Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2004年06月30日(水) ミスチルの「シフクノオト」ツアー初日に桜井くんがMCで話した内容は

ミュージサーカス・ニュース。■musicircus
ECMレビューのコーナーにマリリンクリスペルの『Storyteller』(ECM1847)を更新しました。

コニー・プランクとウォルター・キンテス
が、同じバンドで活躍していた、とは・・・。

霧島昇の「胸の振り子」とミスチルの「sign」が続いているCDRに、不意の涙が・・・。

朝のNHK参議院選挙演説放送ではジャレットやメセニーが選曲されている。

ともだちから、ウイーンでクリスチャンフェネスやデヴィッドシルヴィアンと同じライブを観てきたという、羨ましすぎるお話をうかがう。

ミスチルの「シフクノオト」ツアー初日に桜井くんがMCで話した内容は、
女の子とつきあいたくて共学高校(たしか練馬だよん)に通って、ずっと付き合っていた彼女のお話。
こないだ検査をしたときに、「あなたはB型肝炎には一生かかりません、免疫を持ってますから」と、言われて、ふと、その彼女がその免疫を持っていたことを思い出した。よく彼女の通院に付き合っていたことを思い出した。
「彼女に感謝してます」なんて笑いを取っていたけれども。
桜井くんが言いたかったことは、身体的に濃密に付き合った彼女ということではなくて、いまの自分をかたちづくる昔の恋人、という、おおきな概念であったと思う。
自己と他者、で、いいと思う。
むかしケンカしたヤツとも片思いの彼女とも。
一方通行と断絶とすれ違いと、ひとときの大きな勘違いという親睦と。
ひとはだれしもひとりでねむるところからとおくにむかってでんぱをおくってえいえんのさよならをいつもかくす


2004年06月29日(火) 編集CDRはモンド行為である。・編集CDR『Welcoming Morning 2004.6.24』曲目解説

姜尚中、単語登録するくらい好きー。演説聴きたくてなんかの集会に行った行った。「西部さん・・・」、うー、想像するだけでシビれるー。

阿部昭の小説、好きです。何だったけなー、泣いたですよ。わたし小説きらいなのね、梁石日(やん・そぎる)と中上健次と村上春樹は読んだかな。・・・ほー、藤沢周平ですか。うん、42歳になったし、藤沢周平に行きますか。

あ、こないだみたいに、選挙近くなるとカラオケとメシに誘われて、不在者投票させられることのないように、ね!それってレイプなんだよ。
まずは第一段階として、自民党と民主党の二大政党制度を機能させてみたい。それでどうなるか、だと、思う。

「たださん、ラブホに行ってせっけん使わないでねという価値、わかるようになりました!」。うむ、ちと意味が違うが、相手を知るということはそういうことじゃ。なに?・・・だから、しっこを飲むつうことじゃない!・・・たしかにしっこを飲むことは40過ぎの男性にとって体を立て直す秘密兵器だと教えたが、自分のじゃなきゃ意味がないぞ。わたしの話をよくきくように!混同しないように!



モンドだったのである。ふと、気付いた。
編集CDRを作って聴く愉しみは、その楽曲が本来収まっている文脈から引き離れて、不意打ちに楽しむ、出会う、ということであり、それは、モンドたらざるを得ないのである。ジャンル、審美軸、歴史の積み重ね、もろもろの脱構築・・・そんなおーげさなモンでもない。

今回作成したCDRを聴きながら、あまりに無残にその曲本来の良さが脱色されていたので、なんでかのー、と、考えていたんだ。
ある意味で、聴く受信アンテナのスイッチの落差に対応し切れるかという過酷なリスナー道場であるかもしれない。
たとえれば、とつぜん竹刀を持ってかかってこられたり、いきなりボブサップが出てきたり、岡部幸男や梅沢由香里や福田和也が対戦しにくるような状況なのである。碁盤に座ったり、サーフボードに乗ったり、極真空手をしたり、ゼットンに火の玉を投げつけられたりするのである。
その無残さの回避のためであろうか、我々は、たとえば『サージェントペパーズ』や『ペットサウンズ』『LIFE』『QUEEN II』『カインドオブブルー』『涅槃交響曲』『アグネスインワンダーランド』『クリムゾンキングの宮殿』『深海』『ファンタスティックマック』『マシンガン』『ナンマドル』などといった完璧に構築され尽くしたトータルアルバムから1曲だけ抜き出す、と、いった作業を避けている。
・・・いや、そもそも、こういう編集聴取行為はすべからく、音楽に対するボートク行為になって、さえ、いるのではないだろうか。
いいのだ、ボートクできるほど濃密な間柄だから、いいのだ。

編集CDR『Welcoming Morning 2004.6.24』

1. rance (track3) / Collection of Coloniea of Bees 2000 (1:07)
※プロフを見て驚いた。タイコのJON MUELLERは、ハル・ラッセル(Hal Russell)に習った経歴だ。このトラック、ちと短くて残念。
2. エントランス(LIVE) / Asian Kung-Fu Generation 2004 (4:13)
※アジカンの後藤くんの価値は、メガネだけでなく、やや投げやりな唱法が、日本の語り芸の系譜にもしっかりとリンクしているような、節回しにある。歌詞も、おおいに価値あり。聴いてもわかんない歌詞なところが、またいい。ロヴァ耳6月度MVPナンバーに選定。
3. Welcoming Morning / Chappie 1999 (3:59)
※「だいすきだいすきだいすき・・・」というサブリミナルヴォイス(川本真琴らしい)に乗って、匿名な女性ヴォーカルがエヴァンゲリオン的な言語観の透明な歌詞(なかなか得難い名作だと思うぞ!ジョンアンダーソンに歌わせたいぞ!)を歌う。かなりアブナイ。本質的に宗教歌だ。1999年というと、モー娘。が「ラブ・マシーン」で社会現象化した年だ。構造不況のニッポンはモー娘。を支持した(まさにchappieには貧乏なところがみじんもない)。このchappieは、匿名なキャラを立てて、さまざまな女声で歌わせている。サードシングルの「七夕の夜、君に逢いたい」ではあまりもの売れなさにヤケになったものかキャラが立ち過ぎる森高千里に歌わせている(詞:松本隆、曲:細野晴臣、演奏:ティンパンアレイ、と、カミングアウトまでせざるを得なくなっている)。アルバム『New Chappie』には、井上陽水、草野マサムネ、福富幸宏、小西康陽、COILなどなどが集結する。仕掛け人は松本隆との話も。シングル『Welcoming Morning』のジャケは、下着姿の多くの女の子のキャラが整然と並んでおり、それに透明のカバーをかぶせると様々な衣装を着た彼女たちになる、という仕様になっており、ものすごー深く本質を突く作為におののく。さて、収録したのは、シングルヴァージョンのもので、エンディングにかけて「おもちゃのちゃちゃちゃ」が反復してかぶさってゆく楽曲の沸騰点において、コップの水にストローでブクブクさせて上昇させる手法で解決を見せている技がすばらしいと思うものである。・・・ふー(よう、書くなあ)。
4. Palo Alto / Lee Konitz with Warne Marsh, Bill Evans, Jimmy Garrison, Paul Motian 1959 (9:18) from『Live at the Half Note』
※トリスターノの代役で登場したのがビル・エバンスですが、このトラックでは何にもできていません。コニッツ〜マーシュのだらけていながら、うっとりとしたハーモニーを冒頭と最期に決めているあたりが、たまらない。それに、まばらな拍手がいいでしょ?
5. わたしを返して Album Version / 小谷美紗子 1999 (5:15) from『うた き』
※あんたは家政婦か、あんたは市原悦子か。愛にはかぎりがあるけどお金には限りがないぞ!そんなふうに突っ込みを入れては、やはり、反省するのです。長女が中学1年生のときに、わたしが初めて自分から娘にあげたCDが『うた き』じゃったが、このCDRを聴きながらイントロすぐに「おとうちゃん、なんで小谷美紗子なの?」と反応されたのが嬉しかったじゃ。
6. Garnet (january) / Emil Richards 1967 (2:33) from『New Sound Element “Stones”』
※なんともモンドのお約束のような「変拍子+ムーグ」の演奏。
7. Svefn-G-Englar / Sigur Ros 1999 (9:21)
※シガー・ロスのこの楽曲の彼方には、テリエ・リピダルとケヴィン・シールズがいる。
8. In Love In Vain / 菊地雅章 1995 (5:17) from『LOVE SONG』
※日増しに唸り声がうるさくなっている、そんなところでジャレットに勝たなくていいぞ、の、昨今の菊地雅章であるが。このCDは唸り声はほとんど収録されておらず、なおかつ、こんな詩情を、放っている、曲があるのである。美しすぎて、心臓が止まりそうである。
9. Oceanus / Solstice – Ralph Towner, Jan Garbarek, Eberhard Weber, Jon Christensen 1974 (11:06) from『Solstice』
※ECMレーベルを代表する4人による、ECMを代表する奇跡の名演。
10. Garden / Spiral Life 1995 (5:23) from『Flourlish』
※夏休みのソーダ水と花火の深夜に彷徨うような若者の恋を描いた名盤『Flourlish』の冒頭を飾る。
11. Lasko / FME - Paal Nilssen-Love, Nate McBride, Ken Vandermark (12:38) from『live at the Glenn Miller Cafe, Stockholm, Sweden Feb,27,2002』
※とにかく、タイコ。
12. 熱くならない魂を持つ人はかわいそうだ / 友部正人 (6:29) from『友部正人‘72〜’74』
※よけーなお世話だ、と、やっぱり思ってしまう、今の友部には歌えない“時代の歌”。
(76:44)


2004年06月28日(月) ポール・モチアンのライナー

昨日の「ECMファンがきらいだ」という作文は伊武雅刀の「子供達を責めないで」の趣向替えですので、ご注意。
朝日ジャーナルと世界とフールズメイトを読んでいた21歳と、文藝春秋とen-taxiと競馬ブックを読む42歳と、おなじわし。

わたしが初めてLP国内盤のライナーを執筆したのは、大村幸則さんに向かって「大村さん、ビル・フリーゼルに似てるー!」と言った、まだ、ビル・フリーゼルがECMからヤン・ガルバレク・グループの一員として『Wayfarer』で突き抜けたり、エバーハルト・ウエーバーのこれを聴かずんばECM美を得ずと伝えられている『Fluid Rustle』やライル・メイズらが参加した孤高の一品『Later That Evening』に彩りを添えていたり、リーダー作『In Line』を出したばかり、の、時期に、そう言っていたのであるから、ほほえましくコアな名指しだったわけですが、その大村さんが「ただくん、これ、ライナー書いて!」と逆襲を受けたのが、そ、そのビル・フリーゼルが参加している

ポール・モチアンの『It Should've Happened A Long Time Ago』

だったわけである。モチアン、フリーゼル、サックスが無名のジョー・ロヴァーノ、というトリオですよ。1984年に、ですよ。この3人の組み合わせ、の、その後の重要度、まさにニューヨークジャズシーンの演奏モードを変えた、と断言していい、そういうものです。当時、それを認識し得たひとは居なかったです。わたしも認識してなかった。

おととし2002年、ポール・モチアンの『Holiday for strings』(Winter&Winter)のライナーをボンバレコードの金沢さんに依頼されたとき、わたしはこの作品をライナー書かずとも年間ベストに挙げる確信を得ていたもので(ほとんど同着で鼻差でミシェル・ドネダ〜斎藤徹『Spring Road 01』をトップに挙げたが・・・)、歴史の必然というものを感じた。ああ、なるほど、ぼくがライナーを書く最初と最後がモチアンで、いずれもジャズ史に無視し難い痕跡を残す作品であり、それぞれ信頼すべきひとに頼まれたことに、ぼくはほんとうにありがたいと思った。もちろん、それでなんとか満足できるライナーを書けたし、ぼくはぼくの持っている分を果たしたと納得できた。ほんと、『Holiday for strings』ほどジャズにおける揺れるハーモニーによる陶酔感とそのライブでの可能性とレコーディングの達成を示しているディスクというのはなかなかない。

「今こそポール・モチアンにインタビューしたい」と願っていたこともあったなあ。でも、ぼくの力量ではそれはかなわなかっただろうしなあ。

あ、でも『It Should've Happened A Long Time Ago』のライナーの出来はすこぶるひどい。何てたって、わしの故郷の風景の描写つうか、未熟なノスタルジア作文だったりするのである。モチアンA面1曲目伝説、などと痴呆なことまでたしか書いた。笑ってしまう。わたしはそのライナー、所有してない。だれかコピーして読ませてください。

ポール・モチアンの参加作はほとんど聴いた。

きのう紹介したCDもモチアンが重要。モチアンのタイコのように、そのように、ぼくは生きてゆきたい。(おいおい、どういう日記だ)


2004年06月27日(日) マリリン・クリスペルのECM新譜『Storyteller』(ECM1847)

やべーよおー。

マリリン・クリスペルのECM新譜『Storyteller』(ECM1847)
『Nothing ever was, anyway - Music of Annette Peacock』『Amaryllis』と発表してきたトリオの、ベースがゲイリー・ピーコックからマーク・アライアスになっての新作だ。
それにしても、最近のECMは露骨に1曲目に“いい曲”を持ってくる。このCDは、聴くとしばらく会社に行きたくなくなるので注意が必要だ。
だからみんな、買わないように。
インナースリーブにアイヒャーが2枚に写っている。1枚は、録音ブースで手を合わせてうつむいている。1枚はトリオの間でピアノに中腰になってクリスペルに笑いかけている。
今年73歳になるポール・モチアン(モーシャン)の瞳の輝きもいい。
即興ピアニストとしてのクリスペルはBlack Saintからリリースされた『Red』がすこぶるいい。
と、クリスペルのサイトをチェックすると、なにー!バリー・ガイとポール・リットンとのトリオで2枚もリリースしているのかっ!これはえらいこっちゃー。
・・・おろ?・・・なんや。まだECMからアナウンスされてない新譜がー!
『IN WINDS, IN LIGHT』(Anders Jormin Quintet with Lena Willemark, Marilyn Crispell, Karin Nelson and Raymond Strid) ECM (CD 1866), 2004
レーナ・ヴィッレマルクも加わってる?アンダース・ヨルミン(ベース)のクインテット?カリン・ネルソンは・・・オルガン奏者?な、なんやー?

ここ数年のECMピアノトリオは、ジョン・テイラーの『ロスリンRosslyn』(ECM1751)にとどめを刺す。

言葉は無力だ・・・。「Automatic」でパソコンの文字から暖かさを感じると歌ったのは宇多田ヒカルだ。・・・何を書いているんだ。
こんなピアノに耳を澄ましていると、自分のてのひらから出ているオーラを感じることができる。

わたしはECMファンがきらいだ。
わたしはECMファンがほんとうにきらいだ。
ジャレットメセニーガルバレクタウナーウエーバー、好きなものしか聴きたがらない。スイングするものをバカにする。R&Bも聴かない。クラシックの教養のカケラもないくせにクラシックより美しいと断定する。
あの「わかるひとにはわかる」という目がいやだ。
なにが美学だ、なにがクリスタルだ、なにがサイレンスだ。
パーカーもトリスターノもベイリーもわかったふりしやがって、彼らは何にもわかっちゃいませんよ。
ECMがジャズファンに対して何かいいことをしてくれたことがありますか。スタンダーズは何枚出すんですか。何回金賞取るんですか。
わたしはECMファンに生まれなくて、ほんとうに良かったと思っています。
わたしはECMファンがきらいだー!


2004年06月26日(土) 日本で2番目に大きいショッピックモール「AEON太田」に・華氏911を観たひとの日記

群馬の家族デー。足利の渡良瀬川(森高千里の歌で有名)の公園を占拠してフリスビーと家族内対抗リレー大会で過ごす。
太田市にある、日本で2番目に大きいショッピックモール「AEON太田」に、ぼくは初めて行く。
「あーゆー総合ショッピング施設はー、グローバリゼーションの象徴でありー、我々はー、断固としてー、地域に密着した商店街の擁護にー・・・」
と遠くに見えるイオンに向かってアジっておったのですが、エクスワイフに
「じじい!、アジカン買うのにイオンのHMVに行くよ!」と言われ、「はいー。」とハンドルを左にきるわたしでした。
げー、初めて「じじい」と呼称された。
「うおー、でかいー!おー、なんでもあるー!ここでみんなで夕飯くうべー。」とはしゃぐわたしに、「やめてよー。おのぼりさんみたいー。」と制止される始末。
アジカンのコンプリートをし、ディランのベストとザッパのイエローシャーク、エリオットスミスのeither/orも購入。

夜はきよちゃんからラブレターをもらい、お医者さんごっこをして過ごす。

「あくまのうた / BORIS--feat. Wata(g)」にハマりながら深夜の17号にて帰宅。
デラちゃんに宝塚記念をシルクフェイマスからの馬券を依頼する。明日は昼から18時間勤務だ。

あ、ほんとだ。この日記おすすめ。→華氏911を観たひとの日記


2004年06月25日(金) 編集CDR『Iscream,Youscream』と『Morning,Moaning』

あやちゃんからもらった編集CDR『Iscream,Youscream』
のっけの「ボタンがひとつ/ゆらゆら帝国」にへろへろになる。な、なんなんだ、と、思わずあたりを見渡してしまう車中のわたし。音程がズレてしまう小さなおんなのこの緊張と羞恥のヴィブラート。そしてこの楽曲の真の主役は、コトコトと打ち鳴らされる秘めた即興魂を聴くことになるタイコ、なのである。また、このコの発声により、歌詞は現代詩に堕さず陳腐を回避し得ているのが驚異だし。
2曲目、ZELDAって居ましたねー。85年くらいに日比谷野音で高橋悠治ピアノソロとかと同じステージで演ったイベントで観ましたー。このサウンドは今となっては・・・なのだけど、CDR全体の中で聴くと妙にハマりがいい。これまた選曲の妙と言うべきか。
Super Junky MonkeyやBorisを聴くと、つい70年代ハードロックだましいがむくむくと・・・。
「あたらしい花/ASA-CHANG&巡礼」、これいい。iTuneって再生頻度によるヒットチャートが出るのか。Coccoの「眠れる森の王子様」は、インディーズ盤のほうはヴァージョンが違うのだろうか?

もう一枚の編集CDR『Morning,Moaning』
「諦念プシガンガ」、大友良英New Jazz Ensemble--feat. PHEW、この共演に発売当初はあんまり意味が感ぜられずにいたんだけど、こうしてだしぬけにトップに聴くと、まったく新鮮に聴こえるものであります。戸川純の『玉姫様』、20年ぶりに聴いてみたいぞ、CD化はされてるのだろうか。
ブランキーの「2人の旅」について、“死んだ恋人に向かって歌ってるようなこの切なさ”とはスルドいな。いただき。

“女性ロックボーカルもの”と“ちょっと暗い?ロック”というテーマがあって、ゆらゆら帝国、ZELDA、Super Junky Monkey、Cocco、PSY・S、戸川純、大友良英といった2曲収録されている場合は“トータルアルバム感”がでるんですね。

しかし、選曲CDRというのはなんとも密度の濃い体験だ。曲目を見ずにブラインドホールドで聴くと、ほんと面白い。
全曲コメントをめざしてたんだけど、ちと仮眠しますー。


2004年06月24日(木) ミスチルの“風”

すません。訂正です。きのうのミスチルねたは水戸ではなく金沢公演でした。
コンサートのセットリスト(曲目)は6・13日記の下のほうに隠すように置いてありますが。この驚きと感動に満ちた展開の中で、やはりファンとしてはひとこと言っておきたかったのは、いまだ「抱きしめたい」はいかがなものか、ということでした。「つよがり」への変更には納得感があります。
6・9に書いた“「風」を演る”というのは自分で言うのもなんですがアリだったと思います。風に手を伸ばしたら君とつながっているからと歌う「名もなき詩」というのもアリです。それだけ「PADDLE」で歌われた「風、風、風」という発語には、なにげなくも深くて重い意味が感じられ、そこに彼らのアイデンティティの所在をぼくは視ているわけです。

ジジェクの新刊『イラク』(対談で矢部史郎さんが登場しておりまっさ!)を入手してしまい、かなり寝不足のまま仕事へ。

おまけに万引きオヤジ2件。
1件は小銭52円以外はいじましく名刺だけしっかり所有しているという浮浪者で、武蔵野銀行をリストラされた役職だった。パンやおにぎりばかりを万引きして御用。
もう1件はフィリピン・オヤジでローションとヴァイヴを万引きしそこねたところが笑える。けーさつに持ってくと不法滞在であるらしく、国外追放だろう。せっかく日本人おやじをくわえて日本国籍を取得したフィリピン人かあちゃんとはお別れ。お別れの原因がローションとヴァイヴ。思わずなごむいい話だ。

スタジオボイスでのデヴィットトゥープ新譜についての湯浅学さんのレビューを読みました。
説明したがるわたしを反省しなければなりません。

・・・今日の日記はちょっとお疲れ気味。


2004年06月23日(水) ミスチル「シフクノオト」ツアーの金沢公演では、「抱きしめたい」のかわりに「つよがり」を歌ったんだってー。

ミスチル「シフクノオト」ツアーの金沢公演では、「抱きしめたい」のかわりに「つよがり」を歌ったんだってー。

こないだの家族デイでは、わたしはCDR『マーチングマーチ 2004.6.5』とCDR『天体観測 2004.6.5』をかけておったのじゃが、中2の息子がCDを取り換えてすかさずかけたのが「つよがり」だった。(あちゃー)、と、照れるしかない。なんだよ、こないだまで幼稚園ですべり台で悲鳴あげてはしゃいでいたくせに。

あやちゃんからCDRが2枚届いた。ゆらゆら帝国の1曲目でノックアウトである。
この2枚のご紹介は明日に。

あわてて返信編集CDRを作成。ジャズが多いかも。
小谷美紗子の「わたしを返して」は、お金と生活についての箴言というような内容の、歌である。休憩時間に聴いてて泣けた。

編集CDR『Welcoming Morning 2004.6.24』

1. rance (track3) / Collection of Coloniea of Bees 2000 (1:07)
2. エントランス(LIVE) / Asian Kung-Fu Generation 2004 (4:13)
3. Welcoming Morning / Chappie 1999 (3:59)
4. Palo Alto / Lee Konitz with Warne Marsh, Bill Evans, Jimmy Garrison, Paul Motian 1959 (9:18) from『Live at the Half Note』
5. わたしを返して Album Version / 小谷美紗子 1999 (5:15)
6. Garnet (january) / Emil Richards 1967 (2:33) from『New Sound Element “Stones”』
7. Svefn-G-Englar / Sigur Ros 1999 (9:21)
8. In Love In Vain / 菊地雅章 1995 (5:17) from『LOVE SONG』
9. Oceanus / Solstice – Ralph Towner, Jan Garbarek, Eberhard Weber, Jon Christensen 1974 (11:06) from『Solstice』
10. Garden / Spiral Life 1995 (5:23) from『Flourlish』
11. Lasko / FME - Paal Nilssen-Love, Nate McBride, Ken Vandermark (12:38) from『live at the Glenn Miller Cafe, Stockholm, Sweden Feb,27,2002』
12. 熱くならない魂を持つ人はかわいそうだ / 友部正人 (6:29) from『友部正人‘72〜’74』
(76:44)


2004年06月22日(火) 雪かきができるようにしようと思いつつだらけてしまい→無題

週刊現代6/26号のグラビアをめくると、
イラン大地震(03年12月26日、死者4万人)で犠牲となったふたりの息子を埋葬のために運ぶ父親の後ろ姿。
両手に抱えられた9歳前後のふたつの死後硬直。疲れて眠っているようにも見える。

『世界報道写真展 WORLD PRESS PHOTO 2004』
東京・恵比寿の東京都写真美術館3階展示室にて8月1日(日)まで開催中
イラク戦争、リベリア内戦、パレスチナ紛争、イラン大地震

・・・そんなことを打っている事務室のフロアに、珍しいことに、どこからともなくケラが一匹わしゃわしゃ這い出してきたのであった。
・・・金属椅子のコロの下に入り込んだもので、椅子をぐりぐりと下げると、カリコリ、とか音がして潰れてしまいました。

悲劇は起こるように世界はできていて、ぼくたちはささやかな雪かきしかできない、のでしょうか、村上春樹せんせ。

・・・ひとみをとじて、きみをえがくよ、それだけでいいー
・・・きおくのなかに、きみをさがすよ、それしかできないー

何度も有線で耳にするうちに慣性の法則に従って平井堅のセカチュー歌声に聴き入るようになっている。・・・ちょっと今夜は過労かも。
ECMのボックス2やジョーマネリやマリリンクリスペルトリオなどが手元に届いているのだけど、ちと聴くまが取れないあわただしさに。
深夜早朝夕暮れの仕事の行き帰りに友だちに作ってもらったCDRやルーリードのアンソロジー3CDや。

昨日も今日も明日も燃える三菱ふそうのトラック。

わたしの三菱グランディスが3ヶ月3000キロ程度でエンジンオイルが1センチに減ってしまう事案についてのクレームについては、現在ディーラー側による検証中。クレームを申し入れて翌週に「24ヶ月点検はいかがでしょうか〜?」とセールス・トークをしてくる亜空間な神経。家族で乗るために購入した三菱グランディスに、エクスワイフは「みんなで隣町の公園に行きますよ。あ、でもー、乗りたくないわー、三菱のくるまー。だいたいおとうさんの選ぶ音楽とか車とか彼女とか、ろくなもんじゃないわよねっ!」、って、20年まえにはあなたをえらんだぼくなんですけど。


えんぴつ日記ランキング音楽部門10位達成!
これを記念に、叱咤激励、罵詈雑言、素朴な質問を受け付けます。匿名で扱いますので、どーぞどーぞ。
「たださん、ジャズって、いったい何ですか?」 「あ、きみはもう、ジャズが何たるかを知っているのだよ。」
「ECMについて教えてください」 「ロヴァ耳OLDvol.6の50枚を、迷わず聴けよ、聴けばわかるさ。」
「なんでJポップなんて低俗な音楽を聴いているのですか?」 「くわっ!西洋音楽→ユダヤ音楽→ビザンチン→メソポタミア→エジプト→アフリカ→ニューオリンズ→ブルーズ→ジャズ→即興→音響→テクノ→ノイズ→モンド→浪曲→歌謡曲→Jポップというふうに進化しているサイクルがたぶん複数併走して日本国に流入しているのです。ジョン・ゾーンやジム・オルークが歌謡曲オタクなのは気まぐれではありましぇん。」


2004年06月21日(月) 小谷美紗子『うた き』・マリア観音・Collections of Colonies of Bees

小谷美紗子の『うた き』を久しぶりに聴く。HP→
musicircusの「ロヴァの耳」のOLDのvol.8で書いた日々を懐かしむ。
小谷のプロフィールを見て、友部正人、ドビュッシー、クイーン、ナンバーガールが好きだという。おれもおんなじだ。桑田はわからん。
この秋こそは彼女のライブに出かけようと思う。

『うた き』を聴いていて、空襲の中を子供を抱いて火の粉をくぐりぬける母親の逞しいかかと、といったイメージに強く掴まれた。そのかかとは煤けていて血が滲んでいて逞しく、それでいてエロチックな曲線を持っている。仕事のこと、お金のこと、そして家族と恋人のこと、彼女ほど現実に素足で立って、言葉がパフォーマティブにならずに人を想う歌を歌っているひとはいない気がする。小谷に眼差されてもいいような仕事をしなければと思う。そしてこのアルバムの完成度はJポップ史に残るものだ。

エレファントカシマシがソニーから契約を切られて浮いている時期のライブをすべて通ってニフティの会議室で宣伝につとめたわしである。
小谷は最近CDを出していないようではないか。これは、ホップステップジャンプのステップに至る過渡期である。
わたしは小谷がばばあになってもじじいになって応援し続ける所存である。



「ただくーん、マリア観音、観に行こー!」「わー行きたいー、けど、仕事ー!」
マリア観音(木幡東介)・ワンマンライブ 日本絶滅動物記 其の2
[日時] 2004年6月25日(金) [会場] 吉祥寺シルバーエレファント [住所] 武蔵野市吉祥寺本町2-10-6-B1 [電話] 0422-22-3331
[開場] 19:00 [開演] 19:30 [料金] 前売2,500円 当日2,700円※ドリンク代別
[問合] エレクトレコード新宿店 03-3362-6181  [共演] しゃあみん(b,cello,piano)



croutonレーベルのカタログ5番、
Collections of Colonies of BeesというJon Muellerが奏でるユニット名?の作品『rance』を48円(!)で入手する。

ジム・オルークの『Bad Timing』以降に、こういう楽器のさざめきに焦点をあてたインストゥルメンタルだけの演奏でポップ〜フォーク(〜音響〜即興)といったラインの表現にまどろむ音源は雨後のなんとやらのように増殖するのは予測できた、です、ね。
にしても、なにげに美しいんだわー。
ギターとバンジョーとタイコがつまびきあいながら軽快にサイクリングに出かけるような名盤。

試聴はここ→
インタビュー→

あ、いけない、あやちゃんにメールかかなきゃ。みみのおいしゃさんごっごのうちあわせ。


2004年06月20日(日) 編集CDR『The Beat Goes On 2004.6.20』

なんだ。東京上陸はないのか。

ミスチル、って、あれですよね、無名時代に自分を支えてくれたカミさんと子どもを捨てて、ギリギリガールズの吉野美佳と一緒になったヴォーカルのバンドですよねー。いつだかエロ雑誌のお宝画像企画があって、ギリギリガールズの元メンバーが彼女は最初から狙ってたと暴露してましたね。そんな鬼畜のようなことをしておいて、モンスターバンドでありつづける事態が元の妻子をどれだけ孤立させるか、考えてないでしょう。システム的に考えると、ミスチルという存在は音楽ファンにとって代替物ですよ、ビートルズだってバッハだってそうですよ。

そんなことを言うミュージシャンの友人がCDRを作ってくれた。(曲目のみ。解説は明日以降にアップ予定。)

編集CDR『The Beat Goes On 2004.6.20』
1. Garnet (january) / Emil Richards from『New Sound Element “Stones”』
2. Tickle Toe (Lester Young) / Johnny Smith Group
3. Vagamente / Paul Winter
4. Hold Me / Jimmy Raney from『Two Jims & Zoot』
5. A Primera Vez / Jimmy Raney from『Two Jims & Zoot』
6. All Across The City / Jimmy Raney from『Two Jims & Zoot』
7. In The Breeze / Jerry Hahn 1967
8. Ragahantar / Jerry Hahn 1967
9. Ara-Be-In / Jerry Hahn 1967
10. Recado Bossa Nova – pt1 / Zoot Sims from『Recado Bossa Nova』1962
11. Bernie’s Tune / Zoot Sims from『Recado Bossa Nova』1962
12. Love Come Back To Me / Zoot Sims from『Recado Bossa Nova』1962
13. Diamond (april) / Emil Richards from『New Sound Element “Stones”』
14. Emerald (may) / Emil Richards from『New Sound Element “Stones”』
15. Moonstone (june) / Emil Richards from『New Sound Element “Stones”』
16. Sardonyx (august) / Emil Richards from『New Sound Element “Stones”』
17. Turquoise (december) / Emil Richards from『New Sound Element “Stones”』
18. The Beat Goes On / Gabor Szabo from『The Sorcerer』1967
19. Little Boat / Gabor Szabo from『The Sorcerer』1967

長女が進路に悩んでいるという。ウミウシ研究者か検死官になりたいという。
二兎を追えと助言する。
現代文の成績が足りないのはどうしたらいいのか、という。
面白くて論理的なテキストを読むのがいいと助言する。
内田樹さんの著作を一揃い長女に委譲することになった。


2004年06月19日(土) ソマリアで餓死した男の子の遺体写真

台風6号。925ヘクトパスカル。ちょっとでかいぞ。めざせ首都圏直撃。わたしは大歓迎ですー。
アメリカだと台風に名前が付くという。キャサリーン台風とか。
日本人は古来より、山や川や森や沼や、機関車や機械やパソコンやデヴィッドシルヴィアンのCDを、ひとのように愛したではないか。

ゆうべははやしますみ容疑者の映像がたくさん流れてやだった。そのまえはうえくさかずひでがやだった。
うそついてんのは自明ではないのか、ふたりとも。
こういうニュースの映像は、教育的にも良くない。

本屋で『DAYS JAPAN』という写真月刊誌を見た。ソマリアで餓死した男の子の遺体写真が載っていた。
このコの、耳から首のあたり、てのひら。なにもつかめなかったてのひら。うれしいとほほえむことにめぐまれなかったほお。
単純なわたしは、いてもたってもいられなく、一瞬、なる。 (>一瞬かよ)

オリジン弁当で茄子味噌焼き海老フライ付き弁当をたべる。
食べながらレコードコレクターズ7月号はブライアン・イーノの特集をめくる。

ソマリアで餓死した男の子、が、亡霊となって、ある日ぼくを刺しても、やはり文句はいえない。


2004年06月16日(水) TeoMacero『black knight』『whispering gods』・半年ぶりにまこと師匠と

ふむ。テオ・マセロの『black knight』と『whispering gods』が届いた。サイトは→
『black knight』は、マセロがNYで遭遇したピアニスト(一体誰なんだ?)に電流が走って「即興を弾いてみてくんない?」と頼んでスタジオにぶちこんで録って、その録音にかぶせてジョー・マネリ、DJロジック、ヴァーノン・リード、デイブ・リーブマンらを演奏させた、という代物。たしかにこのピアニスト、すごいタッチをしている。クラシカルな熟練をベースに、技巧的ではないが、なにげに深い表現の彫塑を露わにしている。無視できない重さ。共演させた4人(マネリ、ロジック、リード、リーブマン)の人選もそれに相応しいものになっている、と、マセロの確信を想像する。あまりジャズファンにはおすすめできない音楽かもしれない。分析的に聴くとき、審美のモデルに尺度が合わせられなくて、下手だのニセモノだの言いそうになるかたちをしている。
『whispering gods』は、イージーリスニングmeetsアルヴォ・ペルトandマイルス・デイヴィスというコンセプトである、と、本人が述べているような、これまた奇怪な作品。トランペットはルー・ソロフが演奏している。なにげにわきのアマいユルい作品ではある。しかし、マセロの欲望といったものがこの音楽の背後から妖気のように漂ってくるあたりに、彼が夢見た密やかな“音楽の交歓”、それはまさに音楽が主語であるという点で標題「神々のささやき」をあらわしている、とも、言えよう。
・・・ま、売れないだろう。売っても仕方ない音楽とも言える。求めるひとに気付かれて伝わればいいとマセロもそう思っているだろう。



半年ぶりにまこと師匠と情報交換をする。10年前はわしが師匠だったのだが、この2年でまったく形勢が逆転してしもうた。

「ジム・オルークが加わったソニック・ユースは格別にいいですよ。クリスチャン・マークレイとルイ・スクラヴィスのデュオ、デヴィッド・トゥープのコンピ、ジョン・ゾーン企画のミシャ・メンゲルベルグ・トリビュート、ノエル・アクショテ、ブルー・シリーズのスプリング・ヒール・ジャックはどうでした?聴きました?たださんの最近のおすすめはなんですか?まだ坂本真綾を聴いているんですかー?」と、ほぼ概略。

「アジカンと堂本がいいねー。」
「いちおうチェックしてますけどね、・・・いまさら、あんなサウンドは・・・一言でいえば終わっていますよ。」
「ほええ?・・・んじゃあ、ううあの『SUN』、は?」
「あんなのビョーク・メソッドをUAに適用しただけの代物で、まったく興醒めでしたね。」
「・・・あ、そう。」
「あ、たださんに確認しときたかったんだ。ミスチルの新作は良くなかったですねー。」
「お、おえー?・・・お、おまえ、・・・わしを愚弄するつもりか。」
「今週のカウントダウンTVの1位がミスチルの「sign」で、2位が堂本剛の「ORIGINAL COLOR」でしたね。アジカンの「ループ&ループ」もベストテンに入ってますね。もしかして、たださん、ようやく時代がわしの耳に追いついた、とか、思ってやしません?」
「・・・ぎ、ぎくー。」
「ぼくはメジャーなサウンドが嫌いなんですよ。エンジニアの中庸な手付きが見えますから。それにアーティストの取って付けたようなサルマネに怒りを感じるんです。たださんの耳は、ちっともラディカルじゃなくなりましたねえ・・・。もしかして、大塚愛なんか気に入ってたりしませんか?」
「ぎ、ぎ、ぎくー!」
「やっぱりねー。」
「お、おめー、いつからそんななまえきなくちきくようになったんじゃい。あのなあ、この1年に買ったCD見せてみろ、良かったもの聴かせてみろ、わしがまた真贋を判定してやる。」
「いいですねー。また耳のセッションしましょう。ぼくはいつでもいいですよ。」
「編集CDRを作っておくように。」
「そういうの、できません。たださんがうちに来ていろいろ聴いていったもの全体が、ぼくの編集CDRです。」
「ふーん。いいね、それ。」
「なにがいいんでしょうか。」
「いいんだよ。いつもつまらないものはかけてないじゃん。ひっこめちゃうじゃん。」
「いかに成功していないか、と、お聴かせするものもありますよ。」
「いいの。そうやって聴かせたくなった、てのは、いいんだよ。音楽なんて聴かれてなんぼなんだから。」


2004年06月15日(火) 「みんな夢の中」・きよちゃんとお医者さんごっこをする約束・老後の計画

おろ。いつのまに老境におるのかの。

朝、仕事から帰って、歯をみがいて、せんたくものをたたんで、一服しながらたたみの上にはいざらとコーヒーを並べて、みる。
静かに。ガラス窓の向こうが淡い日差しでぼやけてゆれている。
一服のけむりと喉をついてゆっくり出てきたのが「よーろこびーも、かなしみもー、みんなゆーめーのー、なああ、かー」というフレーズ。

「みんな夢の中」 昭和44年 浜口庫之助作詞作曲  高田恭子
この曲の旋律は中国ふうですね。歌謡曲の本流、て、韓国ばかりでなく中国もちゃんとあるんでしょうか。



6さいのきよちゃん(わたしの4番目の子ども)が小学校にあがって元気にランドセルをしょって通学しているようだ。
「きよねねー、じぶんのこと、ぼく、って、いうんだよ。」
「どうして?」
「だって、わたし、っていうの、はずかしいんだもんー。」

そ、そうかー。われ発見せり、Hitomiがボクと自称して歌うのは、あの肢体を保持してしまった羞恥心によるものだったのか・・・。
ともあれ、ほとんど田中麗奈みたくなったスレンダー&チャーミングきよちゃんが「ぼくはねー」と話すさまは、かなりキケンである。
そんなきよちゃんが、最終兵器のようなコトバでわたしの耳を空爆した。

「こんど帰ってきたら、ぼくとおいしゃしゃんごっこしよー。」
「え・・・。ど、どんなことするの?」
「みみにあててねー、しんぞうのおととかー、おなかのおととかー、ちがながれるおと、きくの。」

そいえば、むかし代ゼミの医学部進学コースで数学を教えていたころ、ホンモノの聴診器をわたしは購入していたのだった。
そいえば、女子の受験生や事務のOLの心臓の音をたくさん聴いたぞ。彼女らにブラウスの中に自分であててもらったんです。
なんだか、すいぶんいい思いをしたような気がする、今となっては。よく考えると、すごいことしてたんだな。
当時わたしはまじめでした。
今もまじめです。
何の話でしたっけ。今度(26日)、きよちゃんとお医者さんごっこをする約束をした、ということです。忘れんどこ。

PS
そうだ、きよちゃんねたでジョーマネリのECM新譜への想いを綴ろうと思っていたのだけど、まあいいか。
5月5日に急逝した岡崎律子さんの限りなくピアニシモなソノリティで透明な乙女心を歌った名曲「Forフルーツバスケット」、この曲をフューチャーした編集CDRの紹介が遅れててすいません。
そうだな、老後はCDをノンジャンルで3000枚以上を持っているひとたちだけで半径1キロ内にアパートの独り暮らしをしまくる。年金はぜんぶCDに消えてしまい、食費はあれだな、若いリスナーにCDを貸すのにあんぱん1コとCD1まいとかにして・・・、お?イケるぞ。この案。よっしゃ、これから集めるのはレア盤だ、レア盤!


2004年06月14日(月) 求むアニメ『マシュランボー』のビデオ全8巻・911ミスチル横浜国際総合競技場・堂本剛「WAVER」・Chappie

73さいのきよちゃん(こないだショーケン!のライブ@渋谷公会堂に行ってきた)が食事をしながらぼそっとつぶやいた。
「この国に未来はないね。」

そ、そいえば、アニメ『マシュランボー』のビデオ全8巻、どこぞの中古ビデオショップで売っておらんものだろうか・・・。
ゴダール『映画史』5CDボックスとの交換でもいいぞ。

13日の「ニシエヒガシエ」では仮面をかぶらなかったらしい。いや、かぶっていたほうが良かったはずだぞ。表現としては。
ダーク・バラード調に失調したように歌われた「ニシエヒガシエ」。爆破の映像。桜井は、予兆している。

一蓮托生。9月11日、というこの日に、Mr.Childrenの横浜国際総合競技場での追加コンサート、を、観に行く、こと、に、した。
横浜アリーナと違って今度は、屋外、である。な、7万人、である。7万人のミスチルファンである。気が狂いそうに、やだ。
(観客がわしひとり!、という即興ライブの経験は多々ある、のだが・・・笑)
9月11日に、アメリカと軍事行動を共にすると諸手をあげる某国家、で、行われる最大の観客動員数となるイベントに行くか、ふつー。

でも、いく。

取り置きしておいた堂本剛のニューシングル「WAVER」初回限定盤(\1200)と遊戯王デュエルボックス2(DVD\24000)を買う。
堂本剛、本格化したな。堂本の歌をミスチルが歌ったりするのもアリだと思う。

やばいシングルに遭遇。
なんなんだ!このChappieという謎のプロジェクトは。こ、こえは川本真琴なのか・・・。
鼓膜に麻酔をかけられたみたいだ。9階から走って空を飛び出せそうだ。

「だいすき・だいすき・だいすき・だいすき・だいすき・だいすき・だいすき・だいすき・だいすき・だいすき・だいすき・だいすき・だいすき」
エンディングに向けて「おもちゃのちゃちゃちゃ・おもちゃのちゃちゃちゃ・おもちゃのちゃちゃちゃ」

おかあさん、みらいがなくてもいいんです。

午前3時45分の細く尖った三日月。青と緑と黄色がグラデュエーションでかがやく美しい朝。


2004年06月13日(日) わたしはミスチルファンが嫌いだ・藤井郷子ライブスケジュール

わたしはミスチルファンが嫌いです。>伊武雅刀の名唱「子供達を責めないで」のモードで。あー、この曲、CDになってないの?聴きたい聴きたい!
「たださん、コンサート始まるの、楽しみじゃないの?」ときくか。楽しみじゃないわけないじゃないか!じゃないか、じゃないか・・・。
あの会場を埋め尽くす1万4千人のミスチルファンどもの。妙に人の良さそうなつまらんことに自我を固執し無意味にナイーブで失恋失職ごときで歯をくいしばりきれもせずに引き篭ってしまうような一目でわかるようないい子の群集。うじゃ。うじゃ。うじゃ。わたしはミスチルファンが嫌いだ。タガタメを聴いて世界に対し何かいいことをしたかのような独善に陥っている顔、顔、顔。入り口のダフ屋にひとり3万円ずつを支払っているバカップル。ミスチルのTシャルをペアで着ているにこにこしている男子2名。ファッションが一様にユルくて野暮ったい。・・・そして、わしもその中にいるのだ。

何を書きたいのか、忘れた。伊武雅刀の「子供達を責めないで」が聴きたい。おい、桜井、おまえ、カバーしてみろ。

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ジャズ即興ピアニストの藤井郷子さんからライブの案内メールが届いた。
またあのマークドレッサー+ジムブラックとのカルテットで演るらしい。

藤井郷子がCDを出すイーストワークス社界隈のジャズをスイングジャーナル誌は不当に無視している構造になっていることはジャズファンの常識であるから、それはそれで放置しとくけど、むしろミュージックマガジン、CDジャーナル、クラスのメディアがこのカルテットに焦点を当てないのは不自然なことだ。

4年前の作文、ロヴァの耳musicircusの“OLD”のvol.6に、このカルテットの感動を書きました。
いまいちばん観たいライブはアジカンと藤井郷子カルテットだな。

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まあ雨降ってると出かけるの億劫ですけどね、でも思いきって出ちゃうともしかしたら感動の世界が待ってるかもしれないし待ってないかもしれない。そりゃあ出てみなきゃわかりません。
どのライブもメールでチケットが買えます。気軽にお問い合わせ下さい。

6/15(火) 江古田「バディー」03-3953-1152
藤井郷子(P)カルテット 田村夏樹(Tp)早川岳晴(B)吉田達也(D)
**ますますパワーアップ。新曲も確実に増えて今年も録音を予定しています**

6/18(金) 西荻窪「音屋金時」03-5382-2020
田村夏樹(Tp)アコースティックカルテット 津村和彦(G)藤井郷子(アコーディオン)是安則克(B)
**田村のエレクトリックカルテットとは対極をなす田村流東ヨーロッパ風オリジナルミュージック、2回目のライブです**

6/27(日) 新宿「ピットイン」03-3354-2024
Satoko Fujii Orchestra
早坂紗知、泉 邦宏 as、松本健一、木村昌哉 ts、吉田隆一 bs 田村夏樹、福本佳仁、城谷雄策、川嵜淳一- tp
はぐれ雲永松、東 哲也、高橋保行-tb、藤井郷子p、永田利樹 b、堀越 彰 ds
**メンバーそれぞれをフューチャーした新作シリーズを展開中**

6/29(火) 荻窪「クレモニア」03-3392-1077 
¥1000、1時間コンサートシリーズ(7:30〜8:30)
CDリリースコンサート 田村夏樹(Ko Ko Ko Ke)藤井郷子(Sketches)
**国内外で評判の高いソロCD「Sketches」、うわさの「KoKoKoKe」、ナマでやります**


Satoko Fujii Trio+1 ジャパンツアー 6作目となるCD「Illusion Suite」発売記念
藤井郷子(ピアノ) マークドレッサー(ベース) ジムブラック(ドラム) 田村夏樹(トランペット)

7/22(木) 高知県佐川町立「桜座」 18:30開場 19:00開演 0889-22-7878
前売り¥2000 当日¥2500 高校生以下 前売り¥1000 当日¥1500

7/23(金) 大阪「BRIDGE」 18:30開場 19:30開演 06-6634-0080 
¥2500+ドリンク代¥300 

7/24(土) 飛騨高山Gallery&Cafe「遊朴館」 18:30開場 19:00開演 0577-32-8883
前売り¥3000 当日¥3300

7/25(日) 名古屋「Jazz inn Lovely」 18:00開場 20:00開演 052-951-6085
¥4200+ドリンク代

7/27(火) 新宿「ピットイン」 20:00開演 03-3354-2024
前売り¥3700 当日¥4000 (ワンドリンク付き)

7/28(水) 埼玉県「Egg Farm」 19:00開場 19:30開演 048-585-6685
一般前売り¥4000 当日¥4500 学生前売り¥2000 当日¥2500(要学生証)

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6・12 「Mr.Children Tour 2004“シフクノオト”」@横浜アリーナ
1. 終わりなき旅 2. 光の射す方へ 3. PADDLE 4. Innocent world (MC) 
5. 花言葉 6. 口笛 7. 抱きしめたい 8. Pink〜奇妙な夢 9. 血の管 10. 掌 11. ニシエヒガシエ 
12. Image 13. overture〜蘇生 14. youthful days 15. くるみ 16. 天頂バス 17. Hero
encore 18. mirror 19. タガタメ 20. sign

コンサートのオープニングに鳴り響いたのは、「終わりなき旅」のイントロだった。それは、力強く鳴り響いた。
「えっ、どうして?」 この曲は彼らの長期休養明けの、“自分探しの途上”を象徴するシングルだった。苦悩の旅路をメタファーとするアルバム『DISCOVERY』。彼らは、その後『Q』『It’s A Wonderful World』そして『シフクノオト』へと、トンネルを抜けるようにして辿り着いたはずだった。
しかし。「終わりなき旅」の、この圧倒的な、力強い躍動と光に満ちた肯定感。
「息を切らしてさ」 ・・・祝福を帯びるように、この楽曲は横浜アリーナ全体を高揚させていた。そして理解した。何を?・・・いま、を?


2004年06月12日(土) シフクノオト初日横浜アリーナ

まさに不意を突くオープニングの選曲だった。そうか、シフクノオト、か。そうか。・・・そうだ。・・・そうなんだ!
オープニングでとりはだ。いろんな景色がひとつに溶けてしまう。
音楽はシチュエーションでも鳴る。この曲を冒頭に持ってきた意味、そして引き続いて鳴らされた曲、曲、曲。

曲目を今日はアップしません。明日以降のファンたちが詰まらせる胸の感動に水を差したくないから。17+3=20曲。

あの横浜アリーナで、PA環境は、まったく素晴らしいものでした。さすがNTTだもんね。
デテイルまできちんと表現が聴こえる。
プロ意識に欠けたこないだのホットスタッフとは雲泥。

桜井くんの、歌唱、すごいことになってます。オリジナルからのズラし、アレンジ替え、ヴァージョンアップ、新しいパート。
とくにあの曲とあの曲とあの曲と。

とても不思議な体験を書いておこうと思う。いま、ライブがおわってから7時間はたっている。
「言わせてみてえもんだ」が、ずっと耳鳴りしている。


2004年06月10日(木) 台風4号

11日の昼に書いてます。台風4号が近づいてきているみたい。うきうき。
自分の生のおしまいが世界のおしまいと一致することが究極の幸福なのだ、と、主張していたのはバタイユだっけ。
多国籍軍への参加を表明した小泉はそういうところにいるのだろうな。
おまえはいいだろうけど。おれもいいよ。でもおれの子どもたちのことを考えるとやっぱだめだぜ。

同僚のひとりがやたらテンパってるひとで「ありがとーございますー」と元気に声をかけると
「とんでもはっぷんはしってにじゅうごふんおよいでにじかんさんじゅっぷんってどんなきょりなんだあー」と、毎回言う。
声が許せるからいいか。
しょもないオヤジだ。
わたしもオヤジだ。
「以心伝心You've got to help yourself/Yellow Magic Orchestra」のインスト・ヴァージョンである「以心電心」が好きで、その中古盤CDをそのオヤジから間接購入していたのに、どこかに失くしてしまった。

菅野よう子と坂本真綾の『23時の音楽』を聴く。ファンからは好まれてないだろうな。わたしはこういうスケッチ風制作も好きだけど。

先鋭的な音楽が好きなキムチくんからメールをいただく。3年前にたださんから『アキサキラ』のCD借りてました。えー?うそつけ。何か貸してたのは憶えていたけど。Jimmy Lyonsはジミー・ライオンズという表記だそうで、訂正。ぼくの日記は投票ボタンを埋め込んでいないひととしては上位だと分析していた。興味深いサイトにリンクがあったときしか投票しませんけど、て、毎回投票してよ。

『23時の音楽』を聴き終わって右スピーカーの上に乗せると、そこにライラック・タイムの『フォンタナ・トリニティ』2CDがあって久しぶりに聴く。
スピーカーの後ろに埃をかぶったCDが落ちていて、その中にムーンドックの94年の新譜『sax pax for a sax』があった。
ムーンドックについて、
こーゆーサイトとか→
こーゆーサイトとか→
ながめる。
このひと、ニューヨークの路上でベニー・グッドマンやチャーリー・パーカーに会ってるとか。ジャニス・ジョプリンやクロノス・カルテットに取り上げられ、ステレオラブもサンプリングしてるし。

雨が一時的に多量に降ると、雪ヶ谷のバス道路が濁流になる。おととしの夏の夜の集中豪雨で、地元のピノコちゃんも初めて見る現象だった。ピノコちゃんは、からだの中に双子のもうひとりが残ってたのを手術で摘出したからで、ブラックジャックのピノコから。足が長すぎて腰痛もち。

午前中に4時間眠って、風呂に入って煮込みうどんを食べて、これから4時間眠って、仕事の予定。
ムーンドックを聴きながら競馬ブックと布団に入る。


2004年06月09日(水) 「PADDLE」と「風〜The wind knows how I feel〜」・つねに変わり続ける同じもの・内面と遅延

書いている日付けとズレてる。まいか。
熱帯雨林的梅雨へと長期的には向かっているのでしょうか。元気のないひとは美味しいたまごごはん(ちびとだけ日本酒が吉)を食べましょう。

さあ、いよいよ土曜日は「Mr.Children Tour 2004“シフクノオト”」の初日!@横浜アリーナ、である。
彼らにとって、おととしの暮れに一夜だけ行われた「wonederful world on DEC 21」、以来の最初のライブ!、である。
(わたしにとって、横浜アリーナはブランキーのラストギグ以来、ミスチルのライブはずいぶん前の西武球場以来、である。)

桜井くんがインタビューで語っていたのは、ニューヨークで観たプリテンダーズのライブに対し、「ドント・ゲット・ミー・ロング」というヒット曲をセットリストの中で彼らは普通に気負いなく演奏していて、そこにカッコ良さを見た、ということだった。
→桜井くんはプリテンダーズが好きなのか!われ思う、「Talk Of The Town」をミスチル・ヴァージョンで聴いてみたいぞ。

「PADDLE」の冒頭には「風。風。風。」と3回、それぞれに異なった情感を込めて歌われているよね。そこ、すごくいいと感じた。
“風”というアイテムは、桜井ワールドにあって、なにげに重要やね。
あえて風をもってくる桜井のいま。つねに変わり続ける同じもの。それはまたジャズの定義とも同一なものだ。
そんでわし、今度のライブでファーストアルバムの「風〜The wind knows how I feel〜」を演奏するといいなあ、と、妄想しておりまんねん。
(ミスチルの公式サイトでのこの曲の表記が誤植したままなんだけど、だれか指摘してあげてね)

今年の「PADDLE」の“風”と、デビュー盤での“風”をつなげて歌ったら、桜井くんが表現してきたいくつもの風がひとつになるような。

・・・ちょっと、この一行、太ゴチえむひゃくわいひゃくで52Qにしてくんない?
・・・焼き物でできたはいざらに刻まれた”風”をえいえんにぼくはおもうだろう。

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つねに変わり続ける同じもの。終戦直後のラブソング、津軽海峡冬景色、見上げてごらん夜の星を。
ミスチルファンは演歌をばかにしてはいけないよ。表現のおおくの部分は蓄積されて背景となっている歴史からいただいたものがたくさん。
同じ演奏ばかり聴いてしまって新しい演奏を聴くときにどんどん不自由になってしまうじぶんに気付くこと。ジャズについて、じぶん。

柄谷行人と福田和也の新潮社主催の対談で、柄谷は、人間の内面というものは遅延することで生まれてくる、と、話していた。
村上春樹が内面の無い小説家であること(!)。デジタルメディアによって、遅延が機能しなくなってきていること。

内田樹せんせいが今日のブログ(6月9日)で『「オタク」と司法』というお題で、いつもながらのスルドさをみせる。
> 「おのれ自身を位置づける歴史的文脈」に反応する知的アンテナそのものが「オタク」の諸君にはほとんど構造的に欠落している。
わたしは、知識およびCDおよび下半身の管理のずさんさをかんがみるに、オタクですらない、あこがれのオタクになれない未熟者、である。

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ECMレーベルというのは、上部概念におけるフォークロアを音楽の向こうに漂わせることを提起したレーベルだった。

フォークロア、と、遅延、と、内面。


2004年06月08日(火) ジャズ喫茶『メアリージェーン』・ジミーライオンズ(『アキサキラ』がCD化されてる!)・CDR『天体観測 2004.6.5』

ゆうべは、渋谷のジャズ喫茶『メアリージェーン』で音楽サイト"musicircus"多田派幹事長堀内氏と福島哲雄店主と密談。
テーマは、海童道祖(わたづみどうそ)、ラ・モンテ・ヤング、土取利行、アキサキラ、阿部薫、三島由紀夫ほか。

今週6月10日の日本経済新聞の夕刊に、このジャズ喫茶『メアリージェーン』が記事になるので、そうなっては数ヶ月は店内が混雑をきわめ、わたしの居ごこちがよくなくなる前にこのサミットが行われなければならなかったという事情があります。

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渋谷メアリー前から実況中継です。堀内氏と多田氏がただいま出てきました。
「堀内さん、どのような会談だったのですか。」
「いえいえ単なる雑談ですよ。福島さんとはとても深いところで感応させていただきました。」
「多田さん、・・・何を飲んだのですか?」
「カフェオレ2杯。・・・おれにも、会談の内容をきけよー!」
「福島さんから何を教わったのですか?」
「今週のエプソム・カップのヒントだよん。」
おっと、多田氏から堀内氏に手渡された機密資料の内容が明らかにされました。今月号のWIRE誌と音場舎通信のようです。
(→このロヴァ日記は事実に基いて記述されています)

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テオ・マセロの『black knight』を紹介した日記()のサイトで、テオ・マセロの『black knight』(ついディープパープルで発音してまうぞ)と『whispering gods』(ささやく神々?)を注文。『black knight』を2枚注文する(どーして同じCDを何枚も買うのよ)と、あらら不思議、サイトの注文画面で1枚あたり5ドルになってしまって、3枚で15ドル、送料込みで23ドルになってしまうではないの。受注確認メールが来て、それでオッケーだというんだからアメリカは広い。

ジミー・ライオンズの5CDボックス()はアマゾンでは100ドル以上する。そんなに高いCDをおれはカードで買っていたのか。どーりで管財人がぶーぶー言うわけだ。
この5CDボックス聴くと、70年代のロフト・シーンにおける演奏水準の高さを思い知らされる。そしてシーンは聴衆を失った事実。
(聴衆はシーンに追いつけなかったのか。ギル・エバンスのオーケストラでさえライブで3・4人しか客がいなかったという。)
え?ジミー・ライオンズ、を、知らない?
セシル・テイラーの伝説的な日本公演をキャッチした『アキサキラ』()のサックス奏者ですがに。
げげー!『アキサキラ』がCD化されてる!しかも、コンプリートセッション版で。いつのまに・・・。買ってねえ・・・。

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土曜日の家族ドライブに向けてのCDRを、じつはもう一枚作っていたの。同時2枚リリースしていたの。

CDR『天体観測 2004.6.5』
1. Stage of the ground / Bump Of Chicken (5:37)
2. 天体観測 / Bump Of Chicken (4:27)
3. Sailing Days / Bump Of Chicken (4:07)
4. ロストマン / Bump Of Chicken (5:06)
5.  (隠しトラック) / Bump Of Chicken (5:57)
6. 月に帰る/ スピッツ (4:29)
7. スカーレット / スピッツ (3:38)
8. うめぼし(Live Version) / スピッツ (3:28)
9. 東京の屋根の下 / 灰田勝彦 (3:16)
10. 夜明けのスキャット / 由紀さおり 1969年 (3:12)
11. 夜明けのスキャット / The Yellow Monkey 1995年 (5:58)
12. 嘆くなり我が夜のファンタジー / The Yellow Monkey (4:30)
13. Silly Love Song / Wings (5:59)
14. 狂剣的世界 / クレイジーケンバンド (0:21)
15. パパ泣かないで / クレイジーケンバンド (3:52)
16. 楓 / スピッツ (5:30)
17. スピカ / スピッツ (4:22)

「パパ泣かないで」を知らない音楽ファンがいていいのか?おおお、「楓」とのつながりがたまらん。
ラストナンバー「スピカ」の“しあわせは途切れながらも続くのです”というエンディングがすごいいい、と、自分で後付けで思ったりして。


2004年06月07日(月) ジョーマネリのECM新譜・AMPLIFY 2004の写真(座間裕子)・ジャックライト・CDR『マーチングマーチ 2004.6.5』

ううあの「マーチングマーチ」を聴きながら、冷蔵庫の上のCDダンボール4つを片付けようとする。だめだ。CDに目移りがして台所に座り込んでラジカセを横に置いてかけはじめている。今月中に部屋をかたづけることはできるのか。片付けられないオトコの汚名返上。

ECMのサイトにジョー・マネリの新譜が出ている!
『Angles of Repose』ECM1862(
バール・フィリップスとマネリ父子による待望の第2弾だ。
新しくなったECMサイトでこの新作とECM「;rarum」ボックス2を注文する。

アーストワイル・レーベルの座間裕子さんから、AMPLIFY 2004の写真()を掲載しているとのお知らせをいただく。
なんともきれいな写真を撮れるものだな。光に対する感受性が彼女の写真の個性になっている。

Downtown Music Galleryからの新譜情報メールで、こんなCDが出るとのこと。
JACK WRIGHT / MICHEL DONEDA / TATSUYA NAKATANI - From Between (SOS Editions 801)
このジャック・ライト()とは、何者だ。ミシェル・ドネダに拮抗する存在を放つ即興演奏家らしいぞ。楽器はサックスだ。

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土曜日に家族ドライブに向けて速攻でCDRを作っていたの。子どもたち向け、を標榜しつつ、なんとも本音っぽい選曲のように思える。
アジカンをかけながらみんなで盛り上がる。空の青はまぶしいくらいだった。

CDR『マーチングマーチ 2004.6.5』

1. サクランボ / 大塚愛 (3:56)
2. サイレン / Asian Kung-Fu Generation (5:30)
3. ループ&ループ / Asian Kung-Fu Generation (3:50)
4. エントランス(LIVE) / Asian Kung-Fu Generation (4:13)
5. 羅針盤(LIVE) / Asian Kung-Fu Generation (2:39)
6. sign / Mr.Children (5:25)
7. PADDLE / Mr.Children (4:47)
8. タガタメ (ラジオ局放送バージョン) / Mr.Children (6:52)
9. Love / John Lennon (3:29)
10. アルエ / Bump Of Chicken (4:23)
11. グングニル/ Bump Of Chicken (3:57)
12. マーチング・マーチ / ううあ (2:15)
13. Shine We Are ! / BoA (5:07)
14: TSUNAMI / 菅原洋一 (6:43)
15. 桜が咲いたら / GOING UNDER GROUND (4:41)
16. ロマンチック街道/ GOING UNDER GROUND (4:37)

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CDR『にほんのうたぢから・にー Japanese Song Book vol.2 2004.6.3 』 プチ・アナウンス
1. ボロボロ / 高田渡 from『汽車が田舎を通るその時』1969
※傍らの女性のはじらいのあるインタビュー音声!高田渡はデビュー作1曲目でこういう演出をするとは!秀島史香でリメイクしてほしー!
2. 太陽の理由 / かの香織 from『EXTRA BRIGHT』1994
※ポールマッカートニーの「Silly Love Song」+90年代Jポップアレンジの逸品。エンディングの声の処理にときめく。
3. ドライヴィング・ラブ / 浜口庫之助
※これはインストだ。しかも上手いし。浜口さんのモダンなセンスにびっくりする。
4. ヘミソフィア / 坂本真綾 2002
※一瞬わからなかったが、この複雑な旋律の構成はまさにパットメセニーメソッドだ。うおお、だんだんハマってきましたぞ!
5. シャリマール / クレイジー・ケン・バンド from『青山246深夜族の夜』2000
※中古車貿易商、シャリマール。旋律に渚ゆうこリスペクト成分含有。ライブ会場のMC、この空気感こそがCKB。
6. スウィングしなきゃ意味がない / ディック・ミネ
※ディック・ミネのすっとぼけた「弾まなきゃ、意味ないよ」の口調がいい。演奏も本場もんのスィングジャズにひけを取らない出来。
7. 私は忘れない / 岡崎友紀 1972
※作曲・筒美京平の名作。なぜか昭和47年の函館から恵山温泉への観光バスからの光景をフラッシュバックさせるわたしです・・・。
8. ヘイ・ヘイ・ブルース / 高田渡 from『FISHIN’ON SUNDAY』1976
※細野晴臣、中川イサトらとロスで録音したカントリー・サウンドに踏み込んだ名作から。“やらしい”と言いながらやらしくない滋味。
9. 祭りのあと / 桑田佳佑 1994
※桑田はオトコである。オトコである、という意識が、作詞をさせている。のかな。お前、と、名指す歌詞体系世界にインできないというか。ううむ、桑田への道のりは遠い。精進せねば。
10. 甘い出来事 / 小川みき 1974
※おお!アレンジ高田弘、麻丘めぐみ「芽ばえ」を彷彿とさせるこの少女の鼻にかかったコブシまわし。
11. 幻想列車 / カーネーション
※気にはなっていたバンド、カーネーション()、ここらで彼らの音源をぜんぶ聴きたいぞ。
12. survival / my little lover 2002
※CDシングルを持っていたのに見逃していた。モータウンビートにのってのマイラバ。『evergreen』を文字通りエバーグリーンとさせていた要因について、ズバリここでこっそり語っておきましょう。Akkoの声キャラが、(よく聴くと)意味不明かつ分裂症的な歌詞のイメージ攪乱作用をふりまきつつ、でも核心的な部分では純情に裏打ちされた切ない心情といったものが瑞々しく吐露されている、という図式に価値があったのであります。しかしその後の彼らの精神的な?成長に伴って、何やらまじめに意味あることを歌い始めたときに、その図式は崩れる。アレンジのあざとさが突出して耳の批評にさらされてしまう場所に楽曲がスライドしてしまうのです。もっと「ばかだなあ、このコ、でも、すごくわかるし、こんなコと恋に落ちちゃいたいなー」とリスナーが妄想できる歌詞を演じ続けるべきであった。しかし小林武史のきまじめさ及び小林とAkkoが現実のカップルとなり主体の発露としてのバンドを目指さざるを得ないという要請はそれを許さない。マイラバというフィクションではあり続けたくなかった彼ら。『evergreen』はエバーグリーンとして手の届かない場所で輝き続けるゆえんだ。で、この曲は、ジャケットからしてマイラバ夫妻に赤ちゃんが生まれた現実によって歌われた記念すべき曲なのであろう。その文脈では佳曲ではある。
13. グッド・モーニング / くるり from『アンテナ』2004
※2004年の世界ランキングでベスト3には確実に入るロックバンドがくるりだと思う。アジカン、くるり、バンプ、間違いない。
14. マーチング・マーチ / ううあ
※素晴らしいの一言。このマイナーへの旋律の展開は、どこかユダヤ旋律を思わせる。
15. 色は匂へど / ちあきなおみ from『かげろふ〜色は匂へど』1990
※作曲・筒美京平の名作。これは歌詞の勝利でもあるでしょう。
16. しあわせ未満 / 太田裕美 1977
※作曲・筒美京平の名作。この曲の旋律展開の貪欲さ、は、筒美作品の中にあってもかなりの水準だ。


2004年06月06日(日) アールヴィヴァン・スティーブレイシー逝去・6月6日ミュージサーカス新着情報

六本木WAVEと池袋西武美術館にあったLPショップ、アール・ヴィヴァン、で、
LPを眺めてうっとりしたり、どきどきして買ったり、おれはこんなのも聴けてるんだぞえーとレジに差し出す優越感に震えたり、
みんなで頭良ぶったポストモダンごっこエイジにあった新品のエナメルみたいな日々。

を、うっかり思い出してしまったのが、秀島史香がリップスライムの詩を朗読したトラック「白日」を聴きながら。
バックのトラックが、まったくもろにスティーブ・ライヒのミニマル・ミュージック。
そっか、ライヒを聴くとアール・ヴィヴァンを想起するトシになったか。

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スティーブ・レイシー、6月4日に逝去。
『森と動物園』『カンパニー4』『ヒーローズ&アンチ・ヒーローズ』。レイシーは迷わずこの3作品ですので。

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本日アップの音楽サイト「ミュージサーカス()」の新着をチェックしてくださいまし。
わたしの22さい時の作文(ロリ字の手書きだったのだ!)、復刻するわたしの勇気に感動してください。ライブ・アンダー・フカイ・・・ううう。
ゴダールの『映画史』に対する福田光一さんのレビューは必読です。


2004年06月05日(土) 『踊る大捜査線』が示しているのは、日本は近い未来に危機管理として緊急的に鎖国するということです

離れて暮らしている子どもたちに対してはそれこそクレイジーケンバンドの「パパ泣かないで」の心境なわけだ。

娘と聴くスピッツの「うめぼし」。

アニメおたくの長女はスピッツ、テニス好きの長男はミスチル、マンガを描く日課の次男はアジカン。

『踊る大捜査線 THE MOVIE2  レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003)、が、出たので、観る。
今まで、まったく興味も関心もなかったけど、こういうジェットコースター的娯楽、大好き。
あのセリフはいかりや長介の遺言でいいと思う。
行け行け、日本映画。
この“踊る”が示しているのは、表面的には組織と武士道でもいいんだけど、本能的には、日本は近い未来に危機管理として緊急的に鎖国する(日本を封鎖せよ!)ということです。それはたぶん、食品の感染に関わることでしょう。>わたしは予言者か(笑)

子どもたちがマイケル・ムーアの『アホでマヌケなアメリカ白人』をまわし読みしているので、DVD『ボウリング・フォー・コロンバイン』を買う。

ジャスコ・イオン・グループの大型店舗が出店した地域の経済が、目に見えて壊滅的な様相になっている。
地域の組合に加入している散髪屋(4000円くらい)には行かず、1000円カットのチェーン店に入るし。
グローバリゼーションは歴史的必然。
自殺者3万2千人、は、経済戦争に敗北したという言い方もなんだけど、リストラを通告したひと、というのは、戦場で殺戮したのと同じです。
酸素が薄くなったり食品添加物が増えてゆく一方で、生物種の適応分化も加速するようにできているようです。エイズにもダイオキシンにもリストラにもネットコミュニケーションにも比較的強いバリエーション。これからの子どもたちはたいへんだ。

そろそろ子どもたちに『無産大衆真髄』矢部史郎・山の手緑著(河出書房新社)を読ませておくべか。

お、内田樹せんせいは酒もタバコも麻雀も音楽(60年代ポップス)もたしなまれるのか。


2004年06月04日(金) CDR『にほんのうたぢから・にー Japanese Song Book vol.2 2004.6.3 』

音楽のジャンルは無用であるなどとは言った憶えはないんですけど。音楽を受信する耳のアンテナは1つではなく、わたしが格闘するのは音楽を語る言葉が変容してしまう“今”なのかなー。

見えないものを見ようとして 望遠鏡を覗き込んだ 静寂を切り裂いて いくつも声が生まれたよ (「天体観測 / Bump Of Chicken」)

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昨夜は、午後8時すぎの澄み切った東京の上空に浮かんでいた金色の満月。

首都高のカーブに上下する沈黙した月に見つめられながら飛ばして。事務所に入るとスガシカオの新曲『秘密』のPVが鳴っていた。
「ぼくだけのきみ」
あらかたのスリーピースバンドをおしゃかにするような強くて硬いファンキーなビート。

アジカンの『ループ&ループ』、スガシカオの『秘密』、宇多田ヒカルの『誰かの願いが叶うころ』(映画『CASSHERN』テーマソング)、
この3曲のPVを10回リピートするように指示して仕事をする。

宇多田の新曲は、老舗の貫禄的な出来で、さすがだと思う。宇多田のベストもいろいろ再発見する。宇多田ヒカルについてぼくが言いたいのは、トータルアルバムとしての『DEEP RIVER』という作品の突出性であって、この世界に耽溺しないでベスト盤を安全牌のように聴いて宇多田を“押さえる”というような音楽ファンの安易さがちょっといやかなということ。宇多田は尾崎豊のトリビュートに参加して「I LOVE YOU」を歌っているけど、尾崎の歌は尾崎の声じゃなきゃ難しいところがあると思った。宇多田が歌うと、ベットの上にふたりで持ち寄ったのは資産ではないかと突っ込みを入れたくなったし。

トリビュート盤がブームだけど、ほんと、筒美京平トリビュートの実現をしてほしい。
桜井和寿は何を歌うのか、小沢健二は、NOKKOは。宇多田、アジカン、バンプ、くるり、高野寛、カーネーション、hitomi、小谷美紗子、スガシカオ、あがた森魚、菅原洋一、マイラバ、華原朋美、GOING UNDERGROUND・・・。もうラルクもグレイも参加してほしー。
高橋鮎生の『EARTHGUITAR〜千の夢物語』でコラボレートして健在を示す太田裕美も参加してほしい。

始めようか 天体観測 二分後に君が来なくとも 「イマ」という ほうき星 君とふたり 追いかけている (「天体観測 / Bump Of Chicken」)

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CDR『にほんのうたぢから・にー Japanese Song Book vol.2 2004.6.3 』
1. ボロボロ / 高田渡
2. 太陽の理由 / かの香織
3. ドライヴィング・ラブ / 浜口庫之助
4. ヘミソフィア / 坂本真綾
5. シャリマール / クレイジー・ケン・バンド
6. スウィングしなきゃ意味がない / ディック・ミネ
7. 私は忘れない / 岡崎友紀
8. ヘイヘイブルース / 高田渡
9. 祭りのあと / 桑田佳佑
10. 甘い出来事 / 小川みき
11. 幻想列車 / カーネーション
12. survival / my little lover
13. グッドモーニング / くるり
14. マーチング・マーチ / ううあ
15. 色は匂へど / ちあきなおみ
16. しあわせ未満 / 太田裕美

さあ、いよいよ待望のGI、第2回にほんのうたぢから記念、出走資格は内国産歌限定の牡牝混合、伝統の3200メートルです。
さて、曲の紹介は次回にして、1回聴くごとに400メートルと換算し8回聴いてベスト5曲を選ぶ、というレースです。
「大川さんの予想は?」「そうですねえ、タダくんの嗜好からすると坂本真綾がダントツの一番人気でしょう。」
「高田渡厩舎は2頭出ししていますね。」「これはあなどれないですよ。」
「タダさんは日本のオールディーズに傾いているというデータもありますが。」「浜口庫之助、ディックミネはちょっと怖いですねえ。」
「ずばり大川さんの予想は。」「坂本真綾から、クレイジーケンバンド、ううあ、かの香織、くるりへの4点でしょう。」
さあ、レースが始まりました。
おおっとクレイジーケンバンドが怒涛の逃げです。
先頭からいきましょう。先頭はクレイジーケンバンド、2馬身離れてううあ、くるり、カーネーション、高田渡の順で先頭集団です。そして少し離れて浜口、ディックミネ、マイラバ、太田裕美が続きます。そして後方から、1番人気の坂本真綾はこの位置、この位置です。だいじょうぶでしょうか。続いてかの香織、小川みき、岡崎友紀、ちあきなおみ。桑田佳佑は最後方からの競馬です。大川さん、いかがでしょう。
「予想されたとおり、こないだライブに行ったクレイジーケンバンドが逃げましたね。聴き慣れている曲が先頭集団と言えるでしょう。桑田佳佑の詩をちゃんと聴いているんですかね。」


2004年06月03日(木) CDR『サイレン 2004.6.3』 ・ リコールまみれの三菱自動車のひとは「踊る」を観てはいけないと思う

友だちからきいた話。20年まえにビートルズ好きの短大生から4曲入りのカセットをもらったことがあるという。
「ジェラスガイ」「インマイライフ」「ラヴ」「涙の乗車券」。この4曲だという。
この4曲、と、続けて聴いたことはないが。部屋に帰ってその曲順で、告白テープのように聴いてみた。それはまるで。
若き与謝野晶子が出会ったばかりの鉄幹にぶつけた短歌「柔肌の、あつき血汐に、触れも見で、寂しからずや、道を説く君」である。
すげーぞ、そのシチュエーションでのこの4曲。

自分がもらったような気持ちになった。ううむ、短大生か。与謝野晶子は鉄幹との間にたしか11にんもの子どもができたんだぞ。ううむ、いくら「鉄幹!鉄幹!」と叱咤激励しても11人も鉄幹できそうもないぞ。

QUEENのベスト『クイーン・ジュエルズ』が相当売れている。「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」が、きむたくが主演したドラマ「プライド」(知らねー)のテーマ曲になったから、という。『クイーン・ジュエルズ』のDVD盤もリリースされ、この「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」ではフレディの決めポーズが、これでもかというくらい入っている。90年代の厚い胸板のフレディ・ガッツポーズの決め、は、クレイジー・ケン・バンドの横山剣にもつながっている。

ま、そんでCDRを作ったのが↓。まったく編集行為してない、です。

CDR『サイレン 2004.6.3』

1. サイレン / Asian Kung-Fu Generation
2. サイレン / Asian Kung-Fu Generation
3. ループ&ループ / Asian Kung-Fu Generation
4. エントランス(LIVE) / Asian Kung-Fu Generation
5. 羅針盤(LIVE) / Asian Kung-Fu Generation
6. Jealous Guy / John Lennon
7. In My Life / The Beatles
8. Love / John Lennon
9. Ticket To Ride / The Beatles
10. Walrus Walrus / あがた森魚 (1:39)
11. 雪ヶ谷日記 / あがた森魚 (12:41)
12. 冬のサナトリウム / あがた森魚 (4:09)
13. 「新日本紀行」のテーマ ※実際に放映されていた1分のオリジナルバージョン。この1分こそ、真価。
14. I Was Born To Love You / Queen
15. アシンメトリー / スガシカオ
16. More Than Feeling / Boston
17. タガタメ (ラジオ局放送バージョン) / Mr.Children

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わしの2000年度新車購入の三菱シャリオ・グランディス、やたらエンジンオイルの消失が激しく、年末にエンジン自体を交換してもらったのだけど、3ヶ月まえにオイル交換して適正な量を入れててもなお、さっき見たらゲージに1センチだけ、しかもドロドロになって付いていただけ。
エンジン自体を交換して改良できない場合は、どうしてくれるのでしょう。明日、購入したディーラーに出向いて回答をもらってみます。

三菱自動車が謝らなければならないのは、新聞記者に対してじゃなくて、個々のユーザーに対して、です。
長女が電話かけてきました。
「おとーちゃんの車、三菱じゃなかった?だからトヨタにすればよかったのにー。」

未完


2004年06月02日(水) 川瀬智子・秀島史香・斎藤かぐみ・妄想満月/Mr.Children・Lookout Farm / Walter Quintus・5月5日ホセマセダ逝去

こないだラジオつけたらTommy heavenly6()の新曲「Hey my friend」がかかって、すぐに川瀬智子の声だとわかって、「こ、これはブリグリで、かな?トミフェブで、かな?」と思案していたら、急に耳元でひでしまふみか(秀島史香)のナレーションが曲を紹介して。この至極ありふれたラジオの瞬間に。息をのんだ。

どっちもいいカンジに仕上がってきて、そろそろリーチかけてもいいし、一巡待ってもいいかな、なんて思っている、同級生のくみちゃんと後輩のきょうこちゃん、と、図書館の夕暮れに2階フロアと階段の踊り場の2箇所から同時に「あ、ただくん!」と声を同時にかけられてしまった、1984年の初秋のように、息をのんだ。

川瀬智子と秀島史香と、どうしたらいいんだ。究極の選択だった。・・・ただは、硬直した。・・・あっちは硬直してなかった。・・・プロジェクトX!

ちがうちがう、書きたかったのは、こっち。斎藤かぐみちゃんの先見日記5月28日号「三つの話」()。
斎藤かぐみちゃん、て、ル・モンド・ディプロ日本語電子版発行人、というひとらしく。先週の先見日記5月21日号「交換可能な死体」()で、ちょっと注目しはじめたのだけど。ググると「斎藤かぐみの物置」()というサイトがあり。
さらに6月5日にこんなイベントが!>日本は中東をどのように伝えてきたのか“私ならパレスチナ、イラク、アフガニスタンをこう伝える”
国際ニュース解説の田中宇(たなかさかい)さんも参加するジャーナリスト志望者必須のイベントだ。

かぐみちゃんのプロフを読むと。
“指向性の切れっ端:パティ・スミス、マイケル・ナイマンの音楽、弦のグリッサンド、南のリズム、カンディンスキーのペインティング、モローの彩色画、ルドンのパステル、空と海の青の抽象、一部の現代詩、「気狂いピエロ」他もろもろの映画、プラハの街並、香辛料、ランボー、初期の松浦理英子、坂口安吾のすわった肝、「フーコーの振り子」、「L'ecume des jours」、「Opponax」、ムイシュキン公爵、健全に不健全な人々、賢しらでなく賢い人々、ストイックな情熱、変容をもたらす対話。”
と、あり。
知性は、彼女で決まりだ。こんなステキなプロフを書ける女性は、ほかに居るかー?満天の夜空に叫びたい気持ちだ。

顔が川瀬智子で、声が秀島史香で、知性が斎藤かぐみで、・・・しかし、おんなはバケモノだと思うぞ。じっさい。(・・・意味不明な展開・・・)

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ミスチルのニューシングル「sign」とカップリングされていた「妄想満月」。
夜の公園で偶然すれ違った女性に“きみのからだのみだれをおしえて”と妄想してしまう桜井、という歌。
“歌自体”と“桜井和寿個人”を分離させて音楽を思考すべきだ、という助言をありがとう。

一部のファンが桜井の妄想が足りない!と指摘するが、“きみのからだのみだれをおしえて”というフレーズを、ジャジーな軽いアレンジにのせて、そして彼女が連れたイヌが吠える(野性の暗示と彼女のつながり)という秀逸なシチュエーションとの合わせ技を感じなくてはならない。そして犬の吠える声が“満月への遠吠え”や“変身するオオカミ”といったイメージにきちんとつながっていることは言うまでもない。
だめだなあ、まだまだミスチル・リスナーとは言えないなあ、ピノコちゃん。

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ひそかに注目しているジャズ評論家・須藤克治さん()の書き込みで知ったデイブ・リーブマンとリッチー・バイラークの3枚組ボックス。>
ルックアウト・ファームでの演奏、リーブマンとバイラークのデュオ、クエスト(!)の演奏、が、それぞれCD1枚になっている。

この3枚とも、リミックスしてんのはCMPのWalter Quintus(ワルター・キンテス)というおっさんで、Ulrich Lask(ウルリッヒ・ラスク)とともにLaskというユニット(ECMに2枚、CMPに1枚、いずれもこの世のもっとも奇矯な音楽を潜ませている怪盤たちだ)に演奏者として深く関わっている謎の人物。

このキンテスは、プロデューサーとしては、それこそデヴィット・トーンやら、ビル・フリーゼル、ミック・カーン、リチャード・バビイエリ、スティーブ・ジャンセンといった・・・ジャパン〜デビシル〜坂本龍一〜小林武史〜ミスチルにわたしが強引に引き寄せてもいる、方々たちともツーカーでありながら、やはり写真やサイトを見ると、ちょっとあちら側というか、かなりステキなおじさまである。わたしは、はっきり、好きだ。

なんて思いながらこのボックスを聴いているのはわたしだけだろう。ボックスのシリアル、5000セット限定なのに、95番だった。売れてねー!

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5月5日に、フィリピンの現代音楽の作曲家ホセ・マセダ()さんが逝去されていた。

> マセダの思い出  高橋悠治(
ここで高橋悠治は、97年の京都でクセナキスとマセダと3にんで会ったシーンに言及している。

グローバリゼーションというのは、植民地時代の頃からの、日本でいえばフランシスコ・ザビエル(髪型で有名だよね>ピノコちゃん)からの、キリスト教の伝道と植民地経営と、音楽でいえば、西洋音楽による世界各地にあったそれぞれ独自の音楽システムや表現手段を根こそぎ奪って土地改良を施してゆくという「耳の殺戮」をしていく、そういう過程なわけですが。いま、かなり末期ガンっぽいよね。

この高橋悠治、クセナキス、マセダというのは、そういう西洋音楽にアンチもしくはオルタナティブを徹底的に提起し続けている作曲家だ。

わたし(ただ)も、実はサントリーホールでホセ・マセダの作品をステージで演奏している。たしか「カセット100」というタイトルの作品だ。自分の身体が100の音の響きの中で、それまで知らなかった開放感を味わっていたのを記憶している。当時、ホセ・マセダのコンセプトをアタマでは理解する知性がぼくにはなかったけども。

リレーしよう。音楽をリレーしよう。それぞれのやり方で、あきらめないで、リレーしよう。そう思う。


2004年06月01日(火) 「THE WIRE TAPPER 11」・アイラーの9枚組ボックス・ポールマッカートニーがブライアンウイルソン『SMiLE』ツアーで・・・

英『THE WIRE』誌()に何ヶ月かに一度は付録CDが付いてくる。
今月号(2004年6月号)は「THE WIRE TAPPER 11」が付いていた。
Featuring: To Rococo Rot, Icarus, Juana Molina, Wibutee, Philip Clemo, Albert Ayler, Chris McGregor's Brotherhood of Breath, Matthew Dear, Jah Wobble, Arthur Russell, Henrik Rylander, Green Milk from the Planet Orange, Mountains, Slowblow, Un Caddie Renversé Dans L'Herbe, and Poire_Z + Phil Minton
今回のは、大半が、なんつうか適度に電子音アレンジとばらけた演奏意識に今風を漂わせているだけであり、て、感じかな。

ところがアイラーなんて入っていて驚いたりする。アルバート・アイラーの9枚組ボックスなんてのがリリースされるようだ。
リリースするのはジョン・フェイヒーJohn Fahey (1939-2001)が96年に設立したREVENANT RECORDS()で、フェイヒーの死後も充実した活動をしているようだ(サイトでカタログをチェックしてねー)。
まだアイラー9枚組ボックスの情報はアップされていないようだが、アイラーをむやみに神格化しないためにも、聴きたいボックスだ。

以下、自分のためのメモー

高橋健太郎さんの4月28日の書き込み()に
“昨夜は萩原健太くんと。その中で「音楽評論家なんだから、言うことの半分はレコード会社やアーティストへの苦言になるのは当然。それは敵対ということではない」ということを言ったら、高橋修ミュージックマガジン編集長から「そんな評論家、もういないですよ。あなた達が最後の生き残り」と言われた。そうだったのか。萩原健太、小野島大、高橋健太郎は同い年です。オレラの世代がやらなきゃならないのかな、最後の生き残りとして。”
てな書き出し。ぼくの転調ポップ師匠(48)も同じ年。それを話すと「彼は営業上がりだからね。だからマガジンから藤田正さん脇谷さんとか居なくなっちゃったんだよ。」と、わたしには理解できないコメントが。

萩原健太さんの5月31日の書き込み()。
なるほど。買いたい国から買う。
日本人に売れている日本の音楽を作るアーティストが米国に移住して米国に納税して暮らしている場合、は、・・・あれ?

お!ポール・マッカートニーがブライアン・ウイルソン『SMiLE』ツアーで客席から・・・と。

60年代以降のポップスはこの二人の天才が拓いたことを思うと、シビれるような情景・・・。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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