続・無気力童子の紙芝居
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今日は代休だったので 久しぶりに昼間の自分の部屋にいた 少し空いたカーテンから光が差して 本を手に取ったことで舞ったほこりが反射した きらきら きらきら そのかけらが ひとつひとつ 文字に見えて あぁ 言語は浮遊するんだなって 思いながら目を閉じて うたた寝
あなたの部屋の窓が開いている
中であなたは難しい顔をして机に向かっている 眉間にはしわがよって 目は少し充血している ペンを持つ右手の 親指の間接のところ 皮が硬くなっている 唇を少しとがらせて 考えている
何を考えているのかは 考え終わってからじゃないと説明ができないような 抽象的で誰の目にも留まらない しかし あなたが生きていくためには無くてはならない事柄
私の求めている真理は神様が作ったもの あなたが求めている真理は あなたがつくるもの
頭上5メートルのところで浮遊しているそれ<神様がつくった真理>を あなたは必死に捕らえて あなたはあなたの言葉<あなたがつくる真理>にしようとしている
わたしはそのことが気になっている あなたは わたしがそのことを気にしていることが 気になっている
それをしっていて わたしは窓から顔を出す 顔を出して ヒントを与えるふりをして イライラさせる わたしは そのことが 楽しくてしかたがない
あなたは それを知っていて 窓から顔を出すわたしを見る 顔を出すわたしを見て イライラする イライラすることがわかっているのに 見る あなたは そのことが 楽しくてしかたがない
たのしいんでしょう? と わたしが言うと たのしいわけないだろう と あなたが言う
それを聞いて わたしはほほえむ
あなたがつくる真理は もうすこしで 綺麗な箱に収まって 映画の中のオンナノコが誕生日にもらうプレゼントみたいに 過剰な包装をされて 完成するところだったのに
わたしが 余計な口を出したせいで ふわふわのリボンがからまってしまう
あなたは わたしに邪魔をされたことに ひどく腹を立てるけど わたしは そのことを気にしない
だって 窓は 開いていたんですもの
「損な性格だね」
そうね そのとおり 何かの犠牲になっているのが 快感なんだ
ほっといてくれ 勝手に泣くからさ
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