罅割れた翡翠の映す影
目次|過去は過去|過去なのに未来
2003年05月26日(月) |
Wanted the one who… |
仕えるべきヒトが欲しい あたしが全力を以て尽くせるヒト あたしの道標になって あたしを必要として
全力で戦える奴が良い 手加減も遠慮も要らない 小細工無しの真っ向勝負で 飽きるまで殴り合って
一緒に居られるヒトが好い Hなんか要らない 抱き締めて温もりを教えて 全てさらけ出させて
僕を殺してくれる人間が善い こころもからだも きつく抱き締めて その鋭角を深く突き立てて
叫び出したい位に寂しいのに。
欲求は在る。 感情が伴わない。 欲しいモノが見つからない。 欲しいモノがわからない。 なにか、 ただ何か埋めるモノが欲しいだけで。
何が欲しいんだろう。
どんな人が欲しいのか。 どんなモノが欲しいのか。
どんな言葉が欲しいのか。 どんな状況が欲しいのか。
金が欲しいのか。 心が欲しいのか。
愛が欲しいのか。 体が欲しいのか。
争いが欲しいのか。 平穏が欲しいのか。
欲しい。 全部欲しい。 けれど、僕にそれを欲する資格は在りますか?
僕が欲して良いような ささやかな何かが見つからない 僕は何の為に生きている? 嗚呼、成る程生きる意味も欲しいのだろうね
『欲して良い』 なんて無いのだろう。 『欲してならない』 も無いだろう。 生きる為に人は欲望を満たし続け。 エゴイスティックな罪を背負う。 罪を背負いペナルティを支払う事で 其処に在る様に見える善悪は消える。
ならば僕は『欲する』事が怖いのだろう。 罪とエゴを背負い ペナルティを支払う事を拒否した臆病者だ。 罪とエゴとペナルティを負っても 欲しいモノが手に入らない事を恐れている。
確実や完璧が無いと知っているのに。 知っているからこそ、 賭けに踏み出る事が出来ないでいる。
他人がどうとか関係無い。 迷惑かけようが何しようが やりたい事をすればいい。 『誰かがどうだから』なんて 体のいい口実に過ぎない。
大好きだった。 ずっと傍に居て欲しかった ぎゅって抱きしめられて 体温を感じて居たかった。 甘えたかった。 子供扱いされて 僕の本当を受け止めて欲しかった。 死にたかった。 死ねなかった。 生きて居たかった。 でも生きていくのもやりきれなかった。
僕は生きている。 欲さなくてはならない。 生きる為に。 今理由なんか無くても。 今意味なんか無くても。 我儘を言えるようにならなくちゃ。
僕が此処に理由も意味も無く存在しているから。
証明ぐらいは、自分の手でしてみせる。
人形は人には成れないと思い知らされる
限りなくヒトに似せて創られながら 其処には心が篭らない 空虚なセルロイドの内側には 空気の様な僕がへばり付いている
ヒトに望まれるだけをこなし ヒトに尽くすだけを願う 僕自身の願いは何処へ 何かが在った筈なのに
どんなに着飾っても 埋まらない僕自身 古い油絵の様に 罅だけは増えて行く
叫びさえ心此処に在らず 罅割れた身体を震わせるだけ 探し彷徨い 人形の身体を残しゆく
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