Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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TV番組『女王の教室』■、おんもれーのなんの。 天海祐希も志田未来もすきだー。放送のエンドロールで踊る天海祐希、も、見所。 連ドラを楽しみにする、なんて、確実に10ねん以上ぶりである。ふっふっふ、たださん、音楽好きとして転びましたね。 歴史に残る素晴らしい学園ドラマである。
宅急便で送った新作たまごっちを受け取って「おとーしゃん・・・ひゃひゃひゃ、たまごっち、・・・ひゃひゃひゃ、こいちゃん!・・・ねえ、やめてよお、たまごっち、ありがとー、いやー、・・・ひゃひゃひゃ、たまごっち、ねえ、・・・ひゃひゃひゃ」と子どもどうしでふざけながら電話をかけてくるきよちゃんの声に、わたしは至福の面持ちで受話器に耳をあてていたものの、“おとうさんが、おもちゃやさんのこどもを、いじめて、ゆるさないぞ、といってたまごっちをとって、そのたまごっちをきよねのために、おくってくれました”と夏休みの作文に書いてしまっている事実をエクスワイフに通告される。
それでいいのか、きよね。そんなおとうさんでいいのか、きよね。
でも、天海祐希のようになるなら許す。わしの目の前でレオタードで踊ってくれるなら。
2005年07月30日(土) |
スティーヴ・ティベッツCD復刻2作レビュー【Jazz Tokyo既掲載分】 |
『ファースト / スティーヴ・ティベッツ』 (究体音像製作所 QSCA-1017) \2200 発売中 『チョ / チョイン・ドロルマ&スティーヴ・ティベッツ』 (究体音像製作所 QSCA-1019) \2200 発売中
スティーヴ・ティベッツ(1954〜)の2作品が究体音像製作所(いつもラインの読めないリリースが魅力的!)から日本リリースされた。
ジミー・ペイジmeetsエクスペリメンタル然とした自主制作デビュー盤『ファースト』(1976)と、ECMレーベルから一転して“ティベッツ(Tibbetts)がチベット(Tibet)へ行った”『チョ』(1997)である。
ティベッツの魅力は、彼のチョーキングによる独特のギター音が醸しだす音色の陶酔感にある。マリファナの吸い方をいろいろ研究していた当時の若者たちにあって、ティベッツもまた音の夢に到達していたのか。のちに「釣りびとが緩やかに凍死してゆくかのような」と形容されるサウンドのヴィジョン、これをECMのプロデューサー、マンフレット・アイヒャーが彼の自主制作第2作『Yr』(これは後にECMレーベル正規番号で再発される)に見出していたことは明白で、続くECMデビュー作『Northern Song』(1981)では、サウンドの描写を削ぎ落としたアイヒャーの過剰な関与をもたらす結果となっていた(私はこの作品をどのジャンルの価値基準からも逃れるECM屈指の名盤であると考えている)。
当時ティベッツはこの作品が大嫌いであったことを述懐している。
彼が果たしたい野望は、自分のスタジオで制作したその後のECM5作品で示したような、ダイナミックに構築されたスペクタクル感を主軸にした音楽であった。(ちなみに『Big Map Idea』ではツェッペリンの「Black Mountain Side」のカバーから始まっている。) そして、これらの作品は、今思えばアイヒャーへの反抗といった意味合いもあったのだ。
ECMから離れて発表された近作『A / KNUT HAMRE and STEVE TIBBETTS』を聴くと、81年に受けた最初の暴力がトラウマとなっていたことが推察された。じつに『Northern Song』で父(=アイヒャー)から授けられた道を歩んでいるように響いているものである。
『ファースト』を聴きながら、そのギタリストとしてのサウンドの発想の中に、未熟ではあるものの70年代後半のミネアポリスに現れたパンクやプログレを内包したジミー・ペイジのオルタナティブ、といった見方が可能であることを発見した。
いずれにせよ、90年代にはデヴィッド・シルヴィアンの作品にケニー・ホイーラーらとともにサウンドの彩りとしてフューチャーされていたほどのティベッツの個性に焦点が当たることは嬉しい。
スティーブ・ティベッツのサイト→■
2005年07月29日(金) |
音楽サイト「ミュージサーカス」は、ECM本社から正式に翻訳の許諾を得た。 |
ちょっと、まじめに声を大きくして書いておきます。ECMファンにとっては、大きなニュースなのです。 ・・・ううむ、スティーブ・レイクさんには義太夫を聴かせてみたいぞ・・・。
音楽サイト「ミュージサーカス」■
あ。なにげにウエーバーのサイトを見たら・・・■ 10月にドイツで完全ベースソロコンサートを13回も演る!ではないか。 たのむ、アイヒャー、これを完全収録13枚組ボックスCDにしてくれ。ウエーバーのECMへの貢献を考えたら、ばちはあたらんぞ。
ちなみに。ミュージサーカスはECMの専門サイトではない。寄稿していただいている安芸光男さん、岡島豊樹さん、小野好恵さんといった尊敬する方々の視点や、設立当初に掲げた21枚のmasterpiecesのラインナップ・・・あれ、どこにしまってしまったっけ・・・ とまれ、ミュージサーカスというのはジョン・ケージが晩年に夢見たもの。
ぼくが以前書いた「ECM必聴50枚」■ の、その後の傑作はどれか、と、問う者がいる。わたしも最近はまだ聴いていない盤もあるのだけど、次の5枚は必携。 「イーリル」「ロスリン」「サスペンディッド・ナイト」「イブニング・フォールズ」「レイディアンス」
2005年07月28日(木) |
ジュリアン・プリースターの『ラヴ・ラヴ』がリイッシューされるー |
しかし。なんというECMらしくないタイトルなのだろうか。 CD屋のかわいいおんなのこに「おねえさん、ラヴラヴください!」と合法的に言いつけるチャンスだ。よっしゃ。
同時期にリリースされていたベニー・モウピンの『ロータスの宝石』(ハンコックも参加だぞ!)もCD化していいのに。売れるぞ。 この盤のテーマは創価学会なので、学会員にも売れる。日本ではケタ違いの売り上げを見込めると思う。内容もいいし。
このリイッシューのニュースはECMのサイトでは英語で、ミュージサーカスでは日本語で読める。 音楽サイト「ミュージサーカス」■は、ECM本社から正式に翻訳の許諾を得た。とはいっても、ですね。 わたしは広く日本の音楽リスナーに対し「ECMの迷宮に手を伸ばしてはならない」と牽制し注意する立場なので、なんなんですが。
それはそうと、菊地雅章+グレッグ・オズビーのデュオと、藤井郷子4(+田村+ブラック+ドレッサー)ライヴインジャパン、すげえ良い。 想定を超えてた(わたしの想定を超えるというのは並大抵なことではない)。 ジャズはSTILL ALIVEだ。
おもちゃ屋の息子をマージャンでかつあげして手に入れた新作たまごっち。 きよちゃんに宅急便で送る。そんなコンビニの朝の光景は、夏の一日。
2005年07月27日(水) |
マイラバ(my little lover)の評価をわたしはしたい! |
マイラバと発音されるとマイブラとまぎらわしくて困ります。
my little loverのシングル「shooting star」のB面だった「新しい愛のかたち」。 “人生には浮き沈みがある。わたしは沈みは要らない。わたしは浮きと浮きがいい。”・・・こ、こんな歌詞、ふつー、世に出すか? でも、この曲、半音のたどる旋律の妙と、その後ミスチルの「youthful days」アレンジに転用された疾走感覚、が、実にいい。実にすばらしい。
アルバム『evergreen』は279.7万枚売れたのだ。Jポップ史に残る名盤である。
シングルの売り上げの変遷を見てみよう。 出産を経てリリースした「Survival」も、昨年の「風と空のキリム」も1.1万枚しか。売れていないのである。
なに!「風と空のキリム」がそんだけしか売れてない! 「深呼吸の必要」は、新生マイラバを実感させた佳曲で、楽曲の構成がミスチル桜井の影響もあってか3つ目の旋律の自然な配置、必然的な感動を呼ぶ内容。アコースティックなアレンジの丁寧な響きもたまらない。
で、じっさい、Akkoの声の特質は松田聖子やhitomiに比肩し得る“声帯周波数がすでに世界観を明示し切っている存在”と言える。 宇多田ヒカルやブロッサム・ディアリー、藤あや子、エルヴィス・コステロ、都はるみ、ジョン・アンダーソン、渚ゆうこ、の水準にある。
マイラバはミスチルの歌えない領域の歌を作っているので、小林武史はこのシングルの売り上げにめげずに新作を作っていただきたい。 で、ap bank Fesのテーマである“オーガニック”にもっとも相応しい存在なのはマイラバだったのではないか、と、ふと思うのである。
Man & Woman ★91.7万枚 95.5.1 白いカイト ★51.7万枚 95.7.3 Hello, Again 〜昔からある場所〜 ★184.9万枚 95.8.21 ALICE ★103.4万枚 96.4.22 NOW AND THEN 〜失われた時を求めて〜 ★65.0万枚 96.10.28 YES〜free flower〜 ★45.5万枚 96.12.2 ANIMAL LIFE ★22.3万枚 97.6.25 Shuffle ★30.1万枚 97.8.20 Private eyes ★9.8万枚 97.11.12 空の下で ★11.9万枚 98.1.21 DESTINY/Naked ★51.0万枚 98.5.13 CRAZY LOVE/Days ★7.6万枚 98.7.23 shooting star〜シューティングスター〜 ★5.2万枚 01.2.28 日傘〜japanese beauty〜 ★2.3万枚 01.5.16 Survival ★1.1万枚 02.9.4 風と空のキリム ★1.1万枚 04.4.28
長髪からぼうずにした。わたくし的にはキアヌ・リーヴスからアンドレ・アガシになったくらいのものなんだが。 息子たちから「ちょいワルおやじ」と呼称される。 鳥獣戯画のシャツや鶴の柄のシャツ。銀の格子柄ネクタイに黒スーツ。とても善良ないち音楽愛好家とは思えない。
20日はサントリーホールでUAの童謡コンサート『うたううあ』を観てきました。Jazz Tokyoに感想書きます。 会場で高橋悠治さんがお孫さん(女の子)に「あ、おじーちゃんだー!」と駆け寄られていました。
21日はパルテノン多摩へルイ・スクラヴィスとミシェル・ポルタルの演奏の招待券があったのだけど、仕事を抜けられず。 オーケストラをバックにふたりが吹いたところで、クラシックを吹く“上手いふたりの演奏家”以上にはならない。ライブハウスで、ふたりだけでなぜやらん。と、思っていたら、京王プラザホテルでデュオを演ったのだそうだ。クラリネット奏者が奏でるこの上ないものだったはず。
このところ義太夫とか長唄、鼓などのCDを聴いており、聴くたびに印象や鑑賞の内容が異なるので、なかなかたいへん。
ある意味、経年したジャンル耳で判定してしまうほうが、安心で簡単なのだ、実は。年老いて、死は死臭の漂いの如くにビヘイビアに宿る。 そういうおじさん、ぼくはたくさんみてきた。
2005年07月16日(土) |
プリーチャー桜井が笑顔で繰り返す教義は「世界は素晴らしい」(『ap bank Fes ‘05』初日)・井上陽水 |
当日になってap bank Fesの会場が静岡県掛川の“つま恋”という場所だと知る。東京からざっと200キロ、静岡でも名古屋に近いほー。 チケット代8500えん、専用駐車場代4000えん、高速代片道5000えん、パンフ3000えん。あとガソリン代。それでも観たいのか。
そんでbank bandのベースは亀田誠治!になってておどろく。タイコ、山木秀夫。このリズムセクション、なにげに最強である。
ゲストが次々と登場。それぞれ持ち歌を披露し、一青窈、salyu、持田香織がbank bandのコーラスとして配置につく。 この3人の歌姫はそれぞれにわたしを感動させた(!)ことは、ほとんど想定外。ことに持田香織、きばかくしてるなあ・・・。
4時間におよぶコンサートはbank bandとMr.Childrenの二部構成。
ハイライトは井上陽水だった。「イェーイ!」と登場して、「傘がない」で圧倒する。変拍子ファンクのようなbank bandのグルーブに、妖怪のような60すぎの陽水の恫喝するような声のちから。「オイ、歌ってこういうちからのことなんじゃねえのかよ」と陽水は桜井を恫喝していたのだ。間髪入れずに「氷の世界」。この曲は、じつに過激なファンクであることをわたしたちは忘れていた。過熱してファンクするbank band、歌舞伎役者のように屹立する陽水、まさにこれは70年代マイルスバンドだ。「最後のニュース」に至っては、カタルシスに揺れながらも抵抗を試みる切実な辻説法。陽水だけがここで示せた“リアルに歌えること”、の、価値を、私たちは受け止めなければならない。
それにひきかえ、4時間出ずっぱりでホストをつとめた桜井の困難、である。 Mr.Childrenの曲目を見てもわかるとおり、エコ仕様のオンパレードで、救済を求める民衆を束の間開放させるようなゴスペルの様式ではないか。地球の画像を映し出して、「世界はすばらしい」と何度も歌い上げる桜井。新興宗教の集会のようである。 果たしてこれはミスチルのコンサートなのだろうか。 新曲の「未来」「ランニングハイ」では、旬な楽曲を歌うMr.Childrenの開放感が味わえた。これは良かった。結局陽水に対して示せたのは、現在を歌う自分たちのバンドのリアリティだけだったと言っていい。
エコをテーマにするのは構わないけど。ペットボトルなんて、昔のガラスビンのように1本10円で現金回収するしくみにするだけでいいはず。企業に向かって働きかけることのできない運動はそもそも運動とは言えない。
陽水はあの世捨て人にようなイントネーションで「サヨナラ〜!」と忽然とステージを去っていった。そこには陽水のメッセージと警告と願いがあったように思う。
(以下、曲目)
・bank band ★はゲスト登場 「プロポーズ」(KAN) 「ストレンジカメレオン」(the Pillows) ★一青窈…「もらい泣き」 「ハナミズキ」 ★salyu…「VALON-1」 「情熱の薔薇」(The blue hearts) ★Every Little Thing…「ソラアイ」 「WATER」 「恋文」 ★トータス松本…「ええねん」 「暴れだす」 「バンザイ」 ★GAKU-MC…「昨日のNo,明日のYes」 ★井上陽水…「傘がない」 「氷の世界」 「最後のニュース」 「糸」(中島みゆき)
・Mr,Children 「優しい歌」 「名もなき詩」 「未来」 「Over」 「雨のち晴れ」 「ランニングハイ」 「I'll be(アルバムVer)」 「いつでも微笑みを(弾き語りVer)」 「Everything is made from a dream」 「and I love you」 「Overture〜蘇生」 「CENTER OF UNIVERSE」 「It's a Wonderful World」
アンコール 全員(井上陽水だけはお帰りになられていたようす)で「to U」
2005年07月03日(日) |
ジェフ・ベックの来日公演@国際フォーラム |
ジェフ・ベックの来日公演@国際フォーラム。 80年に日本武道館で観ている(若きベック・ファンには垂涎の来日だった)から25ねんぶりに観るジェフ・ベックである。 36さいだったジェフ・ベックは61さいに、19さいだったわたしは44さいに。わはは。
ライブの最後の曲まで、ほとんど寝てたかも。
ジェフベックの公演後の会場に、ECMファンクラブ時代のフリー派Mさんのお姿があった。 遠くから敬意をこめる。身が引き締まるような思いがした。
同行した先輩が、まだ聴いていないパッケージをあけてもいない私のアリルド・アンデルセン『エレクトラ』(国内盤ライナーがすばらしい)を、聴かせてほしいという。 わたしがもといーしーえむふぁんくらぶかいちょうであったことを先輩はしらない。 「そのかわり、わたしも聴いていないCDを貸してあげるから」、という。 なんのCDですか?ときく。 「たださん、知ってるかなー。ディアマンテス、っていうの。これがいい声なんですよー。」
というわけで、アリルドアンデルセンとディアマンテスをトレードレンタルするはこびとなったわけである。
ジェフ・ベック、Mさん、アリルド・アンデルセン、ディアマンテス。この組み合わせのありえなさ。人生は想定範囲外のことばかりである。
2005年07月01日(金) |
『スマイル』プレミア開演前に楽屋を訪ねてきたポールに対して、「コンサートはきみに捧げるよ」と言ったブライアン |
『スマイル』プレミア開演前に楽屋を訪ねてきたポールに対して、「コンサートはきみに捧げるよ」と言ったブライアン。 38年。
このシーンをもういちど観てみよう。
ポールは腰掛けているブライアンに向かって、ハグするように近づいてゆく。 それが処刑であることにポールは気付いておどけてみせるのだ。 視線が宙を泳ぐポール。 「この38ねんをきみにささげるんだ、ポール」、見据えるブライアン。あこがれるように見据えるブライアン。
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