西方見聞録...マルコ

 

 

デンデラ-人は生きてる限りギラギラしている- - 2011年06月30日(木)

 ううむう
 すごいもの見ちゃいました。デンデラ

 姥捨て山のその後、50人の老婆達がはじける老婆青春アクション。

 「生きる」とはなにか。

 ちょっと原作読んで、物語の背景を探ってみたくなりました。(皆さん苗字もってたってことは明治よりこっちの時代ってことだよね?)

 で、本作には50人の老婆が出てきますがわたしは山口美也子が演じた保科キュウさんがかっこよかったです。キュウさん目指して、素敵な老婆になるべく、日々を精進したいと思います。

 朝丘ルリ子が超キュート。マドンナとしてはそろそろ厳しくても老婆としては美しすぎます。婆としてのブレイクの予感。婆ブレイク、わたしも次はソレを目指すか!


ちなみに全編血しぶき満載なのでスプラッタ嫌いな人にはお勧めしません。


以下ネタばれあり 注意!

こっから先は見た人だけでお願いします














【以下ネタばれ】















あの熊はナンなのか、って議論が分かれると思うんですけど
抑圧され、搾取されて、捨てられた老婆の怒りの象徴なのかな〜と考えています。


姥捨てをされ、婆天国のデンデラで下界の抑圧のくびきをとかれ、
その抑圧の実像を理解したがゆえの怒りを生きる原動力に老婆は燃えるわけです。

あくまで村に祟りたいメイ
すでに村にいたときから抑圧の構造がわかっていた被差別者マサリは怒りを抱きしめて非戦を唱える。
そして主人公カユは怒りをある方法で解き放つんですが
怒りは老婆の生きる原動力でもあり、身を食う魔物でもある。

やっぱ原作読んでもうちょっと考察深めてみたいと思いました。

しかし映画館、ばあさんでいっぱい。みんなそんなにメラメラしたいか!



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かつえ(餓え) - 2011年06月22日(水)

 忘れたころに送られてくる帰国協力隊員通信「瓦版」というのがある。
昔は求人情報が充実していてかなり楽しみに読んでいたのだが、途中住所変更などで購読が途切れた時期もあったりした。最近また復活したんだが、昔より情報量がまあ<しけ>ている。

 しかし前号の瓦版はちょっと面白かった。事業仕分けでばっこんばっこん、予算が削られてピンチなので協力隊OB/OGの声を結集したい、ひいては現職議員のOB/OG名簿を作りたい、ためしに把握している人だけ載せてみると10数人の現職議員OB/OG名簿があったのだが、意外な知人の意外な行く末が読めたりして楽しかった。

 そんな記事の中で活躍中の協力隊OB/OGを取り上げる欄で「湊かなえ」が取り上げられ、推薦図書として協力隊が登場する「往復書簡」が挙げられていた。

 ほえ〜あの方はOGさんなのですね。とおどろいてツイッターでつぶやくと読書家のツイ友さんが8年度2次隊トンガ隊員だったという彼女の過去を明かしてくれた。

 トンガは協力隊派遣国の中でものどかで、隊員が派遣中に体重を増加させると有名な楽園だ。「告白」の湿度の高い情念満載、七転八倒な作風とスコーンと青い空のトンガはいかにも似合わない感じがした。

 その上彼女が本屋大賞の副賞10万円分の図書券を協力隊に寄贈したと聞いて「はて?外務省派遣の協力隊に10万円ばかしの図書券をなぜおくる?」と疑問に思ったところ派遣中隊員の日本語読書への餓えを癒す意図で図書券は本に姿を変えて南の島々の協力隊詰所(ドミトリー)に送られたのであるという。(くわしくはこちら

 協力隊員は普段、地方に分散して基本一人で生きている。何かの行事で首都に上京した時のために詰所(ドミトリー)が用意されているのであるが、そこにある先輩隊員たちが置いて行った古本というのは日本語メディアに飢えた当時の私たちにとって砂漠のオアシスであった。

 私も隊員時代、アーヴィングやジェフリーアーチャー、グリムウッドの「リプレイ」、カスタネダの呪術師シリーズとかむさぼるように読んだことを痛むような記憶とともに思い出した。

 スコーンと明るい前向きな人で満載の協力隊員の中で情念抱えた湊かなえがにこにこ笑って暮らしていたかと思うと、湊かなえを読むのがまた楽しみになってきた。とりあえず「往復書簡」読んでみます。



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少年の成長 - 2011年06月18日(土)

1号さんの2年下、おKさんの3年上のI君はやんちゃさんで有名だ。やんちゃ男子には悪いことをしておこられて「なんで?」という顔をする子もいるがI君は怒られると「してやったり」って感じの顔になるちょっと根性のある悪がきだ。

保育園も学童もうちの子とは結構学年が離れているのに頻繁にその名が家庭で語られるくらい、まあ地域の伝説的なやんちゃさんだった。

学童の親子行事(毎年違うのだが、カレーを作りながら工作教室、牛乳パックブーメランとか作ったりしてた)に参加すると、数少ない男性参加者のあめでおさんは、なんだか自然に活動量の多いI君の相手をして、2人で牛乳パックで作ったブーメランを学童の屋根の上に投げ上げちゃったりしていた。

さてそんなI君も学童を卒室して今年は6年生。しばらく話を聞いていなかったのだが、あめでおさんが意外なところで再会した。

この日あめでおさんは町のドッチボール大会に某組織から大会運営要員として派遣されていた。そんで「新春シャンソンショー」とか、素敵な名前のドッチボールチームのコール役で走り回っていたら、ひときわ強いチームのキャプテンとしてI君が君臨していた。

少年・少女達のドッチボールは中心選手がかなり大きな役割を担う。中心選手のワンマンチームになってしまうとその選手の出来に勝負の行方が左右されることが多い。そんな中、I君はパスを通してチームメイトを巧みに動かし、チームを機能的に戦わせ、それでもどうしてもきめねばならない場面では自らが必殺の剛速球で敵を倒すという、天晴れなキャプテンぶりでチームを優勝に導いたという。

試合後「を、あんたはIくんでないの?」とあめでおさんが声をかけると「1号の父ちゃんか、1号は中2か?元気か?」とにやりと笑った。やんちゃさんはいつの間にか頼れるキャプテンに変身を遂げていたようだ。


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行きがかりでシュタイナー - 2011年06月11日(土)

 さて、今年のマルコはちょっと暇である。そんで野生化がはなはだしかったおKさんに、「なんかおけいこ事でもさせてみるべえ」と思いました。前からいろいろやりたがりのおKさんからはいろいろリクエストいただいていたんですが「いそがしいからまたあとで」と先延ばしにしてたんですな。
 
 以前うまくいかなかったお絵かき教室で再挑戦です。どっかにないかな〜と探していると、ちょっと遠いですけど、奈良市にあるとききました。そのお絵かき教室に通う3年生でクラスが一緒になったAちゃんの熱烈勧誘でこの度見学に行ってきました。


 で、、、子供同士の熱烈勧誘で、しかも1月2回だけだし、お値段も格安ということで行ってみたんですが、、シュタイナー教育のお絵かき教室ということでした。

 、、みゅ、ミュンヘンの小学生じゃなくて斑鳩の小学生なんですがうちの子は。しかもそこはシュタイナーの学びの場を作るためにお母さんたちが作った自主グループということで、こどもを習いごとに放り込んで、親は自由時間を得ようなんて不届きなことではどうもいかんらしいです。

 しゅたいなーきょういくってなにそれおいしいの?なレベルなわたくしは体験に出かける前日にウィキにお伺いを立てたところ、いきなり出てくるアストラル体とエーテル体ってワードが出てきて「はう、やられた」って腰が砕けます。

 でも、本人も誘ってくれたお友達も大変楽しそうに絵をかいていたので、ここは白い羊の群れに紛れ込んだ真っ黒い羊であるところの自分をうまく「私は白い」と自己催眠をかけて今年はシュタイナーしたいと思います。まっ黒い羊マルコが白い皮かむって、報告するシュタイナー教育、ご期待あれ〜

 


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雑感6月7日現在 - 2011年06月07日(火)

 5月31日に雑感として一度投稿したのですが、ちょっと書き直再投稿しています。すみません。この問題、感想が激しく揺れ動いています。

 あめでおさんと家で放射能の話をしていて、聞いた話。

 地形学の研究者さんたちは水爆実験で拡散したトリチウムをトレースして水循環の実態を明らかにしたり、チェルノブイリで世界中に飛散したセシウム(地表から2センチの土壌に吸着)の濃度変遷から土壌浸食の進行を明らかにする、とか、放射能を目印(トレイサーというそうです)に土壌や水循環のシステムを描くという作業をしてたそうです。

 今回の福島の事故もセシウム屋さん(セシウムをトレイサーに土壌浸食の研究をする人たち)たちは国内の土壌放射能測定に一役買うようです。がんばれセシウム屋さん。(これが日本でもカナダでも、世界中にいるらしい>セシウム屋さん。さすがチェルノブイリ、爆発力が大きかったからね、世界にあまねくふりまいたのね>セシウム。今回の福島はこのセシウム地図をどれだけ上書きしたのか、セシウム屋さんの報告が待たれます。)

 あと自然放射能量の関西・関東の差の話になって、もともと関西〜中国地方は地質の影響でこんなかんじに自然放射線量が多いんだって。今線量計を持ってる人が多いので、東から移動して、関西に来ると線量が上がってびっくりするらしいけど、もともと線量の多い土地柄なのです。すみません。何で謝る>私。(孫さんが世界6月号に書いている「関西に移動したら、線量が上がった」という現象はこれではないでしょうか。)

 で、情報は精査した上で、やっぱり3月以来の放射線量の変動にはセシウム屋さんだけでなく、多くの人が敏感であるべきなように思います。いとなんちゃんがネットで紹介してくれた英国気象庁の放射能予測図とか見ちゃうと、雨の降る日はやっぱり緊張するし、消費者として生産地といかに関わるか、風評被害と実害を峻別するにはどうしたらいいかとか考えます(最近ミクシのつぶやき欄でこんなやりとりをさせていただきました)。

 で、わたしのように少しのんきな人間でも「福島の浜通りから中通りにかけての地域に暮らす人々」への支援に関してはすごく、迅速かつ、長期にわたって必要だと感じています。(それ以外への支援、対策ももちろん大事ですが)今後どれくらいの確率的影響が出るのかちょっとわからないのがいろんな議論が巻き起こる土壌になっているのでしょうね。

 まず線量の測定によるホットスポットの確定とそこからの退避が大事ですが(ってNHKのETV特集のネットワークで作る〜を観て学びました。)、ホットスポット外部でも線量がかなり高い地域の子ども達は夏休みのサマーキャンプ奨励とか(具体的にはこれとかこれとか)、2学期以降も寮を備えたの学校に一定の福島枠を設定し、福島の子どもの退避の検討とか、必要なように思います。(あ〜でもわたしが、福島のお母さんだったら、やっぱりすごく悩むと思います。生活や雇用の関係で親は動けないから子どもだけ退避と思っても、うちの子とか超人見知りだからな〜、お姉ちゃんのほうは学校の友達が移動するなら一緒に行けそうだけど。)

 福島の朝鮮学校の新潟朝鮮学校への避難とかすごく示唆的な事例だなと感じています(我が家の場合中学生1号さんのほうはこの手法だったら退避できそう。小学生おKさんのほうは夏休み期間だけなら何とかなるけど、私がついていかないとやっぱり長期はきついだろうな。)

 ところでこの福島大学のサイトすごいですね。健康と被爆に関する情報のリンク集が、楽観、標準、慎重の3段階に設定されているのが、事態の難しさを物語りますが、周知情報01に退避を考えた場合の支援先一覧情報がきていて、この情報を一番に持ってくるセンスに私も共感しました。(でも私が福島大学の教員だったらと仮定して、ポストなげうって退避できるかと自問すると、出来ない、ような気がするのですが。できるかな?)

 また個人的にはこの東京外大のサイトの活動も少し追いかけています。

 いろいろな考え方、イデオロギーから見える世界の違いにくらくらしながら、情報を集め、集めるほどに立ちすくみ、どうしていいかわからなくなる2011年の夏の初めの私でした。とりあえず、東京外大のプロジェクトへの寄付はしようかな。 

 


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町内散歩の会 - 2011年06月06日(月)

 昔住んでたマンションメンバーと定期的に会っている。

 そんで、今回は町内サイクリングをテーマに集った。町内サイクリングコースで法輪寺 天満池 法隆寺裏手と廻って、法隆寺裏のポケットパークでお弁当を食べて最後に斑鳩町になぜかあるフェアトレードショップきららに行った。

 あ〜なんか遠い青春が私を呼んでる〜と思ったが、あんまり、<もと>その筋の人間であることを全開にせずにショップオーナーのお話を聞く。いやいや自分の生活圏で(しかも斑鳩で)この筋の商いをするのは大変なのではないかと思ったが(私なんかはじけるのはいつも県境を越えた先でやっている)オーナーさんはしっかりと地に足をつけて途上国を語っておられたよ。立派でござった。フェアトレードコーヒーを買いました。近所の地産地消ショップめぐみの郷で売ってるコーヒーより安価でした。めぐみの郷もおすすめよ。


 それからそこのお店と隣接している花風林で250円のシフォンケーキをいただきました。

 善き1日。


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ミツバチの羽音 - 2011年06月01日(水)

 映画が1000円になる水曜日なので、ナナゲイミツバチの羽音と地球の回転を見に行きました。水曜日だからかな?あるいは今、旬のテーマだからか、すごい人でした。こんなに朝の回にたくさん人が入ってるナナゲイはじめて見ました(ちょっと前に行った「バックドロップクルディスタン」や「愛しきソナ」なんてあなた、、)。

 祝島の四季の恵みと人々の営み、そして祝島の鼻先に建てられようとしている上関原発。それからスウェーデンで取り組まれている自然エネルギーの実用化の二つのパートからなっていました。

 祝島はもうひとつの映画「祝の島(ほふりのしま)」でも有名な島民主体の原発反対拠点ですな。

 とにかく311をはさんだ前の世界から後の世界に語りかけられる一つ一つの言葉が前と後とでどれだけ意味が違ってしまったか愕然とします。

 <前>は反原発を叫ぶたかしくんの声にどれだけ少数派の声だったのか。海上で工事阻止行動をする祝島の漁民を説得する中電の現場監督の声(「原発が出来れば雇用が出来て島は豊かになる。第1次産業では生きていけない。」など)が日本全土を覆っていたのだ、ということ、そして私もまたその多数者の声を容認していたのだという事実に胸を刺されます。

 ここまでではないけど、この発言は変わらなくてもこの発言を捉える世界が変わってしまったことに気づかされるというか。世界は変わったけど人は変われるのかとか。

 ところで監督の鎌仲さんは日本の地域通貨ブームを巻き起こした「エンデの遺言」を作った映像作家さんだったのですね。パラダイムシフトを<前>の世界で仕掛けている人であることに<後>の世界から気づくという感じがしました。


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