奏。挿入される工業的ノイズはそれなりに楽しい。

Hexameron "improvisation n 1"
これは作曲家ジェルジ・クルターク(現代の重要な作曲家)がピアノで、企画として即興させた珍盤。


どのトラックも、歴史というか、演奏者がそのように演奏しようと万全を尽くしていることがわかるという意味でも、強度を感じさせる演奏に違いなく、最後のトラックの腰の引け具合もまた企画物らしいのが手触りで感得できた。

それで、聴いてこれは!と感動できたトラックはカーデューの作品で、いちばん別格で良かった。それは演奏者の到達している現代性においてすばらしいのであった。ということであれば、古びた現代音楽もまた演奏によって現代性を保持し継承できるものである、ことか、と、それはそれで新しい発見に思えた。

Cornelius Cardew "Treatise"
今日かかったのはハットハットレコーズの現代音楽を扱うシリーズhat[now]ARTのカタログ122番(売り切れ)のようだ。
ここに裏ジャケ表示があります>
大友良英、キース・ロウのみなさんも演っているようだ
ソニック・ユースも演っていたのですねー!
最近他の演奏家でCDになったものがJazz Tokyoで渡邊未帆さんがレビューしていたのですね>


2010年06月11日(金) ヨイク(北欧少数民族サーミの歌唱)とベースのデュオ、SKAIDI (スカイディ)が来日

ヨイク(北欧少数民族サーミの歌唱)とベースのデュオ、SKAIDI (スカイディ)が来日するとの情報。
三軒茶屋、足利、長野とツアーが組まれている。長野2公演セットの1泊2日バスツアー(恵比寿発着)というのもある。

ううう、仕事の日程などなどで行けないー。こないだつい、コンサートで休むと会社に言ったら、ひどいめにあったし。

オフィス大沢さん、がんばってください。


お!このクインテット、現在NYのコーネリアストリートカフェでライブを演っているのか!

Fri & Sat June 11 –12 9:00PM & 10:30PM
TWO MILES A DAY (Jacob Sacks, piano; Eivind Opsvik, bass; Mat Manieri, viola, violin; Paul Motian, drums)

Back in 2005 Jacob Sacks and Eivind Opsvik wrote five songs each and invited Paul Motian and Mat Maneri with them to record 'Two Miles A Day'. Now five years later, these two concerts will be the live debut of this band (with Paul Motian)

Wire (UK) wrote: "Putting viola player Mat Maneri with veteran drummer Paul Motian was a stroke of genius. They share an obsession for pernickety, ornate gesturing and their concept of time transforms pulse into endlessly malleable modules. The foresight to bring the two men together came from New York - based pianist Jacob Sacks and bass player Eivind Opsvik, and the resulting album is a joint release by two labels - an enterprising way for labels to cover costs in the future perhaps? The disc opens with "Ha!", a good-natured composition from which Maneri's microtonal viola locates unexpectedly weighty insides. "Simple Song" has the flow of a nursery rhyme and Maneri, again, flips the tune on to its dark side; a joyful solo from Opsvik restores its intrinsic optimism. Sacks is an impressive pianist - he relishes tossing glassy clusters against the flow, but the harmonic pattern he reciterates on "Evening Kites" reveals his homely and genteel side. An enjoyable record, an important one even"


2010年06月10日(木) 実験音楽とジャズ-2 『"ジャズ耳"の存在を浮かび上がらせる"即興演奏"』

んがー。今週、四谷いーぐる連続講演がありますね!

第419回 6月12日(土)3時30分より
● 実験音楽とジャズ-2『"ジャズ耳"の存在を浮かび上がらせる"即興演奏"』
前回「実験音楽とジャズ」(2月27日)ではからずも浮かび上がった "ジャズ 耳"=ジャズファン共同体の共同主観性。それを検証するべく、今回はテーマ を"即興"に限定して、ヘクサメロン、ヌオヴァ・コンソナンツァ、テュード ア、カーゲル、カーデューなど、主に現代音楽、実験音楽の音楽家たちによる 即興演奏を聴きます。                               解説 柴 俊一

前回はおいらのジャズ耳的に気に入った曲のベスト3の順序が、店主後藤雅洋さんのベスト3の順序と同じだったという、現象がありまして、でも、不思議でもない気がしているのは、足掛け20年以上後藤さんの話していることなどを参照点としながらジャズを体験してきたからでしょうか、ジャズ耳、と、わたしもはからずも使用しています、でもわたしの聴くジャズははなはだしく偏っているのですが・・・。

12日は・・・当代随一のチェロ奏者、ガブリエル・リプキンを聴きに19時開演のサントリーホールに行くことになっている!
13日は、津田ホールで高橋アキ「青木やよい追悼レクチャー&リサイタル、ベートーベンの生涯を聴く、悲愴からディアベリ変奏曲まで」。

おいらは日雇い夜勤生活者ゆえに地球で活動できるのはマックス3時間で過ぎるとカラータイマーが点滅し居眠りし始めるのだ・・・。
ダブルヘッダーの集中聴取は無理かもしれない。
でも。柴さんのセレクトで実験音楽のエッセンスを聴ける機会も貴重なのだ。

★ガブリエル・リプキンは1977年イスラエル生まれ。10代で数々のコンクールで最高位に輝き、15歳でメータ&イスラエル・フィルと共演、その後も錚々たる音楽家と共演を重ねてきました。2000年から演奏活動を休止。ドイツの山中に籠もり芸術的精神を向上させるため、ひたすら音楽を向き合う日々を選択。その音楽修行の成果を結実させたのが自身のプロデュースによるこの「Lipkind Productions」から2006年にリリースされたバッハの無伴奏と小曲集「ミニアチュール&フォークロアの2枚のアルバムは世界的に高い評価を得ました。


2010年06月09日(水) エバーハルト・ウェーバー参加のフォーク作品



カフェズミ前夜祭で出会った青年は翌日のECMカフェにも来てくれた。
お店でなにげなく会話していたら「エバーハルト・ウェーバーのカラー・オブ・クロエを聴いて良かったんです・・・」と言うので、
そ、それはもう、人生の階段を踏み外したに等しいよ〜、
ま、まだ、引きかえせるからね、
若者がそんなものを聴いて人生を棒にふるなんて、おじさんは許さないからね、と、歓談しました。
またカフェズミに行ったら会えるかなー。

ウェーバー・ファンは実は多くて、ミュージシャンでもケイト・ブッシュはウェーバーと録音してるし、日本のキリングタイムというバンドはマヤ・ウェーバーのイラストをジャケに使用した作品がたしかふたつあった。

そういえば、むかしトリオ・レコード(PA-5021)で国内盤になっていたコーリン・ヴィルキー/シャーリー・ハートの『サン・フラワー』というLPにエバーハルト・ウェーバーが入っていたので、友だちのいとうさん(日本異端音楽振興会)のウェーバーコレクションに入れてもらった記憶がある。かなりコアなねたですが。

ネットで探してみたら、ありました、これですね、フォークミュージックのようです>
でもこれ、ジャケが再発CDとなる際に変更されていますね。
Import from Austria. Folk Music. Artists: Colin Wilkie - Guitar, Drums, and Bongos; Shirley Hart - volcals; Milcho Leviev - Piano; Eberhard Weber - Bass.
ミルチョ・レヴィエフというピアニストはヘイデンとのデュオ盤がありました。


2010年06月08日(火) 福島・原田・多田セレクトECMベスト@ECMカフェ を味わう (1)

おいらがECMカフェに選んだECM耳、ジャズ耳とで選んだそれぞれ20枚ずつ。です。

おおお!音が耳に鳴り始める。ごおおお!

暴走ニセコロッシ「ECMベスト202」は今週末更新の「タガララジオ09」に全面掲載です。

福島恵一さんのベスト
「ECM−北方ロマン主義な名盤20」「ECM−プログレDNAな名盤20」
原田正夫さんのベスト
「ECM cafe in Gekko Sabo」


ECM20

ECM 1038 Art Lande, Jan Garbarek / Red Lanta
 儚い美しさ、可憐な美少女、夢幻の漂い、と、つい語られてしまうECMデュオの最初の到達
ECM 1060 Ralph Towner / Solstice
 コアの4にんが一発芸ののりで疾走するだけのレーベルを象徴する曲、音響派もびっくり
ECM 1077 Edward Vesala / Nan Madol
 フィンランドの森林からわきあがる雅楽の響き、ミクロネシアの遺跡、南へ、アイヒャーの学習
ECM 1093 Jan Garbarek / Dis
 ノルウェーの海岸に設置された風ハープとガルバレク、タウナーの共演
ECM 1136 Egberto Gismonti / Solo
 ことに、ジャレットも嫉妬しただろうギタリスト・ジスモンチのピアノの美しさ
ECM 1160 Steve Swallow / Home
 シーラ・ジョーダンの声、ロバート・クリーリーの詩による音絵巻
ECM 1218 Steve Tibbetts / Northern Song
 釣り人がゆるやかに死んでゆくような
ECM 1220 Mike Nock / Ondas
 時間が止まるピアノ・トリオ
ECM 1264 Alfred Harth / This Earth!
 出会えない架空の場所で生成したような
ECM 1275 NS Arvo Pärt : Tabula Rasa / Gidon Kremer, Keith Jarrett
 ペルトの到来、ニューシリーズのはじまり、現代音楽の風景を一変させてみせた
ECM 1333/34 Keith Jarrett / Spirits
 ジャレットの根源、自選ベストを編むなら本作がキーとなるだろう
ECM 1337 Norma Winstone / Somewhere Called Home
 ヴォーカルものの中でいちばん詩情と静謐と楽曲の完成度が高い
ECM 1372 Alex Cline / The Lamp And The Star
 Cryptogramophonレーベルの萌芽をドキュメントしていた
ECM 1426 Paul Giger / Alpstein
 ヴァイオリンの雲の霞の向こう側でかつてのガルバレクがよみがえっている
ECM 1536 Lena Willemark / Ale Möller / Nordan
 あらたな北方への旅路を宣言するかのような鮮烈な作品
ECM 1545 Ketil Bjjornstad / David Darling / Terje Rypdal / Jon Christensen / The Sea
 脳死の音楽?地鳴り・タイコ、海面・チェロ、ロマン意識が飛翔するギターの咆哮、最強の標題音楽、北へ
ECM 1611 Ralph Towner / ANA
 この曲、お嫁さんに行きたくないと言っている気がする、1曲目
ECM 1641 Anouar Brahem / John Surman / Dave Holland / Thimar
 追憶を奏でるウードとバスクラをホランドが繋ぎ止め続ける草陰にひそんだ思念というか
ECM 1749 Claudio Puntin/Gerdur Gunnarsdóttir / Ylir
 目の中に光が明滅するようなVlnとClの囁き合い、または意識の音楽、架空のアイスランド、冬
ECM 2056 Ketil Bjonstad / The Light
 強度あるヒーリング?歌と演奏に北欧の風景が目の前に見えてしまう


ジャズ20

ECM 1004 Marion Brown / Afternoon Of A Georgia Faun
 自然描写に聴いていた(たぶん問題なし!)けどサークルを産むクールなフリー
ECM 1017 Keith Jarrett / Facing You
 マイルスでのファンクが反響している赤裸々な噴出だったとは
ECM 1101 Gary Peacock / Tales Of Another
 最強期のジャレットが聴けるプレ・スタンダーズ・トリオの唯一作、邦題「ECM」慧眼なり
ECM 1107 Eberhard Weber / Colours / Silent Feet
 ヨーロッパのウエザーリポートとは言わないが躍動するプログレ感がたまらない
ECM 1152 Jack DeJohnette / Special Edition
 不敵なマレイをフロントにデジョネットが80年代を宣言したかの
ECM 1167 Art Ensemble of Chicago / Full Force
 祝祭成分少なめ、ジャズ・ユニット成分増量の鮮烈なデビュー
ECM 1182/83 Chick Corea / Gary Burton / In Concert, Zürich, October 28, 1979
 デュオのライブ2LP、彼らはこの演奏をついに超えられなかった
ECM 1185 Miroslav Vitous Group
 クリステンセンの痙攣するカリプソ、要CD化
ECM 1276 Keith Jarrett, Gary Peacock, Jack DeJohnette / Changes
 この突き詰めて上り詰めて果てるような最初のセッションでのはずかしすぎる最強テンション
ECM 1373 Dave Holland Trio / Triplicate
 若きボクサー然としたスティブ・コールマンの抑制または初々しさがいい
ECM 1415/16 Kenny Wheeler / Music For Large & Small Ensembles
 デビューWindmill Tilter から一貫したトーンへの熱情がここで果たされた
ECM 1560 Nils Petter Molvaer / Khmer
 これはジャズというよりロックだな、タイのクメール遺跡、ふたたび南へ
ECM 1588 Louis Sclavis Sextet / Les Violences de Rameau
 スクラヴィス、デュクレ、シュビヨンらの獰猛な演奏力とコンポジションが稀有の結合を見せた
ECM 1597 Joe Maneri / Joe Morris / Mat Maneri / Three Men Walking
 スティーブ・レイク制作、NYで伝説的に語られた3者の演奏、ジュフリーの水脈
ECM 1612 NS Evan Parker Electro-Acoustic Ensemble / Toward The Margins
 欧州最強即興トリオパーカーリットンガイにそれぞれエレクトロニクスが付いた衝撃
ECM 1751 John Taylor Trio / Rosslyn
 ゼロ年代最強の美ピアノトリオ微毒入り、毒なしはグスタフセン
ECM 1845 Dino Saluzzi, Jon Christensen / Senderos
 メセニーに匹敵する旅をするようなアコーディオンとタイコの想定外スケールのデュオ
ECM 1868 Tomasz Stanko Quartet / Suspended Night
 く、暗くて、ロマンチック。沈み込む東欧の叙情。
ECM 1878/79 Charles Lloyd/Billy Higgins / Which Way Is East
 死の直前のヒギンズがひっそりとロイドと遺していた人類史を思わせる魂の録音
ECM 2013 Miroslav Vitous / Universal Syncopations II
 ザヴィヌル亡きあとのあと出しじゃんけんWRヴィジョン、暴力団親玉の報復


2010年06月07日(月) 関西在住のかたはこの週末、加藤訓子さんを聴きに行ってきてください・・・




関西在住の耳おたくの皆様は
驚愕の加藤訓子パーカッション体験をすべし。おれも伊丹に行きたいが年収がそれを許さない。
HPのスケジュールをみると加藤訓子さんは世界中で公演して歩いているのですね。

Fri, June 11 & Sat, June 12, 2010
SOUND SPACE EXPERIMENTSTEEL DRUM WORKS '2010
アイ・ホール(伊丹市立演劇ホール)| 財団法人伊丹市文化振興財団 | www.aihall.com
11日 | 19:30開演(19:00開場・18:00整理券発行)
12日 | 18:00開演(17:30開場・16:30整理券発行)
公演専用サイト www.kuniko-kato.net/sse

6日の「ECMカフェ」のアフターアワーズで前原幹事長が紹介されたDVDで、カフェズミで視聴したんだけど、
この微細な倍音の嵐としか形容できない響きの現象は、ぜひとも体験したい。
かつてテスト・デパートメントというインダストリアルユニットがあったが。
こういうのは生で聴かないと。

トトロさま、エイハブ船長、トップハムハット卿、ドキンちゃん、モンキー・CP・ルフィ、謎の美少女、店主いずみさん、ほか、お名前の存知あげない3名のみんなで聴いた加藤訓子(かとうくにこ)の公演記録。ドラム缶の会社も協賛してる!けして録音機材では追体験できない音体験。

首都圏在住のかたは、夏に越谷で、冬に青梅で公演の予定があるみたいです。

オリジナル楽曲での神秘的かつクールな世界といい、スティーブ・ライヒ公認でのエレクトリック・カウンター・ポイントのパーカッション・ヴァージョン、アンコールで観客と至福の時を共有するボレロといい・・・おれはくにこちゃんといっしょにボレロのリズムをやりたい!


2010年06月06日(日) ECMカフェ@カフェズミ 来場御礼



ECMカフェ@カフェズミ、予約が少なかったのに、当日はなんと満員御礼!
スピーカーのそばまでお客さまが座りました。熱気むんむん。
ううう。何話したのか、おぼえていませんんん。
進行は福島恵一さんまかせ。反応しているだけで、それはそれは楽しい時間が過ぎました。
反省点はたたあるにせよ、こんなに楽しい気持ちになったのは、ひとえに来場者のみなさんの温かい真剣さだったと思います。

ご来場のみなさま、関心を持ってくれたみなさま、ありがとうございました。

なにげに80年代前半のECM盤が選曲されていて、
すっかりタイムスリップ。


2010年06月05日(土) ECMカフェ@カフェズミ・前夜祭?

ECMカフェ@カフェズミ・前夜祭?

当日のふろくに予定しているミュゼのECM特集号3冊を車で運びに午後7時にカフェズミへ。若いお客様が3名。

かかった音源は、藤井郷子ガトー・リブレ、アラン・ジベール『Chariot d'or』、マーヴェラス・バンド、
ぜんぶおれ、持ってる音源が続くのだが、若いリスナーがとても関心を示している。

エバーハルト・ウェーバーの「カラー・オブ・クロエ」ECMを聴いて、良かった、と言う若者(!)がいたりして。
おれのカバンにエバーハルト・ウェーバーの「サイレント・フィート」ECMが入っていたりして。

幹事長が最近のECM盤を10枚くらい持参して現れたりして。
あとはもう、来店しているお客様を巻き込んでの自然発生的ECM大会・・・。

インプロでサウンドアートでジャズフリーな聖地カフェズミで。

エンディングは店主による「マイ・フェイバリット・シングス」考。
なになに、ヴィレッジ・ヴァンガード・アゲンのラシッド・アリの叩き!ですと?
そんな前進した概念であったとは思ってなかったですー。


2010年06月04日(金) 6月6日、ECMファンはカフェズミにお越しくださいませ

いよいよ明後日は吉祥寺のカフェ・ズミで、福島恵一さんと原田正夫さんと「ECMカフェ」というイベントです。

10年ほど前にミュゼでECM特集(全カタログのジャケとパーソネル)のデータ・テキストをまとめたことがあって、
そのミュゼ3冊をみなさんにお土産にお持ちいただこうと思っています。
さっき部屋の在庫を確認したら全員分ありました。しかし、紙質のせいか全75冊とても重たいす。
明日土曜日午後7時にカフェズミに車で運んでおこうと思います。日曜日に来れないかたは土曜の夜にカフェズミへお越しください。

ECMレーベルのカタログは1100枚になろうとしています。
今回ECMならではのベスト20枚、ジャズとしてのベスト20枚を選んでみました。
その前段階として、ファンクラブ時代の人気盤や評価と偏愛によって、ベスト202を選ぶ作業をしました。202枚も!あるんです。
このベスト202も当日配布資料にごり押しして入れてもらいました。

福島恵一さんの鋭い切り口で、思いもよらなかったECM像を知ることができるかもしれません。
『ECMの真実』の著者で70年代ECM黄金期に担当者であった稲岡邦彌さん、わたしの親父ですが、も、来場なさるとか。
何か話してくださいよー、と言ったら、おれはおまえにようなフリークじゃない、と、おこられました。
おいらは徹底的にリスナーの立場ですから、愛情を込めて妄想と偏向と罵詈雑言なんてのも言えたら言ってみるのだ。言えるかな。



上記ジャケはスティーブ・ティベッツの『Northern Song』ECM1218
こないだカフェズミで座間さんと話したときに、アーストワイルの新譜のジャケが暗がりから外の風景を眺めている写真であって、
それはね、「囚われの構図」なんだよ。
黒地に四角く風景の写真がデザインされている、というのは、囚われの身にあってこそ、眼差す世界が輝く、というもので、
ECMでもノーザンソングとか心の瞳とかオンダスとかヤバい作品にしか適用されてないんだ。
幼稚園の子どもだって、自分を描いて自分のまわりを暗闇に塗りつぶす画を描いた子どもは不慮の死の直前だったりする研究もある。
死の世界につながっているんだよー。
やばいよ、気をつけなよー。と演説して盛り上がってしまいました。


2010年06月03日(木) nBn recordsとAnother Timbreにメール

須藤さんがJazz Tokyoで紹介していたChladni Experiment Trio
これは面白そうです。
nBn records もこれから期待できると思い、レーベルに連絡してみました。

福島恵一さん、原田正夫さんから教わった即興音響系レーベルであるアナザー・ティンブレ
ヒュー・デイヴィスの70年代の作品が、なんでこげに耳に屹立するのか、不明なままだ。
セールをやっているので、いくつか注文してみた。レーベルのオーナー、サイモンさんともメール交換。

おふたりともおいらが書いたMichael Pisaroレビュー英文を読んでくれていました。
ちゃんと英語書けるようになりてー。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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