指輪の映画の監督、ピーター・ジャクソン(PJ)の作品。 1954年にオーストラリアで実際にあった事件を題材として作られた映画。 孤独な少女ポーリンと転校してきた少女ジュリエットは、 ふたりだけの想像の王国を作り上げるが、度を越した友情を危惧する親たちに 引き離されそうになって、そして事件が起きる。 実際の事件はどうか知らないが、この映画の中の母親は、特に落ち度があるわけではなく どこにでもいる普通の母親として描かれている。愛情深いといっても良いくらい。 それをどうやってラストシーンに持っていくかが監督の腕のみせどころだろう。 かなりうまい、と思った。それでもラストの重さを支えきれるほどではない。 そのへんは監督もわかっているのか、唐突な終わり方で後味悪く仕上げてある。 指輪を見て、PJは女嫌いじゃないの?などと思っていたが そうでもないかもしれない。女性に対するファンタジーを全然持っていないのだろう、多分。 (それって女嫌いってことかしらん)それでも、少女を等身大に描くことは、嫌いではできないだろう。 ただ、母親に対する嫌悪感は、こういうことじゃないだろうと思う。そのへんはわかってないよなあ。 フラットな画面。チープな粘土の王国。淡々と盛り上げていく丁寧な仕事。 PJはバッドテイストな人かもしれないけれど、かなりうまいと思う。 指輪はまじめに作っているけど、それが終わったら、またとんでもないもの作るのかもね。
ポーリンは14歳の設定だ。あうう、うちの娘と一歳違いとは思えない体格と性格。 どうしたって、私は母親の方に感情移入してしまう。 思春期の娘のわがままを許す親なんていないと思う。ポーリンの母親は正しい。 そしていつか、違う意味で殺されて役目を終えるのだ。
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