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アジアカップ2007:対テレ朝プロパガンダ - 2007年01月17日(水)

アジアカップ2004は、テレ朝のせいでゲンナリしたので、 今回は先手を打ってやる。



 みなさんは、「似非サッカー報道」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
 勿論ないでしょう。僕が今適当に作った言葉なので。


 これは、見かけは報道のようだけれども、実は、報道とはとても言えないものの
 ことで、「相変わらずクソなテレ朝」などとも呼ばれます。


 例えば、皆さんもよくご存知のように、『絶対に負けられない戦いがそこにはある』
 と盛んに言われ、ひところはブームになりそうな勢いでした。ならんかったけど。
 サッカーの大会は全部がW杯で、しかもW杯は全部トーナメントと信じた人が
 多かったからでしょう。

 テレビや雑誌などでも頻繁に取り上げられましたから、それを疑えという方が
 無理な話かもしれません。



 しかし、実は、絶対に負けられない根拠は、ほぼない、といってよいのです。

 あの煽りは、まったくの空騒ぎでした。サッカー専門誌までが、なぜ、その
 空騒ぎに乗ってしまったのか。きちんと検証しておく必要があります。

 でも、それはきっと誰かがやってくれるので、ここでは述べませんが。



 このような、報道のようで報道ではない「煽り」が蔓延しています。

 こういった「煽り」のなかに、アジアのサッカーに関わるものがあります。

 その話をしたいと思います。とにかくテレ朝のバカが今年もまた調子に
 乗りそうなので、とりあえず書きます。



 よく知られている例の一つは、『アウェーの洗礼』という言葉です。しかし、
 この言葉を信頼しうる根拠はないのです。その意味で、これもまた「煽り」です。

 もちろん、どんな外国にもそれなりの風習の違いがありますから、多少は
 選手に影響することはあるでしょう。しかし、それだけなら、普通の旅行者も
 同じです。ピッチの中の対戦相手とは、まったく別の話なのです。


 ところが、この説は、報道関係者に広く受け入れられています。アジア全域で
 日本のチームに対しては必ずピッチに釘がばら撒かれ、酷い練習場をワザと
 押し付けられているように見えます。


 もちろん、芝の環境やスタジアムのコンディションなどは日本ほど良くない
 国々は多いでしょうし、アジアは犬も乱入しますし停電もします。

 ついでにやったらマヌケな鼓笛隊が演奏したり、オッサンがギャルのように
 選手を追いかけたりもします。


 みなさんにとって、「アウェイの洗礼」が一見、ワクワクするように思えた
 ことは分かりますが、サッカーの本質と関係ないないものに飛びついても、
 仕方がありません。



 そもそも、「アウェーの洗礼」で煽りたいというのは、報道ではなく、注目
 されるネタとしてだけなのです。サッカーの報道として考えるのなら、対戦
 相手がどういうチームなのか、どういう戦い方が予想されるのか、他の同グループ
 チームの状況、などをきちんと分析するべきでしょう。

 試合の、そして大会の面白さの根拠をピッチ外に求めようとしてはいけません。



 さて、「煽り」が受け入れられるのは、報道に見えるからです。つまり、煽りを
 信じる人たちは、報道が嫌いなのでも、報道に不審を抱いているのでもない、
 むしろ、報道を信頼しているからこそ、信じるわけです。



 たとえば、アジアカップ04が話題になったのは、

  『日本以外は全部悪く、日本は全部マトモ』
 
 という説明を多くの人が「サッカーの知識」として受け入れたからです。


 しかし、仮に、アジアンサカヲタに、


  『やっぱ公安までスタジアムに出動した中国は、
   日本に対して凄まじい敵対心を持っているんでしょうか』


 とたずねてみても、そのような単純な二分法では答えてくれないはずです。


  『公安が来るのは、国内リーグで普通の光景だよ、別に。

   中国だけじゃなくてベトナムにも公安は普通に居るし、
   観客がコーフンするのも国内リーグでもデフォルトだしなぁ。

   そういえばホーチミン公安はクラブ名が変わってだな、今は・・・』


 と、まあ、ただのヌルいアジア的状況の説明&誰も聞きたくないウンチク
 しか返ってこないでしょう。


 まあ、それはヲタだからしょうがないのですが。





 ところが「煽り」は断言してくれます。


 『日本はフェアと言ったらフェアだし、対戦国は汚いと言ったら汚いのです。

  川崎は貧乏臭いし、横浜Fマリノスは青汁で攻撃するのです。

  また、試合が不利な状況が続くのは、反日感情が渦巻いているからです。

  優勝したのは、すべて日本の清く正しく美しいサッカーのおかげです。

  金に物言わせるオイルマネーサッカーや、国を挙げての反日行動を行う
  奴らに勝ったのです!』



 このように、「煽り」は実に小気味よく、物事に白黒を付けてくれます。
 この思い切りの良さは、本当の報道には決して期待できないものです。

 しかし、パブリックイメージとしての報道は、むしろ、こちらなのかもしれません。
 『報道とは、様々な問題に対して、曖昧さなく白黒はっきりつけるもの』
 報道にはそういうイメージが浸透しているのではないでしょうか。

 そうだとすると、「煽り」は報道よりも報道らしく見えているのかもしれません。





 たしかに、なんでもかんでも勝負を単純な”正義対悪”で割り切れるなら
 簡単でしょう。

 しかし、残念ながら、サッカーを含む全てのスポーツはそれほど単純には
 できていません。サッカーの楽しさはそんな安い勧善懲悪ではないのです。



 二分法を受け入れるのは、サッカーを商品化するだけの「売り文句」を単純に
 「買う」行為に他なりません。それは


  サッカーファンではなく、ただサッカーをきっかけに洗脳されている人


 です。



 「煽り」に限らず、憎しみや危機感をクローズアップする風潮が社会に
 蔓延しつつあるように思います。


 そうではなく私たちは、『自分達の所属する連盟のプレミア大会を楽しむ』、
 それを大事にするべきなのです。


UO.Footballasia管理人 おが



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