2002年10月30日(水) |
タカアシガニの恐怖とマリリン4 |
さっき(夜10時過ぎ)、微妙に頭痛の兆しがあったので、「これはとにかく血糖値を上げなくては」と、甘いものをさがしたら、チョコがありました。 <ChokoQ animatales 発売記念限定版> 日本の動物とペット動物の特別セットにオマケ+1、というキットですね。 前に買っていて、中味をあけていなかったのでした。
箱を見ると、雀やらオカメインコやら、かわいげなものたちの写真が飾ってあるじゃないですか。 よし、血糖値を上げるついでに、あけちゃえ、と、一つの卵を割りました。 組み立てる時間はちょっとロスだけど、仕事の合間の気分転換にはいいかな? あんまり時間とられるのは困るけど、まあチョコエッグじゃないチョコQのおまけくらいのことなら。
かつてのチョコエッグに比べると、ミルクチョコなのかな、柔らかい味。 もぐもぐしながら、問題の中味の卵をあけると…。
マジで背中に、おぞぞっとしたものが走りました。 なぜって、大量の赤と白の小さな足が、手のひらに流れ出したからです。
「な、なにこれ? ざりがに?」 中に入っていた解説の紙を見ると…。 <155タカアシガニ 十脚目クモガニ科> うわあああああん(涙)。
いや別に、生きて動いているかには好きですよ。 でも、なんだか、このサイズになっていると…妙に不気味で。 そして、恐ろしいことに、このタカアシガニ、オマケのくせに、パーツの数がだてじゃありません! 脚の数8本、はさみが2本、それに胴体ときたもんだ! おまけに脚の一本一本が、形も塗装も似ていたりするんだ! こ、この仕事が忙しい時に、一分一秒でも惜しい時に、こんなものがあたるなんて…。
でも、とにかく組み立てないと、それはそれで気持ち悪いですから。 作りましたよ、タカアシガニ。 いまも、これを書いているThinkPadさんの左隣にあります。 はっきりいって…リアルすぎて、気持ち悪いです(^^;) …わたしは雀がほしかった(涙)。パーツがたぶん四個くらいで、愛らしい雀。
蟹といえば、巨大殺人蟹なんて妙なものがでてくる「魔法少女マリリン4〜妖精の森へ」の見本が手元に届きました。ありがとうございます、担当Tさん。 表紙の絵の、きっと前方を見据えるマリリンのまなざしが鋭いのもすてきなんですが、裏表紙の、マリリン母と愛虎トラジャの後ろ姿のカットが、いいんです。 このカットが、今回の本の深いところを語っているような気がします。 (あ、佐竹さんにお礼の電話をかけなければ…)。 中のカットも挿絵もよかったですよ〜。 大体、11月のはじめくらいには、全国の書店に並ぶと思います。 TRCのベルという推薦に入れていただけたので、大きな図書館には入るんじゃないかな、と思います。
著書たしか31冊目のこの本は、長い長いおつきあいの教育画劇の編集者(当時)のHさん、そして新しく担当編集者になってくださったTさんとの思い出の本になりました。美しく、ずっしりと重たい本です。 迷いながら、でも、まっすぐに自分の道を突き進む、マリリン・マリルーンの冒険を、彼女との再会を楽しみにしていたみなさんに、どうぞ、と、いま、笑顔で差し出したい気分のわたしたちです。
2002年10月29日(火) |
ひきつづきひきつづき執筆中 |
あと少しで、クライマックスが終わり〜。 エンディングをどんなふうにしようかと思案中です。 まじめな奴だと思っていた主人公臨くんが、意外ととぼけたキャラだったと判明。 これだから、小説を書くのは面白い。性格を設定していても、いざ書いてみると、思わぬことを語り出したりするから。
テレビドラマの「アルジャーノンに花束を」を、仕事しながら、初めて見ました。 シナリオが「ちゅらさん」の岡田恵和だというので、以前から見たかったんだけど、今夜までは見るだけの時間と心の余裕がなくて。 …面白いじゃないですか。 最後の方の「ぼくは馬鹿だったから…」というあたりのせりふには胸を突かれました。それと、「すばらしい」というせりふの繰り返し方使い方がうまいなあと。 しかし、SFというよりも、難病ものというか、純愛ものというか…。 ふしぎなジャンルの話ですねえ、このドラマ。 ふと思い出すのは、数年前にTBSで放映されていた「聖者の行進」(シナリオ野島伸司)だったり。脳内に流れるのは中島みゆきの「糸」だったり。
どうなるんでしょうねえ、このドラマ。 天才になってまた元に戻る主人公が、元の家族に迎え入れられて、ハッピーエンドなのかなあ? それ以外に、ハッピーエンドにするきれいな方法はなさそうだし。 野島伸司なら、このあとものすごい展開と崩壊が待っているんでしょうけれど(^^;) 書いているのは、あの「ちゅらさん」の岡田さんだから。
若手のシナリオライターの活躍を見ていると、胸がときめいて、「自分もがんばろう」と思うのは、わたしが学生時代、シナリオライター志望だったからなのだと思います。もちろん、作家志望というのは小さいころからの夢で、いつかはかなえるつもりだったんですけれど、学生時代の希望としては、「若いころはシナリオライターで、テレビで連続ドラマを書いて、年取ってから作家になるの」というつもりだったわけで…。 でも、気がつくと、二十代で作家になってしまっていたんですが。 だけどね。いまも、心の底では、わたしはシナリオライターの卵のままで、そんな目で、テレビドラマを見続けているのです。
そうそう。「アルジャーノン」で、さらに思い出すのは。 昔々、「スペクトルマン」(という特撮ヒーローものがあったのです)で、この「アルジャーノンに花束を」を下敷きにしたとおぼしき話があったこと。 いまでもおぼえてるんですが、スペクトルマンでは、アルジャーノンは、マウスではなく、真っ黒くかわいいスコッチテリアでした(当時、はやりの犬種だったのかもしれません)。天才科学者は、テリアくんで天才化の実験を行うのですが、なぜか凶暴になってしまうという副作用があることがわかってガクゼンとするのです。なぜって、彼は、自分にも同じ実験をしていたからです。 で。ラストはおぼえていないんです…。 科学者さんが怪獣になって町を破壊したあたりまでは、うろえぼえでおぼえてるんですが、そのあと…彼はどうなったんだろう? やっぱり、スペクトルマンに倒されちゃったのかなあ。かわいそうに。 子供心に、とても怖い話だったので、いまも忘れられません。 「アルジャーノン」の原作よりも、ある意味、インパクトありました…。
そういえば、「海のトリトン」に、ブラッドベリの「霧笛」が元になった話があって、それもやたらかわいそうな話だったのをおぼえています…。
SFネタで続けると(笑)。 結局、新井素子の新作、「ハッピーバースデイ」を、昨夜つるつるっと読んじゃったのです。ページをめくる手を止めないあたり、さすが、新井素子。 でも、ちょっと思ったんですけど、これ、三人称で書くよりも、章ごとに視点を変えた、一人称で書いた方が読みやすかったんじゃないかなあ、と。微妙に感情移入しにくかったので。 しかし、皮膚感覚の「嫌な感じ」を書くのがうまい人だなあと思いました。 でも、本音を言うと…昔のもとちゃんにもどってほしい(涙)。 火星の探偵社のシリーズや、あかねマンションの話が読みたいです…。 ていうか、ファンタジーブームのいまだからこそ、ディミダ姫の話の続きとかが読みたい気がするんですけれども。
仏蘭西の高級化粧品シスレーのシスレイヤ(老化対策用クリーム)のクリスマスキット(といっていいのかな? 11月にでるの)を、予約してしまいました。 わたしには贅沢だなあと思いつつも、雑誌についていたサンプルが、あまりによかったので、ちょいと買ってみようかな、と。 まあ、このお化粧品代くらい、いずれネタにしてお話書いて、元は取ります♪
今日の香りは、午前中は、ミッシェル・クランのアンソムニーO2。 夜は、レクトバーソのロリポップ・トフィです。ロリポップ・トフィは、ほんとにコーヒーとチョコ風味のキャンディみたいな匂いで、あまあい、です。
今日も元気にお仕事中。 クライマックスとたちまわりは、書いていて本当に楽しい。 しかし、第一話200枚くらいいきそうということは…このあとも、「黄金流砂」は、毎回200枚前後書かなくてはならないのか…。体力いりそう。
仕事の合間に、先日エスティで購入した、ピーチフィズという色名の、パールが入ったクリアな杏色のネイルをぬりぬり。ふと思いついて、爪の先の半分に、去年買ったブドワールの限定ネイル(同じく杏色だけど、金粉入りで、もっと黄色みが強い)を重ねて、さらに、銀色のラメ(化粧惑星の)を、まばらに全部の指にちょっとずつおいたら…。 なんだか、朝焼けの空に光る星々の群れ、みたいになってとてもきれい。 我ながら気に入ったので、年末東京に行く時は、この爪でいこうと決意。
昨夜は、「コスメの魔法」9巻(あいかわももこ・講談社コミックス・キス)を読んでいて、感動してしまったり。 無敵な美女の美容部員さんが、お客様のトラウマを化粧によって解決してしまう、というすごいストーリーなんですが、これが深いお話で。 つまり、女性にとって、メイクすることというのは、自分で前向きに自分を変えて、運命に立ち向かおうとする姿である、と、このマンガは定義しているわけですね。もうほとんど、生きること=メイク=美しくなることである、と。 無敵な美容部員さんは、いいます。「キレイを怠けるのは犯罪なのです」 なるほど〜。 そして彼女は今日も、トラウマとコンプレックスに悩む女性たちの魂を救うのです。
化粧品というものには、もちろんいろいろと問題があります。 肌が不自然なものを受け付けない人もいるし、メイクするということに、不自然さや虚飾を感じる人もいるでしょう。 だから、すべての人にメイクするべきだ、とはわたしはいわないのですけれど、自分の経験からいって、このマンガは説得力ありました。
お化粧の勉強をしよう、お肌を手入れしよう、と、思い始めるまでは、わたしは自分の顔を見るのが嫌でした。写真も嫌いだった。 突き詰めると、前にも日記に書いたように、自分自身が嫌いで、そんな自分に向かい合うことが嫌だったのだろうと思います。 でもまああれこれあって、自分を愛せるように努力しよう、少し肩の力を抜こう、と、思えるようになってから。鏡を見るのが好きになりました。 っていうか、鏡見ないと、お手入れできませんしね(笑)。 そうして、ほんのわずかな期間のお手入れと勉強で、わたしの肌はずいぶんきれいになり、ファンデの色も昔使っていたものが合わなくなってしまいました。 昔は色黒かったのに、いまは資生堂のスケールでいうピンクオークル10です。 カウンターにいくと、美容部員さんが白いファンデを出してきます。
しかし、このマンガって、一種の職人ものみたいなジャンルになるんでしょうね。 少年マンガに多いあれです。 一流の料理人さんが、料理を作ることによって、崩壊しつつあった家庭を救ったり、一流のお医者さんが、ばばっと手術を行うことによって誰かを救ったり。一流の獣医さんが患畜を救うことによって、飼い主の抱えていた問題を救ったり(「獣医ドリトル」ですね)。 児童文学作家で、このジャンルは無理だろうか、と、一瞬考えましたが、料理シーンや手術シーンならともかく、毎回、童話執筆&その童話(話中話)のストーリーも考えるのかと思ったら、めんどうになって考えるのをやめちゃいました。
今日の香りは、ランコムのドゥミル・ローズ。 青い涙の雫みたいな形をした、甘いバラの香りの香水です。 本物のバラの香りから、青臭さととがった感じを取り去ったような、夢のようなバラの香りなのです。 ああ、もちろん、わたしは本物のバラの香も好きなのですけれど。
頭痛で進行が遅れていた「黄金流砂」(仮)、140枚目まできました。 締め切りのびたし、枚数ものばしていいというので、どんどん書いていますが、非常に楽しい。 しかしなんだかだんだん、サンリオSF文庫みたいなノリになってきたんだけど、いいんだろうか? …いいということにしておこう(断言)。 しゃべる猫のアルファがひたすらかわいいです。ちなみにモデルは、うちのりや。
今日は、金魚の水槽の苔取りを少しして、濾過器の掃除をして、白ベタの水槽の水換えと掃除をしました。ああ、すっきり。 自分の部屋の掃除もしたいんだけど、さすがにいまはそこまでの時間がなく。 60センチ水槽や45センチ水槽と、5.5畳じゃ規模が違う…。
通販でたのんでいたサムタイムス・イン・ザ・モーニングが届いたんだけれど、ドゥミルローズつけてるので、試香ができないのがちょっと残念…。 今夜のお風呂上がりかな? 箱がお菓子の箱みたいで、かわいいです。
今日はこれから、早めの夕食をとりにお外に行って、帰ってきてからまた仕事です。あ、本屋さんで「美的」買わなきゃ♪
昨夜というか、今朝方は、仕事がはかどったもので、いい気になって明るくなるまで小説書いていたら、頭痛で目覚めてしまいました…。 ひさびさのすごい頭痛。左上半分の脳の血管が、脈打つ感じ。 とりあえず、漢方薬飲んで、鎮痛剤も飲んで、ついでに「少年サンデー」買いにコンビニに散歩に行って有酸素運動、コーヒー飲んでカフェイン摂取、水分も摂取と、いろいろしたのに治らない。
で、わたしの場合は、大体頭痛は、首の後を暖めると治るので、さっきお風呂に入ってきました。<これって、もちろん、高血圧の人にはお勧めできませんが!
イグニスのハーバルリキッド5000円也(洗顔&マッサージ用の液体)で、この際顔だけじゃなく、首と肩をマッサージしちゃったわ。血行がよくなるように。 いまはだいぶいいです…。 でも、この頭痛がのくまでは、今夜はさすがに仕事ができないですね。 困ったなあ。
今朝は、いっしょに寝ている猫たちに、布団の上掛けをとられちゃったので(下の方に向かって、ひっぱられちゃったのです)、首と肩が冷えたまま爆睡したんですよね。それがいけなかったんだなあ。
晩ご飯のレトルトカレーを食べて、また頭痛薬飲んで、紅茶でもたっぷり飲んで。 頭痛が収まるのを待つことにしましょう…。
2002年10月23日(水) |
昨日の日記の追記というか |
母親との関係のことで(苦笑)。
あの母との会話って、けっこう唐突に入ってきて、唐突に終わってますよね? で、あそこだけ読むと、すごくわたしはやな奴で、読みようによっては、主婦の人に失礼に読めるせりふになっているので、読み返して、「ああこれはいけない」と、アップしたあと、微妙に日記に手を入れたわけですが…。 でも、最初にアップしたぶんをお読みになった人には、不愉快だった人もいるんじゃないかなあと思います。すみません。
で、あの会話のところ、いまでもやっぱり、ぎくしゃくしているので、削除した方が早いのかなあとも思うんですが、それよりネタにして日記を書いた方が、わたしとしてはまっとうな感じがするので…ううむ、身内の話は書くの、けっこう辛いんだけど、書いちゃいます。 そしたら、あの会話がなぜあそこに入ってきたのかの説明になると思うので。
前から思ってたことなんですが、たぶん、わたしがしている仕事の「価値」は、母にはわからないんだろうな、と。 まっとうな仕事をしているとは、きっと、思ってくれてないです…。 なんかそういう予感はしてたんですが、実は今回、お化粧がらみで、ちょっと「ああやっぱり〜」というやりとりがありまして。 わたしがアルビオン化粧品を使っていると知った母の第一声が、「えっ、あなた、アルビオンを使ってるの? それは、○○さんが使っている化粧品よ」だったので…。 ちなみに、○○さんは、母のお花のお弟子さんで、イベント関係の会社の女社長さんです。若くて美人で、外車に乗ってます。
しくしくしく(涙)。 だから。おかーさん、わたしはそれは、彼女ほどは収入はないですよ。 でも、働いてるんだから、アルビオンでも、イグニスくらいだったら、ラインでそろえて使えるのよ(さすがにエクス・ヴィは無理だと思うけど・涙)。 「社会人」なのよ、わたしは。「働く女」なのよう。 いまの仕事は、「遊び」や「趣味」じゃないのよう。
うちの家系は、父方は活字や芸術関係大好きなんですが、母方はそっち系は疎い方です。たとえば、亡き父は、新聞やチラシが床においてあっても怒る人でした。 「活字が書いてあるものは大事にしなくてはいけない」といって。 一方母は、新聞雑誌は、鍋の下に敷くものだと思ってると思う…。 父は、作家志望の人だったので、わたしのことを認めてくれましたが(死ぬ前には、「おまえのことは何も心配していないから」といってくれてた)、母はたぶん…わたしの仕事の意味を、わかってくれていない。 朝まで働いてても、あそんでるとしかおもってないんだろうな、と。 仕事が大変だといっても、話半分にしか聞いていないんだなあ、と。
母にとっての「仕事」というのは、商売とか、医療とか政治とか、なにかそういう、昔からある、「いかにも」な仕事のことなんだろうと思います。 たぶん、いつかやってくる母との永遠の別れの日まで、いやその日がきても、母はわたしの仕事が「仕事」だとはわかってくれないんだろうなあ…。 わたしが「社会人」やってるとは、「働いてる」とは思わないんだろうなあ。 わたしは自分がしている「仕事」を誇りに思っているし、よく「働いてる」方だと、自分では思っているんですが…。
まあ、なんか、そのへんの鬱屈が昨夜の日記にはでてしまったのです。 すっぽぬけちゃったというか。
ところで、自分の仕事の価値や大変さを身内や友達がわかってくれない、と、なげく同業者は多いです。友人もこないだちらっとそんなことをいっていたし、先輩作家たちのエッセイ集を読んでいても、かならずのようにその手のネタはでてくる。 児童文学作家って、けっこう孤独なものなのかもしれません…。
ちょっと気分が煮詰まってきたので、お化粧品を見に街に行きました。 何を見に行くかは、すでに家で、カタログなどなどをながめて決めています。 アルビオンのイグニスの、美容液やらパックやらを購入。 エクス・ヴィの2万円の美容液は、今日は見送り。また今度。 クリスマスに、自分にご褒美に買おうかしら? 6万円のクリームは…いくらなんでも、買いません(^^;) リピートできないような価格のものを買ってどうする、という。
また別の店で、資生堂のクレド・ポーのファンデをちょっと見せてもらったり。 …いい品物なんだろうなあ、とは思うけど、価格もすてき。 でもまあ、ファンデは長く使えるし、いつかは買うかもしれません。 わたしは、どうも、お化粧が崩れやすいんです。毛穴も目立つし。 いまは、下地を工夫したあとに、石澤研究所のリキッドファンデと固形ファンデの重ね塗りに、いろんな会社のお粉をぱたぱた、という感じでのりきってますが、クレドのファンデがうわさ通りいいものならば、使ってみたい…。 (石澤とクレド・ポーじゃ、価格差がものすごいですけれど、石澤研究所、好きなんですもの。なんだか楽しいものいろいろあって)。
で、今夜、買ってきたものをテーブルの上にならべていたら、母親がやってきて、「これはちょっと、わたしみたいな普通の主婦にはかえないわねえ」と、びみょーに皮肉混じりにいうので、 「いやこれは、働く女性向けのものだと思うから…」と答えたのでした。 (価格帯が、というよりも、コンセプトの話です。なんていうか、イグニスとかアユーラとかは、「現代の働く女性向け」を前面に押し出している気が…。一方でクレド・ポーあたりは、上流階級の奥様&お金持ちが対象な気がする)。 ちなみにうちの母は、オイデルミン使ってる人なんだから、わたしが少々美容液買ったくらいで文句いわなくなっていいのにと思うぞ。ぶつぶつ。 <追記>この辺の会話のやりとりについて、翌日の日記で解説あり(苦笑)。
作家は営業も自分でやってるようなものなので、大人の女性がやってるようなことはできていないとなあ、と思うのです。 だからわたしは、お化粧をする。お化粧の練習をするのです。年に数回やってくるきちんとしたかっこうをする時に(営業の時に!)、洋服やその場の雰囲気にマッチしたメイクがきちんとできるように。 そしてわたしは、著作だけで、社会人レベルの収入を得ているので、ある程度はこういうことにお金を使っても大丈夫ではあるので。 …ていうか、いい大人は、お化粧品にお金使うべきなんじゃないかという気もしていて。
クレド・ポーで全部そろえようとは思わないけれど、自分が気持ちいいお化粧品を選んでかためるくらいのことは、贅沢じゃなくしてもいいかな、と。 人に見せるための化粧じゃなく、自分の楽しみと研究のために、ね。
さっき、お風呂でパックして、湯上がりに入念にお手入れしたわたしのお顔は、しっとりもちもちしております。 …なんか、いままでかまってあげなかったぶん、顔が喜んでる気がする(^^;)
<追記> 最初にアップしたのが言葉足らずだったので、改変してます。 どーも母親がらみのネタになると、書きづらい…。 母娘関係は、難しいですなあ。
…なんていうか、お仕事中は、ほんと話題がなくなってしまうので。 つまんない日記ですみません。
快調にかけています。ポプラの新シリーズ第一巻。 今日は朝から、ポプラ社Nさんと今後のことなどについて、ちょっと打ち合わせ。 わたしはいま、主人公たちの感情と設定に影響されて、めちゃくちゃ孤独になっているので、かまってもらえて嬉しかったです。 なんだかこの、物語を書いている時の気分の伝染はどうにかならないものかと毎回思います…。けっこう辛いんですよ、これが。
作品のでき自体には、満足しているんですが、早く担当さんに見せたいって、わくわくしてるんですが、それと違う部分で、主人公の少年たちと同調した気持ちが、なんとも気がめいっちゃってる…。もう辛いよう、って。
はあ。 でもとにかく、今夜もあとしばらく働きます…。 ああ、早く、明るいシーンを描きたい(涙)。 ていうか、明るいシーンに移行してからが、本当のこの物語の始まりなんだから。
でもその前に、パソコンが加熱してきたから、人間はシャワーでも浴びて、お顔のお手入れでもしてきましょうか…。ふう。
2002年10月20日(日) |
男子アナ天国とかファンレターとか |
☆今日は、夜、弟が地元であるイベントにでていた…というか、主役の一人をしていたので、見に行きました。「トーキングセッション#1 男子アナ天国」。
彼は、NBC長崎放送のアナウンサーなのですが、先輩アナである林田繁和氏とともに、コントの夕べみたいなものをやったわけですね。 なかなか盛況で、面白いイベントだったのですが、笑いのイベントだと思っていたら、ひとつ、演劇仕立て(朗読仕立てというのか? 二人芝居みたいな)のコントがあって、すれちがう恋人たちの話だったんですが、それに泣かされて…。 あーったく、弟の書いた脚本に泣かされるとは口惜しい(^^;) 真っ暗な客席で、べそべそ泣いていたら、そのあとライトがついて、もうパンダになってるんじゃないかとはずかしいったら…。ボディショップの赤茶色っぽい色の(色名忘れた)マスカラが〜。ウオータープルーフかどうか忘れたもので、はらはらしましたよ。 「男子アナ天国」は、またあるかもしれないそうなので、長崎にお近い方は、次にはぜひお越しください。なかなかよかったですよ。
☆「シェーラひめ」シリーズに、あるお母さんとお子さんからのファンレターをいただきました。お母さんの読み聞かせで、シェーラたちとの旅を10巻分、続けてくださったそうです。その楽しかった気持ちがいっぱいにこもった感想文(お子さんのイラスト付き!)で、わたしもたのしくなりました。 こういうお手紙をいただくと、ほんと、生き返るんです。 元気とやる気がもりもりでてくるという。
読んでくれる人がいて、面白いといってくれる人たちがいて。 そしてはじめて、作品は完成するのかもしれません。
☆今日の香りは、ブルガリ・プール・オム 木の香りがするのは、ローズウッドが使ってあるせいらしい。 イベント会場に行ったので、ごく控えめにつけました。この香水自体、控えめな香りなのですけどね。
引き続き、原稿執筆中。ポプラ社の臨くん第一巻。 いま児童書は、ファンタジーものの比重が多くなっているのだけれど、そんな中、「男の子向け冒険もの近未来SF」というのは、珍しくていいような気がする。 主人公の臨くんが見ている世界が、はっきりとわたしの目にも見えているのだけれど、いま、地平線を見ている臨くんといっしょに、まだ彼の知らない世界をこれから旅していくことが、とても楽しみだったりする。 一巻は、あと、50枚くらい? かな? 臨くんがメインキャラ複数とであって、少し別れもあって、世界についての新しい情報を手に入れて、最後に大きな出会いがあって次回へ続く、となるかな?
「みかん絵日記特別編1.2」をなんとなく買ってきて読んだら、泣けてしまって、せっかく塗った夜用の高級クリームがはげてしまった…。 そう、オレンジ色のしゃべる猫さんのお話ですね。 ペルシャ猫の捨て猫の話がかわいそうで、できるなら、マンガの中に入っていって、わたしが、助けてあげたかった…。 「みかん絵日記」は、本編は読んでないのですが(アニメは見てました)、これを機に集めちゃおうかしら? でもきっと泣けて仕事にならないんだろうな…。
泣ける、とは違うけど、「満月をさがして2」も、心にささるせりふが多くて。歌(自分が生み出すもの)によって自己表現するということによって、思わぬ深さまで、自分の内実がさらされてしまうことへのためらいを一言で語るせりふあたり、うまいなーと思いました。 この話が今後、どんな風になっていくか、楽しみです。
わたしもがんばって、面白い話を書かないとなー。 今日は一日、ランコムのポエムをつけながら、原稿書いてました。
引き続き書いてます。 締め切りがのびた(と、理解してるけど、それでいいんですよね、Nさん)ので、少しゆっくりめのペースで、大事に書いています。 でも、魂がこっちに注がれているので、ネット関係はやや自粛中。
今度の作品も、子どもたちに愛される本になりますように。 傷ついた子ども、泣いている子どもの慰めになる本になりますように。
2002年10月15日(火) |
お化粧とか臨くんとか |
前述の通り、胃の不調のせいで肌が荒れていたので、ここ数日、試供品でもらっていたアルビオン化粧品のイグニスを使っていました。アルビオンの美容部員さんに、「肌荒れのときにどうぞ」と勧められていたので。 化粧水、乳液、美容液です。
するとこれが、いいんですね。やはり。 漢方薬みたいなハーブの香りもいい感じだし。たしかに荒れは収まる。 ううう。でも、化粧水一本八千円…。 貧乏作家には、正直、痛い…。
ちょっと悩みましたが、「基礎化粧品関係にはお金を使おう。もう若くないんだし。そのかわり、色物やネイルは安いのをつかっちゃおう」ということで、とりあえず、化粧水×2,乳液、オイルクレンジング、と買ってみました。 オイルクレンジングは、いま使っている石澤研究所のがそろそろ切れるので、使い比べてみようかと思って。石澤のは、オレンジの香りで大好きなんですけどね。危なげなものは入っていないし。 問題は、美容液。二万円のエクス・ヴィの美容液に、ちょっと惹かれる…。
お化粧は、わたしにとって、どこか、ペットの飼育と似ています。 わたしのお肌は、いままで放し飼いになっていた、外飼いの猫と同じなのです。 「いままでかまってあげなくて、ごめんね。反省したから、これからはかわいがってあげる。おいしいものもあげるし、手間暇かけてなでてあげようね」 ってことで、お顔に美容液を与え、マッサージをし、 「おうちも用意してあげましょう」と、 化粧品用の収納ケースを買いましたとさ。
で、お顔を養うかわりに、今日も働きました。 ひきつづき、臨くんの話の続きです。 今日は、とある手紙のシーンを書きました。 例によって、自分も書きながら泣いてしまうのでした…。
ポプラのNさん、覚悟して読んでね。あなたまた、きっと、泣きますよ(笑)。
今日は朝から、通販のお化粧品が届いて、ちょっと自分の顔で遊んだりしました。 色つきのマスカラが好きなのです。今日届いたのは、灰色のと緑色の。 雪色のアイシャドウとあわせて使うと、ぼうっとしたふしぎな表情になります。 わたしには、年に一度、おめかしをする機会がありまして−−そう、ポプラ社のクリスマス会なんですけれど、そのときのメイクをぼちぼち考えていたり。
あ、でも、ここ数日、胃が痛かったら、てきめん、口のまわりににきびができて、閉口しました…。このごろ、お肌の調子がよかったのに。最悪です。
あとは、仕事したり、メール書いたりして。 夜は、家族が用事で外にでていたので、ひとりで回転寿司を食べにいきました。 サーモンに薄切りタマネギでマヨネーズちょっとかけたのが大好きです。 いろいろ食べて、プリンでしめて、帰りに本屋さんで、本を買って帰りました。 夜に商店街を一人で歩いていると、今更ながら、「わたしって大人なのね」とかふいに思ったりして。 そうそう、秋物のお寝間着も一枚買いました。
買った本は、「都市伝説」(都伝研究所・コスミックインターナショナル) 「プリティフェイス1」(叶恭弘・集英社) 「ビッグコミック10月25日号」 「嶋田ちあきアイメイクの掟」
「都市伝説」は、造本がぺらぺら〜っとしてるのがあっていない感じがするんですが、ほんとに、淡々と都市伝説が書いてある本です。首なしライダーとか、耳からでる白い糸とか、その手の話がまとめてある。資料として使えそうなので、ほくほくして買ったんですが、マジで怖いのもあるう…。 ホテルの部屋の扉の下から、赤いマニキュアの手が入ろうとしてごそごそする話とか…読むんじゃなかった(涙)。 しかし! マルチーズが赤ちゃんを食べる話は、どう考えてもあるはずがないぞ。 あんな小型犬が、どうやったら、わずかの間の時間に、人間の子どもをひとりぶん食べることができるというのでしょう? ふっ。都市伝説の正体見たり。 …でも、マニキュアの赤い手は怖い。うわあ。この冬、上京した時に、ホテルの部屋にきたら、どうしよう〜?
「プリティフェイス」は、ジャンプに連載中の少年マンガであるらしく、わたしは何となく衝動買いしたんですが…。 いい意味で、マンガらしいお話で楽しめました。以下、一応あらすじ。 空手が強い男の子が、交通事故にあって、手違いでなぜかとある美少女と同じ顔に顔を作り替えられてしまう。そして、話の流れで、その美少女の双子の姉と勘違いされ、そのままその子の家で暮らすことに。 ややこしいことに、主人公の空手少年と美少女は、本当は相思相愛で、でも、少年は少女に真実を告げられないまま、女の子として大好きなそのこと暮らさなければならなくて…。 「こんなことあるかい」のつっこみどころ満載で、でも、そこがマンガらしくて、のびのびしてていいんです。で、主人公もヒロインも、ひたすら純真で、正直で、いい子で、かわいらしいんですね。 このまんまののりでつづいていってほしい話です。
「ビッグコミック」は、お友だち夏緑さん原作の「獣医ドリトル」が掲載されていたので、購入しました。まだドリトルしか読んでませんが、あいかわらず、構成力のおそろしく達者な夏さんです(^^)。尊敬しちゃうなあ。 集団自殺で有名な、レミングを飼うおじいさんのお話です。彼はなぜ、あえて、レミングを飼うのか? おじいさんの表情がさまざまに変化するんですが、そのあたり、画家のちくやまさんの絵がすごいです…。ときどき、怖いです。 えー。ちょっとプロジェクトXなのりもあるので、その辺好きな人にもお勧め。
「嶋田ちあきアイメイクの掟」 嶋田ちあきさんの本を、最近、お友だちの菅野雪虫ちゃんからもらいまして、その本が面白かったので、今日見かけたら買ってしまいました。 未読ですが、何回も見て、おぼえちゃう予定。
夜道で、働く女性っぽい、三十代風の女性とすれ違いました。 そのときに、彼女から香った香り! 柑橘系で、それでいて華やかな、安っぽくない香り…。 知らない香りでした。ホントに追いかけて、「それ、なんの香りですか?」と、ききたかったなあ。でも、ちょっと無理でした。その人、道を急いでたし。 近所の香水やさんで、そのあとさがしたんですが、香りはおぼえているのに、みつけられませんでした。 あの香り、なんだったのかなあ? 香りをおぼえているうちに、その名前を知りたいです。
毎度、主人公と感情が同調しちゃうわたしです。 今書いている話では、何しろ、前半で主人公が、「死にたい」と思うところまでおいつめられなければならないので、いっしょにその感情を味わっているわたしも、相当、同調していたり。
やっと、昨日、その辛い辛いシーンの数々を書き終わって、これから衝撃の展開がややあって、あとは前向きにどんと行こうと主人公が決意して、アクションシーンがあって、2巻へ続く…なのです。 ああ、ここまでが長かった。 この本は、2巻以降は、アクションと謎解きメインの話にしてゆくつもりなので、もうあの前半みたいな描写は書かないですむと…思ってるけど。 小説は無意識が一番いい形を求めて書いていくみたいなところがあるから、どんなふうに発展していくかは未定。
ところで、ロボットの看護婦さんを書いたんですが、名前を「アキコ」にしてしまうあたり、古田足日作品と、平井和正作品への愛かもしれません。 これからサイボーグ猫(というか遺伝子いじられた猫)と犬がでてくるんですが、猫はともかく、犬の名前が決まらない。なんにしようかな? アルジャーノン、とでもしておきましょうか…。 サイボーグ009にでてきたファイアスターターみたいな犬の名前はなんていったかなあ? 平井和正の初期長編にでてきた(「アンドロイドお雪」?)、猫と犬は、ダイモスとフォボスだったっけ。
なんか、今は原稿前半部の暗さと重さに引きずられて、鬱気味です。 胃が痛いし。 早く回復したい〜。
そんなわたしが、ここ数日使っているのは、ブルガリ・プールオムです。 これは男性用の香水なのですが、働く女性にも好評だという、軽くて和む香り。 ネットや本ではよく、「ダージリンティーの香り」と書いてあるけれど、わたしには、柑橘と樹の香りに思えるけどなあ…。成分はなんなんだろう? とにかく、すっきりとしたプライドが高い感じの香りです。わたしはこれを、ミニボトルで買ったんですが、いつか大きなボトルで買って手元に置いてもいいな、と思う程度に気に入りました。
今年の夏は、街で、ウルトラマリンをつけている男性とよくすれ違ったけれど、ブルガリ・プールオムをつけている人には出会わなかったなあ。 そういう人がいたら、ふりかえっちゃうけど、わたしは。
「いいことがありますように」と、お祈りしていたある人に、今日、いいことがあって、ほっとしました。肩の荷が下りて、ほろっと涙でちゃった。 ま、でもこれは、わたしの祈りというより、その家の招き猫パワー、あるいは、その人ご本人やご家族が、善人だから、神さまが見守ってくれていたのでしょう。 よかったです…。
某社で、担当さんが変わることになりました。 新しい担当編集者になってくださった方から、今日お手紙が来ました。 わたしの本を好きでいてくださること、今度その出版社からだしていただくわたしの本の原稿をとても好きでいてくださるということが、若い、ひたむきな字と文章で書いてありました。 ありがたくて、またまた涙しました。
彼の前に、わたしの担当をしてくださっていた人から、昔、初めてもらった手紙のことを思い出しました。あの手紙と、似ていました。 きっと、新しい編集者さんT氏とも、いい本が作れると思います。
こういう一日も、あります。 嬉しい涙なら、何回流してもいいなあ。 うん。
ていうか、昨日から、ひどく眠いです。眠りの呪文を、誰か唱えましたか?
以前なにかの本で読んだんですが(ちょっとオカルト系?)、やたら眠い時は人生の転機だとか。魂が充電を必要としているということなので、体を休めるために、眠いだけ寝ちゃった方がいいんだとか。 しかしそれをやると、わたしの場合、仕事が(涙)。人に迷惑が(涙)。
人生の転機。なんだろうなあ、一体?
転機はともかくとして、今日の所は、寝てしまおうかなと思っています。 目の下が、クマで真っ黒だし。 でもあと少し…もう少し、調べものでもしてから…。
今夜の香りは、バーバリーのベビー・タッチ。 これやっぱり、安らぎますね…。
何日か前の真夜中、急に雷様がやってきました。 いやあすごかった。空の真上であそこまで荒れ狂う雷は、久しぶり…。 たとえるなら青竹をばきっと手で砕くような、そんな怪音が空で鳴るわけですよ。東の空で、いなびかりがぴかぴかするし。
その日は結局、夜の部の仕事はやめにして、早々に寝ることにしたのですが(PCに雷落ちたらこまるもの)、猫1号レニが、ふみゃふみゃ鳴きながら、足下にまとわりつくんですね。耳ふせておびえちゃって。 一方、猫二号りやは、台所のいすに寝そべって、窓越しの稲光を、のんびりみつめています。 わたしはレニをだっこして、台所のいすに座って、猫たちといっしょに稲光の夜空を見ました。そこでちょっと面白かったのは、猫たちが二ひきとも、稲光の方を向いて、一生懸命に匂いをかいでいるということ。 目で見て、匂いをかいで。どんなときも、どんなものでも、猫はそれを確認せずにはいられないんだろうなあ、と思いました。
ここ数日、ポプラの新作を描いていますが、序盤がこれは暗い話でして、主人公が抑圧されて、抑圧されて、でもがんばって、みたいな描写がつづくので、書いていて気がめいっちゃってもう…。どうしたって、主人公には感情移入しちゃうので。 今日はたえかねて、担当N嬢にメールで愚痴ったら、「感情移入しちゃうくらい切ない話じゃないとだめですよ〜。もう期待しちゃいます」という返事あり。 あうあうあう(涙)。 あとしばらくの間は、臨くんは真っ暗だから、早いとこ明るい場面を書きたいです。逃避したい気持ちがいっぱいで、それで今、筆が速くなってたり。 …どっちにしろ、今の暗い展開がいい方に働いてるってことなのか(^^;)
今日は、とも子さんちから、かわいいナナちゃんのお写真届きました。 わ〜い。思わず心がなごむ、愛らしさです。 なんか美味しそうな色で、ジャム猫さんみたいです。
2002年10月02日(水) |
読書日記〜センドー・ウォー |
大林憲司先生の「センドー・ウォー」(MF文庫のライトノベルスです)を拝読しました。 さわやかでかろやかな、お話でありました。健全な伝奇ものです。
昔々、仙人になりたい若者がいまして(杜子春みたいな感じかな?)、師の仙人(単純にいってしまえば、悪い人)に指令を受けて、平安時代の日本のとある場所に、とある呪詛をしかけにくるわけです。ところが、その土地で、珠姫さんという女の子を好きになってしまいまして、愛ゆえに仙人への道を捨て、人として生きことにしたのですね。 珠姫さんの故郷であり、新しい自分の住む場所となった地を守りながら。
それから長い年月が過ぎて−−。 珠姫さんと仙人志願の若者の間に生まれた子供の子孫である高校生、円堂剛士と円堂珠恵は、父祖の地である穏やかな方条市で幸せに暮らしています。が、その平凡な日常が、ある日をきっかけに、突如として壊されてゆきます。 いとこ同士のほのかな初恋は実るのか? そうして、剛士は魔の手にさらわれた珠恵のたましいを取り返すことができるのか? というお話です。街そのものを消し去ってしまおうという陰謀に巻き込まれてゆく主人公たち。襲い来る危機の中で、剛士の中に未知の力が目覚めてくるのですが、それを格闘好きの現代高校生なりに考えて使いこなそうとがんばるあたりが、なんかいいです。
ナイスバディの女の子の仙人さん(わけあり)とか、ちょっと危ない電気人間のハンサムな仙人さん(でも悪役なんだなあ)とか、ナバホ族のインディアンの魔法を使う巨体の強い正義の軍人さんとかでてきます。あと、紙細工の式神(といっていいのかな)の動物たちが、一応敵方のものなんですけど、妙にかわいくていいです。もちろん、味方の式鬼さんたち(珠恵ちゃんが操る…ていうか、お友だち?)もかわいいというか、ほのぼのです。 (いつも思うんですが、大林作品の脇役や小道具扱いの動物キャラたちは、どのキャラクターも、ほんとに不思議にかわいいのはなぜなんでしょうねえ?)。 かわいいといえば、主人公と親友の少年のじゃれあいも、なんだかほのぼの笑えちゃって、一言でいうと、いっそかわいい、という感じでした。
大林憲司先生の小説は、概してわたしの好みなのでありまして、それはなぜかというと、まず扱っている設定の題材が好みというのもあるんですが(ああ、民俗学〜歴史〜オカルト〜魔術〜♪)、主人公の性格がとにかく清らかなほどさわやかだということが一番、ぐっとくるのです。 なんだか今回も、一生懸命大好きないとこの珠恵ちゃんのためにがんばって、ときに気持ちが揺らぎながらも、でもがんばって、逃げないでがんばって、という主人公がいいんですよね。で、けっこうせっぱつまっているはずなのに、いつでも自分を冷静にふり返る余裕があったりして。自分で自分につっこみ入れたりして。一言でいうと、剛士くんは、「いい奴」なんですよね。 (考えてみれば、大林作品の主人公たちは、いつも「ヒーローらしく」ないかもしれないなあと、今ふと思いました。世界や好きな人を守るために、体を張って闘うけど、心の中では自分に自信がなかったり、自分の弱さを憎んでいたり、そんな自分を否定していたり…。でも、それでも足を踏み出す強さがあるんですね。ていうか、大林作品におけるヒーローというのは、「己の弱さを知っていて、なおかつ足を踏み出す少年少女」なのかもしれません)。
もっともこの作品、好きではあっても、読んでいてつっこみをいれたくなる場所はあることはあった(ヒロイン珠恵ちゃんをもう少し書き込んでほしかったとか〜。主人公二人の数年ぶりの再会のシーンはやはり書くべきだったんじゃないかとか、脇役のとあるかわいいお姉さんが香水を付けてるんですが、彼女の洋服の好みからして柑橘系の香水は付けないんじゃないか、とか。たぶん彼女ならベビードールとか、サムライウーマンとかつけてそうだ…。本来どっちも職場向けの香水じゃないけど(^^;))んですが、でもやっぱり、この主人公のさわやかさの前では、少々のあらはどうでもよくなってしまうわたしなのでした…。
主人公が自分の守るべき街の夜景を見たとき、「100ドルの夜景」という言葉が脳裏をよぎるんですね。「100万ドルの夜景」というほどゴージャスじゃない、でもささやかに美しい街の夜景を、その街の人たちが表現した言葉だ、ということで。ありふれているけど、ささやかなんだけど、普通なんだけど、みんながそこに生きて暮らしている街。その中でいとこが作ってくれるお弁当を、幸せな気持ちで食べている主人公。そのささやかな日常を守ろうと努力する主人公−−こういう世界観って、いいなって思うんですよ。うん。
作家は自分の心の中から離れた作品は書けないものなので。 作品は常に、作家の心の源泉に根を生やして花咲くものなので。 きっと、大林先生自身が、こんなふうに世界や街を見ているのでしょうね。
徐福伝説や、レイライン、仙人、道教、魔法合戦、あたりが好きな人には、そっとさしだしてお薦めしたい本です。ああそれから、わたしはナバホ族と第二次世界大戦の話を以前なにかで読んだことがあったので、そのくだりがでてきたとき、おお、と思いました。同業者として、尊敬しちゃいますね。戦争とかそういう、過去の負の遺産から生じたエピソードを娯楽作品の中で使うということは、わたしはよいことだと思っているので…。
今日の香りは、ブルガリのプールファム。ジャスミンティーの香り、ということになっているけれど、今日はなんだか柑橘系に感じるなあ…。大人の女性の香りです。
ポプラ社の新作なかなか快調にかけてます。 が、思ったよりも、枚数いっちゃうかも…。ちょっとそこだけ不安かな? 主人公と従兄弟の男の子が、書いているとどんどんいろんなことを勝手に話したり動いたりしてくれるので、なかなかいい感じです。しかし、臨くん14才が、星や花の写真を見るのが趣味だとは、書いてみるまで知らなかった。ピアノ弾けるのも知らなかったよ〜。『黄金流砂』というタイトルが暗示するもう一つの世界も、書くまで気づかなかった。ああ楽しい。
今日は、仲がよいお友だちが、最愛の人と入籍した日です。 それから、他のお友だちは、待ちに待った本の出版が決まったようです。 おめでとう〜。 誰かの幸せな話を聞くと、心がぽっと軽くなります。 もしかして、自分が悲しいものをかかえているときでも、ぼんぼりみたいに明るい灯が灯ります。そのあったかさにすがって、わたしもまたがんばれてしまうのです。 幸せのお裾分けを、喜びのお裾分けを、わたしはいくらでもほしいなあ。 心のポケットにいっぱい詰めて、ずうっととって置いて、保存して、たまに手のひらに受けて、暖かさに浸っていたいから。
関東地方は台風直撃のようですね。 被害が少ないといいんですが…。
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