Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年09月30日(木) |
来たるべき「70’s 3」へのリクエストとして |
さあさ、バンプのファイナル幕張メッセ、も、行くことになったゾ。 今年は、ミスチル、アジカン、バンプのライブを観ることができたサイコーの2004年だったと、回顧するはず、きっと。
しかし。
「ドネダ、モチアン、デルベック、マネリ、ポールニルセンラヴ!これが現在の世界ランキングの上位5強だあ!」と、 つい1年ほど前には、澄んだ鋼鉄のような眼差しでわたしは「うぉら!うぉら!うぉら、うぉら、うぉらー!」と5枚のCDを叩きつけたはずである。 誰に対して? 世界に対して。
おとといは、くるりのライブDVDを買ったゾ。 きのうは、浪花亭綾太郎の「壱坂霊験記」「佐倉義民伝」「は組小町」、二代目春野百合子の「袈裟と盛遠」、東家浦太郎の「越後伝吉」「野狐三次」を買ったゾ。 きょうは『70’s 2』■を買ったゾ。 家族のことを想うと、いつもCDを買いたくなってるんだゾ。
来たるべき「70’s 3」へのリクエストとして、 シルバー・コンベンションの「フライ・ロビン・フライ」、ロビン・トロワーの「カレドニア」、キキ・ディーとエルトン・ジョンで「恋のデュエット」、リンゴ・スターの「ロックは恋の特効薬」、ミスター・ビックの「恋するロメオ」、ロッド・スチュアートの「さびしき丘」 を、強く推挙するものである。
2004年09月26日(日) |
コチシェの弾く「沈める寺」の低音部の残響音が台所の換気扇の回転音とハウリングを起こしている数十秒に。 |
このところ月を見上げる余裕もなくなっていた。
アジカンの武道館ライブ(12月5日)を次男(小6)と行く予定。 「おれ、ライブなんて初めてだよー。×××(わたしの知らない曲名)やるかなー、×××(同左)やるかなー。考えただけで、どきどきしてきたー!」と、初々しい。中学ん時にビートルズのフィルムコンサート(!笑・・・)にどきどきしていた自分がよみがえる。
25日。その次男の要請で運動会へ親子フォークダンスを踊りに行く。 親子フォークダンスに出場する父親なぞ皆無であったため、母親たちの歓迎にあう。黒木瞳がいる。ヤンママもいる。京塚昌子もいる。 なんだ、母親たちと踊れないのか。マイムマイムで、揺れるバスト32連続接近、は、あれはウソなのか。
中島健蔵が三善晃の『レクイエム』について綴った文章を読む。 武満徹とデヴィッドシルヴィアンの対談を読む。ガルバレクとデビシルと武満のコラボレーションはアリだったんだよ!
『バークリーメソッドによって俯瞰される20世紀商業音楽史〜憂鬱と官能を教えた学校』菊地成孔・大谷能生著(河出書房新社) 「ラング・メソッドについて」と題された小文に呈示されたこの書物の裏テーマ、わくわくします。
エクスワイフが「わたし、どうして前髪を伸ばしているか、わかります?」と問うてくる。 「へ?・・・わからん。」 「(バンプの)藤原くんのまねー。」
今日は臥してコチシェの弾く「沈める寺」の低音部の残響音が台所の換気扇の回転音とハウリングを起こしている数十秒に。
2004年09月19日(日) |
CDR『マーチング マーチ』 |
8月の中旬に作っていたCDR。車の中にあったCDを並べて16曲フルゲート(競馬風に)で焼いていった。
CDR『マーチング マーチ』
1. “frame” – “cycle” – “space” / 志水児王 SHIMIZU Jio 2. Happy Days / 大塚愛 3. Claude Debussy : Golliwogg’s Cakewalk / Zoltan Kocsis 1996 4. オンリーロンリーグローリー (album version) / Bump Of Chicken 5. Magneto And Titanium Man / Paul McCartney Wings 6. マーチング・マーチ / ハルカリ 7. MIDBAR / John Zorn Masada 8. Suite Espanola – No.3 Malaguena/Arr:Narciso Yepes / Narciso Yepes 9. 歌劇『トスカ』より「歌に生き、恋に生き」 10. Amor I Love You / Marisa Monte 11. Tea For Two / Bud Powell Trio 12. Lady Of The Lake / Richie Blackmore Rainbow 13. フェザー feather / オダニミサコ・タタ Odani Misako ta-ta (小谷美紗子+玉田豊夢+二宮友和+田渕ひさ子+池田貴史) 14. Caroline Says / Marc Almond Marc And The Mambas 15. ひとり ぼくはしなない / 詩:岡真史 作曲:高橋悠治 うた:中山千夏 16. 刻印の彫刻 / David Toop & Max Eastley
2004年09月18日(土) |
もしぼくに永遠の恋人がいるとしたら、小谷美紗子の歌のようなひと。 |
「日本でビョーク並みな才能はUAだけじゃなくて小谷美紗子もですよ」 それはどういう意味なんだろう。 UAはもちろんすごい。UAがNHKとマッチングしたこと。 小谷美紗子の音楽は、自立した判断を芯に秘めている気がする。
2003年11月に発売されたシングル「虹色の吹雪」、カップリングされている「呼吸」「彫刻」との3曲。
もしぼくに永遠の恋人がいるとしたら、小谷美紗子の歌のようなひと。
2004年09月17日(金) |
9月17日の内田樹さんの日記は、村上春樹についての、さすがにスルドい分析 |
9月17日の内田樹さんの日記は、村上春樹についての、さすがにスルドい分析。■ つい、お洗濯ものをさばく(・・・といっても洗濯機に放り込むだけですが)身動きが、丁寧にきちんとしてしまいます。
“政治的激情とか詩的法悦とかエロス的恍惚とか、そういうものは「邪悪なもの」の対立項ではなく、しばしばその共犯者である。”
わたしにも村上春樹を読んで、文学部の女学生と仲良くしたり、札幌羊ヶ丘展望台で3さいの長女と昼寝をして過ごしたりした頃がありましたけれども。 抑えられないのです。 激情とか、法悦とか、恍惚、以外を、音楽には求めていない自分。そんな自分が目障り。 だって、人生の1枚を挙げるとすれは『ヘッド博士と世界塔』だよ、いまのぼくは。
そいえば内田樹さんの影響を受けたと思われるような文章を書きはじめているひとが散見されるような気がするのは気のせい?
ミヤコ蝶々と谷亮子と竹中平蔵が血縁関係にあるというデマは流さないように。
平井堅と織田裕二がぬきさしならないぬきさし優先の間柄だということはそっとしてあげるように。
2004年09月16日(木) |
『バークリーメソッドによって俯瞰される20世紀商業音楽史〜憂鬱と官能を教えた学校』菊地成孔・大谷能生著 |
この場でお呼びかけさせていただきます。 1984年に発行したECMファンクラブ会報『Every Clue Message』に、ジャレット〜グルジェフについて武邑光裕さんへの取材記事を寄稿された山谷慎一さん、復刻原稿をアップしたく存じますので、ぜひ御連絡ください。 山谷慎一さんは大学で芸術を学ばれており、池袋の輸入盤屋アールヴィヴァンの店員もしていました。たしか。
さて。
原因不明に左ひざが痛い。大田区池上温泉で湯治に出かける予定をたてよう。 9月27日の平井庸一グループ@新宿ピットイン(昼の部)、やはり目が離せない。
ミュージックマガジンを買いに駅前の本屋へ。ついストレンジデイズも手にしてしまい、さらにこの3冊も購入。 『ブルーノートの真実』小川隆夫著(三一書房) 『違和感受装置 クロニクル1996−2003』東琢磨著(冬弓舎) 『バークリーメソッドによって俯瞰される20世紀商業音楽史〜憂鬱と官能を教えた学校』菊地成孔・大谷能生著(河出書房新社) >ここに収録されている石塚潤一さんの論文「シリンガーとバークリーの理論を巡って」、とくに必読なり。
深夜、東京ディズニーランドのCDが欲しくなる。 エレクトリカル・パレードを作曲したPERREY & KINGSLEYの『THE ESSENTIAL』(Vanguardから出ているんですね・・・)も。
ツチ族。■
2004年09月15日(水) |
「この少年の歩いてく先に 不思議がたくさん咲いていますように」(「街」・堂本剛) |
坂本九の「心の瞳」を聴いて、朝の空が広くてトラックのクラクションがにぎやかに聞こえていたフロントガラス越しに。
「この少年の歩いてく先に 不思議がたくさん咲いていますように」(「街」・堂本剛)
堂本剛の名曲「街」は、まあ、ミスチルの「es」にサウンドが重なるものだけれども、いや、越えている、とも言えるし、もとより類似や甲乙はいいとして、この曲、桜井さんはいつか歌ってくれないかなー。え?カヴァーする創造的な価値は低い?・・・かもね。でも、聴きたい。
Coccoの絵本(限定シングル購入券付き)、JUDEの『Highway Child』、遊戯王DVDデュエルボックス3、などをアマゾンに注文する。 来月はスピリチュアルジャズのウェンデル・ハリソン(P-VINEからの独自編集盤がー!)を買うぞ。
2004年09月14日(火) |
田中宗一郎SNOOZER presents 『The Essential Disc Guide 2004 (リトル・モア刊)』 |
うーん、たまんねー!こういうディスク紹介本は、夢のまた夢のような・・・ ・・・この本を手にしてから、ごわーん、という音にならないオーラが、少なくともぼくの視界を覆っている。 皆のもの、あたらしい時代の到来じゃよ。
アジカンとビーチボーイズとムームとコルトレーンとワインライトとマイブラとディランとフリクションとシルヴィアンとバディホリーとスマパンとクイーンとチャーリーミンガスとオウテカとジュリアンコープとXTCとファンカデリックとクリムゾンと中村一義とヴァンダイクパークスが。 並んでいることに理由がある!
これこそリアルタイム・ポップ・ミュージックのリアリティだと思う。
ムーンドックやジョーモリスやあがた森魚やジョーミークやミケランジェリやシャッグスや・・・いや、いい。やめとく。
ごえ?ミッシェルガンエレファント、が、入っているでねえの。どーん、わからん。まずい。かなり最澄して探訪したけど何にもなかったぜよ。
うーん、なぜに曽我部恵一が入っておらん。ハルカリはどうした。田中陽子は。ラ・デュッセルドルフは。クリストバル・ハルフテルはどうした。 ミスチルもおざけんも渋谷毅もポールニルセンラヴもDORGONもペイルココーンもテザートムーンも松平健も、なーんも入っておらんとよ。
・・・与太はさておき。
20代から30代のリスナー(たぶん)がアンテナを張っている興味深いCDたちがぞくぞく掲載されている素晴らしい本だ。 個々のジャンルの歴史を踏まえながら、現在(いま)を横断的に切り取っていることに成功していると思う。 この本は毎年発行されるという。まじめに応援したい。
聴いてみたいディスクがこれほど高密度に並んでいて、「きみたちについてゆきますー」状態であります。
即興・前衛・現代音楽・現代ジャズ・プログレ・民族音楽・雅楽・浪曲・サントラ・音響・エレクトロアコースティックの領域も巻き込んだ、耳のアレキサンダー大王状態の「今」をわたしは夢想したいぞ。でも、死んでるもの(ジャンル)を生きてるが如く見るというのは錬金術に堕するか。
(自分だけのこういうのを作ってみよーかなー。自分の耳の見取り図の変化、に、非常に興味があるんだな。自閉症だもーん。)
▼ 8人の児童を殺害し、15人に重軽傷を負わせた宅間守の死刑が執行された。 大柄な体にそぐわない少し高い声の関西弁で悪態をつき続けた宅間、の、その語り、を、ことが切れたその瞬間、を。 麻原彰晃の刑を執行するのは、その死を輝かせる結果になるのは明白なため、執行を躊躇することだろう。 自殺したいやつが小学校に乱入して、目的を果たす、を、触発しないのか?「輝いて死ねるー!」 美浜原発の事故責任者は、じつは自殺したいけどできない欲望を垂れ流していたのだったりして。
「そして僕らは覚悟した 本当の恐怖に気付いたんだよ ・・・笑われる事なく 恨まれる事なく 輝く命など無い」(藤原基央)
不適切な引用をお詫びします。
2004年09月13日(月) |
イエスの『海洋地形学の物語Tales From Topographic Oceans』(1973) |
ふと。 イエスの『海洋地形学の物語Tales From Topographic Oceans■』(1973)を聴きたくなる。
よくまとまっています→■ わたしは、圧倒的な肯定派でしたー。ジャケ見ながら空想して聴く、これ、わたしの聴取の前提的な基本。 緊張感や構成の速さを云々、と、分析的に聴く態度は、科学者が実験結果をそのままトレースする作業に過ぎない。
札幌市白石区菊水元町の二階の部屋で、部屋を真っ暗にしてヘッドホンで聴いていたのは1977年だった。
その部屋が、今月解体される。
1977年のあの部屋の海洋地形学は今もぼくの耳に鳴っている。
2004年09月12日(日) |
上半期CDジャケBest Awardsノミネート審査会議 |
えー、上半期CDジャケBest Awardsノミネート審査会議、なんで今ごろ、 「マツケンサンバII」がぶっち切りトップで逃げ切りそう、2着がアジカンのデザイン連作、3着はECMのトーマス・スタンコ、以上。 あ、映画『スイングガールズ』のCDはベストテン入りだと思う。
アジカンのニューアルバムが10月20日に発売される。年間ベストアルバムに内定しそうだし。 彼ら、ライブでの演奏力は相当なもんだとみた。
8月が終わった日に(あー、一年も半分過ぎたかー、・・・あれ?、もっと過ぎてるかも、・・・いや、体感では半分だよな・・・)と考える。 春の訪れとともに一年は始まり、冬の終わりとともに一年は終わればいいのである。
宇都宮とか桐生とか。シャッターが閉まった商店街。仕事のない若年層。地方の族は走り回り疲れてアダルトDVDを大量窃盗する。 救いのない地方財政と青春がパチンコ屋とラブホと消費者金融のネオンだけに照らされている茫洋とした風景。たく、心が冷えるがに。 グローバリゼーションは末端から、地方から、顕在化する。 郵政民営化で地方はさらに干上がると感じる。半ば保護されてきた金融資産が、日本という細胞膜が溶かされるように、流出する。 人的鎖国は次第に解かざるを得なくなる。『老人税』副島隆彦著。
何書いてんだか。
昨日のセットリスト (★は6/12横浜アリーナでは演らなかった曲ー)
1.終わりなき旅 2.光の射す方へ 3.PADDLE 4.名もなき詩 ★ <MC> 5.口笛 6.抱きしめたい 7.Everything(It's you) ★ 8.PINK〜奇妙な夢〜 9.血の管 10.掌 11.ニシエヒガシエ 12.Image 13.蘇生 14.youthful days 15.イノセントワールド 16.くるみ 17.Any ★ 18.天頂バス 19.Hero <Encore> 1.mirror 2.Tomorrow never knows 3.タガタメ 4.Sign
2004年09月11日(土) |
横浜国際総合競技場でのミスチル「シフクノオト」ツアー |
横浜国際総合競技場でのミスチル「シフクノオト」ツアー。 6万人規模のミスチル史上最大のスケールの会場。
ポリリズムビートで攪乱させて熱狂をもたらしたさらに進化している「ニシエヒガシエ」。 不意に訪れて深みと凄みにおいて唖然とさせた「Everything (It’s You)」の感情の到達。
序盤のある曲でわたしはステージの右上の上空に虹色に下降した光線を視た。 これはほんとうに限られた機会にしか訪れない“兆し”だ。
スタジアムを吹き抜ける風に頬がステージに向かって旋回する感じだった。
PAシステムは音割れもせず、かすれ声までも忠実に拾っていて、素晴らしいものだったと思う。
立ちっぱなしだったアリーナ席、気分は高揚していながら「ヒザがいてー」「た、た、た」と負傷兵の凱旋のように駐車場へ歩く。 めざした牛角がオーダーストップでデニーズで豚しゃぶ定食を箸で上げ下げしてるうちに眠りこけた。夏の熱気が残る深夜の舗道。
曲目リストはあとで。
2004年09月10日(金) |
『ポール・マッカートニーとアヴァンギャルド・ミュージック[ビートルズを進化させた実験精神]』 |
ブライアン・ウイルソンが今年“スマイル”をライブで演奏した(!)音源がブートで出ている。 会場でスタンディングオベーションを送ったポール・マッカートニーの耳を想う。 芸術は一生。 “スマイル”を、生涯をかけて形にしたブライアン。 ポールはいくつものナンバーワンを手に入れてきたけど、それらすべてをブライアンに捧げたい心境だったと思う。 このブートの演奏の出来や声の加齢や録音状態といったデテイルは、問題ではなかった。 そこには“世界”が聴き取れた。見えた、と、言っていい。
98年にロッキングオン社から翻訳出版されたポールの自伝とも言うべき『メニー・イヤーズ・フロム・ナウ』では、 いかにポールが広範な音楽趣向を持っていたか、それはジョン・ケージ、シュトックハウゼンからアルバート・アイラーやAMMにまで至る、 を、読むことができた。 今年出版された『ポール・マッカートニーとアヴァンギャルド・ミュージック[ビートルズを進化させた実験精神]』■ ストレンジデイズから出版されているなんて正しすぎるし。
ビートルズ以降という時代を生きているに過ぎない、と、思う。 アンディ・パートリッジ、ポール・ヒートン、ケヴィン・シールズ、エルヴィス・コステロ、デヴィッド・シルヴィアン・・・ ・・・あれ、何を書こうとしたのか、忘れた。
どうしても気になる宮本浩次@エレファント・カシマシ。 ニューシングル「友達がいるのさ」が限定DVD付きだというので観てみたら「東京の空」をライブでやっている。おお、でも、何故? 近藤等則みたいなペットがすげー!と観ていたら、近藤等則だった。 宮本浩次と近藤等則、類は友を呼んでいるか。 そしてこの新曲では、宮本浩次の音楽があがた森魚の方角を見据えているのが密やかなるわたしの発見でありました。
911横浜国際競技場ミスチル「シフクノオト」ツアー追加公演、あしただ。
・「ファーストキスから戦争」までの「踏み越え」の一般理論を考えたらどうだろうと思うに至った。 ・匂いも、観念も、ごくわずかな原因物質によって触発される。観念も極めて些細な、そしてしばしば意外な因子によって触発される。決して方法論に還元しえないと私は考える。採集の旅に専門家に同行してみよ。茸さがしの名人の跡を追ってみよ。
中井久夫さんの『徴候・記憶・外傷』(みすず書房)
オーソン・ウェルズが死の床でつぶやく「rose bud」(ばらのつぼみ)
四方田犬彦の『もうひとりの天使』(河出書房新社、1988年) を 月島で読む
■
2004年09月03日(金) |
ビル・ラズウェルほど、触れるもの演出するものすべからくガラクタに変えていってしまう存在もいないからだ。 |
新宿ピットイン、の、20日からの週、は、ジョン・ゾーン〜ビル・ラズウェルの日替わり東京営業演奏Tokyo Rotationらしい。 20日の中村達也とは、ジャズドラマーの中村達也(59)ではなくて、元ブランキージェットシティのドラマー中村達也(39)、である。 驚くひとは驚く。わたしは驚く。 ゾーン〜ラズウェルが担ぎ出したのは、ピート・コージーである。エレクトリック時代のマイルスのギタリスト、ピート・コージーである。 もしかしたらマイルスが思い描いたバンドにおけるジミ・ヘンドリックスの代打の域を出なかったかもしれない、ピート・コージーである。 驚くひとは驚く。わたしは、生きているの?弾けるの?と思うだけ。そしてラズウェルの名に、げんなりする。
ビル・ラズウェルほど、触れるもの演出するものすべからくガラクタに変えていってしまう存在もいないからだ。
誰もそれを指摘しないが、極東のリスナーであるわたしは問いたい。 今回の東京営業で、ガラクタに変えられる日本側のミュージシャンたちは、まあ、早くも旬が終わったか、と、諦めてもいい、が、中村達也だけは諦め切れない。浅井健一よ、このブタ白人を殴り殺しに行ったほうがいいぞ。
日本のせっかくの才能ある演奏家たちも、いつまで舶来信仰という甘い毒盛られて錆び続けてゆくのでしょうか。注目されないと気の済まない音しか出せなくなって。
ああ、肉は哀しい。
私信。アジカンの12月5日日本武道館、2枚、たのんます!
2004年09月02日(木) |
マサダとイエペスと渚ゆう子と、もうひとつ、は、・・・レインボーの「Lady Of The Lake」だったー。 |
昨日同じ種族の音楽言語のように思った、マサダとイエペスと渚ゆう子と、もうひとつ、は、・・・ レインボーの「Lady Of The Lake」だったー。あほな。 さらにそれは、チェリッシュの“なのにあなたは京都へ行くの、京都の街はそんなにいいの、このわたしの愛よりも・・・”と歌う曲(タイトル失念)にまで連想の稲妻が走った。あほや。 マサダ〜イエペス〜渚ゆう子〜レインボー〜チェリッシュ。なんつう脈絡のない5連星。ひとりでやってろ。やってますー。 ジョンケージのハープシコードの作品に、ショナ族のムビラを連想反応するくらいなので、極まってます。
マーク・アーモンドの初ソロ『アンタイトルド』(1982年)を20年以上ぶりに聴く、あ、うそかも、8年ぶりかも。 タイトルナンバー「アンタイトルド」は、クリストファー・クロスのヒット曲「ニューヨーク・シティ・セレナーデ(邦題)」をパクっている気がしている。 20年以上、そう思っている。聴いてみる?
アテネオリンピック。 浦沢直樹のマンガの世界に描かれたアテネオリンピック、と、TV画面を眼差していた。 陸上400メートルリレー朝原宣治選手がグリマーさんにそっくりだったせいである。 浦沢直樹に描かれている、という想定での眼差しには、主将井上康生の無念も、ハンガリーのアヌシュ選手の行動も、実はこれから世界に起こる悲惨に比べたら牧歌的な挿入話に思えてくる。
マラソンの坂本直子がはっきり言って好きである。たまらなく好みである。
日蓮上人が足を洗った洗足池を歩く。入定した本門寺の境内を歩く。大田区。雪ヶ谷。馬込。学研本社前の坂道。 この日記読んでいるひとで創価学会のひと、いるのかなあ。ハービー・ハンコックは学会員で、よくライブを観せてもらったけど。 ハンコックの許にいたベニー・モウピンがECMに初リーダー作を録音していてね。 ジャケットが“蓮の花びらに囲まれたモウピンの顔”なんです。で、タイトルが『ジュエル・イン・ザ・ロータス』、蓮の中のお宝、です。 そこで御大ハンコックがひとひらの鋭いパッセージを弾いているのですね。これが、妙にすごい。気のせいかもしれないが。 北海道札幌にECM博物館ができたあかつきには、ご開帳させていただきます。
今の政治方面のお気に入りは「革新懇」(■)と「九条の会」(■)です。
しばらく御隠居状態になってしまっていたぼくの音楽への夢をのせたサイト「ミュージサーカス」(■)の更新状況が著しい。 安芸光男さんのテキスト、故小野好恵さんのテキスト、若林恵さんのレポート、堀内さんの新稿という、すごいラインナップ。
『ジャズ・オーディオ・ウエイク・アップ』山口孝著(誠文堂新光社)■の書評をしていいと、著者からの許諾を得ましたので、ミュージサーカスに載せたいと思っております。
わたし自身のコラム「ロヴァ耳」については、前回こんなことを書いてしまったわけで(■)、続きは何も書けない状態に囚われておりましたが、「今年聴いたもののベストテン」というテーマで復帰しようと、ガリガリ君を食べながら思っています。
もしかして、ガリガリ君を愛さない日本の夏を信じているのか君は!・・・もう寝ます。
BGM: Untitled / Mark And The Mambas (1982)
8月13日に起きた沖縄・普天間基地から飛び立ったヘリコプターが墜落した事故。米軍自身による現場検証ではガイガーカウンターが使用されていたという事実。何を積んで飛ばしていたんだ?
8月は一日しか休まなかった。この2ヶ月あまり、早朝と夕暮れに皇居の前を通って、新橋に通勤している。 皇居の前を通ると、巨大な音のしない空間、時間の流れない空間があることに気付かされる。
新橋では松下電器と電通のビルが夜空を埋める景色。 電通のエレベーターのネオンが上下する動き。
編集CDRを作りながら、ジョンゾーンのマサダ、と、イエペスの演奏、と、渚ゆう子、が、同じ種族の音楽言語であるように思った。 マサダとイエペスと渚ゆう子と、もうひとつ、同じ種族だな、と、思って、息をしていたけど、 その、もうひとつ、は、何だったっけ・・・ バドパウエルだっけ、マークアーモンドだっけ、プッチーニだっけ。
8月のベストソングはハルカリの「マーチングマーチ」であったように思う。
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