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2005年09月27日(火) 春が来ました。

彼氏が出来ました。この私にもついに春が来ました。誰も聞いてなくてもいいます。うきょきょ。

お相手は、犬と漫画と週刊誌を愛する25歳です。昨年冬の合コンで、知り合いました。「筑紫哲也ってニュース23で口半開きだよね」とどうでも良いことを言っていたのがあまりにも気になって、ここまで来てしまいました。

春、です。うほ。



2005年09月26日(月) インタビュー

毎日ありがたいことに色々な人と色々なことがあり、仕事では一週間前に決めた取材が一つひとつ終わっていく。「明日はあのラフと、あの質問票を作って、イラストの発注だ」と頭の片隅で計算しながら疲れた体で味噌汁を作る。こんな日は、書きたくなるものだ。

先日、深夜に前の彼から電話がかかってきた。近況と、『DEATH NOTE』の話など。

「今度人気漫画の編集者を取材するんだよ」と言ったら興味を持ってくれる。考えてみれば、私の仕事の話をしたのは初めてかもしれない。
「俺も聞きたいことあるから質問票と企画趣旨送ってよ」と言われ、色々とアドバイスをもらった。

彼は音楽雑誌で編集の仕事をしている。インタビュー取材は年間何百本とこなすそうだ。いつも「疲れた」「俺は体がぼろぼろだ」と弱音ばかり吐いている彼が、いざ仕事のアドバイスとなると、とても的確な解答をくれた。高い意識を持って仕事をしていることが伝わってくる。要するに、私なんかよりずっと、シゴト人間なんだよなあ。少し尊敬した。

彼は、5000〜6000字のインタビュー原稿を作るのに、1時間あれば充分だという。すげえなあ。私なんて、2000字に1時間半かけてるよ。

前にも書いたが、「音楽雑誌ってかっちょいいなあ」という気持ちは、最近一切なくなった。そういうことではないのだ。おそらく、求められている能力は、私も彼もあまり変わらない。その分、才能や頭の良さに嫉妬させられる。



インタビューの基本(メモ)

●取材の最初にこれからする質問の概要を説明

対話形式で、今の質問形式みたいにケース・スタディ別で回答もらうなら、最初に一言、必ずそれを説明する。「次の○パターンのケース別に教えて下さい〜」とか。→相手に質問の意図が正しく伝わらず、項目を分けた意味がなくなる。


●質問は、こちらの「仮説」を作ってから投げる

意図を相手に正しく伝える意味合い+相手の具体的回答引き出しやすくなる効果
「●●●というストーリー設定には、●●●●な意図(意味)があるのでしょうか?」とか。こちらの仮説を先に投げると、もしそれが全然外れていても、「いや、本当は僕としては●●●という意図があって〜」とか、具体的な反論を答えてくることが多いので、色々話を引き出し易いよ。


●誰でもわかる事実は必要最小限に省略

完全Q&Aの記事でなくて、書き原稿や表が付けられるなら、漫画のエピソード自体は、本人の口から詳細に話してもらう必要性はあんまりないのでは? 予め要点となるエピソードを抜き出しをしておいて、その場面の持つ意味を、踏み込んで語ってもらうほうが内容が濃いものになる








2005年09月19日(月) シモーヌは恋をしてる

高円寺をぶらぶら歩いた。裏通りの古着屋さんをぽつぽつのぞく。古くてかわいい指輪と、置き時計を置いている素敵なお店を見つけた。お店のお兄さんは何も話さない。だからといって排他的でもない。

歩きながら、「こんなところにずっといたら、会社に行きたくならない?」と聞いたら、「行きたくなくなる。引っ越してからそれがとても変わった」と言う。

全ての人が、土曜日の午後のようにいつもいてくれたらいい。怒ったり嫌な雰囲気になったり、同じ話を繰り返したり、くだらなくてつまらない話題で間をつないだり、無理に笑ったり、無理に笑っていることにも気が付かないくらいになったり、そういう気持ちはもういい。

「大人になって楽になったのかもしれない」という話をした。そうかもしれない。今も仕事があるから、毎日のるかそるかで生きているけれど、それでも昔よりは、楽になった。大学3年生のころは男の子に振られて赤いペンでノートにびっしり日記を書いていた。……と、ここまで書いて、一体何を書いていたんだっけ?と思い返してノートを開いてみる。すでに破局前からだいぶ辛そうで、かなり痛いことをつづっていた。「私は彼に何もあげられない」「しかし恋愛はギブアンドテイクではないはずだ」といったことを。少し笑う。

先日、待ち合わせをしていた人が見えたので「おまたせー」と言って駆け寄ったら、にやにや笑っている。私に向かってではなく、漫画を読みながら一人でにやついているのだった。声をかけたらとても恥ずかしそうにしていた。何を持っているのか問いつめると、『地獄甲子園』という漫画だそうだ。

一人で楽しそうな人は、とてもいいと思った。長い間一人でいた人や、一人でいることを前提にどんなときも生きている人は、どこかで聞いたことのあるような話や時間つぶしのセックスに逃げたりしない。そういう種類の強さを、私は信じている。



2005年09月17日(土) もらったバナナちゃん




2005年09月11日(日) たまには本のこと

芳林堂で1時間ぶらぶらしてピンとくる本がない精神状態だったので、ヨガの帰りに渋谷のフライング・ブックスに寄る。藤原新也と佐野眞一の昔の本を買った。フライング・ブックスもカウブックスも、ハックネットもユトレヒトも、book246も、初めて訪れたのはすべて就職活動中だった。洋服はほとんど高校生の財産でやっていると何度か書いたが、本は就職活動中に勉強したことが今も役に立っている。本を見たら「どこが出しているか」「誰が作っているか」を意識する、創刊号をチェックする、などとても単純なことだが、大学二年までは全くしていなかったことだ。

……と言いつつ、ずっと知らずにいまさら……ということが続いたので、勉強不足を反省しました。書いておきます。

■リトルモアの社長がリトルモアを辞めて「フォイル」を会社として立ち上げていた。
http://www.foiltokyo.com/

■『Esquire』の日本版は、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)がやっているらしい。
http://www.esquire.co.jp/

■(これこそ随分前だと思うが)『Invitation』の編集長が降ろされて代わっていた。

■『In-between』という写真集をナディッフで見た。知らない出版社から出ていたので調べてみたけれど、やっぱりよく知らない。お詳しい方、教えてください。

EU・ジャパンフェスト日本委員会
http://www.eu-japanfest.org/index.html



2005年09月09日(金) 南アとの往復書簡

edaくん


ご無沙汰しております。
バナナです。

eda君の日記、一時期更新がなかったので油断していて、
今久しぶりに見たら「飛行機に乗る」って書いてあったので
驚いてメールしました。

チェックが甘くてごめんなさい。
また、ジンバブウェに行くんですね。
かなりお会いできていませんが、
お元気ですか?

私のほうは、元気でやっています。
仕事の関係で、なんだかんだと政治や経済について
知らないといけなくなり、
基礎の基礎ですが、本など読み始めました。

今まで生きてきて、経済や企業の動きなんて知らなくても
何も困らなかったけど、
いざ調べ出すととても面白いものなんですね。
(おまえ何歳だよ、という発言だけど)

どこが買収されたとか、石油の代替燃料がどうとか
新聞に書いてあるような基本事項を押さえずに
世界の貧困なんやかんやについて
がんばって語ったり考えたりしようとしていた
自分の無謀さについて考えさせられました。

同時に、小説や音楽の力についても考えています。
新聞は面白いけれど、殺伐としていますからね。
やっぱり理由もなく泣いちゃうわ、っていう作品を
定期的に摂取しないと精神的にだめですね。
eda君のように学術ばかり読んでいる人は、
一体どんな脳の構造なのでしょうか(笑)。

そうそう、この間ラジオで「戦後60年シリーズ」
というロングインタビューをやっていて
石牟礼道子が出ていました。

友人にも紹介して聞かせたら
「かわいい人だね」って言っていました。
大変なことを一生涯かけてやってしまっている人なのに
あの人の気負いのなさ、悲壮感のなさは何でしょう。
「かわいい」っていうのは不謹慎ですけれども
石牟礼さんを表現する最も象徴的な言葉だという気がします。

それともう一人、最近いいと思ったのが
料理家の高山なおみさん。

スローライフの代表格みたいな人として取り上げられていて
別に興味がなかったんですが
NHKの『きょうの料理』のテレビで話しているのを見て
好きになりました。

顔はきれいなのに、とても地味な話し方をするんです。
控えめなの。
高山さんに限らずですが、私は控えめで、たまに笑わないような
女性が好きなのかもしれません。

そういう人が、ふっと笑うとうれしくなる。

自分が自己主張が強いタイプでそれが嫌なので
品があってぼそぼそ小声で話すような人にあこがれるのかもしれません。

こちらはずっと高田馬場におりますので
(たぶん結婚するまでいるよ。
本当は結婚してからもいたい)
また東京に戻ってくるときは連絡してください。

本当にご無沙汰してしまってごめんなさいね。
また、こちらのホームページにも遊びに来てください。
それでは、また。

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バナナさん

随分とご無沙汰していますね。
僕は今ケープタウンに来ています。

そう、日々の忙しさに追われて日記を全く更新していませんでした。
で、8月になって少しだけ書き込んだのだけれども、
またこちらに来てしまったので暫くはしないかもしれません。

こちらも元気にしています。
ケープタウンはまだ冬のようですごく寒く、
朝晩はヒーターをつけないと凍えてしまいます。
友人宅に泊めてもらってるんですが、
京都の下宿よりも随分と快適です。

これからダーバンという南アフリカの東側の港町に行ってから
ジンバブウェに行こうと思っています。

バナナさん、政治経済なんて勉強してるんですね。
僕は、学部のときに社会科学部で本当に広く浅くしか
それぞれの学問分野について学ぶことができなかったけれど
今になってその、「広く」やっていたことは
まんざら悪いことではないかなと感じるようになってきました。
最近では、自分の研究領域とは少しずれる本を
読まないといけないことが多く
少しだけでも聞いたことのある理論などが出てくると
全く見聞きしたことのないものより随分と理解が深まるからです。
学部からそのまま社会に出ても役に立たなかったかもしれない
4年間の浅学がここになって効果を発揮しているようです。

そういえば四国に行かれたんですね。
僕も7月の初めにうどんを食べに彼女と香川に行ってきました。
バナナさんも行ったという猪熊も訪れました。
色々あってレンタカーで行ったのだけれど
僕は免許がないのでずっと彼女に運転してもらって
随分と感謝をした気がします。
そのときずっと聞いていたはっぴぃえんどは
僕の中では讃岐うどんを想起させるアーティストになってしまいました。

実は、ダーバンでは学会に出る予定をしていたんですが
全然ペーパーができてなくて出られるかどうかも危うい状況です。

と、いうわけで少し焦り気味のedaでした。

ではでは



2005年09月07日(水) メモ

高円寺の東急ストアで買い物をしていたら、ヨガの先生が疲れた顔で入ってきた。夜中の12時過ぎである。

大変だなあと思う。東急ストアで買い物をして、「ロハスな」食事を作るのだろうか(確か彼はベジタリアンだったはず)。

ヨガの先生というと、健康なイメージがあるからなんとなくつらそうだ。編集プロダクションなんて、もともとつらそうだから「終電です」と言っても普通に接してもらえる。

就職活動をしていたころは、編プロの人はお金も無くて毎日ぼろ雑巾のように働かされて、可哀そうだ、だから私は講談社に入る! と思っていたけれど、実際に働いてみるとそれなりに楽しくやっている。

ご飯も自分で作るし、仲の良い友人と夜ご飯も食べられる。新聞をとって、好きな雑誌を買ってもまだ貯金が出来るくらいのお給料はもらえる。

さて、今週の土曜もヨガだ。



2005年09月04日(日) あたたかい土地から

夏休みの最後の日の午前中に、ちょっぴり早起きして書いています。
道後温泉の旅館で『きょうの料理』の高山なおみさんを見てから少し気になって、
昨日美容院に行く前にエッセイを買いました。
『帰ってからお腹がすいてもいいようにと思ったのだ』(ロッキング・オン)。
よかったよ。髪の毛いじってもらっている間で読み終わった。

エッセイにもレシピが付いている親切な本で、
「豆腐飯」というのが作りたくなったから早起きしてスーパーに行ったのに、
作り方を間違えました。

お豆腐は炊飯器に入れちゃいけなかったのに
思い切り一緒にといでしまった。
もう遅いので、今、試しに「炊飯」しているところです(どうなるんだろう)。



ところで、先日は強行日程にもかかわらず、道後温泉に来てくれて
どうもありがとう。
おなたのおかげで、温泉旅行の楽しさを初めて知りました。
知らない土地での夜の散歩はわくわくしますね。
なんば走りで道後温泉の横にあった坂を下りたことを、
これからも忘れない気がします。

残りの二泊はこの間話したとおりだけれど、
四万十川と、高知日曜市、それから丸亀(香川)の猪熊弦一郎美術館に行きました。

四万十川とか瀬戸内海とか、ぼーっと止まった水を見ていると
仕事をしている時によく考える
「いかに効率的に時間を使うか」っていうことが
本当にくだらない、ごくごく一部のことなんだということを思い出します。

四万十川のある「中村」に向かう途中のローカル線で会ったおばさんは、
海を見ながら
「今日は海が荒れちゅうね。いつもはもっと穏やかぇがよ。今日は荒れちゅう」と
繰り返していました。

40〜50代、シャツにスカートというこざっぱりした格好の彼女は
上品なチェックのボストンバッグを持っている。
姪や甥の話ばかりするから、子どもはいないのかもしれない。
「仕事で松山に行ったがよ。今帰るところ。久しぶりに行ったらごみごみしてだめねえ。
でも自分のいるところの良さを分かるのは、旅行のいいところやね。
うちはうちはあと2駅先なんやけど、窓の真ん前に太平洋が見えるが」。
と教えてくれた。

列車のシートから身を乗り出して見た太平洋は十分穏やかに見えたけれど、
確かに少し白い波がたっていました。
とてもきれいでした。
普段は、全面青で、波なんてほとんどないのだそうです。

私は二十歳を過ぎたくらいからとても寒がりになって、
最近は特に夏が大好きです。
だから、暖かい土地は落ち着きます。
「南国土佐」「特急 南風」なんていう名前を聞くとほっとします。

旅行に行くといつもそうですが、そこに暮らしている人のことが気になります。
特に交流をもつわけでもなく、道を歩く人々を見て想像します。
私にとっては特別なこの景色が、日常としてある人々。
道後温泉に行く前に、「内子」という田舎の町を歩きました。
明治時代の町並みがそのまま保存されていて、
漆喰の白い壁と重くて黒々とした瓦ののった家に
人々は普通に生活しているようでした。
平日のお昼過ぎだったので家の中からはテレビの音が聞こえてきました。
小学生の下校に遭遇しました。
「あ、アクティブダイエットだ」とか、
私に勝手に声をかけて、
嬉しくて答えようとするとそのあとは気ままに無視して帰っていきます。



よく、会社を辞めて世界を旅した人たちが
「自分たちは生かされているんだと思った」などと語っていますよね。
旅行に行くたびに、あの気持ちが少し分かるんです。
かっこわるいから言わないけれど。

旅行中で、いしいしんじ『麦ふみクーツェ』を読了しました。
いい本だったので、今度貸してあげます。

ではまた。





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