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■ ルーンロード2 狼の絆(下)/デイヴィッド・ファーランド
『ルーンロード2 狼の絆(下)』/デイヴィッド・ファーランド 単行本: 451ページ 出版社: 富士見書房 (2006/05) ASIN: 4829175877
内容(「BOOK」データベースより) 「百人の人間から“嗅覚”の賦与を受けるのと、一匹の犬から受けるのとではどちらがよいでしょうか」。グロヴァーマン公爵はグボーンに仔犬を贈呈し、兵士やグボーン自身に犬から賦与を受けるよう進言した。しかし、それは忌み嫌われる“狼卿”になるということだった。激しい拒否を示すイオーメだが、我が子を守るために仔犬を受け取る。ミリマもまた、闘いのために犬からの賦与を受けることを決断するのだった―。グボーンは“地底の怪物”から人類を守るため、父の敵である大王アーテンとも手を組もうと試みる。その大王アーテンは“碧の塔”の賦与者を皆殺しにし、グボーンは賦与を失ってしまう。そしていま、さらにグボーンを誘い出すかのように軍をカリスに向けていた。さまざまな思惑をもった人々がカリスに集結する。そしてその地では“地底の怪物”たちの恐ろしい計画が進んでいた。グボーンと大王の前にあるのは、和平かそれとも全面戦争か―。
あっという間に読み終えられるだろうと思っていた「ルーンロード」が、やっと終わった。ファンタジーの上下巻で10日もかかるとは!こんなにかかるとは全く思いもよらなかったけれど、それだけ本に集中していないということだろう。
それに、この本はファンタジー特有の大判の単行本なので(ハリポタくらい?)、寝ながら読むのにも重たくて非常に読みにくい。どうしてファンタジーの単行本は大判にするんだろう?ほんとに、なんでですか、出版社さん?
ところで、この『ルーンロード2 狼の絆』はシリーズ2作目だが、不覚にも涙してしまうような部分もあって、予想外の展開だった。1作目はどちらかといえば馬鹿にしていたのに、2作目になったら、まるで作家が変わったみたいに面白くなったのが不思議。
1作目ではひよっこだった主人公のグボーンが、大地の王になった途端に、いかにも王らしくなったのも不思議だが、たぶんこの2作目は、邪悪な大王アーテン(絶世の美男子だが)が出てくるシーンが少なかったのが、面白くなった理由かもしれないなと思う。グボーンの周囲の騎士たちの描写なども多く、そんなことから、2作目はなんとなく「ドラゴンランス」っぽいのだ。
しかし10日もかけて読んだのに、これといった結末には至らず、当然続くわけだよね・・・という物足りなさが残る。最後に大地の王であるグボーンが大王アーテンを殺そうと思えば殺せたのに、わざわざ生かしておくあたり、3作目は大王大暴れか!という感じ。
この話の場合、力と力の戦いというよりも、頭脳戦、心理戦の趣があって、大地の王と大王アーテンのやり取りが、なかなか興味深い。そしてどんな話でも、涙するのは「自己犠牲」という精神だ。日本人は、結構これに弱いかも。ただし、「自己犠牲」の精神は美しいが、「自爆テロ」は無意味だ。
2006年07月28日(金)
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