2003年09月30日(火) |
風邪の逆襲とか人形とか |
今朝起きたら、また、具合が悪かった…。
なんなんだよ、もー(涙)。
でも、原稿は進んでるからいいのだ。 やっぱり書いているときの方が、精神状態もいいし。 地に足がついている感じで、ほっとしますね。
今は、60センチの巨大お人形がとどくのが楽しみだなあ。 けっこう注文するまでは迷ったんですが(ここで買ったら、いよいよカタギの世界から離れてゆくような気がして…)、たまたま実物を見たおもちゃ好きの弟から「かわいいからかっちゃえ」といわれ、姪にまで、「買えばいいのにね」といわれ…。<姪四歳、どこまでわかってるかは不明…
「限定品だし、売り切れてるに違いない。それに、地方発送はしてくれないに違いない」と思いつつ、念のために電話したら、「あと三体あります」といわれちゃうし。 ちょうど、某所から入金もあったしで。 かっちゃおうか、と。
…一般社会人としては、同額で秋のジャケットの一枚でも買った方がいいと思うんだけど〜。わかっているけど〜。
まあ、いいや。 今、わくわくしてるし。 早く来ないかなあ。
わたしにとってのお人形というのは、一種の厄払いというか、魔よけ、守護の精霊みたいな存在ですね。 モノじゃないけど、人間とも少し違う。そんな感じ。 話しかけたりはしないけど、目が合うとうれしいというか。 部屋にいてくれると、ほっとするというか。
お人形は好きだから、おばあさんになって、そのころ、大きなお屋敷に住めていたら、アンティークドール集めたりしたいなあ、と、思った時期もあります。 今は、自分の死後のお人形の行方を考えたりしてしまうので、人形はなるべく増やしたくないなあと思っていますけれど…。
しかしとりあえず、あと一体は増えるわけですか(笑)。 あはははは(涙)。…なるべく長生きしようっと。
☆鼻風邪は、昨日がいちばんひどく、夕方に一度寝たりしました。 くしゃみの連続と下がらない微熱は辛かった…。くしゃみのせいで、歯茎は痛くなるし、めまいはしてくるし。
今朝起きて、まだよくなっていなかったら、お医者さんにいこうと決意して、夕べ(というか今朝)寝たのですが、起きたらだるさがだいぶとれていたので、もういいや、ということに。 くしゃみも、昼過ぎからはでなくなりました。 鼻風邪を乗り越えたか、体?
☆ルルー7,もうすぐ半分。 …山場の盛り上がり、用意していたエピソードで足りるだろうか? 何か足さないとなあ、と思案中。 それと、わたしは情景描写を書くのが大好きなので、淡々と海上や船旅のようすの描写メインで話が進んでるんですが、今のままで子ども読者はついてこれるのかどうかも、あとで考えなくちゃいけないでしょう。 しかし、旅行の話を書くと、自分もどこかに行きたくなります。 船旅いいなあ。いつか、飛鳥かクリスタルハーモニーにのりたい…。
☆お人形はもう増やすまいと思っていたのに、よりによって60センチサイズの限定品の着せ替え人形を、注文してしまいました…。 そんな巨大な人形、どこにおくんだ、と、つっこみを自分に入れながらも、 「家に着いたら、まず、ペチコートでも縫っちゃおうかなっ♪」とか、 すでに手順を考えている自分が怖いです…。
☆今日のかわいかったこと。 さっき、夜食に卵ご飯を作ったのですが、くるーり、と、お醤油を卵にかけるとき、それを見ていたアメショーりや子が、いっしょに、くるーり、と、首を動かした(笑)。
…くしゃみとまらないし〜(涙)。
とりあえず、水気は取るようにしています。あと、あったかいものも。 お茶のみにキッチンに行くたびに、金魚水槽の中のイシマキガイたちをみて癒されたりしています。いいなあ、貝は(笑)。いつもじわじわ前進してて。
今夜はルルーの5巻6巻をよみなおして、設定に矛盾点がないかどうかチェックしたりもしました。 長い話になると、この読み直しがあるからそれで時間をとるんですよね。
だけど、読み返すと、自分が書いた話なのに、妙におもしろかったり。
そうそう。今日は、担当編集者H氏からの差し入れの、東京ローカルな冊子に癒されたりもしました。ありがとうございました〜>H氏
熱はないんですが、かなりだるいです。 なんとか仕事はしてるんですが、掲示板へのレスが遅れ気味です。 ごめんなさい〜。 疲れているときにレス書くと、ちゃんと日本語が書けなかったりするし、短気になったりもするので、なるべくひかえるようにしようと思っています。
疲れのバロメーターって、わたしの場合、携帯電話とキーボードかなあ? 携帯でメール打つとき、指が動かなくなったりとか、キーボードでうちそこないが増えたりとか。 今回もまさにそういう状態で、指が動きにくいです。
小説書いてて、「ああ、限界が近づいてる」と思うのは、椅子に座るのが辛くなってくるときですか。 でも、パソコンを書き物机から移動させるわけにもいかないので、適当にうにうにと体を動かして、のばしたり縮めたりしながら、続きを書きます。
…と、ここまで打つのに、どれだけ打ちそこなったことやら(笑)。
しかし、三分の一ほど書き上げたルルー7が、なかなかよい話になりそうなので、いまけっこう幸せです。 ていうか、ルルーが客船でのんびり船旅を楽しんでいるシーンを書くというのは、なかなかに作者も癒されるものですね〜。 書きながら、昔のったカーフェリーやいろんな船のことが思い出されてきて、波の音まで耳の中でよみがえってくるので、人間っていうのは、子どもの頃の記憶は忘れないものだなあと、思いました。
今日の香りはオパフメ。 緑茶の香りに包まれた一日でした。
2003年09月24日(水) |
ゲランの「瞬間」とか古いブーツとか |
☆ゲランから、秋の新作フレグランス、「ランスタンドゲラン」の香りの見本がダイレクトメールでとどく…。 マグノリアの香りだそうで…。 ああ、やばい。この甘さはかなり私のツボに来てるかも(笑)。 「瞬間」というネーミングも好きだなあ。
☆さてさて。 今日は深まる秋に備えて、お気に入りのブーツの修理にいきました。 近所の商店街に、古い古い、靴と鞄の修理のお店があるのです。
そのブーツは、大学を卒業して働きだした頃だったかな? 長崎のファッションビルの中の靴屋さんで買ったもので、柔らかいなめし革の茶色いブーツに、共布の長いリボンがついている、お気に入りの品なのでした。 おしゃれなデザインの割に、はきやすいので、毎年、ブーツの季節には、はいていました。 大事に大事にはいていたのですが、さすがに長い年月がたち、かかとがすり減って滑るようになってしまっていたのです…。
で、靴の修理屋さんへ。 久しぶりにいったら、元々おじいさんだった人が、さらにおじいさんになっていて、びっくり(笑)。 でも、耳は遠くなっていても、たまにふらついても、仕事は確かで速く。 見ているあいだに、かかと部分の修理は終わったのでした。 おまけに、色あせていた皮に、茶色いスプレーをかけて、新品風にアレンジしてくれたりして。
しかしなんだか、「こびとの靴屋さん」の絵本にでてくるような、靴を逆さまに入れて、とんとんたたく道具とか、磁石でできている釘を集める道具、とか、白樺の枝で巻いてある釘を打ち込む道具、とか…。 不思議な道具が、しわだらけの手で動くのを見ていると、あきなかったですね。
店内には、昔からずっとある、おじいさん手作りのバッグや靴が売られていて。もう少し若かった頃の写真が飾られていて。店のあっちこっちに、ほこりがつもっていて。 まあほんとに、変わらない店なんです。
修理代をおじいさんに渡して、「ありがとうございます、またお願いします」と頭を下げて、私は店から、残暑の街にでたのでした。
☆きりばんゲッターさんたち&執筆のお世話になったおふたりへの本の発送はすみました〜。長崎からですので、人によっては明日、でなければあさってにはとどくと思います。発送、微妙に遅くなってしまって、申し訳ありませんでした。
☆長崎は、今日はほんと、残暑でした。 アユーラの美白スプレーを腕にしゅーっとしなければ。 そして、るる7の続きをかかなければ…。 現在、メインキャラが出そろいつつあるところ。風邪気味な上に、イントロなので、執筆速度はまだまだのろめのゆっくりめ。
急に寒くなった上に、パソコンを冷やすために小さな扇風機を常に机の上で回しているので、鼻風邪ぐすんぐすん状態です。
昼に風邪薬(私の常備薬は、ルル-K<冗談のようですが)飲んだら、ほどよく眠くなったので、寝ようかと横になったけど、これが休めない…。 仕事が気になる。 どうしてこう、休めないのかなあ?
結局、眠いまま起きて、子ども用掲示板の気になる書き込みにレスをつけたり、考え込んだりしていました。
ま、いよいよ眠くなるまで、お仕事の続きをしましょう。
現在26枚(上限180枚)。 イギリス娘ジェーンと風の少女サラは登場済み。 現在ルルーは客船で航海中。秋の休暇旅行の始まりです。穏やかな旅行になるはずだったのですが…。 さて、どんな冒険が待っているでしょうか? とかいって(笑)。
けっこういつも、物語の大枠と、構成、エピソードのいくつかは決めていても、そこにキャラクターを放り込んで、自由に行動させて会話させたりして、それを自動書記してゆくというラフな書き方をしているので、ルルーといっしょに驚きがあっておもしろいです。 ただ、これをやっていると、時々、キャラクターやエピソードが多すぎて、あとで削る羽目になったりするので、今回も、実は、サラが危ないところです。でてくると華やかでいいんだけど、枚数的にオーバーしそうになってきたら、中盤あたりで削るかもしれません。
夜更かしするとはかどるのわかっているけど、今夜はどうしようかな?
予定としては、今月中に第一稿を仕上げて、月末からは同時進行で他社の原稿の直しをしたいんですが…。むー。
今日は一日、ブルガリのオムニアの香りと過ごしました。 わたしがつけると、トップとミドルはすごくウッディな感じになるんだけど、ラストノートのホワイトチョコレート風味の甘さが、なんともここちよいです。今年の秋冬はこれかな? でも、このオムニア。重いので、お外に出るときはとてもじゃないけど、まだつけられません。
秋冬か〜。 今風の、かわいいジャケットがほしいなあ。 あ、底がすり減って危ないブーツを、修理にださなきゃ。
☆メールくださったainselさん。返信しても、メールがどうしてもエラーになってしまうので、日記の方で、手短にお返事しておきますね。 (エラーになっても、メールそのものはとどいていることがあるのは知っているんですが…。とどいていなかったとき、困っちゃうから、念のため〜)。
リンクは大歓迎です。とくに、ainselさんのサイトのように、管理している人の姿勢がきちっとしているサイトさんなら、大喜びです。 新しいサイトの誕生を、心からお祝いします。 そして、私の作品をいつも読んでくださって、ありがとうございます。 これからもがんばりますから、よろしくおつきあいください☆
☆今日は残暑が厳しい日でした。 そんな中、無事、通信講座の添削をすませ、郵便局から発送してきました。
なにげに、長崎の不動産屋さんにはいって、地元での単身者用物件の賃貸料その他をきいてきたんですが、千葉で同じタイプの物件を借りるよりも、広くてきれいで街中にあるお部屋が、かなり安い価格で借りられるのに、当たり前の話なんですが、なるほどなあと思ったり。 ああ、もっと長崎が新宿に近ければ(笑)。
いざというときは、長崎で、街中の広いお部屋に仕事場作ってゆるゆる住んで、しょっちゅう上京するという手もあるのかなあ、と、思案中。 どっちにしろ、家を出ようとは決意してるんですが…。
ああでもやっぱり、市川に帰りたいなあ(遠い目)。 ていうか、関東に住まないと、仕事場の意味が半減…。
2003年09月17日(水) |
ルルー7書き始めました |
☆サテライトさんがついに寿命が来たのか、立ち上がらなくなったので、ラヴィNで書いています。ほんとは一台のパソコンでなにもかもすませるのはよくないので、いずれ執筆用の機械は用意したいな、と思いつつ…。 ラヴィN、メモリ700いくらだったか積んでいるので、書き物をしていてもやはり快適〜。早い〜。この安楽さになれてしまうとやばい気も。
いまはまだ、いつも通りのイントロの、ルルーとペルタのじゃれあいを書いています。毎度、このシーンを書くのが好きな私です。
現時点では、孤島の洋館で、連続行方不明事件?が起きる話になる予定。 うまくいくと、風の少女サラも再登場する予定。 のちに女流作家になる英国少女がゲストキャラになる予定。 天空の島の伝説の設定がちらっとでてくる予定。 …と、予定ばかりですが、なんとかなるものです。たぶん。
今回から担当編集者さんが変わるので、微妙に書き方のノリが違います。 なにが違うって説明しづらいんですが…うーん。やはりお話は、最初の読者であるところの編集者の人たちのことを思い浮かべながら、贈り物をつづるような気持ちで書くものなので、作品がちがってきちゃいますね。
☆長崎に帰ってきてから、連日料理ばかりしています。 それも別にこったものではなく、市販のカレールーでニガウリと豚肉とベーコンのカレー、とか、ツナとタマネギと半熟卵のマヨネーズ和え、とか。 でも、このなんてことない料理が、美味しいんだ〜。 …料理作れないのって、ストレスになるものだったのかしら?
☆いたち部屋さん、メール拝受しました〜v ainselさん、メールありがとうございました。返信のメールをお出ししたのですが、なぜかエラーになってしまったので、明日もう一度、送り直しますね。すみません〜。
長崎は日によって残暑がすごかったり、涼しかったりいろいろです。
私はまだちょっと、旅の疲れが癒えなくて、お仕事しながらも、時々休んで、ベッドに横になったりしているのですが、でも、もうそんなときは、千葉の地図の本を眺めています。十月、東京に行くついでに、また千葉北西部の旅人になるために。 あわてても不動産は逃げないし、縁がある場所ならであえるでしょうし、じわじわと研究しようと思っています。 とりあえず、今の千葉に詳しくならなくては。
お仕事は、ポプラのルルー7を…すっかり遅れてしまっているあの作品を、急いで書かねばなりません。お話の大まかな骨組みはもう、できているのですが、今は頭の中で、イントロを考え、キャラクターや状況を練り直し…という作業をしています。今日はふいにトリック(らしきもの)が浮かんで、おお、と思いました。今夜か明日のうちには、書き始めようと思っています。 一方で、通信講座のお弟子さんの原稿もみなくちゃいけないのです。 あ、産経新聞の短編のご依頼もあった。
新シェーラ2「旅だちの歌」が、そろそろ、書店に並ぶ頃ですね。 今回は、飛行船についてはTAKUYAさん、いたちについてはいたち部屋さんにいろいろおしえていただいたので、ささやかなお礼でしかないのですが、おふたりにはせめて本をお送りしなくては、と思っているのでした。 ほんと、ありがとうございました。>TAKUYAさん&いたち部屋さん
2003年09月13日(土) |
ポール&ジョーはかわいいのだ |
今日はさすがに旅行疲れで、洗濯機回しながらうたたねしたり、美容雑誌読みながら、猫と寝たりしてました。
美容…といえば、千葉滞在中、何泊かしたホテルのそばに、ポール&ジョーが入っているお化粧品やさんがあり、ファンデとマスカラなど買って喜んでました。あ、限定のフェイスカラーと口紅も買ったっけ。 ちなみにポール&ジョーとは… こんな感じ このレトロさと、乙女心をくすぐるかわいらしさがたまりません。
今回、最小構成のお化粧品しか持っていかなかったので(千葉でそろえるつもりだったから)、いろいろたりなくて気が滅入ったということもあり、「しかたないもんね」と、買っちゃいました(笑)。
そうだ。わたしは悪くない。うん。 ポール&ジョーのデザインがかわいすぎるのがよくないんだし、長崎に店舗がないのが問題だったんだし、手持ちのファンデが毛穴落ちしたのがいけないんだし、持っていったマスカラがウオータープルーフじゃなかったのも、まずかったわけ…で。ははは。
いくら使ったかは考えまい。わたしは過去を振り返らない女。
でも、もって帰ってきたかわいいお化粧品類を手のひらにのせていると、それだけで幸福になれるので、いいかな、と、思っています。 特に限定のフェイスカラーと口紅の、小鳥さんデザインのケースはたまらないよう。もう、抱きしめちゃうかわいさです。
それはもう、二十年以上も前のこと。 ある街の、繁華街のメインストリートに、その書店はありました。 店の中には階段があり、二階か三階までも、本棚が並んでいました。 書店の名は、「青春書店」。 そこではなぜかいつも、小鳥のさえずりの音のテープが鳴らされていました。 ブックカバーは、くすんだ黄色の紙に、緑色の樹のシルエット。 「小鳥の声が聞こえる青春書店」というのが、店のキャッチフレーズでした。
その作家は、まだ中学生だった頃、その書店で文庫本を買いました。 外国の作家の短編が好きで、O・ヘンリやサキや、あるいは「シャーロック・ホームズの冒険」あたりも、その書店で買ったのかもしれません。 作家は、小鳥の声が聞こえる、その書店が好きでした。 そして、階段を上り、見上げるたびに、 「ここはなんて大きな書店なんだろう」と、うっとりしていました。 作家は、子どもの頃から、本が好きでしたから、大きくて立派な、その書店が大好きだったのです。
それから、二十年以上の年月がたち、おとなになった作家は、その書店を訪ねてみました。 「まだ続いているかどうかわからないけどね」なんて、周囲にはいいながらも、心の底では、あの店はきっとまだあるに違いない、と、信じていました。
かつて、バスで通っていた街に、作家は電車に乗ってたどりつきました。 残暑のまぶしい日差しに包まれた街は、昔通りに人々が大勢行き交い、にぎやかに栄えていました。 作家は、ここまできたものの、どうやって店を探せばいいものか、一瞬、とほうにくれました。でも、いい年をして、「なるようになるさ」と思うたちでしたし、店を探しながら歩くのも、楽しいかと思いました。
歩き出してまもなく、一軒の店が目にとまりました。 大きな看板をつけた、書店です。 古いタイルが壁に貼ってある、歴史がありそうなお店でした。 しかし、看板の文字は、青春書店ではありませんでした。 あたりまえだ、と、作家は思いました。 「なんか気になる本屋さんだけど、青春書店じゃない。あそこは、あんなに小さな店じゃなかったもの」
それから、ぐるぐると作家は街を歩きました。 けれど、残暑の街をいくらさがしても、青春書店はありません。 ふと不安になって、ちょうどでてきた、古そうな薬局の薬剤師さんにきいてみました。 「あの、もう二十年も昔のことになると思うんですが、このあたりに、青春書店という本屋さんがなかったでしょうか?」 「ああ」と、妙齢の女性薬剤師さんは、白衣の腕を伸ばしました。 「あそこは名前が変わっちゃったんですよ。あっち、駅のそばに、ありましたでしょ」 「え」 駅のそばにあった書店というと、通り過ぎてきたあのお店しかありません。 薬剤師さんは、言葉を続けます。 「なんだかね、経営者の方もたぶん、変わっちゃったみたいで」
作家は、そのお店まで戻ってみました。 そして、中に入ってみました。 見上げるとそこに、昔確かに見上げた記憶がある階段がありました。 小鳥のさえずりは聞こえませんでした。 まだ、信じたくないような気がしながら、作家は、レジにいた若い青年に尋ねてみました。 「ここは昔、青春書店という名前だったんでしょうか?」 めがねをかけた、まじめそうな青年は、どこかに電話をかけて、 「はい、そうだったみたいです」と、答えました。
作家は、まあしょうがないか、と思いました。 いくらなんでも、二十数年の歳月は長すぎます。店の経営者がかわるなんてことも、ありそうなことです。 それに、と、作家は思いました。昔は本当に大きな書店だと思っていたけれど、昔の自分は、子どもだから背が低かった。それにだいたい、いまの自分は、これよりもいくらも巨大な書店さんを知っている。だから、店が思ったより小さく見えてしまうのも、仕方がないことなんだわ。
児童書のコーナーに行きましたが、作家が書いた本はなかったので、雑誌と文芸書を買いました。レジでお金を払うとき、「実は自分は童話作家でね。子どもの時に、ここでよく本を買っていて…」と青年に途中まで話しかけて、なんとなくやめて、笑顔で書店を出ました。
商店街の大通りは、ところどころ昔のままで、ところどころ新しい、キメラのような街になっていました。 作家は、模型やさんの店長と話し込み、通りすがりの老いたチワワをつれた老婦人と犬の話をし、化粧品店で、珍しい香水を見つけて喜んだりしました。 作家と同世代の、模型やさんの店長さんは、「もうこの街も、すっかりかわって悪くなっちゃって。悪い子が増えたし」と苦笑していましたけれど、作家にはこの街は、そう悪い街だとは思えませんでした。 化粧品店の、街の生き字引のような妙齢のお姉さまは、作家が話のつれづれに、この街への思いを話すと、目を潤ませて感動してくれたので、作家はつい、気前よく、「記念に一本だけ買うつもり」だった香水を、二本も買ってしまったりもしました。 お姉さまはいいました。 「お客さんは、引っ越しと転校の連続で、そりゃあ大変だったかもしれない。でも、それで、いまの積極的な誰とでもお話しできる人になれたのなら、いいんじゃないの?」
駅のそばの、どのお店かの入り口に、電光掲示板が飾ってありました。 作家が最初、そのそばを通り過ぎたとき、そこにはたまたま、「お帰りなさい」の文字が、点滅しながら表示されていました。 時間は夕方近く、その駅に降り立つ人々のために、そこにはその文字が映るのでしょう。 でも、作家は、街の魂が自分に、「おかえり」をいってくれたのかもな、と、少しだけ笑いながら、思いました。
昔、ある街の繁華街に、小鳥のさえずりが聞こえる書店がありました。 子どもの頃の作家は、そこで、O・ヘンリやサキの本を買い、そしてやがて、自分も作家になりました。
昔、青春書店という名前の、立派な書店がありました。
2003年09月08日(月) |
眠いので手短に今日のわたくし |
某ウイークリーマンションを退去いたしました。 ただいま、千葉駅前のホテルからこれを書いています。しかし、PHSが使えるホテルってありがたいなあ…。ここは@FreeDばりばり使えるのです。
お部屋を出るのって、簡単に考えていたのですが、それなりに家具をそろえつつあったところだったので、ものが増えていて、思いの外手間取りましたね。 でも、気持ちよい運動って感じで、一気にやっちゃいました。 しかしそれでも、夕方までかかってしまいました…。 おまけに今日は、関東は残暑で疲れました…。
だけど、場所から場所への移動そのものに抵抗がないのは、やはり子どもの頃からの引っ越し暮らしが自然なものとして染みついているからかもしれません。 「この地は私にはだめだ」と思ったとき、すぐに次の場所へと思いをはせることができるのも、あるいは…。
ウイークリーマンションについては、おもしろい世界だったなあ、と、いまは振り返っています。 入居する前に、一応、いい噂悪い噂は聞いていたのですが、まあどっちもうなずけました。 わずか数日の暮らしの経験ですが、感想を書いておきますと…。 想像していたよりも、広くてきれいだったし、備品類も使えました。それに、私が住んだ建物は、住民がみんな早寝早起き(?)で、夜更けに騒ぐ人はいなかったから、静かでした。ゴミ出しのマナーもきちんとしていた。建物は定期的に、お掃除する人が外観を磨いてくれていたから、清潔感がありました。ドアの前が外から見える建物だったので、部屋に帰る前に、付近に不審者がいないかどうか、はっきりチェックできて安心でした。
でも、短期でわりきって使うならともかく、長く住むところではないなあ、と思いました。きちんと暮らしたいなら、やはり、不動産やさんの物件の方がいいです。これは強調しておきたい。 会社によって違うでしょうけれど、ウイークリーマンションは、住人の審査が甘い傾向があるので、どんな人がいるのか不安なところもありますし。 それから、音が響くのは、気になる人は気になるレベルです。鉄筋の物件でも、ふつうのレベルのビジネスホテルくらいには、音が聞こえました。これが木造タイプの物件なら、どんなことになるのかと思うと…。
かもめ亭に千葉情報がいっぱいで、うれしいむらやまです。 がんばります! 明日は昼から、大手町の産経新聞のTさんのところに行くんですが、帰り道、市川に行こうと思っています。
麗月さん、メールどうもでした! お返事は、長崎に戻ってからでいいですか? いま、タロットが手元になくて(涙)。忘れて来ちゃったの。
2003年09月07日(日) |
図書館と音楽とさびれた町と |
今日は、せっかく近くにいることですし、千葉市中央図書館にご挨拶にゆきました。駅から歩いて八分ほどの距離。静かな住宅地の中にそびえ立つ、アバンギャルドな感じの建物……と思っていると、ふいに、その前に、何かの看板が。 ファンシーな感じで、三匹のかわうその絵が描いてある看板で、「下水道 旅する水の お医者さん 千葉市」というコピーが書いてあります。かわうその絵の周りには、「千葉市下水道局」と。
なぜにかわうそ? 千葉市とかわうそ? …なんか関係あるのかな? かわうそだよなあ、この動物? しばらく悩んだあと、携帯のカメラで撮影したりして。
それはともかくとして、図書館です。 建物の中に足を一歩踏み入れると、いきなり高い吹き抜けの空間。 あふれる噴水。あたかも植物園のように見事に茂る植物の群れ。 生涯学習センターもかねた、それはそれは立派な建物でした。
子どもの本のコーナーは一階にあるようです。 紙芝居ができるコーナーや、読み聞かせのための空間の、お話の部屋もあるらしい。 木とアルミで構成された、広々とした安らぎの空間、という感じで。心地よくも豪華な空間です。 圧倒されたあと、本の検索用のコンピュータのところにいきました。 自分の本が入ってるのかどうか不安になって。 …いや、挨拶にきたものの、自分の本がなかったら、かっこわるいじゃないですか。 ひょっとしてここのオリジナル?な、かわいいグラフィックの検索用ソフトは、動作が遅かったですけど、私の本が全部ここにあることを教えてくれました。
で、緊張しながら、「児童書研究カウンター」へ。 シェーラの新刊をさしだして図書館の方にご挨拶しました。 歓迎していただいて、施設を案内していただいたのですが、「自動出納書庫」という名前だったかなあ? 司書さんが操るパソコンからの指示で、ロボットが書庫に本をしまい、書庫から本を出してくるシステムがすごかったです…。 実際に動くところを見せていただいたのですが、なんていうのか、ロボットがけなげで。 冊数は忘れましたが、とんでもない数の書庫内の本を管理できるのは、このシステムがあればこそ、ということだそうで。 そうそう、返却ポスト。あそこに入れられた本は、ベルトコンベアーで運ばれてゆくそうです…。 さすが三年前にできたばかりの最新式図書館!
でも、私が市川に住んでいたことがあると話すと、図書館の方は笑顔で、 「たしかにこちらは立派ですが、でも、市川の図書館には負けますよ。そもそもあちらは、文学の街ですから」
え? 「文学の街」だったんですか、市川は。 知らなかったよ、と思いつつ、なんだかうれしく、「これは私があの街に住むべきだという神様の暗示ね」と、内心うなずいてしまう私。
シェーラシリーズが大好きだという司書さんや、アカネヒメから読んでいます、と、頬染めてはなす初々しい新人の司書さんとの出会いもあり、楽しい時間を過ごしました。 私の本をとくに好きな司書さんがいらっしゃったのに、今日はたまたまお休みだったそうで、「その方によろしくお伝えください」と、伝言して図書館を出ました。 お会いできなくて残念でした。 しかし図書館のみなさま、いきなりやってきた作家の相手をしてくださって、ありがとうございました。 私の本を、千葉市の子どもたちが喜んで読んでくれているということがわかって、とてもうれしかったです。それから。 「村山先生の本は、『うちの子どもが読んでいた本ですが…』と、寄贈でいただくことが多いです」というお話を聞けたこと、とてもうれしかったです。 あとで何回も思い出して、幸せな思いになりました。 子どもたちや、保護者のみなさまに、よろしくお伝えください。 私の本を愛してくれた千葉市の子どもたち、ありがとう。 現役のファンの子たちも、ありがとう。
そのあと、近くのこじゃれたカフェに行って、一休みしたり、駅に帰って、千葉そごうをうろついたりしました。 上にある三省堂さんは、シェーラシリーズを全巻そろえていてくださいました。うれしかったですが、もうじき新刊でたら、平積みにしてくださいね〜v あとは香水のワカバで、ブルガリの新作オムニアの香りをチェックしたり。 小さな猫の形のピアスを買ったりもしました。
そごうのそば……っていうか、あそこは駅の構内になってしまうのかしら、広場では、今日はお昼から、ジャズのコンサートがあっていました。 出演者はアマチュアの、市民サークルの方々らしいのですが、人も集まっていて、とてもいい雰囲気の空間になっていました。 千葉市の中心部では、街のあちこちで、歌う人や楽器を弾く人を見かけます。 ふとした場所で、オープンカフェができていたりもします。 大きいのに安らげる、きれいな場所だと思います。 音楽を聴きながら、いろんな人に連絡を取ったりしながら、私は、この街は好きだなあと思っていました。
でも、一歩、中心部を遠ざかると、寂しい景色がそこにあるのもこの街です。 駅前ターミナルから、バスに乗って、仮住まいの我がお部屋に帰る途中、ちょうど、ゴーストタウンのような商店街を通り抜ける形になるのですが、今日もまた暗い気分になりました。 八割から九割くらいの店に、シャッターが降りたままの商店街。 閉ざされたガラスの向こうに見える障子が、ぼろぼろに破れているビル。 二階の窓の外に置かれたサボテンひとはちだけが、生きている家。 方々に描かれたペンキの落書き。 かつて、機能していた時代があると思わせるだけ、悲惨なものを感じさせる景色です。 シャッターが開いている店があると思えば、夜のお店だったり。 バス通りにあるのは、激安、と看板にかかれたお店と、ラブホテル。 どうしてここは、こんな場所になってしまったのでしょう。
不思議なことに、廃墟のような商店街と並んで、そこには団地やアパートやマンションがあります。かつて、商店街が機能していた時代の名残なのかもしれませんが、ラブホテルと団地が並んでいる景色というのは、ビジュアル的になんとも気持ち悪いというか、寒々としたものがあります。
何でこの街は、こうなんだろう…。
かろうじて、私が住む番地のあたりは、廃墟のような商店街からは、若干の距離があり、生気があるのですが。 子どもたちの遊ぶ声が響き、お年寄りたちが楽しげに歩き、自転車でかっとばしている!場所なのですが。 でも、私は、たぶんもう、ここにくることはないだろうなあ…。
とも子さんから贈られた、「楽園の鳥」を手に、かわいい二枚のお皿も抱いて、私は一度、長崎に帰りましょう。 そうして、じわじわと、市川の地に、安住できる場所を探そうと思います。 今日は、市川市の地図を買ってきました。 十一日までの間、市川市のいろんな場所を、歩いてみようと思っています。 実際に歩いてみて、そうして好きな場所を選んでから、不動産やさんにあたってみようかな、と、いまは長期戦の構えに入っているのでした。
大丈夫。 千葉→長崎、長崎→千葉程度の距離なら、数回の行き来ができるほどには、時間もお金も、このさい使っちゃうのです。 慎重に、慎重に。 人を心配させないために、行動したいと思います。
…お友達のみなさん、弟くん、サイトの常連のみなさま、心配させちゃってごめんなさい。もう、大丈夫ですから。
<追伸> 相談しないのは、愚痴らないときは、まだ自分で何とかなると思っているからです。頼りにしていないとか、心を開いていないとか、そういうわけじゃありません。でもいつも、感謝しています。それだけは、わかっていてください〜。
2003年09月06日(土) |
白い羽ばたきが私のあこがれよ♪ |
…という歌詞の歌があります。 種ともこの「瞳の中の少年」。 冒険にあこがれる少年と、それを見つめる少女の歌。
この歌が私にはイメージソングだった、新シェーラ2「旅だちの歌」の見本が、今日めでたく、手元に届きました。 双子の王女様と、ふたりの王子様の冒険の物語。 今回も佐竹さんの絵は、かわいく美しく大迫力です。お楽しみに。 (一般の書店での発売は、九月中旬以降になると思います。小さな書店さんおよび、フォア文庫を入れていないお店では入荷しないこともあります。近くに大規模な書店さんや、児童書専門店、児童書を優遇してくださっている書店さんがないという読者の方は、予約するか、ネット上の書店さんで取り寄せることをおすすめします)。
これが私のたしか、三十五冊目の本だった…と思います。 読者のみなさま、編集者のみなさま、ありがとう。
今日は、ウイークリーマンションの会社の千葉支店に出向き、契約打ち切りの手続きをしてきました。長崎に一度かえる予定のチケットを買っている十一日まで、ホテルに移って、市川の住宅状況を調べたり、いろんな人にあったりします。 で、あいまに千葉観光(笑)。 千葉市っておもしろいですね〜。ほどほどの広さの中に、便利にいろんなお店がそろっている。今日は千葉中央駅から千葉駅に続くアーケード(といっていいのかな?)を歩きました。安いお洋服や、お食事のお店や、雑貨のお店がずっと続いていて、楽しかった。 明日は公園あたりを歩いてみよう。時間があったら千葉神社もみたい。 モノレールも乗らなきゃ。
わかったことがあるのは…。 私は人が集まるにぎやかな場所が好きだということ。 都市が好きで、過疎地は好きじゃないらしいということ。 私が好きで懐かしい千葉は、あくまでも北西部の千葉だったっていうこと。 内陸部の千葉は、おもしろいけど、懐かしい場所ではなかったんですね。 微妙に都市のカラーが違います。北西部はもう少し東京風味。
でも千葉は千葉。 私と同じ言葉で話し、同じ間合いで人を見つめ、同じ歩調で歩く人々がいる場所です。お店で買い物をするときや、人に話しかけるとき、違和感なくその場にとけ込める快感って、本当に、いいものですねえ。 人生全体の長さからみると、ほんの短い間しか住まなかったはずの県なのに、こんなに私という人間のベースになっていたんだなあ。不思議。
アーケードを抜けていく途中、占いのお店がありました。 四柱推命と算命でみてくださるそうで、ひょいっとのぞいてみたら…。 これがあたるあたる(笑)。 いままでみてもらった占い師さんの中で、最強の人の中の一人といえるでしょう。 生年月日だけで、どーして、私の職業と性格と半生が当たるんでしょうか〜!
まあとにかく。 やはり私は、作家をやってて正解で、仕事運と金運は最強で、一生食べるのに困らないけれど、結婚運や家族運はない、と(笑)。 いや別にそれで、いいですけどね〜。
ここに、私が書いた三十五冊の本があって、たしかに私の本を読んでくれている子どもたちがいる。 その記憶の中に、ほんの片隅にでも、私の書いた物語の記憶が残ってくれるのなら、この世にこんな幸福はないと、うっとりと私は思います。 私という人間が、やがて死んで、体が焼かれてしまって、遺伝子が消滅しても、私の本やその出版された痕跡は、長く長く残るでしょう。いつか読まれなくなるその日まで。私の物語の記憶を持つ人がいなくなるその日までは。 私や、私と一緒に本を作ってくださった編集者のみなさんの思いとともに。 本を印刷し、製本し、運び、売り、選書し、書棚に並べてくださったみなさんの思いとともに。
しかし私の運命は、「子ども」と深く縁があるので、ずっと関わっているべきだと、いわれてしまいました。 なるほどね〜。
<追記> MP3プレイヤーRioDR30は大活躍です。 部屋にいるときは、もっぱら、音を消したテレビを見ながら、ヘッドフォンで音楽を聴いています。 私は「音を立てる」ということがとても苦手なので(集合住宅での生活が人生のほとんどを閉めていたせいだろうか…)、スピーカーで音楽なんて、ここじゃとても鳴らせません。家のマンションでも、ごく小さな音で聞いていたくらいいなので。 五十数曲はいったんだったかしら…。それだけ録音できて、こんなに軽くて小さいから、もういうことないですね。 ちなみに私は使っていませんが、スピーカーで音を鳴らす機能も付いています。
あ、千葉にはいるとき、姉妹機のSUを首から提げている人を見た…。 ちょっとだけ、いいな、と思いました。<DRはそれができない
<さらに追記(笑)> DR30には、プリモードで作った、愛猫レニのかわいい写真を貼っております。 …なんて「今風」な童話作家なんでしょう(笑)。 好奇心と新しいことへの興味が、いつも私をひっぱるというか、毎日、新しいことを知りたくて出会いたくて、その連続で私、生きてるからなあ(笑)。
2003年09月05日(金) |
できたてパンと小さな黒い蜂 |
今日は朝が、燃えるゴミの日でした。 はりきって袋に詰めたのに、少ししかなかったので、次のゴミ出しの日に回すことに。 一人暮らしで料理をしないと、ゴミってでないものなんですねえ。
今日はそして、近所の焼きたてパンのお店にゆきましたよ〜。 ソーセージとチーズが柔らかいパンに乗っかった、ピザみたいなパンを食べました。お店の喫茶のスペースで。 で、明日の朝のために、と、小さな丸いパンを少し買ったのですが、そのお店で、店の外にでられなくなっていた小さな黒い蜂を店員さんと一緒に助けました。
最初、パンをもぐもぐしていた私が気づいて、じっとみていたんです。 蜂はガラスのドアをはっているので、いつかドアが開いた弾みで、自力で外にでないかな、と思って。 でも、自動ドアは蜂をとまらせたまま動くので、何回か開いても、蜂は外にでられません。
私は立ち上がり、お店の人に、「あの〜蜂が…」と声をかけました。 私は虫は好きなんですが、実は蜂と蛾はちょっと苦手だし、孤軍奮闘で虫を外に逃がそうとするお客ってあやしい以外の何者でもない、という感じなので、お店の人に相談したのでした。 お店の女性がはえたたきを手に取ったとき、私はげっと思いましたが、だいじょうぶ、それで外に出そうとしてくれただけでした。 その後、いろいろと共同作業が続き。 結局、蜂は外にでたわけです。助かってよかったです。 優しい店員さんでした。 もちろん、パンもとびきりおいしかったです。
今日は、あとは駅前までお買い物に行ったりしました。 で、やはり千葉駅前のあたりのにぎわいはすきだなあと思いました。 うってかわって、いま住んでいるあたりのもより駅と、そして大通りは、ほんとにさびれてゴーストタウンだな、と再確認。 なんだか、あの閉ざされたシャッターの群れや、閉鎖された店舗にかかった鎖をみるたびに、命が削れてゆくような気分になります。 やっぱり私には、この地域はなじめないなあ。
でも、掲示板にも書きましたが、千葉県の風は私の肌には合うようで、ほんと肌荒れがすっきり治ったのにはびっくりでした。 空気もきれいで(ほんとはそんなはずないのに)、呼吸しやすいし。 肩こりもないし。
明日からは、初志貫徹ということで、市川界隈の不動産情報を探してみようと思っています。 いまの場所は、十一月まで契約してたんだけど、それちょっとやめね(笑)。
市川に行ってみて、じわっと資料を集めて、現地の不動産やさんのお話を聞いて、いろいろ考えてみようと思っています。
昨日は、お友達のとも子さんが、お菓子と植物とかわいいお皿を持って、遊びに来てくださいました。貴重な夏休みの一日を削って、遠出してくださったので、申し訳なかったです。
でも、もう、「申し訳ない」とかそういう遠慮をするレベルじゃなく、私は、もろもろの悩みやらなにやらで、へろへろになっていたので、どんなにうれしかったかしれやしませんです。
加藤由子の猫の本に、「子猫は一匹だと冒険ができないが、兄弟が数匹いると、一緒に足をのばす勇気がでる」と書いてありましたが、借りてきた猫モードに入っていた私も、とも子さんなしだと、道一本わたる勇気と気合いがでてこなかったですね。
道一本わたると、そこは生活のにおいがする世界だったんですが。
人間の性格傾向を、「強い」「弱い」で分けるとすると、私はたぶん、どっちかというと「強い」方で、常にポジティブシンキング♪な人なんですが、今回みたいに、「考えて計画したはずが、あてがはずれた」とか、「自分自身の理性と感情のそりが合わない」みたいな場面には弱いですね。
とも子さんは優しいだけでなく、怜悧で聡明な人なので、昨日は半日、冒険したりお食事したりお茶したりしながら、いろんなアドバイスをしてくださいました。 楽しかったし、自分を客観視するために、すごくよいきっかけになりました。 千葉にでてこなかったら、あんなふうに長時間、彼女とお話しする時間もないわけだったので、そのことだけでも、ここにきてよかったな、と思いました。 ありがとうございました、とも子さん。
いただいた植物は、楽園の鳥という名前の緑色の葉で、彼女の家で私の家にいくように、と育てられていた葉っぱだそうです。 いま、日当たりのよい、窓の大きな私のお部屋で、レースのカーテン越しの日を浴びて、気持ちよさそうにたたずんでいます。 近所の百円ショップで、小さなござと花台を買って、黒い馬のぬいぐるみもかって、インテリア雑誌の写真のようにかわいく飾っております。 (そして、馬と植木鉢のそばには、夏さんのアドバイスで置いた、魔よけのお酒が…。これはもうどけないとなあ)。
そうそう、昨日はとも子さんを駅まで送ったあと、帰りのバスを降りるとき、ちょっと冒険心を出して違うところで降りたら、道に迷って(笑)、あたりは薄暗くなっていくわ、人通りはなくなってくるわ、で、どきどきしましたね。
そのあと、部屋に帰り着いたら、NHKの集金のおじいさんがちょうど訪ねてきて、会話しているうちに、なぜか気に入られてしまって、いろいろ地域情報を教えてもらったりしてしまいました。 いまにも落雷がありそうな夜空を見上げながらの会話だったんですが、楽しかったです。おじいさんも楽しそうでした。
ところで、現時点で見えてきたことを、自分の頭をまとめるためにもかいておきますが、やっぱり私が家を出た方がいいのは事実のようです。 一人でいられる空間と、静かな場所は、私には必要です。 どこに住むにしろ、自分の居場所を確保しなくてはと思いました。
で、住むには、この場所はやはり、ちょっと東京には遠いかなあ? 市川あたりまでが、限界なような気がします。 あるいは、関東にはまめに通うことを前提に、長崎市で安い中古の物件を、事務所として準備できるように考えてみるかでしょうね。
どっちにしろ、自分が住みたい街の雰囲気が、今度のことではっきりみえてきたところがあるので、その線は崩さないようにしようと思います。
そういえば、母や弟とのメールや電話でのやりとりが、以前にもまして活発になりました。家族のつながりは、離れた方が強く意識されるのかもしれません。 今朝の電話によると、朝が遅かった母が早起きになって、ウオーキングも始めたらしいので、自立が進んでいるようです。よきかなよきかな。 私が一緒の時は、何もかも私がやってあげていましたからね〜。
一方、私の方は、といえば…。 作ってあげる相手がいないので、料理を作る気力がなくなってしまいました。 コンロが新品だから、使うと汚しそうだということもあります。 いい機会なので、お昼に重めの外食をとって、夜はお米を食べないという、ダイエットに良さそうな食事習慣に変えてしまおうかと思っています。 それだとゴミもでないしなー。ゴミの分別は好きだし、さっそく千葉県指定のゴミ袋も用意して、ゴミ出しの日もチェックしましたけれど、でないにこしたことはないし。
今朝、初めて、このへん在住の猫をみました。 茶と黒のまじった、不思議ながらの猫さんでした。半のらなのか、思い切り警戒した目でこちらをみて、さってゆきました。
明日は、焼きたてパンのお店にいってみようっと。
掲示板にも書きましたが、今日やっと入居したウイークリーマンションさんの場所の選択に誤算がありまして。
部屋はよくても〜。 建物も感じよくても〜。
地図でみると、ひらけてて人口がありそうな地だったはずが! …現時点では、商店街はシャッターが閉まったゴーストタウンですよ(笑)。
近場で買い物を済ませるつもりだった私のもくろみやいかに?
とかいって。 落ち込みからすぐに復活するのが特技の私。 ネットでとりあえず近場のバス停の情報を検索。 ああよかった。バス停は近くにあったよ(涙)。
これでなんとか、買い物は千葉駅を起点としてあちこち回れるでしょう。 そのうち、近くの人たちがどこをどう利用しているか見えてくるでしょうし。 (商店街はゴーストタウンですが、住宅地で人口はやたら多いんです。子どもと老人が、あたりをいっぱい歩いてるし。これだけの人口をささえる店が、ぜったい、近場にもあるはずだ)。
こないだから思ってるんですが、なんか、今度のことは、ロープレで、「新しい街」を目指したり、たどり着いたりする時の前後と気分がにてるな、と。 先に何があるかわからないけど、あっちに何かあるはずだから進んでみよう、とか。そろそろ回復ポイントがあるはずだ、とか。
あ。そのうちに、さっきみつけた天然温泉にいこうっと♪ 回復するぞ〜!
教訓。 「不動産の選択は、自分の目で見て選べ」と、よくいわれますが… 「仮住まいのウイークリーマンションの場合にもそれはいえる」
もひとつ思ったこと。 やっぱり、千葉でも、もう少し東京よりのところじゃないと、ちょっと不便だ。 とりあえず、秋まではここを起点に暮らすけれど、いまの街は、長く住むには向かないところみたいな気がする…。 高くても、千葉駅近辺に行くか、やはり初心貫徹で市川にいかなきゃだ。
それかいっそ、長崎市で根性で児童文学の私塾をやって、そっちを起点に、しょっちゅう関東にでてくるか、だなあ。 そしたら、母親もさみしがらないですむだろうし。
私はお金には困っていないけれど、けっしてお金持ちレベルの人ではないので、びみょーな感じで、今後の選択に迷ってしまいます。
いま、夕暮れ時の千葉駅前のホテルの窓から眺める空は曇り空。 けぶって、白に少し墨を流したような不思議な色をしています。
今日は赤口で日も悪いし、疲れたしで、本日の新居への入居はあきらめ、ホテルでくつろいで、あちこちに連絡を取ったりしています。
九月一日は防災の日でもあるのですが、我が母の誕生日でもあるので、先ほど、花キューピッド加盟店のお花やさんを捜して駅前をさすらい、アレンジメントなど贈ってきました。 母は、今日は弟一家と一日一緒に過ごすようですね。 お昼は一食1600円のカレーを食べたらしい…。 いいなあ。
昨日の日曜日は、昼から、同人誌季節風ファンタジー研究会の会合だったんでした。一次会の作品研究も盛り上がり、楽しかったんですが、二次会三次会と場を移してまた盛り上がりました。 文学からサブカルチャー、テレビドラマに平和運動や政治の話まで娯楽としてできるという、不思議な研究会です(笑)。<でも一応児童文学系なのだ
でまあ、昨日はばりばりに「母をおいてきたこと」への罪悪感のどつぼにいたので、私はそのへんも愚痴ったり会話のネタにしたりしたんですが…。
ほんと、悩むのは、依存共依存と愛情の境目はどのへんにあるのだろうとか、そんなことで。 理性と感情が自分の中でそりが合わないときは、どうしたらいいんだろうかとか。
まあそんな話などをしつつ、みんなからいわれたのは、 「別居は村山にも母にも、いろんな意味でいいきっかけになるんじゃないか」ということと、「村山はもっと、自分自身の幸せを追求していいんじゃないか」ということでした。 そして結論は、「千葉に別荘を買って、長崎と行き来すればいいんだ!」
ま、がんばってみましょうか(笑)。
とりあえず、長崎をでてから、頭痛も肩こりもきれいになくなってしまったし。 体はこっちに住むことが正しいと訴えているんでしょうね…。
さて。晩ご飯でも食べにいこうかな?
あさっては、とも子さんとお買い物デートの予定です♪
☆それにしても、背中に銛が刺さったいるか、救助されてよかったですね。
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