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2004年09月28日(火)     ホストの怒り



「今からみぃの店行く」





そう言ったきり、裕から連絡は来ない。

待てど暮らせど、裕は現れない。




そしてとうとう閉店を告げるラストソングが流れ出した。



全てのお客さんが帰るのを待って、私は携帯に飛びついた。

留守電は一件。



ピー




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普段の甘ったれた声とは打って変わってキレた時のドスの利いた声。

裕が何を聞いたのかは分かった。



店長指名で店に行った事。

店長がイロコイを使ったにも関わらず指名した事。



私は慌てて裕に電話を掛けて会う事にした。






裕の店の前で待っていると裕が現れた。





・・・殴られた跡の残る裕が現れた。



2004年09月04日(土)     指名週間の悲劇


私が勤めていたキャバクラにはいろいろイベントがあった。


「パジャマデー」


「浴衣デー」


「ワイシャツデー」



と、決められた服装のイベント。


この程度ならいいんだけど


「同伴週間」


「指名週間」


そんなのまである。


このイベントが始まると胃が痛くなる思い。


それでも、裕が手伝ってくれたりして


とりあえずは、ノルマクリアができていた。






そして、その週は「指名週間」だった。


1週間で指名○本


そんなノルマが立てられた週。





裕の助けが無い為、ノルマまであと少しの指名が足りない。

大体、「指名週間だからお願い、来て!」

そんな営業電話をかけてお客さんが来るワケが無い事に

私は気付いてなかった。



あと少し、あと少しなのに・・・。



そんな思いの中、裕から突然朗報が飛び込んだ。





「今からみぃのお店行くわー。」





一瞬ハテナが飛び交った。


東京へ逃げている裕がどうやって?


でも、裕は

「みぃの顔が見たくなったから行く」

そんな風に言っていて。





裕が名古屋に出てくれば危険なのは承知だった。

もし、誰かに見つかって捕まったら。

大変な目に合うのは目に見えていた。




イヤな予感がする。




でも、私は指名が欲しくて



「気をつけてくるんだよ。」



そう言って電話を切った。








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携帯の留守電には



裕からのブチ切れメッセージが届いていた。







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