あずきの試写室

2004年10月31日(日) 「9000マイルの約束」

とんちんな地元のビデオ屋シリーズ第2弾!
上映中から見たかった「花嫁はギャングスター」を
見つけて、喜び勇んで借りて帰ってきたところ
入っていたのが、このDVDでした。。。。
第1弾は「エニグマ」でしたが、これが第2弾。
なんなんでしょう。花嫁の隣にあったんでしょうか。。謎

で、見てみたところ。
いきなり厳寒のシベリアが。寒々しいです。
何しろ何の情報もなく見たので、地味なハリウッド映画だなー
なんて思ったらドイツ映画でした。

第2次大戦後、ドイツからシベリアの強制労働収容所に
送られてしまった主人公が、家族に会うために脱走。
9000マイルもの距離を3年かけて
ドイツまで戻るまでを、自然の厳しさと追ってを巻いての
過酷な日々を描いています。
ハリウッド映画だったら、もっと派手なアクションシーンとか
出てきそうですが、ドイツ映画。地味です。
見渡す限り雪景色の中を、ぼろぼろになりながら
歩いて逃げる主人公を見ていると、こちらまでぶるぶる。

途中、出会う人々もなんだか個性的。
彼に出会う人々は、みんな不幸になるような気がするのですが。。失礼。

実話を元に書かれた原作本は、1955年に出版。
15カ国に翻訳され、全世界3000万部も売り上げたとか。
ヨーロッパでは、知らない人がいないほど有名な話だそうです。
すごーい。知らなかったよ(トロイの木馬すらよく知らない私じゃなあ)

正直、ビデオ屋さんが間違えなかったら、自分で借りるということは
まずなかったので、ある意味間違えてくれてよかったかも(うーん)
さあ第3弾は何を見れるかなー・・・・・
ああ明日こそは「花嫁はギャングスター」見たいものです。



2004年10月30日(土) 「トロイ」

ブラッド・ピット主演超大作であり長大作の「トロイ」
2時間43分と長いですねー。
ブラッド演じるはアキレス腱で有名な(そうか)アキレス。
とんでもなく強いけれど、戦いについて苦悩している戦士でもあります。
そんなアキレスの深みをぶち壊すような(おい)
王子オーランド・ブルーム。
「ロード・オブ・ザ・リング」のオーランドはそれなりに
かっこよかったのに。
なんかずれたというか、情けない役が似合いますねー。
今回の役はぴったり。
人妻を奪ったことから始まる戦争って。
しかも、自分で戦いを挑んでいて、やられそうになったら
お兄さん助けて!ってねえ。。(笑)

アキレスの好敵手となるヘクトル演じるエリック・バナも
それなりにいい味を出していますが、
いまひとつ魅力に欠けるのは何故なんでしょう。。

それ以上に謎なのは女性陣。
恋愛を絡めてあるから、なんだか精彩にかけます(失礼)
個人的には、そんな状況で好きになるかななんて
つい細かいことまで突っ込みをいれてしまいました。

愛に満ちあふれた映画でもあります。
恋愛の愛であり
権力への愛であり
プライドをかけての愛であったり。
勿論親愛の愛もあったなあ。
それなりに、感動的に盛り上げてはいるのですが。。むむ。

しかし、この映画を見て一番ショック(笑)だったのは
自分の馬鹿さかげん。
「トロイの木馬ってトロイの援軍だと思ってた」ってあんた。
家の人にぼろかすに云われたのは云うまでもありません。
「それって、木馬が金(木馬じゃないって)で出来ていて
奪い合ったとか思ったわけ?」
そこまでは思いませんが。乗ってみたいなーなんて(笑)
ホメロスの書いた「イリアス」を読んで
一から勉強してこいって感じですね(爆)



2004年10月26日(火) 「スリー」

韓国、タイ、香港の三カ国の人気監督が
撮ったオムニバスホラー。
共通テーマはずばり
「死の向こう側にあるもの」

まず韓国は「クワイエット・ファミリー」の
キム・ジウン監督。
正直内容云々というより
何を云いたいのかよくわからなかった(失礼)
カットが細切れに変わるシーンは
ぞくっと感じさせる場面もあるけれど、
なんだか幻想シーンばかりが
繋がっちゃった感じで、残念。むむ。

タイからは「ナンナーク」のノンスィー・ニミプット監督。
「ナンナーク」は好きな作品だったので、
ちょっと期待したのですが。。。
うーん、人形を使ったホラーということで
ちょっと異色です。
が、タイの舞踏に使う人形って
怖い感じではないんですね。

で、3本の中で一番気に入ったのが
香港の作品。
ピーター・チャン監督と香港の四天王レオン・ライで
お送りする夫婦愛的作品。
いやーこの作品、ちょっと説明不足なところが
あるけれど、なかなか面白かった(ホラーだけど怖くないです)です。
あとひと月で取り壊すという
ほとんど廃墟化したマンションに越してくる
親子と前からひっそりと住んでいる謎な夫婦の話です。
もっと話を膨らましたら長編でもいけそう(笑)
でも、短編だから凝縮して良かったのかな。

なんでも第2弾も製作したということですが、
果たしてどんな仕上がりでしょうか。
今度は三池監督も参加しているようですが。。。。



2004年10月23日(土) 「シークレット・ウィンドウ」

このところ乗りに乗っているジョニー・デップと
このところ原作がいまひとつのキング。
今回は、新作ではなく昔の作品「秘密の窓、秘密の庭」が
原作ということで、ちょっと期待して行ってきました。
(原作は発売当時買ったのに、未だに読んでなかった・・・・)

いやー「カリブ」のイメージとはかけ離れて
今回は奥さんに逃げられて、すっかりうらぶれた感じの役柄。
でも、意外と合ってるかも(けなしているわけでは・・・)です。
湖のそばで景色も良いのに、
外にも行かず、時間さえあればソファにごろ寝。
髪もぼさぼさ、ガウンも破けてる姿。
でも、ジョニー・デップらしさは、出ているんですよねー。すごい。

「俺の原作を盗作したな!!」ってな感じで
大声で怒鳴っている割りに、見た感じ超冷静風な
シューター演じるジョン・タトゥーロが
不気味ですねー。
一体何者?なんて思ってしまいましたが
オチはこういう者だったのですね。

登場人物も少なく、小さな町が舞台ということもあって
すごい緊迫感かと思うと、正直全然怖さはないです。
大きな音とかわっと驚かすという雰囲気に弱いのに(でもホラー好き。矛盾)そういった驚きがこの作品はないので、ある意味安心(なのか)

何を語ってもネタバレになりそうなのですが。。。。

キングの昔の作品は、面白いものが多いし、
映画として評価の高いものも勿論ありますが。
この作品、発表した当時に上映されていたら
そうだったんだーなんて驚きもあったかもしれないです。
でも。。哀しいかな現代見ると。うーーん。
で、新作だとなんだか脱力のキング作品。
ファンだからこそあえての苦言。

プログラム購入者は、映画見終わるまで中は厳禁ですぞ。
なんせオチが全て書いてあるから(笑)
映画をみてわからなかった人に親切ですね。
でも、わからなかった人っているのかな。。。(余計なお世話ですね)



2004年10月21日(木) 「メイ」

内気で人付き合いが苦手な主人公メイのお友達は、
母親が作ってくれた人形のスージー(ちょっと怖い)。
で、出来ないなら自分で作ってしまおう。
人間のパーツで。
一瞬、オリジナルサイコのエドを連想しちゃいましたが。

この映画、そういう部分よりも
友達やボーイフレンドとのすれ違いを
結構時間をかけて、描いているので。
ホラーというよりも
ちょっとずれた女の子の、一種の青春物語風にも
観ることができます。

それにしても、主人公メイに限らず。
登場人物みんなちょっとずれているんですけど(笑)
パンクに怪奇趣味にレズって。。
いあ、いいんです。
それなのにメイだけ変というのはどうよ(笑)
パーツで作るというと
かなりグロな映画を想像しますが。
結構味付けはマイルドなので、
15禁がちょっと意外。

変な人自慢ではありませんが、
途中でちょこっと出てくるパンクな兄ちゃん
演じるジェームズ・ディュヴァルが怪しいです。
彼の行動から話が急展開していくのですが、
その日知り合った女性の家に行って
そんな行動とるって(笑)
「ドニー・ダーコ」の銀色ウサギ・フランクを
演じていたとは。
あれも変なうさぎだったけど(笑)



2004年10月18日(月) 「ディープ・ブルー」

海は広いな大きいなと思わず歌いたくなるような
のんきな映画かと思ったら。
海の生き物の弱肉強食世界を巨大スクリーンで・・・

シャチに襲われる、アシカの子供や鯨の子供が哀れ。
でも、そこは自然界。
カメラマンは、記録し続けていきます。
鯨のお母さん復讐してしまえなんて
思ってしまいましたが。

水族館で見るぐらいしか
魚に接することがないですが、
こうしてみてみると
知らない種類の魚類がたくさん!
特に深海の生き物は
どーしてああグロなんでしょう。
と思うほど、不気味なものが多かったり。
まあ誰からも見られないからああでもいいのか。
なんて余計なお世話まで思ってしまいました(おい)
しかし、発光する生物は、エレクトリカルパレードみたい(笑)

それにしても、いわしの大群は
必ず敵に狙われますね。
人間もいわしの干物とか食べてるし。
アホウドリに、アシカに。
果ては鯨も強大な口に吸い込まれてしまいます。
最初のシーンで、水鳥、アシカ、イルカ、鯨が
入り乱れいわしを食べているのを見ていたら、
いわしの阿鼻叫喚が聞こえてきそうでした(ほんと)

これだけの映像を撮るのはさぞや大変だったことと
だろうなあとプログラムを見ていたら。
「95年に着手し、7年かかったプロジェクトは悪夢であり、
同時に信じ難いほど素晴らしかった。」と
プロデューサーのアリックス・ティッドマーシュ氏は
語ってられました。確かにそうだろうなー。
すごいものなー。悪夢であるほど。
で、隣で一緒に行った家の人は熟睡しておりました。
悪夢を見るぞ。



2004年10月17日(日) 「テキサス・チェーンソー」

1974年に製作された「悪魔のいけにえ」が、
その後のホラー映画界に与えた影響の大きさは
ホラーファンじゃなくても
知っている人は多いと思いますが。
なら、リメイクを作っちゃおうと
思ってしまうというのが、
ある意味当り前かもしれないですねー。
しかし!作品の完成度(予算に関わらず)が
高ければ高いほど、そのハードルを
越えるのは難しいと思うのですが。。。。
「パールハーバー」のマイケル・ベイ監督の製作。
派手なアクションに力が入りそうー(笑)

最初はまるでドキュメンタリー映画風に始まります。
恐ろしい封印された事件のフィルムが。。。
なんて感じで、ちょっと期待させられたのですが。
カラーで事件当時に戻ると。。。。
うーーん・・
ジェイソン?(笑)なんてどうしても思ってしまう
レザーフェイス。

どうしても「悪魔のいけにえ」のドアからドン!と
出てきて、犠牲者を引きずって
また部屋の中に入ってしまうという。印象が強すぎて
ドン!と出てくるんだけど、怖いというよりなんだろう・・・
とにかく町に住む人が
不気味というより、やな奴としか見えないので、
怖いというよりむかつきます(おい)

カメラアングルは、まるでゲームセンターで
キーボードでやっつけるゾンビ風。
チェーンソーかついでどすどす追いかけてくると、
思わず早くキーを打たなくてはって思ってしまいました。
(ゲームのしすぎ)

リメイクということを全く考えず
新しい映画と思ってみても、やっぱり斬新さはなく。
田舎に家族と住むジェイソンの一日って感じでありましょうか。。
一家団欒をじゃまする奴は許さんて(そんな映画じゃないですね)



2004年10月12日(火) 「小熊秀雄と画家たちの青春」

戦前池袋に「池袋モンパルナス」なる
若手芸術家のアトリエがまるで集落のようにあり、
あたかもパリのモンパルナスのようだ。
ということで詩人であり、童話作家でもある
今回の展示のメインとなる小熊秀雄が命名したという
町が、今の池袋から西武線沿線近くにあったそうです。

今回の展示では、画家としての小熊という側面から
集められた170点もの作品を展示。
さらに池袋モンパルナスで
交流のあった作家たちの作品60点という
見ごたえのある展示会になっていました。

私は詩人として小熊を知ったのですが、
その後童話集を購入。
とぼけた雰囲気の作品と本人が描いたというイラストが
なんともいえない味をだしており、
どんな人なのだろう?ととっても興味を覚えたのでした。
まあ、その要因のひとつにあの芸術的な髪型をした
写真もあるのですが(笑)
今回の展示で、生の写真と別の写真も見れて感激!

絵描きとしての感性もこれまた独特で。
自画像など、一瞬芥川龍之介風って、そう見えちゃったんです。
どちらかというと抽象画っぽい雰囲気もありますが、
2階に展示されたひとコマ漫画風のイラストは圧巻でした。
へたうまっぽい感じなのですが、妙な味に惹かれます。
個人的には、ピカソみたいな(笑)「詩人の食卓」なる作品が
気に入りました。さすが詩人。うん。

小熊個人の展示ということで、奥様に書かれた手紙も展示されていたのですが、今でいう丸文字風の文字で綴られたラブレターは
読んでいて私までズキンときました。
いやー実際この手紙を貰っていたら、ほんとマジで恋に落ちそうです(危ない)
でも、結婚したら家宅の人になって、奥様は大変だったとか。。。。
なんだかなあ。。芸術家だとはいえなあ。

モンパルナス在住だった寺田政明(俳優寺田農の父)、長谷川利行、松本竣介、麻生三郎といった画家たちの作品の展示も、
見ごたえがありました。
といっても、正直絵について詳しいわけではないので
ただ自分の感性で好き!とか気になる!
なんていう情けない見方(どんな見方だ)しかできませんでしたが。
戦前の若き画家たちの息吹を垣間見たような気がいたします(ほんと)

帰ってきて早速ネットで宇佐美承「池袋モンパルナス」なる本も
注文してしまいました。

「池袋モンパルナス」は戦争で、なくなってしまったそうですが、
こうした芸術村があった昭和初期という時代いいものですね。
現代は、何かと便利になったとはいえ
物が豊か=充実して幸せとばかりはいえないかもしれないですね。
人々の熱気が息づく町で、毎日を楽しく時には議論もし
暮らしていた芸術家たちの生活を勝手に想像した
秋の一日なのでした。
この展示を開催してくださった練馬美術館の方々に感謝。


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