Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2007年03月31日(土) 浜松にある曹洞宗のお寺、栄林寺にて、花見散策



浜松にある曹洞宗のお寺、栄林寺にて、花見散策。
お寺のたたずまいの美しさに、ドライブ途中で見初めてしまって、つい突入す。みごとな桜のたたずまいにも感銘。地元のカメラ愛好会のようなおじさまたちが静かに撮影をすすめていた午後。

『語りえぬ真実 真実委員会の挑戦』(平凡社)2006 
いちじるしい人権侵害、つうか、大量虐殺があったような国が、政権交代で平和になったときに真実委員会は真実に迫る、つうか、遺族はせいぜい事実を知ることでしか快復されない、わけだけど、マッカーサー財団とかフォード財団の協力があってこういう本もできるの、って、どうよ。

あきたこまちはやめにして、北海道きらら397、を、今月も買います。
157えんで毎日メグミルク・1リットルをのみます。

ツヴェタン・トドロフの『越境者の思想』(叢書ウルベルシタス837)法政大学出版局2006
ブルガリアでは「奴隷」というのはアメリカの黒人のことではなくて、トルコ人にとってのブルガリア人のこと、つまり自分たちをさすのです。
うへえ。
ブルガリア人の大関・琴欧洲の化粧まわしが明治ブルガリアヨーグルトと同じロゴで「ブルガリア」と描かれていることに、わたしは不快感をおぼえています。格式ある大関に、日本中の台所や冷蔵庫にころがっているヨーグルトのロゴをそのまま貼り付けて化粧まわしにして贈呈するメーカーの根性が気に入らない。押し付けがましい計算が不愉快。

がんばれ、ことおうしゅう!


2007年03月30日(金) 浦和第一女子高等学校音楽部(女声合唱)が挑んだ、三善晃作曲『詩篇頌詠(しへんしょうえい)』

夢のような時間が過ぎた。
いきなり天国の響きが。
のっけから120%の限界出力で“音楽のひかり”が現前したのだった。三善晃作品のオーケストラの響きは、生命体のような現代の奇跡であって、はなからクラシックとか現代音楽とかいう理解の枠組みからははみ出ている存在である。「いやいや、現在の音楽世界においてその存在価値という点では三善晃と小沢健二がツートップなんですよ、次いでジョー・マネリ、ミシェル・ドネダ、ポール・モチアン、ウイリアム・パーカーがいてですね・・・」と据わった目で言うわたしの前では、みな目が泳いでしまって負けてしまう。三善晃のオーケストラ作品を聴くためには、国内ならどこへでもいつでも行くぞ。そのオーケストラと、卓抜した女声合唱が、同時に響き始めるのだ。『レクイエム』や『響紋』の、ハイライト部分をいきなりトップギアで持ってくる、回転寿司でいきなり大トロ、ウニの軍艦、白子のみそ汁から始まるようなものだ、ええい、そんなたとえでいいのか!・・・とにかく、いきなり天国の響きが。放心状態で聴いていた。まぶたを閉じることもなかったと思う。息をすることも忘れた。右目からなみだがこぼれていた。
この響きが、世界から途切れることがありませんように。
浦和一女の合唱部のみなさん、みなさんは未来の希望です。ほんとうに美しい合唱でした。
名古屋フィルハーモニー交響楽団のみなさん、素晴らしい響きでした。これからも三善作品を響かせてください。
そして、愛知県芸術劇場コンサートホールの音響の良さ、観客席とステージの理想的な距離感、も、特筆すべきものです。

わたしの2年前の三善体験>

埼玉県立浦和第一女子高等学校音楽部(女声合唱)が、三善晃が作曲した『詩篇頌詠(しへんしょうえい) 女声合唱とオーケストラのための』(1980)に挑んだ。
◇集中力で大曲に挑む−−浦和第一女子高・音楽部
卒業した3年生らOGを含めて約100人が女声合唱を披露する浦和第一女子高。名古屋で歌う三善晃さん作曲の「詩篇頌詠(しへんしょうえい)」は全体的に通常の合唱曲より音域が高く、音楽部の小松直詩顧問(42)が「初心者では歌えない曲」と言うほど難しい。
今年度の全日本合唱コンクールで2年連続金賞・文部科学大臣賞を獲得した高水準の女声合唱団でも一筋縄ではいかない作品だ。
しかも、進路問題で慌ただしかった3年生だけでなく、1、2年生も学期末試験など行事が詰まり、今月に入ってからはほとんど全体練習ができていない。
それでも、2年生の斉藤文美部長(アルト)は「部のモットーは『短期集中』。集中力を生かして限られた時間で仕上げたい」と自信を口にする。
もともと部活動には制約があり、全体練習は午後4時からの1時間半のみ。残って自主練習をする者も午後7時には校門を出なくてはならない。厳しい練習環境の下で、短期集中の精神が培われた。
コンクールで歌うのは、大体がピアノ伴奏。オーケストラに合わせるのは、高校合唱界で屈指の能力を持つ部員たちにも初の経験になる。
斉藤部長は「ちょっと不安はあるけれど、素晴らしい舞台を楽しみたい」とステップアップの好機ととらえ、残り2週間できっちり仕上げる覚悟だ。
(毎日新聞の記事)

メセニーメルドーカルテットについてJazz Tokyoに書くと、自動的にヤフーに掲載されるようで、
改めて読んでみるに、こういう書き方はセールス推進にはつながらないという指摘はほんとうか?おれなら、「ほんとかよ、こいつの言っていることは!よっしゃ、ブラッド・メルドーのハウス・オン・ヒルは買っとかないとな。」と、思うぞ。・・・あれ、ほんとうだ。


2007年03月27日(火) いまピーコックは72さいだぜ!ジャレットよ、いいかげんのスタンダーズ、老人虐待じゃないのか



長女と大井町のイトーヨーカドーで買出しとごはん。そのあと池上温泉。そのあと五反田のブックオフ。

蒲田から品川へ向かうのにいつのまにか羽田空港に入ってしまい、到着ロビー前を素通りして品川へ向かったのだった。品川のよくわかんないところで夜桜をちょっとだけ見ることができた。

池上温泉といってもふつうの銭湯で、くろ湯につかれるのが魅力。建物のおもむき、下町情緒な雰囲気。ちかくの中華屋でレバニラをたべたいぞ。風呂上りに、待合ソファで「ガイアの夜明け」を、フルーツ牛乳を飲みながら観る。余った食材を困っているひとたちに届ける取り組みとか。
ほんとね、食べ物と水についてはこれからの切実なイデオロギーだと思う。

ナノテクノロジーでできた人体の細胞膜をスルーしてしまうような自然界に存在しない物質が、水を通じて体内を通る。

朝までジャレットの『枯葉』2枚組ライブを聴く。長女が生まれた日に国内盤がリリースされて、その日も朝まで聴いていたのだった。
この頃のピーコック(1935−)の闊達ぶり。このときピーコック51さい。
いまピーコックは72さいだぜ!ジャレットよ、いいかげんのスタンダーズ、老人虐待じゃないのか。


2007年03月25日(日) 「しるし」論・訂正

「しるし」は親のことを想定して歌っているそうな、桜井くんがDVDでそう言ってる、という情報提供をいただきました。
・・・納得。
「半信半疑=傷つかないための予防線を、いま微妙なニュアンスできみは示そうとしている」
このフレーズが確定的かな。でも、子どもに対する歌だ、と、聴いても、同値なんですけどね。



『涙のパヴァーヌ〜アンティクィティーズ』今井信子(ヴィオラ)、御喜美江(アコーディオン) 2004 
スウェーデンのレンナ教会で録音された。マショー、バッハ、イザーク、ダウランドの作品。
盤のなかばで、いきなり今井信子さんがヴァイオリンに持ちかえパルティータを走らせる部分に息をのみ。目がくらくらするような名演だ。

うおお。こんなCDがあるのか!選曲を見よ。聴きてえー。どっかの図書館に入ってないか。
CD「ヴィオラスペース10周年記念アルバム」 Viola Space Japan 10th Anniversary (2枚組)


2007年03月24日(土) 「しるし」論

ミスチルの新譜は1度しか聴いていないですぅー。

「しるし」は、初めて聴いたとき、桜井くんが「最高のラブソングです」なんて紹介して歌ったので、
「ほんとかよ、なんだよ、彼女としあわせそうで、最高に愛し合っていて、それを歌ってるだけじゃん、もうわかったよ、うらやましいね、おんなはスカートさげたらみんなおなじじゃなかったのかよ、あいだのこいだのなんてやりゃーきがすむもんだろ、うざいウタいつまでも歌ってんだ!」としか思わなかった。
でもこれ、子どもに対する歌なのに気づいてから。
「おんなじ顔をしてるとだれかが冷やかした写真、ぼくらは似てんのかな、それとも似てきたのかな」
「ダーリンダーリン、いろんなかおをもつきみを知ってるよ、なにをしてすごしていたって、おもいだしてくるしくなるんだ」
「ともにいきれないひがきたって・・・」

たぶんね、アーティストも人間で、人間てさ、親になったら親心を表明するとき、いちばん説得力を持つ、そういう声になってしまうと思うんだよ。

もうミスチルは彼女への想いを強く歌うアーティストじゃない。
そういう意味を持つ重要なシングルだったのです、「しるし」は。
これはひとつの終焉にぼくの耳には響きます。ミスチルは今後も活動し続けるでしょう。でも、「終わった」ことは明白で、どのような再生が可能なのか、ちょっとわかりません。

むすこの演奏が入ったCDRをもらいました。

編集CDR 『3.25』
01. ナツメ 3:47 / 音速ライン
02. みずいろの町 3:35 / 音速ライン
03. 逢いたい 3:50 / 音速ライン
04. ここにいる 3:43 / 音速ライン
05. 上昇気流 3:06 / 音速ライン
06. 街風 3:27 / 音速ライン
07. ラリー 4:39 / 音速ライン
08. 週末旅行 3:58 / 音速ライン
09. 逢瀬川 3:35 / 音速ライン
10. この世の限り 3:31 / 椎名林檎 × 斎藤ネコ + 椎名純平
11. 錯乱 (ONKIO ver.) 3:28 / 椎名林檎×斎藤ネコ
12. カリソメ乙女 (HITOKUCHIZAKA ver.) 3:10 / 椎名林檎×斎藤ネコ
13. Astaire 4:58 / SUEMITSU & THE SUEMITH
14. The End Of Endz 3:49 / SUEMITSU & THE SUEMITH
15. Love the One You're With 4:20 / SUEMITSU & THE SUEMITH
16. 声 4:21 / THE BACK HORN
17. 果てしない物語 4:29 / THE BACK HORN
18. イカロスの空 3:49 / THE BACK HORN
19. ラグタイム組曲 Pan Am Rag/The Cascade 4:14 / Sop.松島祐弥/Alt.伏島大介/Ten.関口翔太/Bari.多田啓馬


2007年03月23日(金) 湯浅学著『嗚呼、名盤』 NHKブックス『東京から考える』 編集CDR『songbird』 2007.01.11

湯浅学著『嗚呼、名盤』(ミュージックマガジン社)2006、の、すばらしいレビューぶり、レインボー、クイーン、フリートウッドマック、クリムゾンなど。
消費者が金出して買うCDチラシというあまたの音楽雑誌への死亡宣言をあらためて湯浅さんはしているように読み、おののいた。

新聞のベストセラーの欄、1位に、NHKブックス『東京から考える 格差・郊外・ナショナリズム』、が。
郵便的不安東浩紀、と、限界思考北田暁大、の、対談がベストセラー!、なんてびっくり。つい買ってしまう。足立区のはなしはちょっとえぐい。
都知事選に元足立区長が共産党推薦で出ているけど。

日豪間経済連携協定(EPA)によって、ほぼ確定的に農産物の自由化が推進されて、事実上北海道経済への深刻な影響は拓銀破綻以上のものになるらしい。
「虹と雪のバラード」を聴くと、北海道で暮らす余生のことを想像してしまうのだけど。
メグミルク(元雪印)の牛乳1リットルが147えんで売っているスーパーが光が丘にあって、ぼくはメグミルクに全面移行しました。
北海道びいきというか、ナショナリズムに近い感情はあるです。
北海道開拓史なんておいらのこころの聖書だ。

いやはや、このCDRを聴いていると、免疫系のちからが増強されるような気持ちに。恥も外聞もないはずかしい選曲だけどなあ。

編集CDR 『songbird』 2007.01.11
01. songbird / Fleetwood Mac
02. A Light In The Black / Rainbow
03. Melody Fair / Bee Gees
04. flower / L’Arc-en-Ciel
05. I’ve Just Seen A Face / The Beatles
06. In My Room / The Beach Boys
07. The Dreaming / Kate Bush
08. I Know / Fiona Apple
09. 虹と雪のバラード / トワ・エ・モア
10. I’m Not In Love / 10cc
11. 伊勢佐木町ブルース / 青江三奈
12. スージー・ウォンの世界 山下町mix / クレイジー・ケン・バンド
13. パパ泣かないで(Duet/菅原愛子) / クレイジー・ケン・バンド


2007年03月22日(木) 『多田かおなしC』 2007.03.20 曲目

『多田かおなしC』 2007.03.20 曲目

01. If I Had You / The Korgis 1979 コーギス
02. Counting Texas / Pat Metheny Trio Live 2000 「ZZトップとオーネットをかけあわせた」(メシーニ)、うそつけ!
03. John Dawland : Lachrimae Antiquae / Nobuko Imai viola, Mie Miki acc 2004 ダウランドはECMの祖先か
04. It’s In The Air / Terje Rypdal 1995 ああうるさいうるさい
05. Lucy In The Sky With Diamonds / Elton John 1976 いい距離感のあったカバーに当時は聴こえてたけど
06. got to Give it Up / 小沢健二 1999 おざけんモータウンに?激震ニュースのさなかにマーヴィンゲイトリビュートで
07. So Long Ago, So Clear / Jon Anderson and Vangelis 1975 いいじゃねえかよ!カールセーガンのコスモスみてたんだよ!
08. Souvenir
09. Joan Of Arc
10. Maid Of Orleans / Orchestral Manoeuvres in the Dark 1981 人生のベストソングのひとつ「愛のスーベニア」
11. I’ve Never Been In Love Before / Ahmad Jamal 2003 ジャマル師72さいのピアノトリオ演奏の快活
12. 雪ヶ谷日記 / あがた森魚 2001 池上温泉にはいってこよーと思っていたんだじょ

競馬も音楽雑誌もCD屋も断ち1ねんが経った。ミスチルの新譜も焼いてもらったぜよ。イチゴとかバナナとかカルピスとかヨーグルトとか買うのだし。あ、いけね、昨年の年間ベストを作文するのをわすれてた。


2007年03月21日(水) ジョー・マネリでYouTubeしたらマネリ父子・ジョンメデスキーらのグループ演奏が。

いやあ・・・。今週はずっとはくほーにむちゅう。




ECM俳句の会の作文がアコースティックカルテットに2週間ストップしたまま、風邪はひくし、腰痛はするし、有休はなくなるし。
10本の指先のうち3・4本が恒常的に主婦湿疹で、血がにじんでバリバリ痛むという、感染するわけではないにしても、先週スーツをクリーニングに出したときに皮膚科で処方されていた軟膏をポケットに入れたままで、指先のメンテを怠ったツケがきている。
両方の親指のはらがバリバリになって、さらにちゃわん洗いと洗濯と入浴とトイレのあとの手洗いと報告書書きがつらい。

ジョー・マネリでYouTubeしたらマネリ父子・ジョンメデスキーらのグループ演奏が。
Brahim Fribgane (perc.), John Medeski (keys), Joe Maneri (reeds), Mat Maneri (elec. violin), Mike Rivard (bass), Erik Kerr (drums).

マネリ、今年80歳。ちなみにモチアン、76歳。


2007年03月20日(火)

1曲とびでOMDの「オルレアンの少女」とあがた森魚の「雪ヶ谷日記」が共鳴する正午。

グランディスをメンテに出してライフの横をあるいてて、湯浅学さんとサンボマスター山口隆の対談にあった、
アイラーに破壊せよとは聴こえないよ!、を、思い出して、ほんとにそうなんで、おかしくて笑ってしまった。

「多田かおなしC」という編集CDR。

たたみのうえに立ってせんたくもののあいだにみえる空間に、20さいのときの視界がよみがえったの、に、
すごくて、
ひざから下のふんばっているちからの具合とか、本棚に貼ってある書類の活字が見える焦点のあいかた、に、
うわ、はたちんとき、って、たしかに、こういうかんじ、だった!
と、
感じたわけ。

8曲目に選曲したOMDの「Souvenir」を聴いた数分に。

ちなみに1曲目はコーギスの「If I Had You」。
メセニートリオ、今井信子、テリエリピダル、エルトンジョン、おざけん、ジョン&ヴァンゲリス、OMD、アーマッドジャマル、あがた森魚。

24日、雪ヶ谷に行ってみよ。


2007年03月16日(金) ap bank のイベント「AP BANG! 東京環境会議 vol.1」@新木場STUDIO COASTで岡村靖幸が復活!

イベントの主役「Bank Band Trinity」は小林武史がキーボードで高野寛がギター!という注目すべき編成なんだけど、ミスチル櫻井くんは入ってないのですね。

シークレット・ゲストとして登場したのは、な、なんと岡村靖幸!「ただいま」とだけマイクで言うと、
「カルアミルク」「聖書」「ア・チ・チ・チ」「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」の4曲を披露、世界で唯一プリンスやスヌープドックに対抗できるファンクぶりをブレイクダンスで見せつけたのだった。

うおおおお。おかえり!
2年前に実刑くらっていて(2度目の覚せい剤取締法違反)出所していたのだ。
待っていたぞ。86曲のレコーディングをいますぐ開始しろ!いますぐスタジオを開放しろ。

そしてあとふたりのシークレット・ゲストが井上陽水とエンドリケリー・エンドリケリー(堂本剛)つうんだからすごい。

高野寛、岡村靖幸、井上陽水、堂本剛。すごすぎる。

ジャズ界でたとえれば、チャーリー・ヘイデン、ユージン・チャドバーン、オーネット・コールマン、ポール・ニルセン・ラブがそろったようなもんだぞ。
ぜんぜんちがうか。

お。ユージン・チャドバーンをぐぐったら竹田さんのコラム復刻がありました。

月末には、めったに聴けない三善晃のオーケストラ作品を聴きに名古屋まで行く。
滞納家賃の挽回はまだまだできていない。しかし、おれみたいにこんなに祝福された音楽リスナーにとっては背に腹はかえられない一期一会、音楽史的にみてもすごい3月なのであった。


2007年03月09日(金) ジャレットのラスカラ、コルトレーンのオラトゥンジ



疲労困憊、披露宴乾杯。

ラ・スカラのすごさって、スカラ座のホールに充満する過去からのイタリアの音楽の精霊といったものの総体を“イタリア”と名付けるとして、その“イタリア”にジャレットはやられてしまってて、にっちもさっちもゆくのかゆかないのか、煮沸されていることでドラマができあがってしまっているという明白なレアさ、もちろんピアノテクぎりぎりって感じもあるのですが、である。で、おそらくアイヒャーはCD化しようと思わなかったと思う(やつは完全様式美主義者だからね)、で、ジャレットは楽屋に訪ねてきた老人のコトバでもって、その経過をCDのインナーに付すことで、あらためて、ジャレットはその日の演奏を作品として認識する、つまり、老人の感動がジャレットを動かしてパッケージのCDとなったときにそのようにあとから完成された、そういう作品なのであるようにわたしはこの『ラ・スカラ』という作品を認識している。

いやいや、まじで。おれくらい音楽をしっかり聴ける人類もそうそういないんで。
・・・なんて書いてみたら、いま、風邪なおったかも(わはは)。

あ、そうそう。
行きつけの図書館員を背中から羽交い絞めにして、オラトゥンジ、聴きました。コルトレーンのオラトゥンジ。
ジャズ批評こてこて編集長原田和典さんの『世界最高のジャズ』(光文社新書)で、「マイ・フェイバリット・シングス」のベストテイクとお墨付きの『オラトゥンジ・コンサート』
笑えるくらいにすさまじい。激しく演奏するジャズ、という形容詞では、世界記録のままだろう。山下洋輔の早大バリケードも、マシンガンも、近藤ブロッツマンの犬死にカルテットも、児戯だ。いやはや、圧倒された。どうして、こんなに燃えてるの彼らは、ここで。イントロは7分半のギャリソン渾身のベースソロ、これだけでごはんを食べ終わってもまだ弾いている、かもしれない。おれ、はやめしなんで。
それにしても、この演奏の2ヵ月半後に亡くなったとは。コルトレーン。
吹きすぎて、ブローワーズハイ状態になって、過呼吸で死んでしまったのだな。
ちなみにぼくはもう、なんだかだらしなく、だらだらと、らりって吹いているような「マイ・フェイバリット・シングス」のほうが、好み、ではある。

このブログ、すてきだと思いました。>


2007年03月08日(木)



すばらしい音楽に身を持ってゆかれると、言葉を失う。
ジャレットのラスカラ、とか、ロイドとヒギンズの2枚組、とか。


 わたしたちの内奥に佇んだまま表に出ることのない、ひどく傷つきやすく、いたいけな裸の音を、わたしたちは衣でくるむ。その衣には三種類ある。カンタータとソナタとポエム。
 歌うもの、奏でるもの、語るもの。
 これらの衣を使って、わたしたちは、わたしたちの肉体が発するほとんどの雑音を他人の耳に及ばないようにすると同時に、はるか以前からの幾つかの音、幾つかのうめき声をわたしたち自身の耳からも遠ざけようとする。
−パスカル・キニャール著『音楽への憎しみ』(青土社)の冒頭。


図書館から借りたグールド・イン・ザルツブルク、1958年のライブ、のゴルトベルクの、CD盤が壊れていてブツブツ飛びながら、の、音を、
光が丘公園のわきに路駐して1パック298えんで買ったイチゴをぱくつきながら聴く。
空が青くて雲が止まっている。
貸し出ししていたマネリ父子のCD『Blessed』がゆうぱっくで届く。
仕事にそなえて仮眠を取らなければ。


2007年03月07日(水)

おいけいま、今週日曜の夜11時30分からのミュージックラバーズスペシャルはミスチル特集だぞお。おとうちゃんのぶん、DVDRにしといて。こずかいはずむけん。

都知事選挙。どないします?石原さんなって、環八とおりましたん。どんどん東京走りやすくしてほし。車の税金上げて乗用車減らしてバス復活さしてメリハリつけてほし。

こないだ強姦殺人犯でも懲役ですとか、で、未実施の死刑囚100人越えた、ですって、その100人、て、どんだけわるいことしなはったん?どこかにいちらんひょうありますのん?

いちにち法務大臣になって午前中にはんこ押しして、ごはんたべて、夕方にはぜんぶ終わって、いちにち法務大臣ごくろうさん、て。

高島平で深夜に高校生女子二名が首つりしてひとりが助かってひとりが亡くなって。
生き残ったほうの人生をおもうとたいへんだなと思いました。
こいをしてけっこんしてこどもがうまれてあやしている窓の外の木陰で。


2007年03月06日(火)



昨日は暴風小雨のなか仕事で赤羽警察署まで、最近開通した環八(練馬〜西台)をすいすい。

仲正昌樹著『集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか』(NHKブックス)2006、の“「生の音」にいかに接近するか”の章以降を読了。中沢新一の『チベットのモーツァルト』、東浩紀の「郵便的不安」「動物化」、の、おおざっぱなまとめに、すっきり。中沢新一の密教と空海に対する認識には、そうそう、そうなんだよー、と、我が意を得たりのオヤジ的反応をしていい気なものです。金沢大学の教授をしているこの仲正昌樹さん、このアタマの良さはオザケンを連想するところがあります(すごい結びつけ)。

白川淑(しらかわよし)の詩集『お火焚き』(土曜美術社出版販売)1994、著者の謹呈しおり付き、を、入手読了。
「帰依しとおくれやすぅ うちの お宮さんで と」
生死、男女、菩薩、さくら、など、日本語、日本文化、仏教、と言ってしまうと行き止まりになるけど、西洋の認識ツールでは解剖されえないもの。

『千と千尋の神隠し』など宮崎アニメで特徴的なのは、敵が味方になること。ご近所付き合いでのいざこざ、おさまりかたの反映と似てて。
チェスが取ったコマを捕虜のままにしておくのに比べて、将棋は取ったコマは味方になる。

このところECMプロジェクトでECM作品ばかり聴いているのだけど、徹底的にミュージシャンを廃盤にするような精神のかたちをしたECMのサウンドが宮崎アニメとは根本的に合わないものであることを考える。日蓮上人の影響に創作された某廃盤ECMをどう書くか。


2007年03月05日(月) 安室奈美恵はライブで「人魚」(作詞:Nokko、作曲:筒美京平)を歌ってるー



ウミウシをつかまえるのに3週間も沖縄に行っているオタクな長女の安全を練馬から祈るよ。

ぼくらが旅に出る理由もそんなところにあるのだろうと思った。
ゆうべメールをくれたアメリカ、ノルウェー、横浜、川越、狭山在住のぼくのともだちたち、あいしているよ。あいされたくはないか。

むすこがクラシックのサックス四重奏団の演奏にはまっているという。おれはジャズじゃなくてクラシックだな、とかいって。
いいなあ。
だいたいワールド・サクソフォン・カルテットには注目してきたくせに、クラシックのサックス四重奏団を聴いてこなかったのは、わたしのミスだ。
こないだむすこが聴かせてくれたサックス四重奏団はすばらしかった。

安室奈美恵のライブDVD(2006Live)を42型プラズマで観ていたら、「人魚」(作詞:Nokko、作曲:筒美京平)を歌ってる。

そのえがおを しぐさを そのすべてを ほんきであいした だいてだいてだいて 
そのはげしさ そのこえ そのむねが きえてしまった だいてだいてだいて 

そいえばじなんが聴いていたあのバンドは何というのだっけ、音速パンチ?だっけ。ありゃーポールマッカートニーに聴かせてえ代物じゃて。


2007年03月03日(土) わたしがイーストワークスのCDを聴けない理由

ライ・クーダーとビル・フリゼールのアメリカ音楽への眼差しの共有、とか、
ライ・クーダーの『ジャズ』が、ぼくがはたちのときに、中野のビアズレーという音楽バーでよくかかっていて、ぼくはジャズをそのようなものだ、とも、曲解したものだから、その体験は、ロヴァ耳の確立にいささかなりとも影響を与えたのだ、という感謝のような、とか、
をも、書きたかった、な。Jazz Tokyoへの新作レビュー。

そいえば、メセニーメルドカルテットのレビューはレコード会社担当者から苦言されたようだ。
稲岡親分にもうしわけがたたねえ。
たたねえ、が、あっしには耳とくちがあるんでさ。

表参道の月光茶房で、リリース前のECM盤などを聴く。

ECM1264『This Earth!』について、ぼくが23さいのときに書いた作文の存在がバラされて、中学1年生のときに初恋の彼女としていた交換日記を見せられたような汗をかく。はずかしいが、かわいい。それに、そういう音楽なんだよ。

たださんのロヴァ耳日記はジャズトィデイ編集長のブログに似ている、といわれた。そしたらロヴァ耳日記が書けなくなった。

7年まえだっけ。わたしは編集にかかわっていた雑誌の次の号を出すのに、準備をすすめていた。
上司である編集長は、わたしに「デザイナーをせっついて、早く次の号のレイアウトを出させるのがオマエの仕事だ」と下命し続けた。
「オマエは次の号を出す気があるのか」まで言われた。
デザイナーに仕事をすすめてくれるよう懇願しつづけたが、いっこうにあがってこない。これが初めての編集仕事なのだから、おかしいとは思うこともなく。ある日、デザイナーが「あなたに言っても仕方がないけど前の号の支払いをいただいていないんですよ」と、言った。
雑誌が進まないのは当然だ。
寄稿してもらっていた友人からはいくら事情を説明しても「仕事が進んでいないのは共同責任だ」と責められた。電話をガチャ切りされた。
それでも、この号を世に出すまでは、とにかく辞められないと思った。
ある日、編集長はイーストワークスというレコード会社のパンフレットの制作を受注してきた。
納期までの日程をみながらわたしはわたしの担当分の仕事をすすめた。ページわりとかデザインとかの進行を、編集長は納期に間に合うようには動かなかった。このままでは納期に間にあわないですよ、と、わたしは何日も前から言い続けていた。
それでも編集長は「ああ」「わかってる」と表情は平気そうなので、あとは編集長の先方への交渉になるものなのだろうと、思った。
その仕事の納期がやってきた。わたしは仕事で下北沢の駅に来ていた。
編集長からケータイが鳴り
「おい、ただ、イーストワークスのほにゃららさんが、パンフが納品されていないと怒っている。おまえ、いますぐ電話しろ。」という。
煮え湯を飲まされる、という表現があることを知ることになる。
納期の遅れはわたしのせいになり、編集長はイーストワークスとの関係を維持することができる、のは、そんなのは常識的なことのようだった。
この瞬間に逃げ出したかったけど、集めた原稿たちのことをおもった。
雑誌の次の号を、わたしは人格をフリーズさせて息を止めてもぐりつづけるように雑誌が出版されるのを見届けて、わたしは編集長のもとを去った。
イーストワークスのパンフレットの納期が遅れて派生した費用をわたしの報酬から引くと告げられても何も言えないでいるこのかんじ。
なにか処刑されるような心境だったけど、それもまた自己責任、なのらしい。
その年の年末は次の仕事も見つからず、子どもたちにクリスマスプレゼントもお年玉を翌年に借りにすると、ふがいなく言う気持ち。
わたしはとにかく誓った。ひとを見る目を持たなければ。
編集長はその後関係を維持したイーストワークスが出資するフリーペーパーの編集長になってブログを書いているという。

そのブログに似ていると言われて、背中からヤリをさされたような気持ちになってしまうというのは、いわゆるトラウマ、精神的外傷というものだろう。
こうして思い出し書きをしてみて、わたしはすこしは気が楽になったのだろうか。

(追加)
上記パンフ制作にあたり大々的にフューチャーされた写真(これはほんとうに音と気持ちが聴こえるすばらしいものだった)を撮影した座間さんがブログでリンクをはってくれた(3月4日付記載において)。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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