Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年08月29日(日) 三菱自動車でお客様クレーム担当をしていたBさんは数年前に55歳の早期退職をして5500万円の退職金を得ていた

腰痛には、ひざから下の外側のふんばり筋と背筋と肩の三角筋を鍛えるのに15キロのダンベルを左右に振り回す、と、意外に治ります。
毎日、ラクトフェリンヨーグルトを食べていると、風邪でへたりそうな時期も軽症で乗り切れます。

埋蔵量が原油に匹敵する「超重質油」は中東以外にも広く分布し、中部電力が実用化の技術を開発したというニュースが朝刊の一面トップニュースに。日本経済新聞。
地球に優しい燃料「ガイアックス」が財界の圧力(→政府の法規制)で、販売が中止されたままです。
「ガイアックス」の普及で、日本経済の仕組みがかなり激変するリスクに耐えられないということでしょうか。

三菱自動車でお客様クレーム担当をしていたBさんは数年前に55歳の早期退職をして5500万円の退職金を得ていた。高卒で入社したBさんはエリートコースを歩めなくて、お客様クレーム担当。クレーム隠しの実態についてはトーゼン知っていた、と、軽ーく話す。

工事差し止めの仮処分が出た佐賀県の諫早湾干拓地。
男の子3人の子供がいるDさん(47)は、ノリ漁で生計を立てていたが、「こんだけしか捕れんかった」と寂しそうに笑い、数日後に自殺した。
有明海周辺では干拓事業の開始以降70人が自殺している。

全サラリーマンの約3割が契約社員とか準社員という名目の非正社員となり、そのうち7割は月収が20万以下である。って、ニュースを読んだ記憶があるんだけど、これってすごいかも。


2004年08月28日(土) 東京新聞はノンジャンルラディカルである

昨日から東京新聞を配達してもらうことにした。理由は、記事が汚れていないこと、に、尽きる。

わたしのエクスワイフは群馬県の自民党王国に育ち、歴代総理を輩出してきた郷土を誇りに思っており、市議会の傍聴席から罵倒発言をしたりわたしを無礼者よばわりやジジイよばわりをする、武士道を行動の基準としているようなオバサンなのだが、その中にあって東京新聞を購読している。・・・なんでや?
わたしのほうといえば、60年代の労働運動に身をささげた日本共産党員を父として育っただけの脆弱な日和見主義者である。・・・まいーか。
この犬猿のふたりが世界で首肯けるアイテムとは、4にんの子どもとアジカンと東京新聞だけなのである。
・・・仲睦まじいような記述と化してないか?・・・まいーか。

東京新聞はノンジャンルラディカルである。

・・・なんだ?ノンジャンルラディカルって。

現在の音楽シーンについて、
アジカンとバンプとくるりを認め、ハルカリのサウンドに心ときめき、
あがた森魚の現在に注目し、
ブライアンウイルソン『スマイル』レコーディングのいよいよの実現に息を凝らし、
ポールニルセンラブとギレルモEブラウンとジムブラックのタイコにのけぞり、
三善晃のコンサートを心待ちにし、
東に大塚愛はしょーもないというひとがいれば、新曲はにせaikoに過ぎないけどHappy Daysはなかなか技ありだと言い、
西に輸入規制CDに涙するひとがおれば、ライセンス契約して国内盤をたくさん出す会社を興そうと言い、
駄盤にも負けず、CCCDにも負けず、いいかげんな評論文にも負けず、
中古盤屋でジャレットの『マイ・ソング』が180円で売っていることにも負けず、
ヨーロピアンカルテット再結成のウソニュースにも負けず、
マイ・ソングの再演が『Mai Thong』というつづりであったことにトキメいてしまった情けない自分にも「はあはあはあ」と息をして笑い、
ケニーGがソプラノでリチャードクレイダーマンがピアノの「My Song」を脳内競演させては「はあはあはあ」と息をして笑い、
そういうひとに、わたしはなりたい・・・。


2004年08月25日(水) 「欲動の木漏れ日が君にあたって揺れる」(「sign」桜井和寿)

ユリイカがはっぴえんどの特集。


曽我部恵一(サニーデイサービス)が『下北沢コンサート』を
キース・ジャレットの『ケルン・コンサート』を念頭に実現させたというコラムがあった。
曽我部さんが愛聴したECM盤、たぶん20枚はあるだろう、そのラインナップを知りたい。


『BRIAN WILSON/GOOD ELABORATION』 Royal Festival Hall,London Feb.24,2004
ジャケットには『BRIAN WILSON PRESENTS SMILE』と書かれている!2枚組CD。
聴きたい。


桜井和寿は「sign」で、すごいことを歌ってんだなあ、Jポップはここまできてんのかー!と断言していたわたしである。
「欲動の木漏れ日が君にあたって揺れる」
欲動とはラカンの「精神分析の四基本概念」=無意識、転移、反復、欲動のひとつである。


バンプの「オンリー ロンリー グローリー」を個人的に2004アテネ五輪のテーマにして聴いていると、やっぱハマります。
「そしてその身をどうするんだ」


近藤譲著『〈音楽〉という謎』
渡辺裕著『聴衆の誕生--ポスト・モダン時代の音楽文化』
いずれも春秋社より。


2004年08月24日(火) 毎日14時間以上も働く若者の耳に、がんばるための起爆剤としてバンプは聴かれている

毎日14時間以上も働く若者の耳に、がんばるための起爆剤としてバンプは聴かれている。

そしてそのような過酷な労働に対して、その境遇を自分のせいにする健気な若者たちなのだし、
その境遇を羨んで夢見て資格を取ったり面接試験勉強をこなす若者予備軍が働く前からよろよろになってドアの外で列をなしている。



バンプの新譜『ユグドラシル』が発売された。
ジャケはヴォーカル、作詞作曲を担うリーダー藤原基央(ふじわらもとお)さんによるイラスト。
シングル「オンリー ロンリー グローリー」。


2004年08月23日(月) 決して方法論に還元しえないと私は考える。

「匂いも、観念も、ごくわずかな原因物質によって触発される。観念も極めて些細な、そしてしばしば意外な因子によって触発される。決して方法論に還元しえないと私は考える。採集の旅に専門家に同行してみよ。茸さがしの名人の跡を追ってみよ。」
これは中井久夫さんの記述である。

そういうの50すぎてわかっていないひとってなー


2004年08月19日(木) “「ファーストキスから戦争」までの「踏み越え」の一般理論を考えたらどうだろうと思うに至った。”(中井久夫)

夏の夕刻。18時47分。乳児の爪のような三日月。

中井久夫さんの『徴候・記憶・外傷』を読む。「世界における索引と徴候」が第一章。
70歳の精神科医である中井さんはまえがきで
“「ファーストキスから戦争」までの「踏み越え」の一般理論を考えたらどうだろうと思うに至った。”
なんて書いている。

「踏み越え」

はからずも。ほとほとあきれるほど踏み越えに満ちた人生をわたしは歩んでしまってるけんれどんも。素晴らしい音楽は、すべからくこの「踏み越え」の瞬間を与えてくれているのではないだろうか。そのひとにとって「踏み越え」を意識できた音楽は、雑踏の騒音さえも音楽なのだ。あなたが語る不意なコトバがたあいがなくともぼくには音楽なのだ。

中井久夫、三善晃、ジョー・マネリ、ポール・モチアン、ミシェル・ドネダ、清水俊彦、あがた森魚、渋谷毅、ミシェル・ポルタル、三上寛、菅野邦彦、高田渡、岡林信康、・・・、これらのおっさんたちは何かを共演してる。

新生児のふくらんだおなか。保育園児の鼻のあたまのひっかき傷。一年生の笑い声。泥だらけの運動靴。壊れたテニスラケット。千葉大理学部の生物の過去問。アジカンのチケット。ミスチル911横浜国際競技場アリーナのチケット。春日町6丁目の街灯。

月の光にじゃまされて あのコのカケラは見つからない   「さよなら人類」たま

スタジオヴォイス誌を立ち読みしたら、音楽評論家の湯浅学さんが、トランペッターの田村夏樹を評していた。
こういうことをすっくと書けるところが湯浅さんのちからだと思う。読んでいて、なるほどー、と、気付かされた。みんな、読んでみ。
田村夏樹にいち早く反応していた、たとえば末次安里さん、とか、ミュージックマガジンのジャズ担のひと。

批評家の価値は、「徴候」から察知するアンテナにあると思う。


2004年08月18日(水)

北海道の空知地方に位置する砂川市を走る函館本線。

冬の夜に、先頭に2台の蒸気機関車を連結した長い貨物列車が通った。
「これは長いぞ」と祖父は言った。1964年の冬。

暗闇からオレンジ色を放射して雪けむりをたててやってきた貨物列車を、3さいのわたしは数え始めた。

わたしは10以上を数えられなかった。

今でも同じシーンの夢を見る。もっと数えなきゃ、と、思う。
いずれ数えられなくなることは夢の中ですでに織り込まれているので、とても安心した気持ちで貨物列車を見送っている。

貨物列車が永遠に続いて見えたらいいな、と、見送っている。

前に通り過ぎた貨車がまた通り過ぎる時には、ちゃんとわかってあげられるように、貨車の記号と番号を憶えなきゃ、と、見送っている。


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ミケランジェリの本()は、稀少演奏収録のCD付きですよん。
ミケランジェリの弾くドビュッシーのベルガマスクが好きなの、
と、うつむいて話す痩身で小柄で眼鏡をかけている長髪の少女を探し続けて43年。くつ下だけはかせたい。


2004年08月17日(火) ハルカリの「マーチングマーチ」・堂本剛の新譜「[si:]」(発音記号の「シー」)・「american whip」 joy zipper

7月ころからハルカリの「マーチングマーチ」のPVを何回も観ている。
PVでは、女子空手の選手が瓦を叩き割る音で楽曲が終わりになっているが、CDではその演出が施されていないのが残念。
ハルカリのふたりの女の子のキャラと身動き(振り付け)と歌詞とサウンドに、それぞれに違和感を感じながら聴いている。
「な、なんだ、そのラップの歌詞の軽みは!えー?そんなんで、いいのー?」
とか思いながら聴いている。何度も聴いてしまう。どんどん惹き込まれていってしまう。天衣無縫を感じる。

このコたち、天才・・・。

シングルを購入すると、2曲目はbikkeと高野寛が作詞作曲でナタリーワイズが演奏をしている楽曲だった。すぐにおざけんやカーネーションにつながるじゃないか。ハルカリはスキージャンプペアともつながっているのかー。
なんて思っていたら早くもクイックジャパン誌がハルカリを特集していた。



堂本剛の新譜「[si:]」(発音記号の「シー」)は、Sea(CD=15tracks)+She(DVD)+See(Booklet)という体裁で¥3900円である。
ジャニーズ・エンターテイメントからの発売で、コピーコントロールではない。
みじんもコピーコントロールではない。
まったくコピーコントロールではない!



「R25」というフリーペーパーを見ていたら、ディスクレビューのコーナーがあって、
“サウンドはビートルズとビーチボーイズを混ぜ合わせて、超アンビエントにした感じのポップス。サイケでポップでフワフワでオルタナな感じで、メチャクチャ僕好みの音”という文字列に出会う。うえええ。考えただけで、瞳の焦点を失うぞ。
FM東京のパーソナリティー森泉アリさんが選んだ「american whip」 joy zipper というCD。

なるほど。ジャケだけで、もう当たりである。



『身体感覚を取り戻す−腰・ハラ文化の再生』齋藤孝著(NHKブックス)、『「東大国語」入試問題で鍛える!斎藤孝の読むチカラ』(宝島社)、『絶望断念福音映画』宮台真司著(メディアファクトリー)、『徴候・記憶・外傷』中井久夫著(みすず書房)、『<女>なんていないと想像してごらん』ジョアン・コプチェク著(河出書房新社)、レコードコレクターズ9月号、を、買う。

コレクターズを読みながら思い出にふける。
中学3年生のときにマージャンを教えてくれた鈴木くんちで出会ったジュダス・プリーストの『運命の翼』。
高校に入って一番最初に買ったLPはフリートウッド・マックの『噂』と、風の『海風』と、スターズの『灼熱の砂漠』()だったなあ。

・・・未完


2004年08月10日(火) 岡崎律子の「素顔」

スティーブ・レイクさんに、ジョー・マネリの新譜の感想と、ミシェル・ドネダと斎藤徹をECMで録音すべきだとメールを書く。

岡崎律子の「素顔」の旋律や歌う情緒の込めかた。のどぼとけをはさんでのどの左右をピンで刺されたようになって息が詰まる。
この感動!わたしは昆虫採集されたみたいだ。
岡崎律子の微細な声の震えによって空気中に置かれたコトバが伝える内容。

彼女は、よいゴールデンウィークを!とサイトに書いて、その最後の日に消えてしまった。

夏は死を想う季節。終戦記念日。原爆記念日。御巣鷹山航空機墜落。お盆。高校球児たちの連日の法要。


2004年08月05日(木) アルバート・メラニアン・関岡英之著『拒否できない日本』

経済学者のアルバート・メラニアンは
実際に会って話すコミュニケーションにおいて、決定的な影響力を持つ要素として以下のような分析をしています。
言葉(内容)             7%
声の調子(トーン、話し方)   38%
態度・表情             55%

「相手の欲望を読む」比率もそのようなパーセンテージかもしれない。

すべての職業は売春行為である、みたいなスルドイことを言ったのは岡崎京子さんでしたっけ。

文春新書、関岡英之著『拒否できない日本』。面白い。腹立つやら、情けないやら。
この本のことをググってみると、こんなテキストや

・・・な、なんですか?この「国民連合」って・・・


グートレーベル(坂本龍一、アートリンゼイ他)のコンピ、ペイジ〜プラント『ウォーキング・イントゥ・クラークスデイル』、ビョーク『ヒドゥン・プレイス』(シングルDVD)、白鳥マイカ『遠幻郷』、笹川美和『事実』の未開封新品を各300円でいただく。
笹川美和はいいんだけどー、エイベックスらしい用意周到なアレンジと仕立てでもってスキがなさすぎて、ね。元ちとせのブレイクをならって資本投資をした感じがする。こういうの、当のアーティストにとっては不幸な気がする。


2004年08月03日(火) 6枚のCDを同時に耳の中に鳴らす訓練。

ウルトラシリーズのミュージックファイルで、念願のゼットンの回(ウルトラマンの最終回「さらばウルトラマン」)を捕獲するが、
肝心のゼットンの声が入っていない。オーケストラルアレンジのパートは主客の客である。
以前、ゼットンとウルトラマンの死闘シーンの音声をカセットにダビングして聴いていたものだったが、もはや手元になく。

怪獣の咆哮音声こそが、ぼくが最初に出会った現代音楽だった。

ジョージハリスンのオールシングスマストパス、高橋悠治のフーガの技法、アンソニーブラクストンの3コンポジションオブニュージャズ、ビョークのセルマソングスを聴きながら洗濯をする。

アジカン()のニューシングル「リライト」も買う。
コピーコントロールでも買ってしまうぞ、アジカン。でも、この新曲、いまいちー。

CDジャケを6枚並べて、じっと見つめて、6枚の音楽が同時に耳の中に鳴らす訓練をする。




ゼットンが「ゼットーン・・・ピコピコピコ・・・、ゼットーン・・・ピコピコピコ・・・」と、ビョークとハリスンとブラクストンと高橋とアジカンをバックに登場するのです。

・・・まるで自閉症だ。


2004年08月02日(月) ジャズファンよ、サイモン・ナバトフにも刮目せよ。

ゆうべは90%定価オフ購入特権を行使して半野喜弘やら平沢進やらヒロスエリミックス(ピストン西沢氏絶賛)やら菅原洋一やらジョルジュムスタキやら中村一義やら19枚のCD群を新品で捕獲。落ちているお金を拾う夢みたいに、わたわたと興奮してCDを買う。
そうして、クーラーの中で冷やしたぬきそばと親子丼をほおばるのは、楽しー。世界のCDはぼくだけのために存在しているぞー。

3ねんほど前はいつも横浜の馬車道通りで見かけていたゆみちゃんとばったりと新宿で会って。
「たださん、サイモン・ナバトフ、チェックしてますか?」と、いたずらっぽい目で問われた。
「コクのある藤井郷子みたいなピアニストなんですが・・・」

な、なにっ!おぬし、今、何と申した?

サイモン・ナバトフ()とは、ピアニストか?

お、クインテットでレオ(レーベル)で2枚組か。
サイドのメンツは・・・
マーク・フェルドマン(ヴァイオリン)
ハーブ・ロバートソン(トランペット)
マーク・アライアス(ベース)
トム・レイニー(タイコ)

『The Master and Margarita』

・・・ううう。ちゃんと音盤紹介できなくなってしまったわたしをお許しください。
耳に鮮血が走る、意識の密度の高い演奏だ。欠点を言えば、高すぎる、ということだ。まつなが某とやの某の共演盤の対極。

22連勤目を突破。左のヒザに鈍痛が走る。口の左側が裂けて血が滲んできた。しかし意識は妙に明晰だ。
身体に負傷した状態で立ち向かうジャズの音盤。音楽を聴くことは格闘技だ。
わしはいま暗闇の中のアンソニーブラクストン状態だ。なんだそれは。


2004年08月01日(日) あがた森魚の新譜『ギネオベルデ(青いバナナ)』が8月10日発売

あがた森魚の新譜『ギネオベルデ(青いバナナ)』が8月10日発売。
アマゾンで予約する。わりとインディーズでのリリース?前作『佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど』はKittyでしたが。

あがた森魚は書いている。
「20世紀の中頃に生まれた僕は、この21世紀の初頭にあっては、旧世紀に熟してしまったバナナでしかないかもしれない。けれども、この『ギネオベルデ(青いバナナ)』を形にして、自分はまだまだ小さくて堅くて何も知らず、この宇宙の片隅におののいている青いバナナのようなものにもおもえる。
 じつは、それはまだまだこの人類や音楽というものですら実は限りなく青いバナナのように熟し切っていないようにもおもえる。いや、そう想いたいという願望。恐らくは、天文学的数値で熟成されてきたであろうこの宇宙ですら、まだまだ堅くて青いバナナの果実でしかないのでは・・・・・・と。でなければ、なぜさほどに我々は、孤独に怯え、疎外されることに戦い、懐疑心を抱き、諍い、殺戳もしあい、なんとまあ大げさに泣きもし、また笑いもするのだろうか・・・・・・と。」


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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