時のしらべ 静寂の月

穏やかに優しく時を過ごしていきたい。
心に淀む澱(おり)を解き放ち、自己を見つめ直し、闇に沈むことなく生きられますように。

2017年01月19日(木) 寛容と忍耐

江戸期の殿様は家臣にかしずかれ、したい放題に暮らしていたかと、普通は思う。<いや、なるものではありませんよ>。広島藩の最後の藩主、浅野長勲(ながこと)氏はある対談で語っている◆飯にネズミの糞(ふん)が交じっていても、素知らぬ顔で食べたという。<誰かが腹を切らなければならんようになるので>。何によらず、人の上に立つ者には寛容と忍耐が求められるのだろう◆そのどちらも持ち合わせないところが嫌われたのかも知れない。(後略)

今日の讀賣新聞朝刊「編集手帳」より

某大手アイドル事務所の女経営者の話かと思った。
もちろん、そんなわけはなく、アメリカ大統領に就任したトランプ氏のことだったのだけれど。
しかし、「人の上に立つ者には寛容と忍耐が必要」とは、かのご高齢の婦人にも全くもって当てはまる。

昨年の一連の騒動は、
「人の上に立つ器ではない者が上に立っていたがゆえの悲劇」
この一言に尽きると思う。



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