きょうの読書
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2005年11月15日(火) 「夜市」恒川光太郎

大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちが様々な品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれれていた。
夜市では望むものが何でも手に入る。小学生の頃に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが、弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。
そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたというのだが――。



本屋さんであらすじを読んで思わず衝動買いをしてしまったもの。まず装丁がとても幻想的。つい手にとってしまいました。そして話もふわふわとしてやはり幻想的。でもしっかりと裕司たちの思いも共感できる。こんなエンディングもありかなと思わされる作品でした。

書き下ろしで「風の古道」という作品も収録されているのですが、私はこちらの方が好き。古道という不思議な空間や登場人物たちにいつのまにか魅了されている自分がいるのでした。お勧めの一冊です。


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