きょうの読書
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2003年02月27日(木) 「悪意」東野圭吾

人気作家・日高邦彦が仕事場で殺された。第一発見者は、妻の理恵と被害者の幼なじみであるの野々口修。犯行現場に赴いた刑事・加賀恭一郎の推理、逮捕された犯人が決して語らない動機とは。人は何故、人を殺すのか。

東野さんの作品をけっこう読んできたけど飽きないですね。一つ一つの作品に個性があって、話の進め方や構成が本によってかなり違う。ただ事件を解決するのが目的の一方通行でパターン化された推理小説じゃなく、読者に読ませ、考えさせることがうまい作家さんだと思います。この作品「悪意」も変わったタイプだな〜思います。今回は目次を見た時点で(話はある2人の手記と記録によって進んでいく)読むのが楽しみになりました。ストーリーも二転三転四転・・とついていくのが大変です。全体的にちょっと重くじわっとしたこじんまりとしたイメージかも。
『彼が恐ろしいと思ったのは、暴力そのものではなく、自分を嫌う者たちが発する負のエネルギーだった。彼は今まで、世の中にこれほどの悪意が存在するとは、想像もしていなかったのだ。』


2003年02月24日(月) 「未明の家-建築探偵桜井京介の事件簿-」篠田真由美

京介を訪ねた古風な美少女の依頼は"閉ざされたパティオ"を持つ別荘の勘定と主である祖父の死の謎を解くことだった。少女の一族を巻き込む不可解な事故死、そして自殺未遂。事件は全て別荘をめぐって起きた。ミステリアスな建築造形に秘められた真実を、京介が追う!

普通なら絶対手に取らないだろうジャンル、建築。それでも読んだのはやはり雑誌「活字倶楽部」の影響が強い。この雑誌にはほんとお世話になってます。
それでも最初は読むのがしんどかった・・でも途中からは一気に読めた。やはりこういう話は個性のあるキャラがいないと駄目だと実感。でもあんまり主人公(だよね・・)の京介目立ってないなぁ(笑)。蒼君の過去とか深春との過去話とかも気になる〜。話的には自分の中では★★くらい・・(汗)


2003年02月18日(火) 「ディアナ・ディア・ディアス」新井素子

神話は語る――二面神ディアナ・ディア・ディアスのふたつの顔。女がディアナ、男がディアス。けして見つめ合えないディアナとディアスの意見が一致するのはただ一度、この世が終わるときのみだ、と。南の国の王位、それは純粋なる《高貴なる血》(ディア)を継ぐものだけが就くことが出来る特別な座であった。兄リュドーサの突然の死によって、王位に就くことになったカトゥサ。それは正しき《運命》(ディア)だったのか・・・。時の流れは悲劇をつむぎ、やがて解きほぐす――SFファンタジーの名作。

新井素子さんの作品は一度は読んでみたいと思ってました。んでたまたま図書館で見かけた一冊がこれ。ファンタジーの基本のようなお話でした。初版が昭和60年らしいですからやっぱり今風のSFファンタジーとはかなり違うと思います。今の本に慣れいてると読んでて何となく次の展開にわくわくしたり、結果在り得ない事が起こって現実離れした展開になったりお馬鹿な様相を呈したりしますが、この本にはそんなエンターテイメント的ないかにも狙った要素はあるにはあるんだけれども(どっちだ・・)それをありのままに受け止め正直に進んでいくのです。要はただ一つのことについて掘り下げた物語とでも言うのか・・余計なものが全くないんです。
あーー説明も難しいっす。とにかく過剰な期待をして読んじゃ駄目ってことかな。


2003年02月09日(日) 「天気晴朗なれど波高し2」須賀しのぶ

仕官になったランゾットの乗る艦船が入港を間近に控えたある日、彼に衝撃の課題が課せられた。次の南洋への航海の際、洗礼の儀式を受ける他に、何か芸をしなければならないというのだ。それを聞いた彼に蘇った幼い頃の恐ろしい記憶―兄・ウェインが、腰に派手な布を巻いて、世にも奇妙な踊りの練習をしていた姿。まさか、あれと同じことを自分がしなければならないというのか!?

ちなみにコバルト文庫です。
流血女神伝シリーズの番外編、海軍士官で小説家志望のランゾッドと同じく士官のコーアを中心としたおもしろ海軍どたばた劇みたいな話。この2巻ではランゾット君、恋の予感!?的な話の展開になってます。それにしてもかなり笑えました。この2人が本編ではあんなことになってるんですね〜(しみじみ)・・。まだ若い2人の初々しい物語になってると思います。まだ続くのかしら・・?


2003年02月06日(木) 「パラレルワールド・ラブストーリー」東野圭吾

総合コンピューターメーカーで仮想現実を研究する敦賀嵩志は、ある日違和感を覚えた。今一緒に暮らしている麻由子は、自分の恋人ではなく、無二の親友智彦の恋人だったという記憶がよぎったのだ。俺には、もう一つの過去があるというのか?嵩志は智彦を訪ねるが、姿はなく、部屋は何者かに荒らされていた。「記憶」に翻弄されながらも、嵩志が辿りついた切ない愛の結末は・・・。

背表紙のあらすじを見ただけでは単に親友の恋人を好きになってしまった男の話なんだけどまぁ、読んでみるとこりゃただごとじゃないな・・な展開になってます。でも登場人物も限られていて話もそんなに大きく転ばないので割と読みやすかったです。要は親友をとるか女をとるかですな。


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